黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

30年以上破られない夏の甲子園1大会個人最多安打19~松山商業・水口栄二の原風景

夏の甲子園、1大会個人最多安打19を記録したのは誰かご存じだろうか。松山商業水口栄二。元近鉄バファローズ選手だ。

1大会で決勝まで6試合。そのすべてで3安打放ってもまだ1本足りない。19本というのはそれほどすごい数字。水口栄二が記録したのは1986年夏。もう31年も前のことだがそのくらい破るのが難しい記録ということだろう。

 

気になる記録だったがある雑誌のおかげで水口栄二の記録の源泉にたどりついた。日刊スポーツ出版社「思い出甲子園 豪打を刻んだアーチストたち」。古本屋で偶然見つけたのだが、表紙に飾られた「強打者たち」の写真に水口栄二が混じっていたのだ。水口栄二は強打者ではないがまさに大会個人最多安打のおかげでこの雑誌に記事が載っている。迷わず買った。きょうはこれをテキストに進めていく。

 表紙に写っている人…清原和博PL学園)、原辰徳東海大相模)、江上光治(池田)、藤井進(宇部商業)、元木大介(上宮)、松井秀喜(星稜)、水口栄二松山商業)、林裕也駒大苫小牧)、原島正光(日大三

 

この雑誌の記事で知ったが水口栄二を含む松山商業ナインは1986年夏の甲子園、準決勝の浦和学院戦で11人連続安打を記録している。なぜそんなに打てたのだろうか?

 

1.竹バットでのバッティング

書物でしか知らないが竹バットは芯を外して打ってしまうとものすごく手がしびれて痛いらしい。当時の松山商業ではこれが導入されていた。確実にミートする力が養われたというわけだ。また、バント練習では失敗したらグラウンドを1周させられたという。確実性と集中力が鍛えられたことがうかがえる。

 

2.徹底した右打ち

走者を進めるために右打ちを磨いた。技術が発展途上の高校野球においてスコアリングポジションにランナーを進めるのは正攻法の一つ。ワンヒット、ワンエラー、ワイルドピッチなどなど得点できたりランナーを進められる可能性が高まるからだ。松山商業もこのフォア・ザ・チームが徹底されていた。

 

特にこの右打ちが奏功したのが例の浦和学院戦。浦和学院の谷口投手の持ち球にスクリューボールがあり、この餌食になる可能性があった。そこで松山商業の窪田欣也監督は「一塁にファウルを打つつもりで」とアドバイスし、試合前にはゆるいボールを体に引き付けて打つ練習をさせたそうだ。日ごろから右打ちを鍛えてきたのだからその応用。見事に谷口対策が生きて11人連続安打を含む1イニング12安打を記録した。

 

水口栄二はこの強力打線の1番バッターだった。1回戦の清水市商戦では6打数5安打の大爆発。2回戦の土浦日大戦、3回戦の明野戦、準々決勝の沖縄水産戦と3試合連続のマルチヒット。準決勝の浦和学院戦と決勝の天理戦はともに4安打で19安打を記録した。

 

結局29打数19安打、打率6割5分5厘。甲子園あるあるで序盤戦までの打率が高いバッターは山ほどいるが水口栄二は決勝まで戦っての成績だから6割5分超えは尋常ではない。

 

ちなみに決勝の天理戦では徹底的に鍛えたはずのバントや盗塁、守備にほころびが出て2-3で敗れている。ミスして勝てるほど甲子園は甘くない。それでもこの雑誌の取材に水口栄二は「これが野球というものじゃないですか」とさらりと答えている。死ぬほど練習したとしてもミスは出る。野球は不確実性の要素満載のスポーツなのだ。練習また練習でプレーの精度を高めているにすぎないのだ。

 だからなぜ松山商業が11人連続安打ができたり水口栄二が6試合で19安打もできたかというとやはり基本の徹底を怠らなかったから、という結論にたどりつく。30年も破られなかった記録の裏側としては地味なのだろうがそこは王道だっただけなのだ。

 

やっぱり何事も基本が大事である。

 

雑誌の取材があった時点では水口栄二はまだオリックスバファローズの現役選手であった。甲子園があったからその後早稲田大学に進めてプロへの道が開け、プロで長年やれているのは高校時代の練習があったからこそだという。水口栄二は日本プロ野球歴代12位の279犠打を記録している。そのルーツが松山商業時代のバント練習、というところまで見に行くとこの279犠打が一段と味わい深く見える。

 2017年は清宮幸太郎が甲子園に出れば話題をさらうに違いない。だが個人的には水口栄二のようなヒットメーカーの登場を毎年期待したい。果たして夏の甲子園1大会個人最多安打19はいつ、だれが破るのだろうか。

 

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情報を組み合わせてプロ野球をより楽しもう~球宴初打席アーチの小林誠司記事をテキストに

巨人の小林誠司が2017年オールスター第2戦でホームランを打った。それは当日夜、smartnews経由でスポーツ紙記事を見て知っていた。

翌朝、新聞のスポーツ面でも小林誠司のホームラン記事を見た。見出しは「小林初打席アーチ」。そう、間違いはない。しかし消化不良だった。

なぜならチェック済みのスポーツ紙記事では、小林誠司は初打席の初球をホームランにしておりこれは1970年の有藤通世以来34年ぶりで史上4人目と書いてあったのだ。

新聞の見出しは基本的には記事にある文言から作られる。今回の小林誠司のホームラン記事はスポーツ紙に書いてあった有藤通世以来というくだりが入っていなかった。だから34年ぶりという見出しは付けられなかったのだろう。

一般紙はスポーツ紙と同じくらいの情報は求められていないかもしれないから「小林初打席アーチ」でも問題はない。今回言いたいのは、やはり情報は適度にそろっていたらより物事が立体的に楽しめる、ということだ。

そういう意味では、小林誠司球宴ホームラン記事はよきテキストである。他の注目点を見てみよう。

1.シーズンまだ0本なのに打った
球宴のような特別な場面で打てる人ならとっくにシーズンで打ってそう。だからベンチでは高橋由伸監督が「なぜここで打てるんだよ」みたいな反応したり、スタメンを外れて放送に参加していた坂本勇人が「シーズン中に打って」と笑ったりしており、スポーツ紙記事ではちゃんとチェックされていた。

2.打った後、パ・リーグベンチに向かってガッツポーズ
巨人はセ・リーグだからなぜパ・リーグベンチにガッツポーズ?と思わせるところがポイント。実は打席に入る前、パ・リーグ松田宣浩嶋基宏から、バットを短く持ってガッと行け的なアドバイスがあったそうだ。敵に指導するなんて熱血指導で「かっぱえびせん」(やめられない止まらない)と言われた山内一弘か!とツッコミたくなる話。

小林誠司と言えば2017年のWBCで大ブレイクするもシーズンではまた元に戻り打率が低迷している。これを知っているからみんな小林誠司のホームランにおいおいとつっこめるのだ。相手ピッチャーもパ・リーグを代表する投手の1人、金子千尋だったから余計に目立った。
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もはやAIが記事を書き、プロ野球は詳しく丁寧な一球速報が楽しめる時代。だからこそ読み手もいろんな情報をじょうずに集めて好プレー珍プレーをより立体的に楽しみたいものだ。

