ジーコが説く超一流と一流の違いに学ぶ
プロフェッショナルとは何か?
「仕事の流儀」でも毎回問われる。
個人的には与えられた仕事を完璧に仕上げることと思っている。
難易度が高かろうが低かろうが、だ。
じゃあ一流とは? 超一流とは?
最近読んだ新聞記事が面白かった。
「ニッポンスポーツ人の肖像」という連載で鹿島の鈴木満強化部長が取り上げられていた。
鈴木部長はジーコに教えを請うた経験を持つ。
ジーコは何を教えてくれたのか。
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【超一流と一流の違い】
1試合で3回しかボールに触れなくても決定的な仕事をできるのが超一流。
プレーの80%をミスせずできるのが一流。
深い。
思わず我が身を省みる。
だって俺んとこいいボール来ねえんだもん。
ゴール決めようねえじゃん?
っていつも誰に同意を求めてるんだか。
一流に求める「80%」というラインもうなずける。
ここは100%とは言わないんだな。
まあ特にサッカーは相手との兼ね合いがあるし、それは人生も同じ。
いつも追い風が吹く訳もなく自分に都合のよいことばかりな訳もない。
それでも80%うまくいかせるのが一流で、ほぼ一発勝負でも決めるのが超一流。
確かにエースストライカーはそこというところにいる。
それは決してごっつぁんゴールではない。
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鈴木満部長はジーコにプロとは何かも尋ねた。
【プロとは】
自己管理能力、自制心。
何か我慢しなくては何も得られない。
こういうのまとめたジーコの本ないのかな?
野村克也っぽくて好き。
ジーコと野村克也が対談したら気が合いそうだ。
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てっきりジーコの在籍効果は鹿島が強くなることだと思っていた。
もちろんジーコは鹿島の礎を築いたけれど、それはただ試合に勝つということじゃなくて、鹿島が強くなるための基礎、土台だったんだ。記事を読んでそう思った。
箱根駅伝3連覇を果たした青山学院大学も原晋監督になってから勝てる集団になっていった。
フツーの会社員だった僕が、青山学院大学を箱根駅伝優勝に導いた47の言葉
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たった一人でも素晴らしい人がいたら組織は変わる。
周囲にいい影響を与えられる人もプロだと思う。
一流や二流、プロフェッショナルについての記事はこちら。
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稀勢の里の横綱昇進に抗わなかった白鵬の猪突猛進ぶり
横綱昇進はいつの間にか既定路線になっていた。だからこその白鵬の攻め方には見えなかっただろうか?
千秋楽、結びの一番で勝とうが負けようが稀勢の里は横綱になる。じゃあ思いっきりぶつかろう。しかもまっすぐに。白鵬がそう考えたとしても不思議じゃない。
そう、白鵬の攻めはやけくそに見えた。まさに猪突猛進。
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NHKの中継ではアナウンサーがうれしそうに「4横綱時代になる」と言っていた。それは表面上。実際は稀勢の里に大方の期待と応援が集まることだろう。
ただでさえ日本出身力士であるアドバンテージ。師匠の急死。そして初優勝までの「回り道」。苦労話大好きの日本人にとって稀勢の里はたまらないキャラなのだ。
「皆さんの待ち望んだ日本人横綱ですよ」。攻めて、攻めて、攻めて、土俵外へ。白鵬渾身の「サヨナラ」のメッセージに見えた。
それでもそこは白鵬。来場所、これが横綱だとばかりに見せつけそうな予感もする。
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黒柴スポーツ新聞的には稀勢の里の昇進に異議ありだ。2場所連続優勝していない点に尽きる。唯一の優勝は14勝1敗とはいえ鶴竜も日馬富士も豪栄道も不在。横審委員長は上位陣不振の中での頑張りを評価する姿勢を示していたが首をかしげてしまう。
横綱になるのはうれしさ半分、怖さ半分。北の富士勝昭氏は千秋楽での電話出演でそう話していた。昇進が正解か間違いか。それは稀勢の里自身が証明することになる。
1月23日追記。
ほらほら、こういう記事も見つけましたよ。
www.asahi.com
相撲関連の記事はこちら。
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一番のモチベーションは不可能を可能にしたいという思い~カート・シリングとトランプ大統領
