黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

101ホールドの久保裕也と101暴投の新垣渚、「楽天合格・引退」の明暗はなぜ分かれたのか

巨人、DeNAでプレーした久保裕也楽天のテストに合格した。現役続行を目指したもう一人の有名なプレーヤー、新垣渚は声が掛からずに引退。くしくも共に2002年ドラフト自由枠でのプロ入りだった。両者の違いは何なのだろうか考えてみた。

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久保裕也と言えば先発も抑えも中継ぎも経験した。実働12シーズンで47勝35敗、101ホールド。変化球も多彩と記憶している。

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一方の新垣渚。64勝64敗と勝ち星では久保裕也を上回っている。久保裕也は101ホールドだが新垣渚は101暴投(村田兆治石井一久に次いで歴代3位)。これは両者の特徴を如実に物語っている。上半身をフル活用して、おりゃーっと投げるのが新垣渚の魅力なのだ。暴投については以下の記事をご覧ください。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

NPBも暴投だけでランキングしてくれている。さすがだ。

npb.jp

 

久保裕也は先発も抑えも中継ぎも出来た。一方、新垣渚はあくまでも先発の男。通算セーブ0、ホールド0と気持ちがいいくらいだ。

npb.jp

別に新垣渚をこきおろすつもりもない。若いうちは力があり、勢いがあって先発をやり、衰えや経験を加味しながら軟投派になって抑えや中継ぎに回るのはプロではよくある話。逆に0セーブ0ホールドなんて、初志貫徹でかっこいいくらいだ。

 

だが結果的に、新垣渚の現役続行の模索はイコール先発枠争いなわけだからハードルがものすごく高かった。最後はソフトバンクではなくヤクルト、というのもひとえにヤクルトの投手陣が手薄だったからにほかならない。そのままソフトバンク在籍だったらもっと引退は早まっただろう。

 

対して久保裕也は先発、抑え、中継ぎとさまざまなポジションを経験したことが評価対象になった。

星野仙一楽天副会長「あいつの経験とかをアドバイスしてもらいたい。ジャイアンツで抑えをしたこともある。適材適所。期待しています」

梨田昌孝監督「経験も豊富で力になってもらえる。テクニック、うまさを持っている。若い選手の手本になってもらいたい」(ともに上記日刊スポーツ記事より引用)

 

そう、うまさ。これが久保裕也新垣渚の違いに思えてならない。

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トライアウトの受験はおおまかに2通り。若者でこれまでチャンスを生かせなかった人が夢をつかむか。実績を残した人がもう一度第一線に戻るか。久保裕也新垣渚はもちろん後者。トライアウトを受けたか確認用に検索したら日刊スポーツのまとめを見つけた。カット写真で久保裕也新垣渚も出てくる。2人ともそういう選手なのだ。

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どの職場でも唯一最大の武器でどこまでも行ける人はほんの一握り。でなければあれもこれも出来る人になるしかない。あれもこれも出来る人になればいろんな仕事ができる。実はシンプルな話だ。いろんな仕事ができそうだから久保裕也楽天に受かった。若手へのアドバイスも含めて、だ。ちょうど巨人から小山雄輝という投手がトレードで楽天入りしている。個人的には巨人で先発の一角として頑張ってもらいたかったが巨人で埋もれるくらいなら楽天でバリバリやるほうがいい。だから小山雄輝には積極的に久保裕也にアドバイスをもらってほしい。

 

じゃあ新垣渚も中継ぎができればよかったのにな、という話でもない。新垣渚が下手に中継ぎなんてやっていたらそれは新垣渚ではない。2015年に3勝10敗という成績が残っているが、むしろカッコいい。最終の2016年が1勝2敗で、トライアウトも受けたけど先発のまま選手を終わる。これで新垣渚はよかったのだ。新垣渚のままだったから、古巣のソフトバンク職員になれたとさえ思う。野球教室などをする野球振興部所属だそうだから余計「新垣渚」のイメージのままでよかったのだ。

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久保裕也も現役生活はそこまで長くなかろう。だが崖っぷちに踏みとどまったことは人間の幅を広げただろうし、3球団を渡り歩いたことでコーチ業ができる可能性が広がったとも言える。まずは1日でも長くユニフォームを着てもらいたい。

 

【おすそわけ】

読者の皆さま、黒柴スポーツ新聞に遊びに来ていただき本当にありがとうございます。良質のアウトプットには良質のインプットが必要。そんな意味で先日上京してきました。その時に東京ドーム敷地内にある戦没野球人の鎮魂の碑を見てきました。そこで感じたことを以下のブログにつづりました。はてなブログでご縁ができたニッポン手仕事図鑑編集長さんの主宰するニッポン手仕事図鑑内のブログです。ぜひご覧ください。なになに、ふたりごと文庫ではなんかいつもと違う上品な文体じゃんか!とつっこまれそうですが媒体によっての「書き分け」とスルーしてください…そしてぜひ鎮魂の碑、足を運んでくださいね。この告知、1週間限定でさせていただきます。

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中尾孝義とその周辺の懐かしい選手たち~中尾孝義氏、専大北上高監督に就任

中尾孝義。懐かしい名前に反応してしまった。専大北上高校の監督に就任するという。

専大北上に何か関係あるのかと思ったら中尾孝義専修大学OBだった。ウィキペディアで見ただけだが山沖之彦ともバッテリーを組んだという。 

中尾孝義といえば、太め、鈍足でも致し方ないとされるキャッチャー像を変えた男とも言われている。確かに太っていない。1年目から100試合に出場。当時中日には木俣達彦がいたわけだがある意味ミスタードラゴンズ木俣達彦を押しのけて正捕手的な活躍をしたわけだから素晴らしい。

YouTube中尾孝義を検索したら1982年9月28日に中日が江川卓を攻略した、という懐かし映像が出てきた。打たれた江川卓がタイトルになるくらいだからやっぱり江川卓ってすごかったんだなと実感。この映像、中日ファンでなくとも興奮してしまう。

【9回裏、中日4点のビハインド】

豊田誠佑:ヒット

モッカ:ヒット

谷沢健一:ヒットでノーアウト満塁

 

大島康徳:犠牲フライで1点

宇野勝:タイムリーで1点。なお1死2、3塁

 

