黒柴スポーツ新聞

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柳町、上林…野手「渋滞」のソフトバンクはいい流れ

周東が2軍から上がってこない。オリックス戦の中継で周東への言及があり、周東いないんだよなぁと再認識した。すると、ベンチの野村勇が映った。うわっ、野村勇さえベンチなんだよな、と再認識した。ショートには絶好調の今宮健太がいるし、セカンドにはこの日で8試合連続安打になった三森大貴がいたのだった。

そんな感じでソフトバンクの若手野手が「渋滞」している。ベテランぞろいで野手の高齢化が課題とされていた近年では考えられない、いわゆる「うれしい悲鳴」である。今や松田宣浩がベンチを温めている。松田には松田のよさがあるのだけれど、長期的に見たら、やはりチームの若返りは歓迎されるべきだろう。

その象徴が柳町達である。栗原陵矢の長期離脱で垂れ込めた暗雲を吹き飛ばしている。チームにとっては危機だが柳町にとっては千載一遇のチャンス。プロ野球は弱肉強食の世界だから、不動のレギュラーの栗原が抜けた穴を埋めたらそこを死守することでレギュラーが勝ち取れる。ヒーローインタビューで好調の背景を問われた柳町は素直に、結果を求めていることを話していた。貴重な2点タイムリーを放ち、これで三森を上回る10試合連続安打とした。

外野手争いの渦中にいるのは上林誠知も同じ。満塁の場面でダメ押しのタイムリーを放ったが、その裏には、左投手から打つという結果を残すことが、使ってもらうことにつながると同じくヒーローインタビューで答えていた。打つ方が充実してくると、守備でもいい結果につながるようだ。この日は吉田正尚の大飛球を、フェンスに激突しながらスーパーキャッチ。前の試合ではライトから強肩も披露したし、ありゃ、何年も前の、輝いていた上林が戻ってきたんじゃないか?と期待してしまう。

打点が稼げる栗原陵矢の長期離脱はものすごく痛いのだが、栗原とはまた違う持ち味でそれぞれがその1枠を狙っている。例えばリチャードはパワーで。野村勇は俊足とパンチ力と好守で。柳町はヒット量産で。上林もコンスタントに打ちだしたし、守りも持ち味が出てきた。勝負強い牧原大成ですらスタメンが長続きしない。これらの選手は日々結果を出さないと使ってもらえない。その危機感が若手や中堅を成長させている。結果を出した人を藤本監督が使っているのも分かりやすい。ソフトバンクはいまとてもいい流れができている。


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