黒柴スポーツ新聞は速報メディアではない分、そのへんを意識して情報をまとめて発信していく。読者の貴重な時間をいただいているのだから、ちょっとでも楽しんでもらいたい。告知が遅れたが、黒柴スポーツ新聞はブログ「野球好きの読み物」管理人、ととらさん (id:torara18)からのリクエストに応え、相互リンクも始めた(PCサイトの右列に表示中です)。企画の意図は下記サイトをご覧ください。
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こちらの記事でも言及していただきました。
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野球ブログの盛り上がりにほんのちょっとでも加われたらうれしい限り。黒柴スポーツ新聞は最高の暇つぶしメディアを目指していくので、今後ともお付き合いよろしくお願いいたします。

小林誠司が活躍したWBCにまつわる記事はこちら。
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打球を弾いた痛みはどう昇華されるのか~全国高校野球選手権高知大会・高知商ー追手前の熱戦を見て

思い立ったが吉日。高校野球高知大会を見に行ってきた。追手前-高知商業戦。1回戦の好カードなのだ。朝から家の周りの草刈りをして、シャワーを浴びて球場に向かう。充実した休日になりそうな予感。

追手前も高知商も母校じゃないのでバックネット裏に陣取ると、内野席に会社の大好きな先輩の姿が見えた。合流して一緒に観戦。お互い野球バカゆえに楽しい観戦になりそうな予感。

高知商が勝ちそうと思ったので追手前を応援。試合は追手前がヒットやら四球で再三得点圏にランナーを進め、高知商が粘って得点を許さない構図だった。

流れは追手前ペースだったがやはり得点できない回が続くと、ペースは高知商にチェンジ。キャッチャーからの送球がそれて三塁ランナーが生還し先制した。

じゃあそのまま高知商ペースかというとそうではなく、追手前がタイムリーで追い付いた。それどころか押せ押せで一打サヨナラの場面も。しかしあと一本が出なかった。

延長戦でランナーを背負った追手前はエースから二番手に継投した。第三者から見てもたしかに球がばらつき始めていたから代え時に思えた。しかし結果的にこれが裏目に出た。ランナーがたまったところで前進守備を敷くもショートが内野ゴロをはじき高知商に待望の追加点が入った。この1点でも十分に思えたが、なおも外野に抜けそうな打球をセカンドがグラブに当てるのがやっとの場面なんかもあって、継投があった延長11回の表に合計3点入った。その裏、追手前はランナーを出して粘るも追いつけず、敗れた。

もしもショートが内野ゴロを処理できていたら。
もしもセカンドが打球を食い止められていたら。

高校野球でタラレバを言い出したらきりがない。

高校野球 2017年 07 月号 [雑誌]

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というか、彼らが何万球もノックを受けた結果がこのプレーなのだから、第三者がどうこう言うものでもない。勝てば甲子園への道が開け、負ければ仲間たちとのプレーが終わる。それを懸けた場面で力を出し切ることは想像以上に難しいのかもしれない。

ついつい敗者に目が行ってしまう。あの打球を弾いた感触は一生ぬぐえないのではないかと。手に残る捕球時の痛みが薄れることはないのではないかと。いろいろ想像してしまう。ありきたりな言い方だが、その後の人生で彼らがあのプレーにどう折り合いをつけ、どう昇華させていくのかが気になる。

およそ2時間半のゲームであったがいいものを見せてもらった。入場料500円、すごく得した気分だ。筆者が野球を好む理由の一つが、同じ試合が二つとないことだ。あの日あの時刻、あの対戦相手だったからこその試合結果。試合開始時刻をめどに球場に集まって、勝者と敗者に分かれて帰ってゆく。観客は2時間前後彼らのプレーに一喜一憂し、喜びや無念に共感して家路につく。筆者はそういう野球が大好きだ。きょうはあまりに日差しがきつすぎて、この文章を打っている手の甲は真っ赤に日焼けしている。

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福島県のふたば未来学園高校「ノーヒットノーラン、夏初勝利」で考えたこと

原発事故受け皿校」。なんだ、この見出しは? そう思って、購読している新聞の夕刊を見た。原発事故受け皿校ってほかに言い方ないんかな、と思ったがともかく記事を読んでみた。そしてびっくり。原発事故受け皿校とは福島県広野町にある、ふたば未来学園高校のことで、全国高校野球選手権福島県大会で初勝利を挙げた記事だった。

 

 

読み進めてさらにびっくり。「夏1勝」どころか、3年生投手の草野陸世君がノーヒットノーランを達成したのだ。

 

だれがやってもノーヒットノーランはすごい。夏の福島大会では実に34年ぶりの快挙という。だから本来はこれがニュースになるはずだ。だがこの記事は「東京電力福島第1原発事故の影響を受けて休校した五つの学校の受け皿になった学校」、あるいは「原発事故の影響を受けた生徒」の快挙である、というところにニュースバリューが見出されている。

 

それが何とも悔しい。特に野球好きにとっては。

 

もちろん、キャプテンが言うように「避難者の希望になるように」という気持ちは正直なところだろうし、実際、応援にいった関係者はめちゃくちゃうれしかったに違いない。もし筆者が関係者で、スタンドにいたら泣いてしまったかもなと想像してみた。

 

草野君の自宅は楢葉町にある、と記事に書いてあった。小学校の時に被災して、避難先のいわき市内の中学校で野球を再開したというが、野球は心の支えどになったのだろうか。どんな気持ちでふたば未来学園高校への進学を決めて、どんな気持ちで高校野球に打ち込んでいるのか。いろいろ考えさせられる記事だ。

 

地元、福島民友新聞の記事をネットでチェックしてみた。「ふたば未来『休校5校の思い胸に』 夏初勝利!新たな歴史刻む」という見出し。そう、そうだった。この初勝利ふたば未来学園高校のものであると同時に、休校した五つの高校の思いも込められたものだった。

 

このノーヒットノーランは第三者でもぞわぞわぞわっと鳥肌が立った。そして何だか元気をもらった。避難を余儀なくされている地域の実情も知らないで軽々しくは言えないけれど、いずれ「原発事故の影響を受けた学校の」という但し書きがなくともプレーの中身でまた話題になってほしいなあと。いつまでもそういう目線で見ては選手にも失礼かもしれない。選手自身が「被災者の希望に」とコメントするならばいいけれど、何でもかんでもそういうストーリーにするのもどうかなあと(実際、上記の福島民友記事は必要以上に原発事故に絡めているとは思えない)。筆者自身、被災地での取材を始めたころに、美談に救いを求めていた節があったことへの反省を込めて思ったことだ。

 

ふたば未来学園がフツーに強くなって、勝ってももうニュースにならなくなったらもっと福島は元気になっているんじゃないか。そう思いながら彼らの活躍を遠くから楽しみにしていようと思う。

 

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軽量化が否めないオールスターにダルビッシュが苦言~真剣勝負かチャリティーマッチを提案

ダルビッシュはずばっと直球でものを言うなと思った。オールスターについて、アメリカはきちんと価値を作っているが日本はそうではないと言っていた。現状では「憧れにならない」と。

筆者もうすうす思っていた。日本の2017年のオールスター選手名簿を見た時、これがオールスターの顔ぶれかなあ、と。特にピッチャー。軽量級と評価されても仕方なかろう。

 

オールスターって、こういうのだっけ?