ここで本日の主役、中尾孝義が登場。

実況アナ「バッターボックスは中尾。足が上がった。第、4球を投げたライトへ、ヒットだ! ワンバウンド、ツーバウンド! 3塁ランナーホームイン! セカンドランナーもホームへ向かう! いまボールはバックホーム! ドーテーン! 同点です! 江川唖然。同点! 中日9回は奇跡の同点です。6対6の同点です」

中尾孝義は塁上でガッツポーズ。かっちょえ~。この時代の中日のユニフォーム好きだから余計にカッコよく見える。

なおこの試合は延長でなお中日打線が江川卓を追い詰め、救援した角三男から大島康徳がサヨナラヒット。大島康徳といえばこのほどガンを公表した。第三者が軽々しく言ってはいけないが体をいたわってほしい。

www.daily.co.jp

 

木俣達彦を追い落とした(と書いたらきついがプロ野球はそういう世界)中尾孝義中村武志の台頭でその座を失う。そして西本聖とのトレードで巨人へ。それぞれピークを過ぎた感もあったが正捕手だった男、エース級だった男同士のトレードは驚いた。が、西本聖は男の意地で20勝。中尾孝義も巨人の1989年度日本一に貢献したのだから結果的にはよいトレードだった。

在籍3球団での日本シリーズ出場はウィキペディアによれば7人(若生智男、永尾泰憲、大宮龍男中尾孝義阿波野秀幸工藤公康中嶋聡)だそうだ。

そろそろまとめねばならないが、特にオチはない。ただただ中尾孝義を軸に懐かしい野球選手を登場させてみた。たまにはこういうパターンもいい。黒柴スポーツ新聞は暇つぶし程度ででも楽しんでもらえばいいのだ。編集局長はうじきつよしを見ては中尾孝義を思い出していた。きょうはこれが書けただけで密かに満足している。

練習でできないことは本番でもできない~今永昇太は三浦大輔最終登板のブルペンを見て開眼

 

サンデースポーツ筒香嘉智と今永昇太が出ていた。三浦大輔を交えてのインタビューだ。筒香嘉智はまだ25歳。伸び盛りであり、けがとかFA流出でもない限り当分DeNAは4番に誰を据えようか悩まずに済む。組織の柱が安定しているのは素晴らしい。筒香嘉智には帽子のヒップホップかぶりをする初の三冠王を目指してもらいたい。

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今回の主人公は筒香嘉智ではなく今永昇太。黒柴スポーツ新聞が密かに目を付けているピッチャーだ。2年目、まだ23歳。末恐ろしいとは思っていたがなかなかに意識が高い、とサンデースポーツを見て思わされた。

 

今永昇太がブルペンで投げている映像が流れた。そこに三浦大輔がコメントをかぶせた。

「より強く意識を持っている」

どのピッチャーもランナーを想定した上でキャッチャーに向かって投げることはあるが、今永昇太はちょっとずつ首の振り方を変えていたという。三浦大輔は遠目に見て、まるでランナーがいるかのようだったと振り返った。

 

これについて今永は「ブルペンでできないことは試合でできない」と解説した。

 

準備段階とか、練習の段階でできないことは本番でもできない。もちろんまぐれでできちゃうことはあるので絶対ではないが、確かにそうである可能性は高い。そういう前提で事に臨むのは大切だ。 

 

今永昇太はさらに、「試合ではランナーが出る方が多い」とまで言っていた。そう、相手のあることだからこちらがいかに準備をしていようがアクシデントは起きるものだ。起きてからあたふたするよりも「そもそも起きる可能性が高い」と思っている方がリカバリーできる可能性も高まる。

 

ブルペンで投げている時、具体的な選手までは思い描かないそうだが、脚の速さとか、リードの大小くらいはイメージしているそうだ。アクシデントや諸条件のイメージが細かくできればできるほど対応能力は上がる。

 

三浦大輔がすかさず解説した。ブルペンでいい球を投げていようと、いざバッターが目の前に立ったりランナーが出たりするとその球を投げるのは難しい。「いかにブルペンの時から試合を想定して投げるか」なのだそうだ。これは社会人としても意識しておきたい言葉だ。 

 

実は今永のこの思考、三浦大輔の最終登板におけるブルペンの様子を見たことが影響していた。一人一人バッターの名前を挙げたりカウントを設定していたという。それを見た今永昇太はいかに自分のブルペンの中身が薄いか痛感したと話していた。三浦大輔は引退する時素晴らしい置き土産を残していたのだった。身近なところによいお手本がいるのは何と幸せなことか。

 

あまりたくさんシミュレーションしすぎてガチガチになるのは意味ないが基本うまくいかないことが多い、恵まれない状況の前提でも力が出せるように鍛える。そうすれば本番でもうまくいく可能性が高まる。至極当たり前のことだけれど、そうできるかどうかは本人の意識次第なのだ。

 

今永昇太はプロ1年目8勝だったがこの調子でいけば目標どおり2ケタは堅いんじゃないか。不動の4番に意識の高い若手左腕。DeNA、ちょっと注目して見てみよう。

 

【おすそわけ】

読者の皆さま、黒柴スポーツ新聞に遊びに来ていただき本当にありがとうございます。良質のアウトプットには良質のインプットが必要。そんな意味で先日上京してきました。その時に東京ドーム敷地内にある戦没野球人の鎮魂の碑を見てきました。そこで感じたことを以下のブログにつづりました。はてなブログでご縁ができたニッポン手仕事図鑑編集長さんの主宰するニッポン手仕事図鑑内のブログです。ぜひご覧ください。なになに、ふたりごと文庫ではなんかいつもと違う上品な文体じゃんか!とつっこまれそうですが媒体によっての「書き分け」とスルーしてください…そしてぜひ鎮魂の碑、足を運んでくださいね。

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もしも箱根駅伝が「全国開放」になったら~青山学院大・原晋監督の持論に絡めて

箱根駅伝の「全国化」は不可欠。またまた原晋監督(青山学院大)の持論にうならされた。箱根には箱根の伝統がある、と最初は違和感を覚えたのだが。

www.sankei.com

 

箱根駅伝関東学生陸上競技連盟(関東学連)の主催。だから関東の大学オンリーでやる。ほかに全日本大学駅伝なんて大会もあるからほかの地方の大学はそちらで頑張ればいいのでは?と思った。