メジャー通算216勝のカート・シリングは2017年の殿堂入りがならなかった。記者投票の得票が75%を超えないと選ばれないがシリングは45%。それには2017年1月20日に就任したトランプ大統領に絡む一件が影響した?という記事があった。
トランプのつぶやき一つで大手自動車会社も右往左往する昨今。シリングもツイッターでのつぶやきで殿堂入りの機会が遠のいたとしたらいかにも今風の出来事だ。
シリングをいいなと思ったのは「血染めのソックス」の時。ど根性とは日本の野球の専売特許と思っていたが海の向こうにもマウンドの鬼はいた。2004年のリーグ優勝決定戦、シリングは右足首を痛めていたが手当てをしてマウンドに立ち続けた。傷口が広がり白いソックスに血がにじんでいた。
「野球をする上で一番のモチベーションは不可能を可能にしたいという思いだ」
ネットの動画で見つけたシリングの言葉。確かに最初からあきらめていてはうまくいく確率が減ってしまう。精神論は好きではないのであくまでも「心の持ちよう」の話。
2001年、ヤンキースとのワールドシリーズに出場した当時ダイヤモンドバックスのシリングは第1、4、7戦に先発。思わず「昭和か!」とつっこみたくなるが日本でも1992年の岡林洋一(延長を含め計30イニング!)以来お目にかかっていない起用法である。
第7戦先発はシリングとクレメンスの豪華対決。さらに抑えにそれぞれランディ・ジョンソンとマリアーノ・リベラが登板しておりまさに球界最高峰の戦いであった。9回裏1点ビハインドのダイヤモンドバックスはエラー絡みで追いつき、さらにサヨナラヒットで優勝。降板していたシリングはダグアウトから猛スピードで飛びだし仲間と共に優勝の喜びに浸ったのであった。頑張ればいいことは起きるものだ。
1月20日に就任したトランプ大統領も大統領選の過程を日本で見ている限り当初は「すごい人が現れたな。ある意味アメリカは懐が深い」なんて見ていたが悪評をものともせず党の候補になりヒラリー・クリントンとの激戦も制してしまった。シリングはツイッターでのつぶやきを見る限りトランプ支持であるが不可能を可能にしたいという姿勢は何だか似ているなあと思えた。もっともトランプ自身は大統領就任を不可能とは思っていなかったかもしれないが。
シリングは2013年に殿堂入り資格者になりながらこれまで38.8%、29.2%、39.2%、52.3%と得票率は決して高くない。特に2017年は2016年にいったん52.3%まで上がりながらまた落ちている点が気になる。もしかして殿堂入りは不可能なのか? だが不可能を可能にするのがシリングという男。ノーベル文学賞発表の日に毎年そわそわするハルキストばりにシリングの殿堂入りを楽しみにしよう。
最後に若かりし頃のシリングのカードを紹介しよう。3年間在籍したオリオールズ時代のもの(1989年版)。オリオールズ時代の通算勝利はたった1勝。日本の名球会にあたるものがメジャーにあるのかは知らないが200勝は、はるかかなたの数字だった。まずはシリングを見習って何事も無理だと思わずやれるつもりでやってみるか。
モチベーションに関する記事はこちら。
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殿堂入りを祝し平松政次の野球カードを6枚紹介しながら足跡をたどる~背番号3に込めた入団時の決意【PC閲覧推奨】
2017年1月16日、新たに野球殿堂入りした人が発表された。元プロ野球選手3人は星野仙一、平松政次、伊東勤。その中から今回は平松政次の野球カードを紹介する。
まずはこれ。
肩にくっきり「まるは」マーク。ユニホームの記事はグレーだ。グラブにもホエールズと刺繍が入っている。いつまでなのか知らないが往年の名選手の野球カードはこのように明らかにポーズをとっているものがある。「すみません、構えて止まって下さい」とでもカメラマンに言われるのだろうか。だがそういう注文が来るのもスターの証しである。
【平松政次の通算成績】
201勝196敗16セーブ
【獲得タイトル】
・最多勝2回(1970年=25勝、1971年=17勝)
・最優秀防御率1回(1979年=2.39)
・沢村賞1回(1970年)
続いてのカードはこちら。
長嶋茂雄のライバル投手を紹介するカードの一つ。長嶋茂雄と100打席以上対決した投手は33人。このうち長嶋茂雄を打率1割台に封じたのは平松政次だけ。これはハッキリ言って自慢できる。
181打数35安打 8本塁打 26打点 犠打飛3 四死球18 打率.193
次はこちらのカード。
レコードメーカーズの1枚。
・連続シーズン2ケタ勝利=12年
・対巨人通算勝利歴代2位=51
・対巨人連続イニング無失点=33(1970年)
とこの2005年版カード裏に書いてあった。
対巨人戦通算勝利1位は金田正一の65勝。
続いてはこちら。
昭和50年代のヒーローたちを紹介するシリーズの1枚。平松政次は岡山東商出身で1965年のセンバツ大会優勝投手だ。39回連続無失点は尋常ではない。1965年秋のドラフトで中日に4位指名を受けるも拒否して日本石油入り。1967年度第2次ドラフトで大洋入りした。平松政次は大洋を源流とする球団で唯一の200勝投手。もしも中日に入っていたらゼロだったわけだ。