 

名だたるピッチャーが猛者たちと対決するんじゃなかったっけ?

 

若いプレーヤーが選ばれていて、それは彼らには経験値を積む意味ではよかろう。だが経験を積んでいくレベルの人であるから、「夢の対決」にはなりえない。若手で唯一楽しみなのが田口麗斗と山岡泰輔の同級生対決。交流戦では未遂に終わったがこういう話題作りならば歓迎したい。

とはいえ、やっぱり「プロ野球」だから、ダルビッシュが言うように年に1度、選ばれし者だけが立てるステージにしていかないと憧れにはならない。

 

そしてほとんどのプロ野球ファンが気付いている。交流戦がオールスターの興味をそいでいることを。交流戦から間もない開催ではありがたみがないし、二番煎じ感も否めない。これこの前見たのと同じじゃない?と。

 

黒柴スポーツ新聞編集局長の少年時代は野球中継と言えば巨人戦ばかりで、特にパ・リーグの選手のユニフォームは珍しくて仕方なかった。それがずらりと並ぶのだからオールスターは本当に楽しみだった。西武ライオンズだけはしょっちゅう日本シリーズで見られたけれど、ロッテとか、南海とか、日本ハムはBクラスが定位置だったから、落合博満とか、門田博光とかを、ここで見ておかないとと目に焼き付けていた。

そういう意味では2試合開催でも3試合開催でもよかった。だが現代は交流戦もあるしBS、CSといった有料放送などを駆使すればいろんなチームの中継が見られるから、オールスターが1試合でもそこそこおなかいっぱいになれる。そういう意味でも1試合でいいのだ。

 

出られる選手をしぼった上で、プロならではの真剣勝負をする。この方が名勝負も生まれそうな気がする。

 

1990年のオールスター第2戦で落合博満野茂英雄からホームランを打ったが、あれは力と力の対決の象徴だった。

いま、そういう千両役者が両リーグにいるだろうか。2017年の顔ぶれで言えば、千賀滉大と鈴木誠也則本昂大と筒香嘉智あたりの組み合わせならぜひ見てみたい。則本昂大に関しては2017年に野茂英雄を超える8試合連続2けた奪三振を記録したのだから、ぜひとも江夏豊ばりに9人連続奪三振を狙ってほしい。

左腕の誇り 江夏豊自伝

左腕の誇り 江夏豊自伝

 

どうせ複数の試合を組むのであれば、1試合は直近1~2年に災害があった地で開催し「復興祈念試合」と銘打って興行するのはどうだろう。被災してすぐは無理だから、立ち直ってから。試合ができるくらいに復興した時点で。その日くらいは野球を楽しんでもらい、収益は地元に還元し、飲食やグッズの売買でお金を回す日にしたらいい。

 

プロならではの真剣勝負。チャリティーマッチ。以上2通りを提案してみたが、あなたはどんなオールスターが見たいだろうか。

 

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Tシャツを作ることがファンサービスなのか~マレーロの踏み忘れ、ロッテの謎の魚があるなら加治前竜一のもほしかった

まじめか!とタカアンドトシばりにつっこまれそうだが、気に食わないTシャツを発見した。オリックスが、ホームベースを踏み忘れてホームランを取り消されたマレーロのTシャツを作って売るという。
 
筆者はオリックスファンではないがもしそうだったら怒るだろうな。7月4日現在でリーグ4位。借金4だ。こんなことをして遊んでいる場合なのか。

ミスには凡ミスとアグレッシブさが招いたミスの2通りある。マレーロはホームベースを踏んだつもりだったから悪気はない。だからこそ球団にはこんなTシャツを作ってほしくはなかった。会社員が事務処理でミスってそれをTシャツにして社内で着てたら怒られるだろうなあ。オリックスクライマックスシリーズも念頭に凡ミスを払しょくする方が先の気がする。

 
小ネタでTシャツを作るのはいつから流行りだしたのか。筆者の記憶では弱かった時の広島がブラウン監督のベース放り投げ事件をネタにTシャツを作ったのが初期だ。これはまだフフと笑えるネタ。抗議のシーンだからそれをネタにすることでしゃれっ気も感じられる。

マレーロのTシャツを作るのであれば彼が本塁打王のタイトルをとったタイミングならしゃれっ気はあった。だが7月4日時点でまだ5本である。最適なのは「あと一本で本塁打王だった」パターンで「本当は本塁打王」というフレーズと踏みそこないの足型であればスパイシーな言い訳というものだ。

 
Tシャツネタがもう一つ。ロッテが「謎の魚」Tシャツを7月15日に再販するという。6月30日に売り出したところ完売したのだった。ロッテは7月4日時点で50敗目を喫し勝率.315でぶっちぎりの最下位。謎の魚の企画自体は面白いがタイミングが悪すぎる。謎の魚は成績不振だからと別の話題づくりをしたのでもあるまい。チームの成績より企画に目が行くというのもさみしい話。

面白いだろうなと球団が企画して面白いと思ったファンが買う。需要と供給がマッチしているからロッテの謎の魚Tシャツは完売した。だから外野がとやかく言うことではないがおせっかいな黒柴スポーツ新聞は言う。本当のファンサービスってグラウンドの中でやるんじゃないの?と。オリックスファンでもロッテファンでもないのだが変わり種Tシャツを買うことがチームの応援になるのかなと疑問にも思う。まあしゃれが楽しみたいから買いたいのであってチームの応援まで意識はしていないかもしれないが。

 
広島のバティスタは初打席初ホームランTシャツを作ってもらっていたが、最近の選手はすぐ記念Tシャツを作ってもらえていいなあと思う。マレーロと謎の魚Tシャツは批判してしまったがこういうプレーにまつわるものならまだいいかなと。最近はネタ的にちょっと安売りしすぎるようにも感じてはいるが。

バティスタが作ってもらえるならあの男にも作ってもらいたかった。企画自体あったのかどうかも分からない。加治前竜一の「初打席初本塁打サヨナラ本塁打」Tシャツである。何せプロ野球史上初なのだ。これをTシャツにしなくてどうすると言いたい。

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加治前竜一は残念ながらプロでは大成しなかったが歴史に名は残した。通算2本のホームランしかないのに最初の本塁打サヨナラホームランというのは味がある。

なお筆者は加治前竜一山内壮馬高濱卓也のトリプルメモラビリアの野球カードを持っている。偶然引き当てたものだ。かつて市場では2万5000円という高値が付いたがもちろん筆者は値段よりも加治前竜一のカードであることに価値を見出している。だから加治前竜一が戦力外になった今でも彼のカードを手放す気がない。

2017年のプロ野球もまもなく前半戦終了。後半戦は小ネタもいいけれど出来ればハッスルプレーでたくさんの記念Tシャツが作られたらいいなあと思う。

見てくれている人はきっといる~悪送球に備えカバーに走った高木守道とそれを見逃さずほめた別当薫監督

デキる人は気配りもできる。きょうは2274安打を打った高木守道が守備も密かに頑張っていた話から展開する。

 高木守道二塁手ベストナイン7回、ダイヤモンドグラブ賞を3回取っている。ここで問題。二塁手はどこを守るのか?

