黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

2020-01-01から1年間の記事一覧

出会いをいかに生かすか~取手二高の名将木内監督とエース石田そしてリリーフ柏葉

人生に一度だけ、ワンポイントリリーフを頼めたら……そんなことを考えた。本棚で「永遠の一球: 甲子園優勝投手のその後」 (河出文庫)を見つけた。石田文樹。取手二高で全国制覇したピッチャーの物語を読んだ。名将・木内幸男監督が亡くなった後であるだけに、…

見出しに笑いと感動を~社会人野球・四銀、JR四国の「銀行員から駅員」継投に学ぶ

【社会人野球】銀行員から駅員への“継投”で四国勢43年ぶり8強! 四国銀行が初の都市対抗「2勝」Full-Countの記事の見出しだ。銀行員から駅員。なんのこっちゃと思うかもしれないが、それこそが編集者あるいは記者の術に思えた。社会人野球の都市対抗野球で、…

ヘッドスライディングは惜別の言葉だったのか~ソフトバンク長谷川が移籍検討

スマートニュースのプッシュ通知、だったと思う。ソフトバンク長谷川の文字が見えた。移籍検討(日刊スポーツ)。「えっ!!」思わず声が出た。FA権の行使を考えているようだ。確かにソフトバンクは若手の台頭が著しい。とはいえ、長谷川勇也自身はまだまだや…

頼れるのは己れの力~平石コーチ、松本裕樹、岩嵜翔。それぞれのリベンジマッチ

よかったな、と思う。ソフトバンクが4年連続で日本シリーズを制したから? それはもちろんだが、私は3人の男のことを考えていた。平石洋介コーチ、松本裕樹、そして岩嵜翔。巨人との日本シリーズ第4戦は、彼らにとってのリベンジマッチとなったのだった。…

勝つための最善手~感情むき出しで悔しがった長谷川とムーアを交代させた工藤監督

いいもの見たな、と思った。日本シリーズ第3戦、2点リードのソフトバンクはさらに6回も満塁とチャンスを広げ、代打長谷川勇也が登場。鋭い当たりを飛ばしたが、セカンド吉川がダイビングキャッチ。素早く一塁に投げて、ヘッドスライディングの長谷川は惜…

いま何をすべきか理解する~川島慶三の四球を起点にソフトバンク打線が爆発

日本シリーズ期間中、試合がなかった11月23日は第1戦、第2戦を報じるスポーツニュースを見て試合結果を咀嚼していた。そこで気付いた。第2戦、川島慶三は意図した走塁をしていたんだな、と。 iPhoneX ケース [デザイン:99.kawashima-A(TVQ)/マグネットハ…

日本シリーズで周東に走りまくってもらいたい理由

プロ野球選手はチーム内だけでなく、チーム外からも影響を受けるのだな、と改めて思った。日刊ゲンダイDIGITALに「ソフトはヤクルト山田残留に歯噛み…周東に“追い風”の理由」という記事が紹介された。二塁を守る周東にとっては、山田哲人のような強力なライ…

チャンスを与えられなかった内川聖一~ヤクルト入りなら相乗効果がありそう

内川聖一のヤクルト入りが濃厚な雰囲気だ。密かに応援しているアラフォーとしては内川の就職先が決まったことにひと安心。何より、必要と思われて移籍することが素晴らしい。稀代の名バッターが1年間の2軍暮らし。そのまま引退だなんて寂しすぎる。そう思…

人生は選択の連続~ホークス退団の内川聖一にエール

ホークス3年ぶりリーグ優勝の余韻に浸りながら床についたが、翌朝、内川聖一退団への一報で喜びが減ってしまった。その中で、即引退という選択ではなかったことに安堵した。もちろん、獲得されなければ引退せざるを得ないのだが。 2019BBM2ndソフトバンク内…

意図して、やる~ソフトバンク甲斐が指摘されたキャッチングの甘さ

久々に解説に唸った。岸川勝也氏 首位攻防戦の勝負を分けたのは「捕手」 甲斐のキャッチングの甘さと田村の丁寧さ(スポニチ)。キャッチングと捕球は違うんだなと、初めて意識した。岸川勝也の指摘をざっくり言うと、甲斐は捕球時にミットが流れてしまった。…

