大谷翔平よりもハム風オレンジ色の少年野球ユニフォームに目が行った件
2ずくしで発表
日本ハムの栗山英樹監督がまた味な演出をした。二刀流の大谷翔平をことしも開幕投手に指名したのだ。発表は2月22日午後2時22分22秒。二刀流のさらなる進化を願って「2」ずくしにしたという。こうなると来年は2月22日午前2時22分22秒に発表するしかない。キャンプ中の報道陣は別の意味で震えるに違いない。この場合、記事をすぐに書いたとしても朝刊に間に合う時間帯ではない。確実にネットの速報が勝つ。
人気のセ、実力のパは死語
昔は「人気のセ、実力のパ」と言われたが、もはやこのフレーズも死語と言っていい。2015年8月、ヤフオクドームでソフトバンク対日本ハム戦を観戦したが観客は3万4000人くらいいたのではないか。大阪のコアなホークスファンには申し訳ないが、やはり球団経営が出した結果。話題作りから選手の育成まで「上手」なのだ。ソフトバンクがいくらお金を出したかという話ではない。きっと有能な作戦参謀が用意周到に事を進めているのだ。
北海道で大成功
日本ハムも北海道というあらたなフィールドでファンを開拓した。北海道はもともと巨人ファンが多いと言われていた所。東京で巨人の陰にずっといるのか、新たなチャレンジをするのか、大きな決断だったが結果は吉と出た。もはや大谷の2ずくしの演出さえ必要ないと思えてしまうほど、選手の話題だけで勝負できる段階にきている。
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爆弾質問はお約束
キャンプ中は地元少年野球との交流も風物詩。かつての自分を見るからなのか、その日ばかりは首脳陣も選手もニコニコ笑顔で見ているこちらもほんわかする。先日、大谷に対して野球少年がメジャー挑戦をしないのか直球の質問を投げ込んだ。大谷はまずはハムで日本一にと答えていた。優等生である。だいたいこの手のイベントでは「好きな女性のタイプは」「彼女いますか」系の質問に選手がたじたじとなるというのがお約束だ。
パクリではなくリスペクト
しかし本紙はそんな流れはどうでもよく、食いついたのが野球少年の着ていたユニフォーム。東京時代のハムのユニフォームにそっくりだったからだ。実在のチームカラーやデザインを取り入れるのはよくある話。これは東京五輪のエンブレムみたいな騒動には発展しない。なぜならその球団へのリスペクトが込められているからだ。そもそも巨人のオレンジ色やら、もはやドジャースにしか見えなかったかつての中日のユニフォームだって真似以外の何物でもない。しかしだれもパクリなどとは言わない。あくまでも優秀なデザインを取り入れているだけなのだ。
※2004年版ベースボールマガジンの野球カードを使わせていただきました。
オレンジ色時代を知っているはず
このハム風ユニフォームの発案者の年齢が気になった。チームの監督なり指導者がオレンジ色時代を知っている年齢だろう。本紙書庫にあった週刊ベースボール創刊50周年記念Ⅱ「野球ファンの記憶に刻んだ半世紀」に綱島理友さんの解説があったので確かめてみた。バリバリのオレンジユニフォームは1982年から1992年。なおこの本は新規参入の楽天を含めた13球団のユニフォームの変遷が各年代の写真付きで見られる。もはや趣味の域を超えた資料だ。大谷に質問した少年のチーム関係者はこの年代のハムが好きだったかキャンプでの交流などがあってオレンジ色を採用したのではないだろうか。
※2003年版ベースボールマガジンの野球カードを使わせていただきました。今気付きましたが手前一番左側を歩くのは江夏豊と見られます。まさかの大沢親分胴上げ中に素通り? 江夏らしいといえばらしいのですが…
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すでに目覚めていた
余談だが本紙編集局長も小学生時代、チケットをもらって東京ドーム初観戦を果たし、ウケ狙いでオレンジ色の帽子を購入。中学2年生の時の夏のキャンプ合宿でかぶって異常に目立ったことがある。1年生の時は初期ダイエーの茶色っぽいキャップをかぶって合宿に参加した。このころからパ・リーグの色気に気付いていたようだ。
やるなら完璧にしてください
なお、時々復刻版ユニフォームがお目見えしてときめかせてもらっているのだが残念なことが一つ。ヘルメットの色が若干薄くないか。近年では中日の水色ヘルメット。日本ハムのオレンジヘルメット。光の関係かもしれないがちょっと薄いというか明るすぎる色調に見えた。これに注文を付ける自分にも呆れてしまうが中日に関しては「あれ、薄かったよな」と言う人が実際に職場にいたので「そうですよね!」と思わず乗っかってしまった。どうせ復刻するなら徹底的にお願いしたい。どうせなら綱島さんに見ていただきたい。オレンジ色のハム風ユニフォームを着ていまのファイターズ選手と交流する様子を球団関係者はどう見ていただろうか。自分だったら相当うれしいだろうな、と思った。