 

どっち寄りかは別にして一塁と二塁の間の延長線上に位置する。このあたりに飛んできた打球を処理したり、二塁に走ってくるランナーにタッチしたり、ほかの野手からの送球を二塁付近で受けてダブルプレーを完成させたりする。

だが高木守道一塁手の後方によく走っていたという。そう、一塁への送球がそれた場合に備えカバーに走っていたのだった。

プロだから、草野球みたいにそう暴投はない。だが人間のやることに完璧はない。送球がそれたら打者走者は二塁に達してしまう。失点の危険性が拡大する。だがもし高木守道がカバー出来たら二塁への進塁は防げるかもしれない。高木守道はその可能性を増やしていた。

カバーが報われることはそうそうあるわけではない。じゃあカバーなんてしなくてもいいじゃんと思うかどうか。そこは考えようだ。まさに保険。掛け捨て保険である。だが世の中はよくできている。確認しなかった時、あるいはちょっと目を離したすきにこそアクシデントは起きる。そしてそれは運が悪いことに致命的だったりする。今回のネタはベースボールマガジン社中日ドラゴンズ70年 昇竜の軌跡」に収録されている高木守道中利夫の対談がベースだが、高木守道自身が言っていた。そういうカバーに行かなかった時に限って悪送球だったりするんだよなあ、と。

それが嫌だったのかどうか、とにかく高木守道は全力でカバーに励んでいた。ここである気持ちが浮かんでくる。「だれかこの頑張りを認めてくれないかな」。中日のフロントはその辺の評価が、高木守道的には足りなかったらしい。

 

うんうん、わかるなあ、その気持ち。高木守道とて別にほめられたいからカバーに走っているわけじゃない。あくまでもフォア・ザ・チームだから。二塁手として当たり前のことをしているだけだ。が、一人くらいこの頑張りを見ていてくれてもいいじゃないか…という気持ちにはなった。

 

そして運が良いことに「見ていてくれる人」がいた。なんと敵チームの大洋・別当薫監督だった。素晴らしいプレーだと言ってくれて連盟の特別賞をもらえることになった。サラリーマン的に言えば、ライバル会社の部長に「あの営業マンはなかなか頑張っとるやないか」と褒められて業界内で表彰されるようなものだ。

高木守道の名誉のために強調するが表彰されたかったわけではない。だれかに気付いてもらえたらうれしい、という話だ。肯定である。めんどくさ、と片付けてはいけない。人の気持ちなんてちょっとしたことで燃え上がるエネルギーになったりするのだから。逆につまらない一言でやる気をなくしたりする危険もあるのだが。

 

密かに頑張っている人は往々にして自分との約束を果たす意味で頑張っている。だがそこに第三者からの評価があればもっと頑張ることができる。あなたには別当薫監督のように「見てくれている人」はいるだろうか。たぶん一人くらいはいる。だから頑張っても意味がない、なんて卑下しなくてもいい。筆者には一人どころか4人心当たりがあり、心の支えになっている。

 

もちろんあなた自身が別当薫監督のように「見てあげている人」になってもいい。同僚や後輩にこつこつ頑張っている人はいないだろうか。いたらありのまま、「なかなかいいね」と評価してあげてほしい。きっとその人は、高木守道みたいに意気に感じてバリバリやってくれるはずだから。

高木守道さんが2020年1月17日に亡くなりました。ご冥福をお祈りします。

阪急・上田利治監督1時間19分の猛抗議の遠因とは~後藤正治「中断」を読んで

阪急で黄金時代を築いた上田利治元監督が亡くなった。80歳。1975年からの日本シリーズ3連覇をリアルタイムで見たかった。山田久志福本豊ら元阪急の人たちはいるけれど、上田利治氏が亡くなって名実ともにブレーブスが消滅したように思える。

オリックス球団最大の失敗はブレーブスの名前を残さなかったことだ。ブルーウエーブになる前の一時期、オリックスブレーブスという時代があった。それでよかったではないか。のちの話にはなるが、ブレーブスでなくなっていたから逆に近鉄バファローズと一緒になりやすかったのであれば皮肉な話。端的に言えば歴史へのリスペクトがない。なのに思い出したように復刻ユニフォームを数試合着たりする。歴史を重んじるというのはそういうことではない。

 

上田利治氏は最後は日本ハムの監督だったが、やはり阪急、オリックスが主戦場だったのでオリックスには何らかのアクションを期待する。

 

上田利治氏と言えばやはり1978年日本シリーズでの1時間19分にわたる猛抗議だろう。抗議時間としては異常に長い。待っているお客さんも、もしかしたら選手たちもいい加減そろそろ…と思っていたことだろう。しかし勝負事だからこのくらい粘るのはアリだと思う。

知将 上田利治

知将 上田利治

 

 

上田利治氏の訃報に接し、後藤正治先生の人物ノンフィクション「孤高の戦い人」を読み返した。岩波現代文庫。125ページから166ページまでが「中断」というタイトルで、上田利治氏がテーマなのだ。上田利治氏や阪急の歴史に触れたい方は必読と言っていい、おすすめの作品である。

 中断というタイトルではあるが上田利治氏に監督のバトンを渡す西本幸雄氏のことから丁寧に阪急の歴史がつづられているのでゴリゴリの野球通でなくとも分かりやすい。もちろん阪急を懐かしみたい方も楽しめるエピソード満載だ。

 

黒柴スポーツ新聞が特ダネとして付け加えたいのが「高知球場ウナギ事件」。西暦は不明だが高知キャンプに訪れた阪急ナインを激励しようと高知県内のウナギ料理店主が場外でかば焼きを作り始めた。するとおいしそうな香りが場内に到達。練習に支障があったようで上田利治監督に「やめて」と言われた伝説がある。この時の抗議は1時間19分でなく1.19秒で済んだと推定する。

 

それにしても抗議の発端となったヤクルト・大杉勝男の打球はホームランだったのか、ファールだったのか。この「中断」ではざっくり言うとファールという証言が多い。中沢伸二捕手、加藤秀司一塁手ブルペンにいた今井雄太郎…。それぞれの証言や置かれていた状況はぜひ「中断」をご覧ください。

 

上田利治氏の猛抗議はなぜ起きたのか。それは場面が3勝3敗で迎えた日本シリーズ第7戦という大勝負であり、上田利治氏の頑固一徹な性格にもよるのだが後藤正治氏はそもそも第7戦までもつれたのは第4戦の上田利治監督のあの采配の結果だと指摘している。そしてその采配の遠因はシーズン途中の体調不良にあったとみている。

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今井雄太郎完全試合も影響している。

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その今井雄太郎にビールを飲ませたのは梶本隆夫

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豊田真由子議員ばりに言えば「物事にはねえ、表と裏があんの」である。いまや個人が情報発信するのは当たり前。プロ野球だって1球速報がある時代。だからこそそのプレーや采配の背景には何があるのかを解く作業が重要だ。上田利治氏の場合は抗議だったがその裏にこんなドラマがからみあっているのかということを学ぶことができた。

