黒柴スポーツ新聞

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練習でできないことは本番でもできない~今永昇太は三浦大輔最終登板のブルペンを見て開眼

 

サンデースポーツ筒香嘉智と今永昇太が出ていた。三浦大輔を交えてのインタビューだ。筒香嘉智はまだ25歳。伸び盛りであり、けがとかFA流出でもない限り当分DeNAは4番に誰を据えようか悩まずに済む。組織の柱が安定しているのは素晴らしい。筒香嘉智には帽子のヒップホップかぶりをする初の三冠王を目指してもらいたい。

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今回の主人公は筒香嘉智ではなく今永昇太。黒柴スポーツ新聞が密かに目を付けているピッチャーだ。2年目、まだ23歳。末恐ろしいとは思っていたがなかなかに意識が高い、とサンデースポーツを見て思わされた。

 

今永昇太がブルペンで投げている映像が流れた。そこに三浦大輔がコメントをかぶせた。

「より強く意識を持っている」

どのピッチャーもランナーを想定した上でキャッチャーに向かって投げることはあるが、今永昇太はちょっとずつ首の振り方を変えていたという。三浦大輔は遠目に見て、まるでランナーがいるかのようだったと振り返った。

 

これについて今永は「ブルペンでできないことは試合でできない」と解説した。

 

準備段階とか、練習の段階でできないことは本番でもできない。もちろんまぐれでできちゃうことはあるので絶対ではないが、確かにそうである可能性は高い。そういう前提で事に臨むのは大切だ。 

 

今永昇太はさらに、「試合ではランナーが出る方が多い」とまで言っていた。そう、相手のあることだからこちらがいかに準備をしていようがアクシデントは起きるものだ。起きてからあたふたするよりも「そもそも起きる可能性が高い」と思っている方がリカバリーできる可能性も高まる。

 

ブルペンで投げている時、具体的な選手までは思い描かないそうだが、脚の速さとか、リードの大小くらいはイメージしているそうだ。アクシデントや諸条件のイメージが細かくできればできるほど対応能力は上がる。

 

三浦大輔がすかさず解説した。ブルペンでいい球を投げていようと、いざバッターが目の前に立ったりランナーが出たりするとその球を投げるのは難しい。「いかにブルペンの時から試合を想定して投げるか」なのだそうだ。これは社会人としても意識しておきたい言葉だ。 

 

実は今永のこの思考、三浦大輔の最終登板におけるブルペンの様子を見たことが影響していた。一人一人バッターの名前を挙げたりカウントを設定していたという。それを見た今永昇太はいかに自分のブルペンの中身が薄いか痛感したと話していた。三浦大輔は引退する時素晴らしい置き土産を残していたのだった。身近なところによいお手本がいるのは何と幸せなことか。

 

あまりたくさんシミュレーションしすぎてガチガチになるのは意味ないが基本うまくいかないことが多い、恵まれない状況の前提でも力が出せるように鍛える。そうすれば本番でもうまくいく可能性が高まる。至極当たり前のことだけれど、そうできるかどうかは本人の意識次第なのだ。

 

今永昇太はプロ1年目8勝だったがこの調子でいけば目標どおり2ケタは堅いんじゃないか。不動の4番に意識の高い若手左腕。DeNA、ちょっと注目して見てみよう。

 

【おすそわけ】

読者の皆さま、黒柴スポーツ新聞に遊びに来ていただき本当にありがとうございます。良質のアウトプットには良質のインプットが必要。そんな意味で先日上京してきました。その時に東京ドーム敷地内にある戦没野球人の鎮魂の碑を見てきました。そこで感じたことを以下のブログにつづりました。はてなブログでご縁ができたニッポン手仕事図鑑編集長さんの主宰するニッポン手仕事図鑑内のブログです。ぜひご覧ください。なになに、ふたりごと文庫ではなんかいつもと違う上品な文体じゃんか!とつっこまれそうですが媒体によっての「書き分け」とスルーしてください…そしてぜひ鎮魂の碑、足を運んでくださいね。

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