次はこちら。
それまでのユニホームも十分カッコいいがこのオレンジも大好き。緑色が映える。キャンプ地・静岡のみかんとお茶をイメージした説は本当なのだろうか? 東海道線をモチーフにした説もある。詳しいことをご存知の方はぜひコメント欄に豆知識を書いていただきたい。
平松政次のように12年連続2ケタ勝利くらいできないと200勝は難しい。4年目でシーズン25勝した時は200勝も難しくないと思っても不思議ではない。しかしラスト4年間は6勝7敗、9勝10敗、8勝8敗、1勝10敗と勝ち越せていない。ここがプロの厳しさだ。25勝もできた人がわずか1勝。人は必ず衰えが来るのだ。
最後の1枚はこれ。
ドラフト物語の1枚。そう言えば入団当時の背番号は3だった。ベースボール・マガジン社新書「カミソリシュート V9巨人に立ち向かったホエールズのエース」によるとシーズン途中に大洋入りを決めた平松政次にとって、残っていた番号は3か13か、60番台だった。
「13は西洋で縁起がよくない数字だし、大きな数字は嫌だった。選んだのは3。長嶋さんと同じ背番号でスタートすることによって、決意を示したかった」(「カミソリシュート」126ページ)
カミソリシュート―V9巨人に立ち向かったホエールズのエース (ベースボール・マガジン社新書)
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打倒巨人。星野仙一と同じく巨人入りを望んでいた人が巨人キラーになるのもドラマチック。やはり人の原動力は憧れなり反骨心なり探究心なり向上心といった「ハート」なのだ。
平松政次は見た目もスタイリッシュ。三浦知良ばりに50歳までやっていたらベイスターズのユニホームが着られたわけでそれも似合ってそうだ。この「YOKOHAMA」ユニホームも悪くない。今後平松政次がベイスターズのユニホームを着ることがあるのかどうか。ユニホームに袖を通さない(通せない)のには何か理由があるのか? 衣笠祥雄が広島に呼ばれなかったのと同じく謎である。
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今度は全国女子駅伝で2秒差2位…リオ代表を1秒差で逃した小原怜が残した素敵な言葉
朝、黒柴社長(2017年初登場)の散歩に行ったら吹雪に見舞われた。太平洋側の平野部なのに雪。積もるほどではなかったが寒波襲来を肌で感じた。
昼間テレビで全国都道府県対抗女子駅伝を見たがいきなり雪景色。何でも大雪警報が出ていたとかで雪かきをして大会実施にこぎつけたそうだ。関係者の皆さんのおかげで駅伝ファンは熱戦を見ることができた。ありがとうございます。
2017年の全国都道府県対抗女子駅伝はその大荒れの天候と共に歴史的なデッドヒートで記憶に残る大会となった。優勝は京都で16度目。ただし2位岡山とはたった2秒差だったのだ。
名勝負を演出したのは岡山のアンカー、小原怜。そう、2016年のリオパラリンピック・マラソン日本代表の座をわずか1秒で逃したランナーだ。
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最終9区、アンカーの小原怜がたすきを受け取った時点でトップの京都とは28秒差の8位だった。しかし小原怜はマラソンが走れるのだから9区10キロはお手のもの。黒柴スポーツ新聞編集局長は密かに大逆転を期待していた。
だが解説の小林祐梨子も金哲彦も言っていたように京都のアンカー・筒井咲帆も体の軸がぶれない素晴らしい走りだった。金哲彦は京都が逃げ切るでしょうと言っていたがこの二人の差が「15秒です」と伝えられると「15秒! これはひょっとすると…」と驚異の追い上げに舌を巻いていた。「執念の走り」とも表現していたが見ていて胸が熱くなる、気迫を感じさせる走りだった。
甲子園を見ようとテレビを付けた時、負けている方を応援する編集局長としてはもちろん小原怜を応援していた。代表選考の時は1秒差で負けた小原怜がもし今回1秒差で逆転優勝したらドラマチックだなと勝手にエンディングまで考えていた。
だがトラック勝負になったとはいえ京都の筒井咲帆も競技場でスパート。小原怜を振り切った。たすきをつないだ手前の8人の思いを背負っている。アンカーとは重責である。見ている方はドラマチックと思うがアンカー勝負で負けると相当のダメージだろうなと思う。
小原怜は2秒、届かなかった。代表選考の時は1秒差。駅伝のアンカー勝負では2秒差。どうして彼女のレースはこうも僅差なのか。そしていつも勝者になれないのか。そういう人っているんだなと考えてしまう。
だが小原怜は9区の区間賞を取っていた。2秒届かなかったけれど実に26秒も差を縮めたことのご褒美として区間賞が得られたのかもしれない。素敵だなと思ったのはレース後の小原怜の言葉。
