黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

後楽園、東京ドーム、札幌ドームを経て日本ハム新球場は次こそ安住の地となるのか

5月24日、日本ハムの新球場計画が明らかになった。北海道に移転し20年。新たな展開の一つなのだろう。

 

じゃあ札幌ドームはどうなるのという話。地元の方はご存じだっただろうが札幌ドームは球団が運営会社にお金を払って使っていた。年間13億円。10年で130億円としたら、自前で建ててもよさそうだ。札幌ドームはサッカーとの共用であることが目玉だったが今後はサッカー+イベント会場になるのだろうか。普通に考えれば使用料収入が激減するので札幌ドームを所有する札幌市側には打撃だろう。とはいえ日本ハムは北海道から移転するわけではないので良好な関係を保たねばならないのも難しそうだ。

 

他球場の建設費用はどのくらいなのかネットで探ってみた。見つけた週刊野球太郎提供の記事によればドーム球場ヤフオク760億円~東京ドーム350億円とかなりの額。一方、屋外の開放型ではQVCマリンフィールド133億円、マツダスタジアム90億円、横浜スタジアム49億円と「割安」に見える。

 

横浜スタジアムベイスターズの持ち物でなかったのは有名な話だが、2016年1月にTOBが成立。DeNA傘下の横浜DeNAベイスターズが球場運営会社を買収することができた。チームと球場の運営が一体となるパターンはソフトバンクヤフオク)、オリックス(京セラ)と同じ。今回の日本ハムも自前の球場をつくるので構造的には同じだ。

 

ファン目線で言えば、球団が球場を管理する方が「餅は餅屋」的によりきめこまやかな運営ができそうで歓迎したい。いちいちお伺いを立てなくてもファンからのリクエストにすぐ応えたり、いいアイデアは実行できそうだ。もちろん企画の成否が球団の収入に直結するわけでここは腕の見せ所になる。マツダスタジアムは100億円行っていないがバーベキューができたり、砂かぶり、ネソベリア、スカイシートなど趣向を凝らした席が有名。お金をかけるだけがよいボールパークへの一歩ではない。

 

残念ながら黒柴スポーツ新聞編集局長は渡米経験がないがアメリカのボールパークは勉強のために一度くらいは体験してみたい。ナショナル・パスタイム(国民的娯楽)とも言われるベースボールを象徴する、まさに一日野球が楽しめる空間なのだろう。子供が体を動かせる遊具、選手やOBとの交流スペース、最近コボスタに登場した観覧車のようなハード面が充実していけば家族連れが増える→ファンが増える→収入も増える→戦力アップ→ファンが増える→収入が増えるという好循環も夢ではない。

 

そもそも日本ハムは、巨人ファンが多いと言われていた北海道でこれだけの熱狂的なファンを開拓できたのだから、今回の新球場建設もきっと上手にやるだろう。いったい誰が脚本家なのか知らないが、今から楽しみだ。収容人数が3万人規模と数を求めていないことも気になる。果たして量より質を狙っているのか。新スタジアムにどんな仕掛けができるのか注目していきたい。

監督・選手が変わってもなぜ強い? 北海道日本ハムファイターズのチーム戦略 (光文社新書)

監督・選手が変わってもなぜ強い? 北海道日本ハムファイターズのチーム戦略 (光文社新書)

 

 一個だけ注文したいのだが、ぜひファイターズの歴史を感じられるスペースを充実させてほしい。例えばあの日拓時代の七色ユニフォーム版の記念写真ボード(観光地にある、顔の部分がくり抜いてあるやつ)なんてどうでしょう? 島田誠がアピールのためにやったバック宙にちなみ逆さまの座席なんて度肝を抜くのでは? それは冗談だがマツダスタジアムの通路のように、過去の名選手を紹介するレリーフくらいは置いてほしい。彼らの努力と活躍があって今のファイターズにつながっているのだから。日本ハムだけでなくこれは全球団に求めたい。ファンサービスの一環でたまに復刻盤ユニフォームを着る、配るのではなくきちんと過去の歴史に敬意を表してもらいたい。

 

後楽園球場、東京ドーム、札幌ドームと移ってきた日本ハム球団のメインスタジアム。次の新球場こそ安住の地になるのだろうか。