 

だがこの産経新聞記事を読んで気付いた。箱根駅伝はランナーにとっての「甲子園」なのだ。甲子園に行くためには関東の大学に入らねばならない。自然と有力選手の分布が関東偏重になる。実際記事でも書いてあったが昨年の全日本大学駅伝ではトップ10が関東の大学で占められた。逆にこれでは「全日本」の名がすたる。

 

 

 

 

というわけで「もしも箱根駅伝を全国開放にしたら」を考えてみた。

 

やはりいきなり本戦出場というのは前回大会で力走した選手に失礼。なのでここは公平に予選会からの出場とする。

 

予選会は本戦を目指して死闘が繰り広げられる。ここを勝ち抜いた大学が出場できるのだから、たとえ関東以外の大学が出たとしても箱根駅伝に出るレベルは最低限維持される。

 

もちろん関東の大学にも意地がある。いきなり初出場の大学に優勝をさらわれてはプライドに関わる。そうなることで箱根駅伝自体のレベルがあがる。ひいては学生陸上のレベルが上がる好循環が期待できる。

 

 

 

全国に散らばる有力高校生ランナーにも選択肢が広がるメリットがある。箱根駅伝の伝統校に行きたい人はそこに行けばいい。新興の大学で新しい歴史を作りたければそこに行けばいい。地元に残りつつ箱根を目指す、という道も増えるに違いない。そうすると地方の県に有力ランナーが残るので後輩たちのよき目標になりアマチュア陸上界全体のレベルアップにもつながるかもしれない。

 

黒柴スポーツ新聞でも陸上はもっともっとメジャーになってもらいたい思いがある。甲子園で活躍した球児がドラフト1位で入団する時の契約金は1億円(これには以前下の記事で異議を唱えたのだが)。

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箱根駅伝で名をはせたスター選手は社会人入りする時どれほどの待遇だろうか。手法の違いはあれど学生時代の貴重な月日を努力したことは高校球児も大学生ランナーも変わらない。今は待遇に差が付きすぎに見える。ゆくゆくはドラフト会議みたいに生中継してどの選手がどのチームに行くかに一喜一憂する時代になってほしい。

 

次々に結果を出す原晋監督。だからこそ提案がいちいち気になる。これからも動向に注目していこう。

 

箱根駅伝に関する過去記事はこちら。

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可動域は意識しないと広がらない~志国高知 幕末維新博の「そっくり」ポスターを見て自戒する

可動域を広げる。イチローのトレーニング風景を見たことがあるだろうか。あのイメージ。関節の可動域を広げる、もしくは維持している。可動域はパフォーマンスの可能性、とも言い換えられそうだ。

 

可動域。気になっていた言葉であり、今も意識している。その思いは先日、日々頭を使って行動している人たちに会いに上京したことで増幅された。良質のアウトプットをするには良質のインプットが必要。当たり前だ。だからこれからも意識が高い人と関わり、美しいものを見ようと思う。

 

2月11日付の高知新聞で気になる記事を見つけた。

※全文ではないがさわりは下で読めます。

高知県、維新博ポスターそっくり 過去に開催した別の企画展と|高知新聞

 

「志国高知 幕末維新博」という高知県の観光キャンペーンが3月4日に開幕するが、そのポスターが、2010~11年の「土佐・龍馬であい博」に合わせて開かれた企画展ポスターにクリソツなのだ。酷似の度合いは写真を見て判定してください。

 

高知新聞記事によると、プロポーザル方式での審査で参加作が基準点に満たなかったため、「維新博のイメージに合う」と審査員から意見があった例のポスターをベースに、当時デザインを担当した会社に高知県が発注したという。

 

維新博開幕まで時間がなかったからとか、そういう問題ではない。「志国」とか言ってるけど志が低いんじゃないの?とツッコミたくもなる。

 

デザイン会社は高知県から「あれをベースに」と言われていなかったらまっさらな案を提示したのかどうか。今となっては分からないけれど、クリエイターならそうあってほしい。前に合格点をもらえた会社であれば「ハズす」ことはない。今回の維新博ポスターだって、過去のポスターうんぬんの話を聞かされなければ「華やかでいいね」と思われそうな出来栄えだ。だが見れば見るほどこれはAがA'になった作品である。

 

長年ものづくりをしてきた人ならいくつも引き出しがある。こういうリクエストにはこう応えたら喜ばれるという方程式がある。そういう顧客本位のテクニックならいい。だが自分自身もある種の弱さに気付いている。こうしたら失敗はしないという逃げ口上的に過去の引き出しをそっと開けていないかな、と。

 

これは明らかに可動域を狭めている。

 

大失敗はない。代わりに成長の芽を摘んでいる。気付いたら引き出しはどんどん減る。結果、職人としての関節が動かなくなる。死。それは極論かもしれないけれど。

 

そうならないためには出来ること、やることを意識して増やすことだ。可動域を広げる。当分これを念頭に行動していこう。

 

維新博もどうせならケチがついたとひねくれるのではなく「ポスターは一緒だけど中身はグレードアップしています」くらいのお洒落な切り返しを期待したい。高知の歴史やおいしいものに触れてもらうせっかくのチャンスなのだから。

 

bakumatsu-ishinhaku.com

ポスターにまつわる別記事はこちら。

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羽田空港でもパラリンピックに触れられる~未来をつなぐレガシー展3月5日まで無休

 熱狂的なメダリストパレードからはや何カ月。

パラスポーツにどっぷりはまっている人を除いて、

一般の人の関心度は元に戻りつつある。

 

黒柴スポーツ新聞はリオデジャネイロパラリンピック中と直後は連日、

ウィルチェアーラグビーを中心に記事を配信した。

 

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ウィルチェアーラグビー日本代表が銅メダルをとった瞬間は泣けた。

久々に他人のことで涙が出た。

スポーツの力を再認識させられた。

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一方で関心が元に戻るのもやむを得ないな、とも思う。

日常的に触れられる機会が少ないのだ。

普及、啓発、PRに汗をかかれる現役選手、元選手、指導者の皆さんの尽力には本当に頭が下がる。

だが、機会の創出というのは本当に難しい。

 