 

良質のノンフィクションはまるで短編映画を見ているような気分にさせてくれる。上田利治氏は亡くなってしまったが数々の采配は書物の中で生き続ける。ご冥福をお祈りします。

 

後藤正治先生ほかノンフィクション関連記事はこちら。

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中田翔の奇抜なひげはあり?なし?~個性はいかに発揮するべきか

日本ハム中田翔があごひげを金色にしている。筆者もあれっと思ったが、野村克也もあれはない、と一刀両断していた。

ラグビー日本代表の堀江翔太は髪を編み込みつつ全体的にはあまりまとまりのない、もう言ってしまえばボサっとした髪型をしている。こちらも業界のお偉方からイエローカードが出た模様だ。
田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由 ~最強ジャパン・戦術分析~ (ラグビー魂BOOKS-1)

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どちらもトップ選手でありありがちな表現をすれば子どもたちの良きお手本にならねばならない立場にいる。

一方でプロ選手だから個性を発揮して何が悪いのかという考え方もある。

日本はあからさまな個性には手厳しいから、こういうプレー以外の個性の発揮に対しては、プレーの質の低下と共にバッシングになる。そういうことやってるからだ、と。

仮に中田翔があごひげが金色のままタイトルを取ったらどうなるのか。ありなのか。批判する人は野村克也みたいに最初から指摘したらいいと思う。結果が悪くなった途端に言うのではなく。あとから言うのもまたフェアじゃない。

翔! 頂点目指して

翔! 頂点目指して

就職活動中、恩師が学生たちに言ったことを思い出す。

「茶髪とか、ひげとか、そういうのでしか個性出せない人はそれまで」

最新の就活のファッションは分からないが、当時はみんな似たような紺色のリクルートスーツが定番だった。グレーは少数派だった印象。見た目で差別化を図ることはちょっと難しかった。

恩師はそれ以前に、これから就職活動を本格化させる学生に対して引き締めを図っての発言だった。筆者はそれを素直に聞いた、というよりは「茶髪とかひげとかでしか個性出せない人はそれまで」というのが説得力あるなあと思ったので素直に聞けた。

就職活動中の学生と、億単位の金を稼ぐ稀有なプロ野球選手を同列に論じるのは少々無理もあるが、やはりアスリートにも、見た目でしか個性を発揮できないならそれまで論は適用されると思う。むしろプロ選手だからこそハードルは高い。

もしかしたら中田翔や堀江翔太はそれを承知で、退路を断つ意味でやっているのだろうか。

プロ選手はファッションの個性を出したいなら徹底してやればいい。巨人は金髪もひげもダメでもその選手にポリシーがあれば貫かねば。そこで黒く染め直したりひげも剃るんなら、やっぱりそれまでなんだなあとファンは思う。

リアルタイムでは知らないが大洋から巨人に行ったシピンがそうだったんじゃないかなと。野球カードから推察した。もみあげから鼻の下のひげまでつながりWに見える。大洋ホエールズにいたのだからWでよかったのだが。

小笠原道大ですらひげは剃ったからなあ……それが巨人の伝統というやつなのか。

魂のフルスイング

魂のフルスイング

その他大勢になりやすいサラリーマン的にも、個性をいかに発揮するかは腕の見せ所。見た目で目立つか、仕事で目立つか、その両方か……。あなたは見た目で個性を表すプロ選手、どう評価しますか?

北海道日本ハム新球場は遊び疲れてクタクタに?~イメージ図だけでいろいろつっこんでみた

6月29日、日本ハムが新球場の構想を公表した。あくまでもイメージ図であり未確定要素満載ということは承知の上でいろいろ突っ込もうかと思う。イメージ図を勝手に引っ張っては来られないので読者の皆さんはネット上で予習するかパソコンの画面上にスポーツ紙サイトなどからイメージ図を表示してください。

屋根はない

まず、屋根があるのかどうか。イメージ図では、ない。久しく北海道に行っていないが寒さ対策という点で不安。北海道の方に向かって釈迦に説法とは思うが。ネット上のコメントでも寒さ対策の必要性が指摘されていた。思い出してほしい。2016年の日本シリーズだって広島ですら寒そうに見えなかったか? 雨も降ったし。近年の日本ハムは強いのだから11月まで試合(日本シリーズ)がある前提で球場を作った方がいい。

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ただで見れちゃう?

メイン球場は掘り下げて作るのか、手前のサブグラウンドのレベルが外野席の最上段くらいに見える。フェンスでもない限り「ただ見」が可能ではないか? あの10.19川崎決戦の時の野次馬をほうふつさせる。ただ見のスケールはマツダスタジアムの比ではない。それともこの界隈に入る時点で有料なのだろうか。気になる。外野席のさらに外野にも一角、観客席がかなりの数ある。収容人数は3万から3万5千人という。

人工芝ではなく天然芝

芝はマツダスタジアムをほうふつさせる。共同通信の記事を見たら天然芝だった。これも気候との兼ね合いで芝のコンディションが気になる。

メインストリートには商業施設

メインストリートは商業施設があるように見える。中央には「TEAM STORE」と書いてあるのでチームのグッズ売り場か。ご存知のように京セラドームはイオンが隣にあるので家族連れにはちょうどいい。特にパパの方が野球好きの場合。パパは野球メイン。ママと子どもは買い物もできる。お互い気を遣わずに過ごせる。今回の日本ハムのイメージ図ではそういうショッピングモールがあるのかまではちょっと分からない。ネット上では早速、食品会社のメリットが生きそうみたいなコメントを見かけた。そうだった。親会社は日本ハムなのだ。食の充実は期待したい。 

温泉施設、映画館もある

イメージ図ではどれか分からないが、温泉施設や映画館まである。野球を見てから温泉につかるのか、温泉だけつかりにいくのか、映画を見て野球を見て温泉につかるのか。近年のプロ野球は、というか特に日本ハムは先発、中継ぎ、抑えの分業が確立されており試合は3時間コースが基本。風呂が1時間。映画が2時間としたらフルコースで6時間。家から球場まで片道1時間として往復2時間。家族サービスとしては長丁場だ。日曜日に試合があったら子供たちを連れて行く北海道のパパたちは月曜日、ぐったりして道内経済に影響必至である。

札幌なの?北広島なの?

建設地はまだ決まっていないらしい。札幌市なのか北広島市なのか。札幌市はスペース確保が難しく、北広島市はスペースはあるがアクセスが課題という。北海道日本ハムの本拠地なのに「北広島」というのも悩ましい話。結局、用地確保や建設費、維持費、交通アクセスなどもろもろの課題を検討した結果、場所が決まるのだろう。ちなみに敵チームのファン目線だと野球観戦のついでに食事も含めて観光も楽しみたいからアクセスは非常に重要。まずはホームの方々の利便性だろうがアウェー民のこともほんの少し考えてもらえるとありがたい。

なぜ世界一を目指さない?