周東のファンブルは「できない人」の典型~一つ一つのプレーを確実に

バットで返せた。10月6日の西武戦でエラーした周東に対して、前向きな評価が記事になっていた。「ソフトバンク周東、痛恨失策のち…工藤監督は評価」(西日本スポーツ)。工藤監督が言わんとすることは分かるが、私はあえて反対する。このエラー、看過できない…

炎はいまだ燃え尽きず~内川聖一が10月に2軍戦でホームラン

もう10月である。早い時には9月にリーグ優勝が決まることもある。2020年は開幕がずれ込んだから、ここから約30試合、ようやく終盤戦にさしかかったところだ。私は内川聖一のことが気になっていた。内川はいまだに1軍に上がらない。このまま引退してしまうの…

ミスターユーティリティー川島慶三~初の4番で先制打、バレンティン意味深投稿もフォロー

2017年日本シリーズでソフトバンク日本一を決めたのは川島慶三だった。その試合もブログで触れたのだが、「川島の引退が延びただけ」的な反応があった。ああ、そうですともそうですとも。川島慶三は別に億単位の年俸をもらう選手ではないし、そもそも日本ハ…

状況判断力と実行力も高い柳田悠岐~果敢なタッチアップで首位固めに貢献

この男、能力が高いなと思った。柳田悠岐。打率が高い? ホームランが打てる? どちらも当てはまるが今回はその話ではない。状況判断。ロッテとの首位攻防第2戦3回表、セカンドランナー柳田悠岐がレフトへの大飛球を見て果敢にタッチアップ。この好判断がイ…

ミスと挽回を繰り返して成長する~4打点の周東、ソフトバンク優勝のキーマン

天王山と言うにはまだ早いかもしれないが、ペナントレースを占う上ではめちゃくちゃ比重の大きい9月25日からのロッテーソフトバンク3連戦。その初戦の序盤にセカンド周東が痛恨のエラーを犯した。先発ムーアが1イニング5失点したのが大きかったがその起点に…

名コラムニストに必要な才能~黒田創さん「加藤博一」コラムを読んで

最近、セレンディピティーを大切にする気持ちでいられるのだが、またうれしい出合いがあった。文春野球コラム ペナントレース2020にこんな素敵な作品を見つけた。改めて「親父、すげえな」って思った…“56歳で他界”元大洋・加藤博一さんと最愛の息子の物語。…

積極補強に執念で勝て~ソフトバンク内川と長谷川の代打起用を

元中日チェン年俸3000万円って何だろなと思いつつもスルーしていたが、あら、ロッテ入団やん。こりゃ井口監督は本気だなと危機感が芽生えてきた。勝利、逆転優勝への執念。これは手強いぞと不安になってきた。ソフトバンクにはこれに対抗するくらいの執念が…

良書と人をつなぐ~ブログをやっていてよかったなと思う時

先日、わがブログ「黒柴スポーツ新聞」が久々アクセスを集めた。毎日200いけばよい方なのだが、9倍の1800いった日があった。昼休みに異常に気付いたのだが、どうやら週刊ベースボールONLINEで吉村禎章の記事が出たことで検索され、この記事が読まれたようだ…

周東は盗塁王になれるのか~タイトル奪取に必要な二つの要素

ソフトバンクの周東佑京が初の盗塁王に向けて進んでいる。当初はロッテの和田康史朗が好調で、逆に周東は出遅れた。しかし侍ジャパンに選ばれた「脚」はだてじゃない。9月19日には21個目の盗塁を決め、日本ハムの西川遥輝とリーグトップの座を分け合っている…

悔し涙を無駄にしない~周東がスタメンの座を確実にするために

あら、周東泣いてる? 周東が、タオルで顔を覆っていた。併殺狙いのはずが二塁に悪送球。この日は一塁にも悪送球していたからエラーは二つ目だ。最終回のセカンドには牧原が入った。周東が泣いていたのは交代を告げられた直後だったのだろう。ダグアウトでは…