羽田空港美術館ディスカバリーミュージアムで3月5日まで、「未来をつなぐレガシー展」が開かれている。

第3期 もっと知りたいパラリンピック、とチラシに書いてあった。

 

やっていること自体知らなかったので、急きょ見学。

やはり実物は鳥肌が立つ。

久々にミーハー全開。

ウィルチェアーラグビー日本代表の島川慎一選手実使用ラグビー車が展示されていた。

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ボコボコのフレームやホイール(専門用語は分かりませんが)。

これぞラグビー車。

かっこいい。

乗っている選手はもっとかっこいい。

 

陸上やボッチャ、車いすバスケットボールも紹介されていた。

ボッチャはメダルを取ったし、次の東京パラリンピックでもメダルを取ればさらにメジャーになるだろう。

スポーツはレベルが上がれば上がるほど結果がすべてになっていく。

ファンも増える。

そういう視点で過去にこんな記事を書かせてもらった。

 

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もちろん勝敗だけでなくその過程から一般の人が感じ入ることはある。

学ぶこともいっぱい。

そこらへんがパラスポーツの良さだと思っている。

いや、あえてパラスポーツだなんて言わない。

スポーツ。

次の東京大会からオリンピックの種目としてパラスポーツが実施されたらなあ、なんて思ったりもする。

 

未来をつなぐレガシー展の会場で確認したが、一部を除き写真撮影オッケーだ。

ぜひ特に印象に残った展示物をパシャッと撮って「行ってきたよ~」と拡散を。

そういう今風の援護射撃なら、きっとあなたもできる。

羽田空港にちょっと早めに着いた方、お見送りの方、ぜひ気軽に羽田空港美術館ディスカバリーミュージアムへどうぞ。

国内線第2旅客ターミナル3階です。

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 上記以外のパラリンピック関連記事はこちら。

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分け入っても分け入っても野球古書の山~神田神保町のBIBLIOさん訪問記

野球古書、というジャンルがあるのかどうか。
神田神保町BIBLIOさん(http://www.biblio.co.jp/)に行った時の話をしよう。
知る人ぞ知るお店である。
サッカーやボクシングなども扱っているが今回は野球の話。

特定の本を探しに行ったわけではなく、行くことが目的だった。
予想より狭い店内。
棚と棚の間が通り道ではあるが180度の方向転換が若干厳しい。
掘り出し物を見つけたいと頑張ってすべての棚をチェックするも死角はギブアップ。
そこも含めてこのお店の魅力であり楽しみ方であろう。

探し物があればお店の方に相談すればよいのだ。
未整理の物も店内にはあるがほしくなったらすぐ対応しますとのこと。
そこで江川卓が表紙の週刊ベースボールを発見。
たしか1976年のものだった。
未整理の山は見る人が見れば宝の山である。

1960年代の週刊ベースボールの列を発見した。
一冊ずつ透明の袋に包まれている。
目安で一冊3240円。
1970年代の物もずらりと並んでいた。
2000円台の物もあった。
調べもので手元に置きたい方は実物を手にいれるビッグチャンス!

ただし一点注意。
1960年代の週刊ベースボールは表紙に内容紹介が2行程度しかない。
何月何日号にお目当ての記事や写真があるのかは事前に調べるべし。

コレクターの方は雑誌のコンディションが気になるだろう。
そこはお店も分かっている。
年代の割りに他より安いなと思うものは傷みがあった。
と言っても見た感じ「年代なりに」と思う。
見た目、美品である。
思わず「どこか傷んでるんですか?」と聞いてしまったくらいだ。

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すべてのチームが並んでいるわけではないが見つけたのは巨人の列、阪神の列、中日の列。
巨人の列はさらに長嶋茂雄王貞治の本が充実。
当時どれだけの人気を誇っていたのか実感できる。
長嶋茂雄王貞治のファンにはおすすめ。

単行本の相場はやはり3000-2000円といったところか。
5000円台の物もあった。
何せ復刻版というより何十年前に流通していた実物なのだ。
感覚的には骨董品である。

野球の本を一時集めていたのでそこそこ漁っていたつもりだったが見たことないタイトルばかり。
絶版になった物も多数ありそうだ。
もしかしたらその本、もう出会わないかも?
と考えたら軍資金は多めの方がよさそうだ。

マチュア野球も充実。
甲子園関連本もどっさり。
こってり。
高校野球ファンにはたまらない。
お目当ての年や選手がいたらぜひお宝を掘り当ててほしい。

お店も広くないし探し物には時間がかかるもの。
友人と行くよりは一人でどっぷり浸る場所と思う。
彼氏のみが野球好きであれば彼女さんは別行動でコーヒータイムを過ごしてもらう方がお互い気を使わず済みそうだ。
ちなみにワタクシは1時間半おりました。

今回はあくまでもお店を楽しんだ人間の立場、目線で書きました。
地図も営業時間も定休日も載っているので興味がある方はお店のホームページを見るなりお問い合わせの上ぜひ遊びにおでかけください。

BIBLIOさん
http://www.biblio.co.jp/

野球本関連の記事はこちら。
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出会いを大切に芽吹かせよう~母校と熊本と福徳神社と金融街とニッポン手仕事図鑑

今の自分は、過去にお世話になった方たちのおかげで形成されている。
そんな思いを強めた。

上京してきた。
学生時代を過ごした東京に。

小一時間、隙間時間が生まれた。
母校まで足を伸ばす。
就職活動でお世話になった方に時間を取っていただいた。
後輩で、60社も受けた結果見事希望の職種に就いた人がいると聞いた。
そのガッツがあれば今後も道は開けるだろう。
執念を見習おう。

続いて熊本の新聞社に勤める知人(東京赴任中)に会った。
熊本地震のことやその後のことを教えてもらった。
大きな地震が2回あったのだが、意識が高い人は最初の地震の後すぐ風呂に水を貯めたという。
知識があるだけじゃなくてすぐ動けるかどうか。
自分もそうなろう。

