日本文理の夏は2016年も終わらない~何度も見たくなる2009年夏の甲子園決勝
何度も見たくなる試合がある。2009年夏の甲子園決勝。優勝したのは中京大中京なのに人々の記憶の中の主演は日本文理なのではなかろうか。9回に5点取って中京をあと一歩まで追い詰めた。
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この試合を語る時、実況はどちらが好きかが問題。朝日放送派かNHK派か。黒柴スポーツ新聞はNHKである。以前も書いたがそもそもテレ朝難民なので見られない。だが見られたとしても朝日は濃すぎてもたれる。「日本文理の夏はまだ終わらない」のフレーズは大好きだが。
というわけで久々「テープ起こし」にチャレンジ。ネット上での決勝映像を9回2死満塁からスタートしてみよう。
バッターは伊藤。初球は外角に外れた。「いとぅ、いとう、いとお、いとお!」。「いとういとうの大コール」。アナも場内の大声援に気付いた。
2球目は内角に外れた。「ノーツー!」。場内の期待は高まるばかりだ。日本文理応援団の青いメガホンが揺れる。
「いとお、いとお」「ちょっと場内が異様な雰囲気になってきました」
「いとお、いとお!」 カキーン。
「さんゆーかーん!」 伊藤の打球が外野に猛スピードで転がっていく。ものすごい歓声だ。
「3塁ランナーホームイン!」
「2塁ランナーも三塁を回るぅ」
「バックホームわぁ………、セイフーっ!」
主審が左右に大きく2度手を広げた。
「また2点を追加。2点差、2点差」。スコアは10-8になっていた。
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アナ「10対8でなおツーアウトランナー二塁三塁」
解説「いやあ、よく打ちましたよノーツーからねえ」
アナ「ものすごい粘り」
解説「いやあレフトもね、いいボール投げたんですがねえ」
画面上ではゴロ返球だったが精度の高いバックホームのリプレーが流れていた。日本文理のランナーもよく突っ込んだ。
ここで黒柴スポーツ新聞編集局長イチオシの代打石塚登場。デーブ大久保ばりの体格、風貌。一発長打はありうるぞ。
「ピンチヒッター石塚」とアナがいうやいなや石塚のバットが火を噴いた。
キーン!
甲高い音を放ち打球は再びレフト前へ。「ゆるいたまあ、さんゆーかーん! レフトは深かった! 2塁ランナー3塁ああ、レフトが落としている! 落としている! 落としている! 1点差あああ」。伊藤も3塁へ滑り込みガッツポーズ。石塚が1塁でガッツポーズする時、10-9の字幕が出た。
「ものすごい粘り」
「信じがたい集中力」
お客さんも立ちあがって拍手を送っている。
解説「いやあよく打ちましたねえ」
ここでリプレー。中京の森本が緩い球を投じるも石塚はまったくぶれずに球を呼び込む。ついつい狙ったり力んで体が開きそうだがそれがない。
解説「チェンジアップですよ。あれだけね、まっすぐで押してきた。そこへチェンジアップをね、初球から打っていく」
アナ「石塚はガッツポーズをして戻ります」
代走を送られた石塚はうれしそうに仲間の元に駆け戻った。そして背中や頭をバンバン叩かれた。最後の打席が甲子園での追い上げのタイムリー。別のドキュメンタリーで見たが「人生最高の当たり」のようなことを言っていたっけ。それが高校野球最後の打席で出せる。野球の神様の味な演出である。
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「6点のリードがあった中京大中京。リードは1点になりました。なおツーアウト1塁3塁で、この3塁ランナーが帰れば、土壇場同点!」
中京関係者以外が胸の中に抱く願望をアナウンサーがそのまま口にした。バッターは8番キャッチャー若林。
初球は低めに外れる。
解説「いやあ、ここはね森本君もね非常にこうむつかしい場面なんですけどもね、これはもうねえ、気持ちの問題、気迫の問題ですよう。攻めるしかありませんここは」
音声のバックはまずいなあと焦る表情の堂林翔太。この回胴上げ投手になるはずがライトに回らされていた。
「中京大中京はあとアウトひとつで日本一。それが遠い」
森本がインコースに投げ込む。それを若林が鋭く振りぬいた。
キーン。
「いいあたりだあさあどらいなああああ!」
サードが誇らしげにグラブを上げて数歩あるきだした。
若林は四つん這いになっていた。
「試合しゅうりょおー、愛知中京大中京43年ぶりの全国制覇!」
このあと堂林が優勝インタビューで泣いてしまうのは有名だ。
日本文理の力を最大限引き出した上で中京大中京を勝たす。最後のバッターも三振では切なすぎる。だがフライやゴロでは間延びする。いい当たりのサードライナー。甲子園の大観衆と視聴者に熱戦の余韻を感じさせつつ最も若林の傷が浅い終わり方で締めた野球の神様はさすがだった。
「あれが抜けていたら」
「あれを捕っていたら」
たら、れば、がある試合はずっと語り継がれる。
日本文理の試合、ちょっと踏ん張りたい時には元気がもらえておすすめです。やっぱり野球はいいですね。
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