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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

初打席初球ホームランの塩瀬盛道と初打席サヨナラホームランの加治前竜一

5月29日、通算アクセスが1万に達した。1日にしてものすごいアクセスを稼ぐブログもある中で決して誇れる数字でもない。元日の創刊から5カ月かかったがそれもまた味わい。当初は1日14アクセスなんて日もあったから、1万いくのに1年はかかるなあと思っていた。が、今日の黒柴スポーツ新聞があるのはこうした初期からの読者の存在。厚く御礼申し上げます。毎日のように星を付けてくださっている方もいて、非常に励みになっております。きょうからは倍の2万を目指すことにした。こういう上方修正は気持ちがいい。

 

アクセスに貢献したネタを振り返ってみる。琴奨菊の初優勝。福士加代子を中心とした女子マラソン五輪代表選考レース。プロ野球ニュース後継番組のすぽると終了に伴うスポーツLIFE HERO’Sスタート。横浜大洋ホエールズ復刻ユニフォーム。日本ハム新球場計画。やはり時事ネタ、キーワードが出てくるとアクセスが増えている。今年前半戦の総括として貼り付けておこう。

 

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Facebookとの連携は休止しており、85%近くが検索サイト経由。これはこれで世の中のトリビア、豆知識需要に応えている証拠と思っている。アクセス数狙いで誰もが飛び付く時事ネタのオンパレードになってはいけないが、数字が励みになっているのも事実。時事ネタにからめつつ、書きたいことも書く。懐かしい話をネタに、忘れられた選手や記録、ぜひ手に取ってほしい出版物をこれからもバランスよく記事を書いていくつもりだ。

 

当初目標が達成した日にふさわしいネタをと悩んでしまったが、あらためて素敵な人のエピソードを見つけた。塩瀬盛道(東急)。即座にあの人ねという方はなかなかの通だろう。プロ初打席初球ホームラン男。しかもこれが唯一の打席となった。1打数1安打1本塁打、打率10割。華々しいデビューなのになんでと思われるだろうが、本業は投手。この試合で打者11人に対し2安打5四球と結果を残せず、その後二度とマウンドに立てなかったのだ。

 

なおウィキペディアによれば塩瀬の前に投げていたのは蔦文也。のちに池田高校を率いる攻めダルマ。プロ野球選手だったんだな。 

 

塩瀬については文春文庫ビジュアル版プロ野球ヒーロー伝説」が詳しい。彗星のように輝き消えていったプロ野球選手を丹念に紹介している一冊。表紙が権藤権藤雨権藤でおなじみの権藤博なのだから中身の充実ぶり、編集センスの渋さがうかがえるだろう。 

プロ野球ヒーロー伝説 (文春文庫―ビジュアル版)

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この本によればその後塩瀬は熊谷組を経て専売公社に移るもチームが休部になってしまう。人事課長からどこでも好きな所を旅してこいと言われたが、行った先は墨田区のたばこ工場。現場の仕事ぶりを勉強に行った熱心さが買われ、そこの労務担当になる。そして日本たばこ発足後、機械事業部の部長代理となった。肩書きで人を判断してはいけないが、総務畑を歩んだ塩瀬はおとなしい人ほど声を掛けるよう配慮したり、どんな若い工員にも「さん」付けで呼ぶなどしていたそうで、人柄がうかがえる。

 

専売公社にいながら母校・国学院大学の監督も務めた。相手校から「おまえらの監督は1打数1安打の男」とやじられながらも「オドオドしてたらオレみたいになるぞ」と教え子らを励ましたという。

 

 1打数1安打という成績は珍記録の扱いだっただろうがおかげで有名になった塩瀬は広い人脈を持っていた。挫折と表現してもよさそうな珍記録を活用できたのもまた人柄であり才能だったことだろう。塩瀬は系列会社の社長になった。送り込んだ上司は会社員としての塩瀬の成功理由をこう分析している。「野球の挫折で、他人の痛みが分かるようになったからじゃないか」。失敗しないならそれに越したことはない。でも失敗しない人なんていないのだから、大事なのは「その後」なのだと塩瀬は教えてくれている。

 

きょうの1枚は「加治前竜一高濱卓也山内壮馬」。トリプルメモラビリアとしてカードコレクターをときめかせた新人3選手の、バットやユニフォームの一部をカードに挟みこんだ特殊カードだ。一時の相場は2万5000円。限定20枚でシリアルナンバーは20であり、見る人が見ればそこそこの価値かもしれない。たまたま引き当てました。ちなみに由規中田翔唐川侑己バージョンは当時4万円したとも。中田が頑張っているので値崩れはしていないかもしれないが、加治前は引退、山内は楽天へ、高濱はロッテへ移って勝負をかけているためこちらのカードはもう2万5000円の値は付かないかもしれない。まあカードの値打ちはそれぞれのコレクターが感じればいいこと。本紙編集局長が大切に保存しておく。ちなみになぜきょうの1枚に選んだかと言えば、加治前はメジャーでもいないとされる「プロ初打席サヨナラ本塁打男」なのだ。巨人ではスターになれなかったけれど、とてつもないことを加治前はやった。あの東京ドームのスタンドギリギリに飛び込んだ一発を決して忘れない。加治前が第二の人生でどんなホームランをかっ飛ばすか。楽しみにしておこう。

 

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