また隙間時間が生まれた。
予定外のコースにそれたら神社発見。
福徳神社。
銀行や証券会社が軒を連ねる日本橋界隈にある。
まさにぴったりだ。
縁起のいい名前に引かれお参りする。
案の定宝くじ保管に適したお守りがある。
だがもうひとつ、芽吹き守りを発見した。
自分の能力が伸びるとか、会社で新規事業をするとかを応援くださるらしい。
日々の成長を目指すワタクシにピッタシではないか!
金運、勝負運、成長、恋愛成就。
別名芽吹き神社にご興味がある方はぜひどうぞ。
http://mebuki.jp/smp/mamori/index.html

この金融街で働く方にも会っていただいた。
不思議なご縁が15年以上続いている。
実際に会うのはまだ3回目くらい。
4、5年に一度お目にかかり近況報告をすることで自分の成長や足りなさを確認しているような気もする。
何せ初めて出会ったのが新聞記者になってすぐの研修でやった街頭アンケート。
それに答えて頂いた時に交わした名刺だけでここまで来たのだ。
全員は無理だけどこういう縁一つ一つを疎かにせずいこう。
この方に会うのは原点に帰る意味合いがある。

夜は全国の職人さんを動画で応援するサイト「ニッポン手仕事図鑑」2周年イベントへ。
外部ライターとして3回だけ、コラムを書かせて頂きお誘いを受けた。
よい機会なので大学時代の同期記者も誘って一緒に楽しんだ。
職人さんならではの道具や素材の話を聞いたり。
ビデオグラファーさんに取材風景を説明してもらったり。
ニッポン手仕事図鑑が関わる秋田県鹿角市のきりたんぽも堪能した。
すべての素敵な出会いに感謝。

それぞれの方とはまたいつか再会したい。
その時はさらに成長していたい。
芽吹き守りにご利益があったかどうか、確認するのが楽しみだ。
皆さんも久しぶりに、自分を高めてくれる「あの人」に会いにいってみませんか?

プロの脳外科医は危険を避ける行動を心がける~返還したボルトの金メダルが湯呑みという話

ボルトが北京五輪400メートルリレーの金メダルを返還した。
このゴタゴタとは別のことが気になっていた。
この男、速いのは脚だけじゃない。
即断即決即実行。
ジャパニーズピーポーが最も苦手なことだ。

www.asahi.com

今回のドーピング。
そう、まだ頑張ればグレーとも見える。
疑惑のネスタ・カーターは不服に思っている。
検査は陽性。
ジャマイカチームは失格となりメダルはく奪が決まった。
限りなく漆黒に近いグレー。
限りなく透明に近いブルー的な語呂で書いてみた。

だがボルトはメダルをさっさと返してしまった。
引退を控えたボルトはまさに終活中なのだ。
いかに美しく去るかを考えている。
それに集中できないなら過去の金メダルでもいらないのだ。

このシンプルな思考を見てある本のある一節を思い出した。

林成之著「<勝負脳>の鍛え方」講談社現代新書
・危険を避ける行動を心がける(47ページ)

<勝負脳>の鍛え方 (講談社現代新書)

<勝負脳>の鍛え方 (講談社現代新書)

林成之氏は脳外科医だ。
ちょっとしたミスも許されない外科医が意識していること。
それはそもそも危険状態に追い込まれないようにすることだという。

「辞書と湯呑み」の例が書いてあった。
目の前にお茶を入れた湯呑みがある。
その先50センチの所に辞書がある。
多くの人はそのまま手を伸ばして辞書を取る。
脳外科医はどうするか。

まず、湯呑みをどかす。
もしかしたら袖が引っ掛かって湯呑みを倒しかねないからだ。

そう、ウサイン・ボルトの金メダルは「湯呑み」なのだ。

別に今すぐ返さなくてもいい。
有終の美も難なく飾れるかもしれない。
だがボルトは完璧なラストを描きたいのだ。
お茶をこぼすことなんて、ありえない。

ここにこそボルトの強さを見た。
ボルトは身体能力が飛び抜けているのではない。
思考能力にも長けている。
決断もロケットスタートなのである。

熱心な読者はすでにお分かりだろう。
そう、黒柴スポーツ新聞編集局長は今まで湯呑みどかさない派だった。
いけるならいく男。
そう言えば聞こえはいいが単に湯呑みをどける手間を惜しんでいるだけである。
それでお茶をこぼしたことは数知れず…。
だから最近は湯呑みをどかすようにしている。
人間は変われる。

あなたは湯呑み、どかしていますか?



ちょうど1年前の記事はこちら。実現しませんでしたけどね。
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脳科学関連の記事はこちら。

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自分で乗り越え自分で達成感をつくれ~日大三高伝統の冬合宿で飛ばした小倉全由監督のゲキ

第89回センバツ出場校で注目するのは40年ぶり出場の中村高校(高知)。
公立というのも応援ポイントだ。
まあ私立というだけで差別するつもりはない。
私立は強い学校が多いから、だ。

その私立の中で注目したい学校が日大三
1月29日の朝、NHKで冬合宿がリポートされていたのだがそれが面白かったのだ。
きょうはそれを紹介しつつ「成長」について考える。

冬合宿は伝統らしい。
制限時間が設定されてのランニング。
スクワット。
綱登り。
筋力トレーニングは16種類にも上る。
黒柴スポーツ新聞編集局長は高校時代バレーボール部で夏合宿があったがこんなにやったら倒れていたに違いない。

日大三と言えば強豪だ。
秋の都大会ではあの清宮幸太郎がいる早稲田実業と決勝戦
8回を終えて勝っていたのだが9回にサヨナラホームランを喫し敗れたのだった。
悔しさはステップアップの源になる。

「今の子どもは根性がない、頑張りがきかないと簡単に大人が言いすぎちゃうと思う。でもその中で教えてさえやれば挑戦的な自分に変わってくる。2週間の中で自分の成長を自分が一番感じるんじゃないかと思う」(小倉全由=まさよし=監督、VTR中の言葉より)

小倉全由監督についてはこちらの記事が詳しいので興味がある方はぜひご覧ください。
www.sponichi.co.jp

小倉全由監督は冬合宿中連日500球にも及ぶノックを浴びせていたが風呂にも部員と一緒に入っていた。
画的にはフレンドリーな雰囲気が醸し出されていたが部員も風呂くらいリラックスしたいんじゃないの?なんてうがった見方をしてみた。
サラリーマンなら嫌いな上司とは絶対風呂には入らないもんね。

合宿最終日前日、雨の中自主練をしようとした部員を小倉全由監督が止めた。
「気持ちはうれしいけどさ、きょうは我慢してくれよ」
けがでもしたらいけないんだから、と。
さすが甲子園に行くような選手たちは違うね。
編集局長だったら「なんだよー、雨ふんなよなあ」といいつつ口元がニヤけるに決まっている。
うれしさが隠せない。
(そんな心持ちだから成長できないんだよ!)