以上、まったく取材せずイメージ図だけで想像と妄想を膨らませてみた。もう一つだけ注文をつけると「アジアナンバーワンのボールパーク」というフレーズがなあ…と思った。アツい北海道のファンと一緒ならば「世界一」を目指せるんじゃないの? 本家・アメリカは追い越せないという思考が透けて見える。確かに世界一なんて言ったらアメリカンピーポーに「えっ?」と言われるだろう。でも日本の応援も熱烈で楽しいから世界に誇っていいはず。ファンサービスという意味ではOBの岩本勉あたりがいろいろアイデア出してくれそうなのでいっそ岩本勉を建設委員長にしてファンの声も反映させていいものつくってもらえないかなあというのが外野の勝手な言い分である。そして前の記事でも書いたがファイターズやフライヤーズなどチームの歴史を大事にするスペースも忘れずに作ってほしい。新球場はあくまでも新しい歴史をつくる場所なのだから。

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 あわせてよみたい日本ハム関連記事はこちら。

 

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最多登板を争う岩瀬仁紀と米田哲也はどちらがエラい?~プロは2位じゃだめなんです

レンホーさんが「2位じゃだめなんですか」と言ったことがあるがプロ野球記録において2位というのは忘れられてしまう存在だ。通算最多勝金田正一の400勝だが2位はどのくらい知名度があるか。念のため書いておくと米田哲也の350勝だ。

あの黒田博樹ですら200勝で一区切りという雰囲気だった。そこからさらに150勝。米田哲也は19年連続2けた勝利プロ野球記録も持っている。そもそも19年間第一線で投げ続けるだけでも大変なのに毎年2けた勝っている。今なら米田哲也の年俸は10億円くらいいくのではないか。いや、「10億円であれ!」と言いたくなる。

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なぜいま米田哲也のことをいうかと言えば前人未到と思われてきた米田哲也の通算最多登板949に岩瀬仁紀が届きそうなのだ。2017年6月28日現在で637試合登板。シーズンもまだ中盤なのであと12試合というのは射程圏内だ。

逆に言えばこれを達成するかどうかで岩瀬仁紀の選手生命が変わるかもしれない。最多登板を花道に引退、というのも悪くない話。一方、最多登板にあと一歩でシーズン終了、であれば「もう1年…」という話がでるかもしれない。最近はすぐ記念Tシャツとかグッズが出る(ちょっと安売り感に辟易している)が岩瀬がもし最多登板したらこれはみんなでお祝いせねばならない。球団的にも売り上げが上がるし最多登板の試合は大入り満員になるかもしれない。球団的にも岩瀬仁紀の最多登板は営業課題であろう。いや、営業課題であれ!と言いたい。岩瀬仁紀は中日が誇るレジェンドなのだから。

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世間的にも岩瀬仁紀に新記録を狙ってほしいムードだろう。だが、だからこそ、あえて、米田哲也擁護論を展開してみる。

 

すごさの定義は難しいが、タフさと言えばやはり米田哲也。何せ通算5130イニング投げた。岩瀬仁紀は939.2イニング。実に4000イニング以上違う。先発、中継ぎ、抑えの分業が確立された現代野球ではエースクラスは年間200イニングあたりが相場。実に20年分の差である。

確かにリリーフ投手は登板機会が読めず、連投も日常茶飯事。マウンドに上がるのはチームがピンチあるいは逃げ切りたい時だから精神的な負担も重い。試合に出なくとも肩を作ったり待機するから働いてはいる。

 

一方、米田哲也ら先発組は球数を放るから体が丈夫でないといけない。対戦回数が多いから研究されやすい。エースとしてチームを背負う重圧もある。最近は抑えもその重要性が評価されて年俸も高騰しているがやはり先発ローテーションを守る投手はひとつ上の格が与えられていいかな、と個人的には思う。

ちなみに米田哲也は登板した後は食事をせず、翌日も軽食。だんだん食事の量を増やし、登板前夜は3000円もするステーキを平らげていた説がある。スポニチ記事で読んだ。

 

食事の管理は奥さんがしていて、登板日が分からない時は西本幸雄監督に聞いていたというから熱意がすごい。通算350勝の立役者である。

 

記録の醍醐味は新記録誕生の際に再びレジェンドに光が当たる点だ。岩瀬仁紀という現代の鉄腕のおかげで昭和の鉄腕の米田哲也がクローズアップされている。このまま行けば岩瀬仁紀が最多登板になる。だがやはり5000イニング以上投げた米田哲也に最多登板の冠をつけさせたままにしたい、というのは感傷に浸りすぎだろうか。

なお、米田哲也の先発登板626はプロ野球記録。被安打4561と失点1940もそうだ。が、こちらは名誉の負傷と言えるだろう。そういう好戦的な表現は時代錯誤かもしれないが。

 

岩瀬仁紀が新記録を作るにあたり、ほんの一時でもいい。隠れた大投手、米田哲也に注目してほしい。ネット上にはなぜ米田哲也知名度が高くないのか?という問いがあり、その答えに自己最多が29勝(1968年)でもそれは当時特筆すべき数字ではなかったこと、日本シリーズで巨人に勝つなどのアピール材料がないことなどが挙げられていた。29勝で最多勝とれないなんてどんだけレベルが高かったんだか。ちなみに米田哲也のタイトルをはばんだ1968年のパ・リーグ最多勝皆川睦雄。最後の30勝投手である。

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最後までトリビアをぶちこんでおくと、米田哲也は投手として唯一、満塁ホームランとサヨナラホームランを記録しているらしい。しかも満塁ホームランは初勝利の日でプロ2打席目。サヨナラホームラン稲尾和久からのようだ。投手なのに通算33本もホームランを打っている。今後、岩瀬仁紀からの米田哲也記事でさらにトリビアを収集することをもくろんでいる。

 

米田哲也と阪急を支えた梶本隆夫の記事もあわせてご覧ください。

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ここ一番で勝てばいい~通算16勝の完全試合投手・森滝義己

6月28日は藤本英雄が史上初の完全試合を達成した日だった。毎朝聞いているNHKラジオのコーナーの一つ、きょうは何の日、で言っていた。

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それにちなんで完全試合ネタで記事を書こうと考えた。藤本英雄については再々取り上げているので、どうせならまだ手付かずの選手を調べよう、と久々、北原遼三郎氏の「完全試合」を引っ張り出してきた。本日のテキストはこれ。

完全試合―15人の試合と人生

完全試合―15人の試合と人生

 

 完全試合達成者15人の中から森滝義己を選んだ。同年代でもプロ野球選手の名前は知っている方だ(特に古い選手)と自負しているが知らなかった。

有名だからできるわけではない

完全試合は有名な投手だからできるというわけではない。もちろんたくさん勝てる力がある投手ほど完全試合ができる可能性はある。その点、森滝義己は通算16勝。ここにこそ完全試合の味がある。誰にだって大記録を達成できる可能性はあるのだ。

凡人はこういうところに光明を見出さねばならない。どうせオレなんか、なんて自分を卑下してはいけない。あなたにだっていいところはいっぱいあるはずだ(あ、凡人だ、と言っている意味ではありません…)。

