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黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

侍ジャパン敗戦で2017WBC事実上閉幕~野球の魅力も厳しさも感じた準決勝

WBCが終わった。正確に言えば侍ジャパンの勝負が終わった。1-2。惜敗。時の運。いろいろなワードが出てくるが負けは負けだ。

 

2失点はいずれもエラー絡み。野球はミスをした方が負ける、という当たり前のことを思い出した。たった1球が、たった1プレーが勝負を負ける。国際大会であればなおさらだ。だがそのはかなさみたいなものも野球の魅力ではある。発展途上の若者がひたむきに白球を追う高校野球があれだけ人を引き付けるのもこの点だろう。

 

それにしても野球の神様は試練を与えるな、と思う。先制を許すきっかけになった菊池涼介のエラー。芝生のふちだったか、ちょっとイレギュラーしたようにも見えた。数々のファインプレーで魅了した名手のエラーが大事な試合の失点につながったのは皮肉だ。

 だがうすうす野球ファンは気付いている。菊池涼介はスーパープレーの陰でたまにやらかす、と。2016年日本シリーズ第2戦でもセカンドゴロに思えた打球処理を誤りタイムリーエラーになってしまった。打者のバットが折れて打球が若干不規則になった面はあるが。

 

最近は心臓に当たったらいけないからと、体にゴロを当ててでも捕れという指導はされていないのだろうか。打球に正対する古典的なスタイルであればWBC準決勝でのあの打球もさばけたんじゃないかと思った。

 

決勝点につながったのは松田宣浩へのサードゴロ。前進、バックホーム態勢のところにおあつらえ向きの打球だった。が、処理前にホームを見てしまったか。プロ野球選手でもこういうことがあるんだなと思った。雨中の試合。雨をたっぷり含んだ内野の芝の上で弾んだ打球の跳ね方も独特なのだろう。なんだかんだ書いてしまったが、菊池涼介といい、松田宣浩といい、その雰囲気その局面でプレーした人にしか分からない部分はある。

 

そう、大変さはその人にしか分からない。

松田宣浩 (スポーツアルバム No. 31)

松田宣浩 (スポーツアルバム No. 31)

 

気の毒に2人が敗因を背負う格好になっているが、実は責任をひしひしと感じていると思われる人物がいる。不動の四番、筒香嘉智だ。 

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得点機に一本が出なかった。ここぞという時に打ってくれた主砲だったがこの日は不発だった。クライマックスは8回。ツーアウトながら1、2塁のビッグチャンス。ここが勝負だとみんな分かっていたからこそスタンドのファンも立ってアメリカを、日本を応援してワーワーなっていた。

 

変則的なフォームの右投げピッチャーではあったが「左打者にはチャンスがある」と解説の原辰徳サイドスローからの投球がややインコースの低めに来た。それを筒香嘉智がとらえた。かに見えた。昼間見られなかったので夜、録画を見たのだが、結果が分かっているにも関わらずあまりにいい角度で飛んで行ったので「うわ!」と声を出してしまった。筒香嘉智自身、いい感触はあったかもしれない。だが打球は失速し外野手のミットに吸い込まれた。

先発・菅野智之はさすがと思わせるピッチング。過去のシーズン中、ここぞという時に崩れた頼りなさは微塵も感じられなかった。

 

小林誠司は今大会最も成長した選手だと思う。たまに見せるガッツポーズも、一つ一つ自信を得ている証拠に見えた。捕手生活を振り返った時、転機になった大会と答えるだろう。菅野智之の快投と小林誠司の大ブレイク。巨人ファン的にはウハウハだ。

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 そしてメジャーからの注目も高まった千賀滉大。決勝点は与えてしまったが圧巻の4者連続奪三振。プロ入り後3軍で鍛えた男がメジャーリーガをきりきり舞いさせたのは痛快。近い将来、法外な金額でメジャー入りしそうな雰囲気がプンプンする。

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 日本においてWBC観戦がまだまだ成熟していないと感じるのは結局自国の試合にしか関心がない点だ。アメリカとの準決勝中継最終盤、今大会のスーパープレー集映像が流れたが内外野ともアクロバティックで超人的な守備がバンバン出てきた。こういうのをもっと認知してもらわないと。このへんがワールドカップのあるサッカー人気に劣る。サッカー通は自国以外の選手やスーパープレーをよく知っている。

 

というわけで日本国内でのWBCは準決勝をもって事実上閉幕した。肝心の決勝は後夜祭なのだ。

 

僅差で負けたから敢えての提案。次の4年間は打ち勝つ野球を目指してはどうか。もちろん投手力は最低でも今のレベルを維持した上で、だ。プエルトリコやオランダ、アメリカをパワーを生かしたプレーが多い印象だ。日本は緻密で繊細なプレーを信条としているが今やアメリカもパワー頼みではない。相手が細かいプレーまでしだしたのであれば日本は逆に剛腕豪打を意識してもいい。

 

もっともどんな野球を目指すのかは監督次第。侍ジャパン敗戦後、小久保裕紀監督は「任期満了」と退任の意向を示した。2020年には東京でオリンピックがあるので監督が交代するのであればオリンピックも視界に入れての人選となる。

 

個人的には栗山英樹ジャパンを見てみたい。今回は残念ながら見られなかったが大谷翔平侍ジャパンにいるのなら起用法も柔軟にやってくれそう。もともと侍ジャパンは結束が武器なのであれば2016年に日本ハムを日本一に導いた実績からもいい結果が期待できそうに思えたのだ。

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 過去の監督の中からの再登板ならもう一度原辰徳に率いてもらいたい。勝負師である点はNPB監督経験がなかった小久保裕紀を上回る。リーグ優勝7回、日本一3回。何より第2回WBC優勝監督であり、いま現在巨人の監督ではない。

原点―勝ち続ける組織作り

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 エラーから監督人事の話まで欲張って書いてしまった。ともかく野球ってこんなに面白いんだなということは十分すぎるほど伝わった。心配された視聴率もそこそこ頑張ったようだし。侍ジャパンの面々を中心に、2017年シーズンも野球観戦を一緒に楽しみましょう。

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