黒柴スポーツ新聞

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101ホールドの久保裕也と101暴投の新垣渚、「楽天合格・引退」の明暗はなぜ分かれたのか

巨人、DeNAでプレーした久保裕也楽天のテストに合格した。現役続行を目指したもう一人の有名なプレーヤー、新垣渚は声が掛からずに引退。くしくも共に2002年ドラフト自由枠でのプロ入りだった。両者の違いは何なのだろうか考えてみた。

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久保裕也と言えば先発も抑えも中継ぎも経験した。実働12シーズンで47勝35敗、101ホールド。変化球も多彩と記憶している。

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一方の新垣渚。64勝64敗と勝ち星では久保裕也を上回っている。久保裕也は101ホールドだが新垣渚は101暴投(村田兆治石井一久に次いで歴代3位)。これは両者の特徴を如実に物語っている。上半身をフル活用して、おりゃーっと投げるのが新垣渚の魅力なのだ。暴投については以下の記事をご覧ください。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

NPBも暴投だけでランキングしてくれている。さすがだ。

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久保裕也は先発も抑えも中継ぎも出来た。一方、新垣渚はあくまでも先発の男。通算セーブ0、ホールド0と気持ちがいいくらいだ。

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別に新垣渚をこきおろすつもりもない。若いうちは力があり、勢いがあって先発をやり、衰えや経験を加味しながら軟投派になって抑えや中継ぎに回るのはプロではよくある話。逆に0セーブ0ホールドなんて、初志貫徹でかっこいいくらいだ。

 

だが結果的に、新垣渚の現役続行の模索はイコール先発枠争いなわけだからハードルがものすごく高かった。最後はソフトバンクではなくヤクルト、というのもひとえにヤクルトの投手陣が手薄だったからにほかならない。そのままソフトバンク在籍だったらもっと引退は早まっただろう。

 

対して久保裕也は先発、抑え、中継ぎとさまざまなポジションを経験したことが評価対象になった。

星野仙一楽天副会長「あいつの経験とかをアドバイスしてもらいたい。ジャイアンツで抑えをしたこともある。適材適所。期待しています」

梨田昌孝監督「経験も豊富で力になってもらえる。テクニック、うまさを持っている。若い選手の手本になってもらいたい」(ともに上記日刊スポーツ記事より引用)

 

そう、うまさ。これが久保裕也新垣渚の違いに思えてならない。

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トライアウトの受験はおおまかに2通り。若者でこれまでチャンスを生かせなかった人が夢をつかむか。実績を残した人がもう一度第一線に戻るか。久保裕也新垣渚はもちろん後者。トライアウトを受けたか確認用に検索したら日刊スポーツのまとめを見つけた。カット写真で久保裕也新垣渚も出てくる。2人ともそういう選手なのだ。

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どの職場でも唯一最大の武器でどこまでも行ける人はほんの一握り。でなければあれもこれも出来る人になるしかない。あれもこれも出来る人になればいろんな仕事ができる。実はシンプルな話だ。いろんな仕事ができそうだから久保裕也楽天に受かった。若手へのアドバイスも含めて、だ。ちょうど巨人から小山雄輝という投手がトレードで楽天入りしている。個人的には巨人で先発の一角として頑張ってもらいたかったが巨人で埋もれるくらいなら楽天でバリバリやるほうがいい。だから小山雄輝には積極的に久保裕也にアドバイスをもらってほしい。

 

じゃあ新垣渚も中継ぎができればよかったのにな、という話でもない。新垣渚が下手に中継ぎなんてやっていたらそれは新垣渚ではない。2015年に3勝10敗という成績が残っているが、むしろカッコいい。最終の2016年が1勝2敗で、トライアウトも受けたけど先発のまま選手を終わる。これで新垣渚はよかったのだ。新垣渚のままだったから、古巣のソフトバンク職員になれたとさえ思う。野球教室などをする野球振興部所属だそうだから余計「新垣渚」のイメージのままでよかったのだ。

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久保裕也も現役生活はそこまで長くなかろう。だが崖っぷちに踏みとどまったことは人間の幅を広げただろうし、3球団を渡り歩いたことでコーチ業ができる可能性が広がったとも言える。まずは1日でも長くユニフォームを着てもらいたい。

 

【おすそわけ】

読者の皆さま、黒柴スポーツ新聞に遊びに来ていただき本当にありがとうございます。良質のアウトプットには良質のインプットが必要。そんな意味で先日上京してきました。その時に東京ドーム敷地内にある戦没野球人の鎮魂の碑を見てきました。そこで感じたことを以下のブログにつづりました。はてなブログでご縁ができたニッポン手仕事図鑑編集長さんの主宰するニッポン手仕事図鑑内のブログです。ぜひご覧ください。なになに、ふたりごと文庫ではなんかいつもと違う上品な文体じゃんか!とつっこまれそうですが媒体によっての「書き分け」とスルーしてください…そしてぜひ鎮魂の碑、足を運んでくださいね。この告知、1週間限定でさせていただきます。

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