合宿最終日はOBらが応援に来てくれるという。
字幕でOB(平成23年全国優勝を果たしたエース)と出た人がいた。
これ吉永健太朗じゃないの?

【連載】平成27年度卒業記念特集『覇者たちの球譜』 第7回 吉永健太朗 | 早稲田スポーツ

今はJR東日本にいる模様。
JR東日本野球部:選手・スタッフ紹介|投手|21 吉永 健太朗 詳細ページ

【吉永健太朗の同期】
・畔上翔(法政大~ホンダ鈴鹿
・横尾俊建(慶応大~日本ハム
・高山俊(明治大~阪神

にしても吉永健太朗は早稲田大だったからこの日大三の甲子園優勝メンバーはなんて豪華なんだ。
先輩たちもまたそれぞれの道を歩んでいる。
個人的には畔上翔に期待大。
ドラフトにかからんかなあ。

さて、日大三の冬合宿最終日。
最後はひたすらグランドを全力疾走する。
連帯感が生まれ、最後は4人ずつくらいで自然と手をつなぎ走っていた。
走り終わったら抱き合ったりもしていた。

そしてシメの小倉全由監督あいさつ。

「お前ら歯を食いしばってよく頑張った、本当に。スタートの時の苦しい、不安に思っていたのをきょう最後にこうやって自分で乗り越えて自分で達成感をつくっていくんだ」

小倉全由監督の目が赤くなっているように見えた。

聞いていてこっちもちょっと感動してしまった。

そうだよな。
自分で乗り越えて自分で達成感をつくる。
それが出来た時が成長できた時なんだ。
ハードルの高さは人それぞれ。
スマートに飛び越える人も、つっかかる人もいる。
ちなみに編集局長は上司に「リンボーダンスをしてでも越えろ」と言われて「目からウロコ」になったことがある。
ともかく達成感は飛び越えた人にしか分からないのだ。

冬合宿を終えた日大三ナイン。
センバツでどんな戦いをしてくれるか楽しみだ。

未来からやってきました。日大三高履正社との一戦の結果はこちら。
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重友梨佐が大阪国際女子マラソンで復活V~ネガティブスプリットは力がある人にしかできない

いつか追い付けばいい。
それでは追い付けない。
もしかしたら、永遠に。

大阪国際女子マラソンを見ていて高橋尚子の解説が興味深かった。
「その1メートルを『命取り』と言うんです」
序盤、先頭集団が割れた。

先頭集団の前方と、後方のかたまりの差はわずか2メートル。
ペースも極端に速い訳ではなかったので十分追い付ける。
だがこれを埋めるのが難しいのだと高橋尚子は言っていた。

そう、結果を残す人と残せない人の差は最初は小さい。
もしかしたら気付かないくらいのものかもしれない。

やがて2位集団は気付く。
「ちょっと差が付いたな」
でもまだ追い付けそうな距離だから焦りもない。
そのうち追い付けばいいや。
そう思ったら無理に追っていこうとは思わない。
いつか追い付けばいいや。

だが、その「いつか」って、いつ?

マラソンと同じで人生も後半になるにしたがって成功者に追い付くのはだんだん難しくなっていく。
もちろん年を重ねると体力面は厳しくなる一方で経験という武器は手に入るのだが。

実際、大阪国際女子マラソンも前半、スピードを上げたペースメーカーに食らいついて行った3人が先頭争いを繰り広げた。

もう一つ。
高橋尚子が勝負どころについて語っていた。
「残りの距離」と「自分の力」と「相手の力が落ちた時」を見極めてここぞという時に前に出るのだという。
今回は堀江美里(ノーリツ)が25キロで独走態勢に入った。
「ちょっと(仕掛けが)早いんじゃない?」と増田明美
確かに増田明美の言うとおり、人の後ろについて行く戦法もありだ。
だが高橋尚子からは機を逃さない、いい判断だったと評価されていた。

マラソンはタイム走というよりは勝敗なのだから他の選手に勝たなくてはいけない。
自分のペースで行けばいいというものではない。
ライバルのコンディションも冷静に見極められないと勝てない。
それはビジネスの世界でも同じだ。

それにしても大阪国際女子マラソンはTHE ALFEEの曲が似合う。
マラソン大会にテーマソングがあるという仕掛けもいいなあ。
www.oricon.co.jp

恥ずかしながら今回の大阪国際女子マラソンで初めて「ネガティブスプリット」を知った。
ざっくり言うと前半抑えて後半ペースアップする走法らしい。
世界のマラソンは後半の勝負が激しいのでそれに耐えられる力を日本陸上界としても強化させたいという。

ただしこれはトップ選手ならではの走法とみた。
常識的に考えて脚はスタートして間もないころの方がフレッシュ。
疲労はどんどんたまっていく訳だから後半上げられる人はすごいのだ。

そういう意味では実力者・重友梨佐天満屋)がそれに当てはまる走りをしていた。
いったん脱落したかに見えたが徐々に上げて30キロあたりから2位に浮上。
粘りの走りである。

天満屋女子陸上競技部の寮ごはん

天満屋女子陸上競技部の寮ごはん

前半から先頭を走った堀江美里か。
追い上げてきた重友梨佐か。

33キロで2人の差は11秒。

2大会連続五輪の夢が断たれた大阪国際女子マラソン重友梨佐が復活するのか。

35キロで6秒差。

積極性が勝つのか粘りが勝つのか。

35.5キロあたりでついに重友梨佐が逆転した。

ヤンマースタジアムが見えてきました。ここが重友梨佐の新たなスタート地点になるはずです」

実況も完全に重友劇場モードである。

きょうのブログの趣旨も変わってきた。

でもいい。
分かったこともある。
ネガティブスプリットは力のある人だからこそできること。
実際、重友梨左は前半と後半のタイム差がほとんどなかったのだ。


「新生重友梨佐の誕生です!」
重友梨佐がゴールテープをガッツポーズで切った。


日本人トップでの優勝のため8月に開催されるロンドンの世界選手権代表に近づいた重友梨佐
ロンドンと言えば日本代表として出場するも79位と力を出し切れなかった場所だ。
79位だろうがそういうコンディションで完走したことが素晴らしい。
とはいえアスリートだからやっぱり悔しい思い出だろう。
あえて「因縁の」と書くが代表になれたら臥薪嘗胆で次はいい思い出を作ってほしい。