 森滝義己は立教大学出身。2017年春季に立教大学は久々に六大学野球リーグを制したのだが森滝義己はエースとして在学8シーズン中5回も優勝した。あと1勝すれば優勝というシーズンもあったがアクシデントでねんざしてそれはかなわなかったという。39試合に登板し18勝6敗、防御率1.43という堂々たる成績だった。

出場機会は自らつくるべし

森滝義己に声を掛けた球団は国鉄ともう一つの2チームだったという。なぜ国鉄を選んだかというと同じ下手投げのピッチャーがいなかったから。このあたりがクレバーな選択。出場機会を自ら作るのも大事なことだ。プロ初年度は初勝利のみ。2年目にもう10勝しているが以後は0勝が4シーズンと5勝が1シーズン。通算7年で16勝だった。このうちの一つが完全試合なのだから人生は分からない。

 首の皮一枚つながった奇跡の1球

北原遼三郎氏は森滝義己の完全試合の中で、「あの1球」にクローズアップした。というかせざるを得なかったのかもしれない。7回、対戦相手の中日の井上登に投げた球は井上の体めがけて進んでいった。カウントはノースリー。死球なら完全試合消滅。当たらなくても死球完全試合消滅。ここで信じられない奇跡が起こり完全試合への挑戦は続行された。はたしてその奇跡とは…? 答えはぜひ北原遼三郎氏「完全試合」でご覧ください。ざっくり言えば、水島新司の野球漫画みたいな展開です。

試合は1-0で勝ち、森滝義己は史上七番目の完全試合を達成した。奇跡の1球は大きかった。もし死球か四球になっていたら完全試合はフイになっており、通算16勝というキャリアで森滝義己は「その他大勢」にのみ分類されていたことだろう。もっとも、完全試合投手になってもそこまで名が知れているわけではないが。ただし80年を超えるプロ野球の歴史の中で完全試合投手は15人しかいないのだから森滝義己の存在価値はすさまじいものがある。

偉業はなぜできたのか?

森滝義己はなぜ完全試合ができたのか。もちろん奇跡の1球も欠かせないが、黒柴スポーツ新聞編集局長としては「執念」とみる。あの奇跡の1球から森滝義己は「天が味方しているとしか思えない」「こんなチャンスはもう絶対一生ない」と考え相手を抑えにかかった。そう、「打たれても仕方ない」なんて考えていたら快挙なんて達成できない。

「やればできる」という言葉は好きじゃないがやろうともしなければ何も生まれない。何も始まらない。本当の勝負強さとは連戦連勝ではなくここ一番で勝つことだと思う。森滝義己の完全試合はプロ2年目。現代ならスマホに号外ニュースが通知され大騒ぎになったことだろう。ちなみに森滝義己が完全試合をしたのは昭和36(1961)年だがお祝いに100万円も集まったという。

 レジェンドとその他大勢

完全試合をした年は10勝したが翌年0勝、2年後も0勝。3年後に5勝するも、4年後と5年目も0勝でついに戦力外通告。腰痛と打球直撃という不運にも見舞われたが果たして森滝義己は持っていた才能を十分発揮できたのだろうか。完全試合達成者には藤本英雄金田正一外木場義郎槙原寛己ら名前が通った人と、「その他大勢」(完全試合達成者の一人である佐々木吉郎氏の表現)にざっくり分けられる。レジェンドたちはもちろんすごいけれど、この彗星的に表れた「その他大勢」の方が、人生において「ここ一番に勝った」意味は大きいと思う。

 実際、森滝義己は引退後サラリーマンとなり、差し出した名刺を見た人が「あの完全試合の?」と言ってくれたそうだ。時は流れもう今のプロ野球ファンに森滝義己の名前はなじみがないだろうが「ここ一番に勝った」森滝義己の名前はプロ野球史にくっきりと刻まれている。それでいいかな、と思う。勝てる人は勝てるだけ勝てばいい。勝てない人でも「ここ一番」で勝てばいいんだ、と。それが進学、就職、結婚(もちろん独身という生き方も素敵です)、転職、独立など、どの局面かは分からないけれどその人が納得する結論を出せたらそれが一番だ。

人間がやることに完全はない

人間がやることに完全はない、と中学校の先生が言っていてなるほどなと思った。完全試合という表現はその対極にあるのだけれど、実は後ろで守っている野手が信じられないファインプレーをしたり森滝義己みたいに奇跡の1球があったりする。史上初の藤本英雄の登板だってローテーション上で投げるはずだった多田文久三がおなかを下した結果の代役での完全試合である。不安定な要素の集合体が完全試合なのだ、と北原遼三郎氏の「完全試合」を読むたび思うのである。

 

あわせて読みたい完全試合投手たちの記事はこちら。

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437本の投稿でやっとこさ10万アクセスになって考えたこと

将棋の藤井聡太四段が29連勝の新記録を作った。21時台のNHKニュースには師匠の杉本昌隆七段が出演。藤井聡太四段の強さの秘密の一つに、膨大な数をこなした詰め将棋があると説明していた。

将棋をたしなまない筆者にはすごさが分からなかったがこのようにトレーニングは地味で、「筋トレ」のようなものだ、と杉本昌隆七段は例えていた。やはり勢いだけで連勝は続かない。この流れで言うのは恥ずかしいがせっかくなので。このブログ、黒柴スポーツ新聞はいただいたアクセスが10万に到達した。いまだ1カ月で最高は9000台とサクサク数が稼げないが、まあこんなマニアックな話によく1日数百アクセスあるなあと自分でも思う。

書くことでいろんな能力が鍛えられた。ブログを書くことは筋トレみたいだ。

それにしてもなぜ今、片岡治大の記事が読まれているの?
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なぜ今、梶本隆夫
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なぜ今、山本集
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なぜ今、酒井圭一?
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書いてる本人にすら分からない。

しかし分かることはある。

なぜ今読まれるかって、ただ読者が「気になっている」からだ。

たまにはグーグルアナリティクスなんか見ちゃうが、直近30分で読まれている記事がバラバラ。たまに中居正広の記事とか、黒田博樹の記事とか一気に読まれることもあるが基本はニッチ産業なので渋い人の記事が多い。
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だからよくここまでたどり着くよなあ、とそのマニアック魂に脱帽する。
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ちなみに1年半やってリピーターは15%。鍾乳石みたいだがじわじわ増えてきていてうれしい。

「着眼点が面白い」と言われるのが一番うれしい。今や一球速報も当たり前の時代、打った投げた、勝った負けただけの記事なんか意味がない。その背景にあるドラマが知りたい。自分がそう思うからいろいろ調べて書いている。

めんどくさいことをしているように思われそうだが好きでやっている。今日はこれだなというネタがない日は無理やり書かない。好きでやっている。そう、この点だけは藤井聡太四段と同じだ。端から見たら筋トレに思える詰め将棋を、藤井聡太四段は「勉強をしている」とは思ってやってはいないだろうと杉本昌隆七段は言っていた。ブログを始めてまだ1年半だが確かに好きでなければ続かないと思う。