流れを渡さなかった陰の立役者~ソフトバンク川瀬と松本裕樹

定期購読している新聞をけさ(8月30日)読んだが、スポーツ面にソフトバンク川瀬晃の写真はなかった。松本裕樹も載っておらず、来日初勝利のムーアの写真だった。まあ順当か。西日本新聞も見てみたがこれまた迫力あるムーアの写真。2枚目は貴重な追加点のグラ…

陰での努力を怠らない~ソフトバンク栗原陵矢、スタメン奪取後も慢心せず

こたつ記事、という言葉がある。読んで字のごとく、現場に行かずにお手軽にまとめた記事のことだ。まぁわが黒柴スポーツ新聞も一切現場には行ってないがホークス戦についてはradikoとDAZNを活用して「取材」はしている。そこにスマートニュースのアプリと西…

まだまだ未熟者ではありますが……ソフトバンク川瀬が粘りと実直な人柄披露

ソフトバンク川瀬晃がいい味を出していた。まずはバッティング。8月25日のオリックス戦。先発はエース山本由伸。川瀬は第1打席ではファウルで粘り、12球目をセンター前ヒット。第2打席は四球、第3打席は左飛に倒れるも山本に9球投げさせた。そして第4打…

一生懸命攻めた結果ならば~ソフトバンク石川柊太の四球論

石川柊太っていいなぁと思った。それは8月23日のロッテ戦に勝ってくれたから、だけではない。西日本スポーツ「開幕6連勝のソフトバンク石川はぶれない男 4四球は信念の表れ」には、石川の興味深い持論が紹介されていた。「四球と安打は一緒と言っても、ツー…

先輩の抜けた穴は大きいけれど~ソフトバンク川瀬、今宮復帰まで積みたい経験値

今宮健太のけがの箇所が報じられた。ヒラメ筋。ざっくり言えばふくらはぎを傷めた、ということになろうか。復帰まで1カ月~2カ月弱だそう。Full-Countは「レギュラーシーズン中の復帰は微妙。早くてもシーズン終盤となりそう」とズバリ書いてくれていた。こ…

どうせ遠回りするのなら~阪神・藤浪晋太郎692日ぶり勝利

阪神にようやく得点が記録された。しかも藤浪の内野安打で。実に38イニングぶりの得点だった。そのトンネルも長かっただろうが、藤浪晋太郎はそれよりはるかに長いトンネルを脱した。692日ぶりの勝利。その長さ、苦しさは、体験した者にしか分かるまい。 MIZ…

10回裏二死満塁フルカウント…大ピンチ脱した板東湧梧が手に入れたものとは

地味ながら面白かったソフトバンク対ロッテの首位攻防(8月19日)。ソフトバンクは崖っぷちまで追い込まれながら、ギリギリのところで首位をキープした。何せサヨナラ負け寸前、10回二死満塁カウント3ボール1ストライクまで追い詰められたのだから。大方のソフ…

言われなくてもやる~高谷裕亮は鷹のアンサング・ヒーロー

言われなくてもやる。これができたら確実に誉められる。8月12日のオリックス戦で、高谷裕亮が送りバントを決めた。1死一、二塁。サインは出ていなかったらしい。工藤監督が誉めていた。「サインは出してないです。出そうとはしてたんですが、初球から(…

熱い気持ちがあるうちは~ソフトバンク和田毅、グラブ叩きつけから切り替え勝利

それは目を疑う光景だった。あのクレバーな和田毅が降板直後にダグアウトでグラブを叩きつけていた。8月5日、涌井との投げ合いの中、先に崩れた。5回3失点。自分へのいらだちか。うまくいかなかった悔しさか。降板前、決まったかに見えた投球をボールと…

「千賀が悪い」柳田悠岐は最高の先輩~川瀬もチームも救った規格外逆転ホームラン

「おまえは悪くない、千賀が悪い」千賀が悪い。柳田悠岐が発したこの言葉こ、下半期なら確実に新語流行語大賞行けるなと笑ってしまった。いや、ぜひ日本シリーズ4連覇してオフの流行語大賞表彰式に出席してもらいたい。 福岡 ソフトバンク ホークス 刺繍ワ…


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