臥薪嘗胆ネタはこちら。
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マラソン関連記事はこちら。
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甲子園は清宮のためにあるのか~ボールが遅く見えた精神状態が活躍の源

2017年3月19日に開幕する第89回センバツ
黒柴スポーツ新聞イチオシは40年ぶり出場の中村と、明徳義塾高知県勢だ。

さすが地元紙とあって高知新聞センバツ出場校決定翌日、丸々1ページを2校の話題で埋めた。
中村高校の1年生部員を追い掛け修学旅行先の東京でも取材。
ていうか、もう修学旅行行くんですね。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

紙面では中村が部員12人で起こした「二十四の瞳」旋風を懐古。
初出場準優勝の奇跡を振り返っている。
マニアにはたまらない。
併用写真は白黒で、パレード風景。
個人的には準々決勝で撃破した天理に鈴木康友がいたことにしびれた。

※一部はこちらのサイトで見られます。
高知県の中村高校1977年センバツ戦いの軌跡 山沖力投で快進撃|高知新聞

もっとウケたのがその1977年センバツの入場行進曲が「ビューティフル・サンデー」だったという情報。
こういうのがたまらない。
今年の行進曲は「恋」ですね。
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知識とは、トリビアとはこうやって身に付いていく。
オワコンなんて言われるが実際新聞は情報の宝庫。
要は使い方、そしてどのくだりにビビビと来るか。
作り手が読者第一なのは当然だが読者のセンスも問われる媒体でもある。

じゃあほかにどんなところにビビビと来たのか。
中村以外では清宮幸太郎のコメントだった。

「夢見ていた球場。球が遅く見えたりして、自分が思った以上の力を出させてくれる」

球が遅く見えたりだと?

これだ。

清宮幸太郎がなぜバカスカ甲子園で打てるのか。
それはボールが遅く見えるからだった。
ちなみに前回出場したのは1年生の時。
そう、1年生で早くもこの心境で打席に立っていたのだ。

仕事ができる人は総じてこのような心持ちなのだ。
ゆとりがあるから手順を間違えない。
ゆとりがあるからアクシデントに対応できる。
だから結果が残せるのである。

かつて「甲子園は清原のためにあるのか」という名実況があった(植草貞夫アナウンサー)。
だが今や「甲子園は清宮のためにあるのか」になりつつある。
ホームラン数では清原に及ばないとしてももはや清原はアレだしねえ。
第89回センバツも清宮幸太郎が軸なのは間違いない。

前回優勝智弁学園に引っかけたネタはこちら。
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甲子園ネタはこちら。
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40年ぶり中村高校センバツ出場に引っかけて山沖之彦の偉大さを語る

センバツ出場32校が発表された。
気になる21世紀枠は岩手の不来方、岐阜の多治見、そして高知の中村が選ばれた。
32校関係者の皆さん、おめでとうございます!

※こちらのサイトで中村の地元、高知県で発行されている高知新聞の号外が見られます。
話のネタにぜひご覧ください。
高知の明徳義塾と中村がセンバツへ|高知新聞
中村の懐かしい写真も見られます。
高知の中村高校が40年ぶりセンバツ高校野球に出場|高知新聞

そう、高知県からは明徳義塾も選ばれた。
明徳義塾はもはや甲子園常連。
それに対し中村は実に40年ぶりなので地元・四万十市も盛り上がるに違いない。
一応書いておくと中村とは四万十市の旧市名である。


40年前は12人の部員で旋風を巻き起こし準優勝。
二十四の瞳」と呼ばれたというのは半ば伝説化している。
エース山沖之彦専修大学を経て阪急入り。
通算112勝101敗24セーブ。
奪三振は1051。
素晴らしすぎる。


センバツ出場決定の記念すべき日に山沖之彦のマニアックな記録を拾ってみた。
出典はプロ野球記録大鑑。


プロ野球6万号を献上】
阪急から衣替えしたオリックス時代の話。
打ったのはダイエー広永益隆
広永益隆といえば記念ホームラン男。
パ・リーグ3万号を潮崎から放っている。
打った方ではないが6万号を打たれるというのも天文学的な確率。

ある意味「持っている」。


アテ馬作戦に失敗】
1984年8月12日の近鉄戦で阪急の上田利治監督は山沖之彦指名打者に据えた。
いわゆるアテ馬
早速阪急は初回1死満塁のチャンスを迎えた。
バッターは山沖之彦
上田利治監督は代打を告げたがかなわなかった。
ルール改正で指名打者は一度は投手と対戦しないといけなくなっていたのだった。
山沖之彦は三振。
阪急は得点できなかった。

ま、そんなこともあります。


【12被安打でも完封】
1987年10月9日の南海戦で山沖之彦登場。
12安打を許したがシャットアウト。
そう、過程はどうだろうが9回を終えて勝っていたらいいのだ。

中村高校も大先輩ばりに粘ってください。


こんなことばかり書いていたら山沖之彦が珍プレーばかりになってしまう。
山沖之彦獲得タイトル】
最多勝1回
最多奪三振1回
・最優秀救援1回

先発も抑えもでき、三振も取れるピッチャー。
素晴らしい。
中村の産んだ大スター、それが山沖之彦なのだ。


中村は21世紀枠ではあるが秋季大会では今回一般枠で選ばれた明徳義塾に勝っている。
21世紀枠で救済的に選ばれたわけではないのだ。
きっとこつこつ頑張っている姿勢と熱心な地元の応援が評価されたのだ。
秋季高校野球で高知県立中村高校が40年ぶり優勝 四国大会へ|高知新聞

前回準優勝の時、パレードの人出は3万人とも言われている。
作新学院智弁学園といった強豪ひしめく中で頂点を目指すのは難しいが1戦でも多く戦って市民を喜ばせてほしい。

