黒柴スポーツ新聞

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大田泰示は日本ハムで再ブレイクした富田勝になれるのか~トレードが成功かどうかは結果次第

巨人の大田泰示日本ハム吉川光夫ら2対2のトレードが公表された。どちらが積極的だったのか分からないが人材活用の観点では面白いトレードだ。

東海大相模高時代から長距離砲として将来を嘱望された大田泰示。2008年ドラフト1位ながら8シーズンで9本塁打、100安打と低空飛行が続いていた。毎年のように期待されていたが伸び悩んだ。今回巨人側が「大田を出すことにはチーム内でいろいろな声があった」と明かしつつも「環境を変えるのもいい」という結論に至ったことは評価したい(タテマエかもしれないが)。26歳という年齢を考えても違う環境で能力を発揮できる可能性は十分ある。

一方の吉川光夫は実績十分。巨人は投手陣が若返ったもののベテランはふがいない状況。先発投手が一人でも多いにこしたことはない。吉川光夫は2012年のMVP男。最優秀防御率に輝き14勝5敗と頑張った。近年は一時の輝きが薄れたとはいえ実績を見れば大田泰示とは釣り合いが取れない気もするが、トレードで一番大事なのは、本人たちが輝けるかどうか、この1点に尽きる。

大田泰示の行き先として日本ハムは面白い。試合に出るには外野手としての競争はあるが1発のある右の代打という点では重宝されそうだからだ。2016年の日本シリーズもも大田泰示というカードがあれば出番は何度かあったことだろう。同じく巨人から日本ハムに行った矢野謙次とは競争相手になりそうだ。

そして何より大谷翔平のマネジメントで何かと話題になる栗山英樹監督の門下生になるのだ。栗山英樹は常々「野球は楽しいか」と大谷翔平に聞くそうだ。伸び悩んだ大田泰示をどう覚醒させるか。ものすごい楽しみである。「ショーヘイが」「ハルキが」などと下の名前で選手を呼ぶ栗山英樹は「タイシ」と呼んでくれるのだろうか。

伝える。

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2016年のクライマックスシリーズを見れば広島、DeNA日本ハムソフトバンクと地域密着をうたう球団が登場。盛り上がりを見ればセ・リーグ優位とも巨人至上主義とも思えなかった。それでもまだ今回のトレード報道を見るとまだ巨人ブランドは生きているように思える。「巨人ドラフト1位だった大田」が日本ハムに行く、というニュースになっているからだ。

2017年からはそれが「元巨人」になる。だがどうせなら今度こそ本当に覚醒してぜひ「日本ハム大田泰示」になってほしい。クロマティの「カンマン」な返球。大田泰示が今季こそ「カクセイ」。漢字ドリルに出てきそうなくらい使い古されたフレーズだ。クロマティはともかく、巨人ファンは毎年その覚醒という見出しに胸を躍らせてきたのである。大田泰示ならば巨人ファンもきっと今後も応援してくれるはずだ。

さらばサムライ野球

さらばサムライ野球

思い出されるのは富田勝。法政大学三羽ガラス。南海ドラフト1位ということで巨人の生え抜きではないが日本ハムにトレード(張本勲高橋一三富田勝)されて4年連続100安打以上。巨人在籍3年間は12本、60本、37本だったから富田勝にとっても成功のトレードだった。そう、トレードを成功と呼ばせるかどうかは行った先で結果を出すかどうかなのだ。人事異動から逃れられないサラリーマンにも通じる話である。

最後に。これを書いている11月3日夜に「奇跡体験!アンビリバボー」で黒田博樹を扱ったため、黒田博樹座右の銘「耐雪梅花麗(雪に耐えて梅花麗し)」について書いた記事をたくさんの方に読んでいただけた。おかげでアクセス数は過去最高。これだから被検索系のブログは楽しい。大田泰示より一足先に「覚醒」したか? まさにアンビリバボーな出来事だった。だがアクセスが急増したこと以上にまた一人、読者が増えたことがうれしい。しかもこの方がなかなかの野球通らしいのである。だから余計にうれしい。読者の皆さんが心の支え。今後とも応援よろしくお願いいたします。
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