今、ちょっと迷っている。時事ニュースなど読者のことを最優先に考えてネタを選ぶのか、自分が書きたいことだけ書くのか。あまりに自分優先だと何のために書いているのか分からないし公開している意味もない。かといっていつも大谷翔平柳田悠岐だと人気選手ばかりネタにするのも芸がない。読者の目には見出しが止まりやすいだろうけれど。
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結局、その時々で表現したいものを表現するしかないかなと思う。アクセスを集めるテクニック的な文章も読んだが、ただ書きたいことを書いていてはダメで読者の欲求を満たさないと!みたいなことが書いてあった。そりゃ自己満足はいけないと思うがこれを書きたいという気持ちは大切にしたい。

一つの記事だけで何万アクセスいく人もいるが、大切なのは読者の欲求を満たす「一分の一」になることではなかろうか。あの選手にはこんなドラマあるんだね、と読者が知ってくれること。それを読んだ人がほんのちょっと前向きになれること。それをこれからの目標にしていこうと考えている。

最後になりましたがいつも星をつけてくださったりシェアしてくださるレアな常連さんたちに感謝します。本当にありがとうございます。好きこそものの上手なれ、でこれからも更新しますので応援よろしくお願いいたします。

五十嵐亮太700試合登板の原動力とは~ナックルカーブには頼らない

ホークス投手陣を支える一人、五十嵐亮太。ヤクルト時代は自信満々にストレートを投げ込み、抑えるか、打たれるかのシンプルな力勝負をしていた印象だった。しかし今は代名詞ともなったナックルカーブを効果的に使い抑えている。通算700試合登板を達成した鉄腕の生き方に学んでみたい。

若き日の五十嵐亮太は自信満々にストレートを投げ込み、打たれるか、抑えるかというシンプルな力勝負をしていた印象だ。石井一久が当時の五十嵐亮太を「コントロールがなかった」と評していたが投手としては致命的。しかしプロ野球選手も社会人も一芸に秀でることは大切。五十嵐亮太は自慢の速球を武器にメジャーに挑戦した。そこでナックルカーブに出合うのが人生の面白さ。速球に磨きをかけるのも一つの生き方だ。だが五十嵐亮太はもう一つの武器を取りに行った。

参考になるのは武器の選び方。五十嵐亮太は速球投手だからその真逆の、スピードを殺し、落ちていくナックルカーブが幅を持たせている。このように元々の武器とは対極的な強みを持つことで戦い方に幅が出る。

だが五十嵐亮太の素晴らしいところはナックルカーブに頼っていない点だ。2017年の交流戦ソフトバンクと広島が勝率1位を争ったが、直接対決でのピンチで起用された五十嵐亮太鈴木誠也から高めの直球で空振り三振を奪った。年齢なりの蓄積されたダメージもあろう。しかしここで力のある直球で三振を奪えるところが五十嵐亮太の真骨頂だ。最初に引用した石井一久の話でも「年齢を重ねても速い球が投げられている」という評価があった。新しい武器を手に入れたらついついそれに頼りたくなるものだ。しかし五十嵐亮太は元々の武器を生かすことで新しい武器を生かしている。もし元々の武器に単に行き詰まりを感じて次の武器を取りに行ったのであれば700試合も登板できなかったのではなかろうか。新しい武器を増やすことも成長。しかしそれを手に入れてほっとしてしまい、成長が鈍化するのは本末転倒だ。幅のある戦い方をするためにもまずはその人本来の長所や得意技、個性に磨きをかけたいところ。まずは自分の強みが何なのか、見直してみよう。

大家友和ギリギリ井口資仁の引退にかぶらず~日米59勝は数字以上の輝き

大家友和という人はこういう人なんだろうな、と思った。何か。一生に一度の引退発表が危うく井口資仁とかぶりそうになった件だ。

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 井口資仁は日米2000安打を達成した名バッター。名球会会員ともなれば大抵の選手はかすんでしまう。だが大家友和になぜか引かれる。日本での最初の5年間でわずか1勝だった時点でもはやプロ野球選手としては厳しい状況だったはず。しかし、むしろそこから大家友和の野球人生が始まっている。

 勝負をかけたアメリカで大家友和は3度の2けた勝利。この事実から言えることは、「人の評価は一カ所では決められない」。進学先が、バイト先が、就職先が、所属先がその人に合っているかなんて最初からは分からない。レッテルを早々に貼るのは愚かな話だ。

 

だから大田泰示のように移籍先でブレイクすると本当にうれしくなる。何と大田泰示阪神へのFA移籍もうわさされる中田翔の後の4番候補だみたいな記事さえ出だした。しかしひょっとするとそこまで行くかもしれない。だとしたらとんでもないシンデレラストーリーだ。まあ中田翔阪神より日本ハムにいた方が存在価値は高いと思うが。

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大家友和もさんざん言われただろうな、日本で1勝の男に何ができる?と。それがどうだ。大リーグで51勝もした。日米通算59勝だからアメリカでの勝ち星の方が圧倒的に多い。メジャー50勝はこれまでに6人しか到達していない。その6人はこちら。

野茂英雄

大家友和

松坂大輔

黒田博樹

岩隈久志

ダルビッシュ有

 

いずれも日本球界で結果を残した人ばかり。いや、だからこそ大家友和に注目してほしい。日本で結果が出せなかった男が世界最高峰レベルで日本以上の結果を出したのだから。

 

この人は本当に野球が好きなのだ。だからアメリカから日本に戻って、横浜にもいたし独立リーグにもいたし、またアメリカにも渡って野球をしている。

 

だからこそ、ありえない夢を見る。今度は四国アイランドリーグにでも行かないかな、と。そう、四国アイランドリーグにはなぜか元メジャーリーガーが来るチームがあるじゃないか…高知ファイティングドッグスだ。

 

これまでに伊良部秀輝藤川球児マニー・ラミレスが入団した。このうち藤川球児は無事、阪神タイガースへの復帰を果たしている。

 

思い出す。黒柴スポーツ新聞編集局長はその時、伊良部秀輝と会話を交わすことに成功した。急きょ開かれたサイン会でのことだった。その日、ダブルヘッダーとは言え午前10時という元メジャーリーガーにはありえない先発開始時刻だった。暑い暑い高知市営球場のマウンドに立つ伊良部秀輝を見た時、「この人は本当に野球が好きなんだな」と思った。試合が終わりサインを求める人の列に加わった。サインをしてもらう時、発作的に「絶対プロに戻ってください」と思わず話しかけてしまった。伊良部秀輝はにやっと笑い「戻れるかなあ」とつぶやいた。調子に乗った編集局長は「握手を」と手を出したら伊良部秀輝は義務的に手を出してくれた。剛速球投手に似合わず、意外にやわらかかった気がした。そんなことがあったから伊良部秀輝の訃報はものすごく悲しかった。

 

野球選手は野球をしているから野球選手だ。そうではなくなる大家友和の第二の人生が気になる。もうプレーしないのならぜひその貴重な経験を若い世代に伝えてほしい。特に自身と同じようにすぐには芽が出なかった選手にこそアドバイスを送ってほしい。その時大家友和はどんな言葉を選ぶだろうか。選手ならずとも、ちょっと聞いてみたい。

 

あわせて読みたい、引退にまつわる記事はこちら。

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