夏の大会で明徳義塾に敗れた時の中村高校ネタはこちら。
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未来からやってまいりました(笑)。3月20日、中村高校と前橋育英の一戦の結果はこちら。
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名球会入りの基準緩和に異議あり~レジェンドの格を下げてはならない

名球会の入会基準は2000本安打と200勝、そして250セーブ。
絶妙なラインだ。
達成できそうでできない。


目標は簡単にクリアできても満足感はたかが知れている。
小さい目標を積み重ねて大目標をかなえる手法もあるが、それもやはり高いところに目標設定していることになる。


今時1シーズンに20勝するのは至難の技。
最多勝は16勝辺りが相場だ。
それを10年続けても160勝。
あと4年くらいは頑張らねばならない。


だがこのままでは入会者が少なくなりすぎるので条件緩和の声が出ているという。
そうまでして名球会を維持する必要はない。

www.zakzak.co.jp

具体的には勝利とセーブ数を合算してもよいとする案がある。


これには江夏豊が反対していた。
セーブは時と場合により軽い負担でセーブが記録できることがあるからだという。


この江夏豊という発言者に意味がある。
経験者の一言は重い。

左腕の誇り 江夏豊自伝

左腕の誇り 江夏豊自伝


黒柴スポーツ新聞が危惧するのは入会基準が変わってしまうと過去に入会した人との差が生まれることだ。
入りやすくした結果過去のレジェンドが格下げになることはあってはならない。


そもそも頂上を極めた人たちが名乗るのが名球会であって、たくさん入れるものではない。
たまに入れる人がいるから話題になるのだ。
入りやすくするために基準を下げるなんてナンセンス(死語だけど)。
2000安打、そして近年は特に達成困難な200勝だからこそありがたみがある。


それよりも昭和以降生まれという基準の方が問題だ。
もともと任意団体だからケチをつけても仕方ないかもしれないが。
スタルヒン藤本英雄も入っていないなんてなあ。
国籍も関係ないから入れてあげてほしい。
もう故人なのだけれど。
杉下茂でさえ入っていないのか。

伝える わたしが見てきた野球80年

伝える わたしが見てきた野球80年


まあ殿堂入りという称え方もあるので名球会固執する必要もないのだがハードルを下げる雰囲気があるので異議を唱えてみた。
皆さんはどうお考えだろうか?


きょうの1枚はアルフォンソ・ソリアーノ
そう、黒柴スポーツ新聞読者なら分かるだろう。
ソリアーノ名球会入りの有資格者。
プロのキャリアがNPBスタートという基準をばっちりクリアしている(広島で2安打)。
むしろその後メジャーで2000安打したことの方がすごい。
カタいこと言わず仲間に入れてあげようではないか。
ソリアーノを検索してたら広島市内に「バー ソリアーノ」という店を発見。
今もやっているのかな?
恐るべし、広島。

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1年前のきょうの記事はこちら。カープと電力のネタでした。
果たして2016年シーズン中の電力消費はどうだったのでしょうか?

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スポーツは結果がすべてなのか~WBCは次も結果が出なければ人気低迷の予感

スポーツは結果が第一と思っている。
特にプロならなおさらだ。

新聞記事で「負ける自由」という言葉を見つけた。
女子バスケットの元日本代表、小磯(旧姓浜口)典子さんの記事だ。
負ける自由も認める土壌づくりが必要だという。

トップレベルでやった人の言葉だからこそ重みがある。

ただ、まだまだ負ける自由を認められないなあ、というのが正直なところだ。
やはり勝った、負けたに一喜一憂してしまうから。

世の中の受け止めも似たりよったりと思う。
「第2回朝日新聞障がい者スポーツシンポジウム~『文化』へと、ともに育もう」の記事を見た。
リオ・パラリンピックウィルチェアーラグビー銅メダリスト、池崎大輔選手が言っていた。
「メダルをとって競技の認知度が一気に上がった。普及には結果が必要だと痛感した」と。

www.asahi.com

もちろん野球やサッカーと、新興競技であるウィルチェアーラグビーの違いはある。
だがやはり一般人にはメダルというのが一番分かりやすい。
そのことは以前も書いた。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

1月24日にWBCの日本代表が発表されたがこれもそう。
何だかWBCは以前の方が盛り上がっていたように思うが気のせいか?
やはり前回優勝できなかったことが影響しているのではないか。
毎回日本が優勝するのも出来すぎだが。

サムライたちの凱歌~19日間の死闘の果てに

サムライたちの凱歌~19日間の死闘の果てに

今回またいい戦いをすれば侍ジャパンの人気も高まるに違いない。
逆に今回も結果が出なければ各球団からは「わざわざシーズンイン前にやらなくていい」といったブーイングが出そう。
応援する人も減りそうな気がする。

すっかり忘れ去られているが松坂大輔WBC第1回、第2回で計6戦6勝。
頼りになる男であった。
あの輝きはまぶしかったなあ。

BBH2009 WBC 松坂 大輔(日本)

BBH2009 WBC 松坂 大輔(日本)


松坂大輔の野球カードは見つけるたびに買っていた。
すでに収集はストップしているがもし今見かけても手が伸びるかどうか。
伸びるとしたら若いころのカードだろう。
だいたい野球カードの値段は実力やそれに伴う人気に左右されるとしたもの。
松坂大輔の野球カードの相場はどんなもんだろうか。

スポーツで負けを認められるのは本当の理解者くらいだろう。
応援するからこそファンは負けを納得出来ないと思う。
一見「負ける自由」とは相いれないように見えるけれど、アスリートにはそこを間違えないでもらえればなと思う。

発表された侍ジャパンメンバーでやはり抑えに不安を感じる。
そこは権藤博コーチの腕の見せ所かも。
小久保裕紀監督以下40代の首脳陣の中、権藤博78歳に目が釘付けになった。

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きょうの1枚は小久保裕紀。果たして師匠の王貞治のようにWBCを制することができるのだろうか。
ちなみにカードは一応サイン入りだが直接もらったものではありません。
やはりサインは直接もらってこそです。

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1年前の記事はこちら。琴奨菊はまさに天国と地獄。でももうひと踏ん張りしてほしい。

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