「中高生にいいメダルを掛けさせてあげられる」
そう、都道府県対抗女子駅伝は中学生、高校生、大学生、社会人の総力戦なのだ。岡山チームの中高生にとってはメダルもうれしかっただろうが、小原怜先輩の力走が今後陸上人生を送る上で最高の贈り物になったことだろう。「頑張ればいいこと、あるよ」と。
惜しくも2位ではあったが炎の走りを全国に届けた小原怜。今度こそ、彼女自身が主人公になるレースを見たい。
もう一つ。長崎チームで11人抜きを演じ見事一時トップに押し上げた廣中璃梨佳が、解説の金哲彦によって「和製ラドクリフです!」と命名されていた。確かに苦しそうな顔だけれどダイナミックな走りというのはラドクリフをほうふつさせる。惜しくも区間新は逃したものの新たなヒロインになる予感、と書いておこう。
初めて聞いたが小林祐梨子の解説、しゃべりは聞きやすく的確だった。陸上の解説は増田明美といい高橋尚子といい、しっかりした話ができる人がそろっている。強い陸上選手は聡明である。小林祐梨子の解説、また聞いてみたい。
小林祐梨子 プロフィール|小林祐梨子 OFFICIAL WEB SITE
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切り替えが大事、そして次もプラス思考で~代打の神様・元阪神の八木裕が説く成功の方法
公私問わず、何かうまくいかなかった時にいかに切り替えられるかは大事だ。それはサラリーマンもプロ野球選手も変わらない。
興味深い記事を見つけた。サンスポの八木裕の記事だ。代打の神様・八木裕はどのようにして打席に立ち続けたのか?
大切なのは切り替えた後の準備だという。
1.結果を受け止める。
2.反省はするがマイナス要素を上手に捨てる。
3.気持ちを切り替えて次の打席に立つ。
これは社会人的にも学んでおきたい。ついつい「あの時こうしておけばなあ」と取らなかった選択肢を振り返りがち。だが同じ状況など二度と回ってこないことがほとんど。再挑戦というカードが落ちているなら拾えばいいのだが世の中そんなに甘くない。
なのでまずは結果をしっかり受け止める。うまくいかなかった場合は何がまずかったのか。ほかにやりようがなかったのか、いったん考える。うまくいった場合は成功体験を体と脳になじませればよし。
反省はするが必要以上に自分を追い込まない。どうせ自分ではできやしない、なんて自信さえなくしてしまっては打てるヒットも打てるはずがない。
よくも悪くも次のチャンスは前の打席とは違うのだ。だから次は打てるとプラス思考で臨もう。野球選手なら前回とまったく同じようなチャンスとアウトカウント、相手投手なんてこともなくはないがもしも同じ状況だったらそれこそラッキー。リベンジするチャンスが早速回ってきたと思えばいい。
プラス思考。それが八木裕のキーワードと知って代打の神様たるゆえんに触れることができた。打てばヒーロー。だが期待を裏切れば、熱狂的な阪神ファンのことだ、何を言われるかわからない。プレッシャーはハンパなかっただろう。
下の記事を見たが確かに阪神には遠井吾郎、川藤幸三、八木裕、桧山進次郎、関本賢太郎と代打で名をはせた人がたくさんいる。果たして狩野恵輔も代打の神様を襲名できるのか。やはりここ一番という時に代打がコールされると球場は盛り上がるものだ。最近は八木クラスの切り札が見当たらないので各チームのベテランには奮起してもらいたい。
きょうの1枚は八木裕。このカード裏にも書いてあったが1992年9月11日のヤクルト戦で一度はサヨナラホームランとなる一打をかっ飛ばした。しかしヤクルト側の抗議でエンタイトル二塁打に。その結果試合時間は6時間26分にもなった。後年代打の神様としてプラス思考ができるようになっただろうがこのときはまだ6年目。この一打はなかなか割り切れなかったかもしれない。
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相手に点を与えないことが大事~オジー・スミスの攻撃的守備の極意
併殺崩しのスライディング記事執筆用に下調べしていたところ、懐かしい選手にたどり着いた。オジー・スミス。ゴールデングラブ賞連続13回受賞、「オズの魔法使い」と称されたあの名プレーヤーである。
オジー・スミスを紹介するネット動画で彼自身の言葉にぐっと来た。きょうはそれをおすそ分け。
「守備の側から相手にインパクトを与えること。それが私の役割であり心掛けていたことでした。相手に点を与えないことが大事なのです。たとえ味方が無得点でもね」
攻撃とは普通バットを持って打席に立つ側がやる。もしかしたらそう思い込んでいたかもしれない。オジー・スミスは守りながらも相手にプレッシャーを与えていたのだ。
仮に先制されていてもそれ以上の失点を防ぐ。そうしているうちにこちらのペースに持ち込めることはある。
世の中思い通りにならないことは多々ある。嵐が通り過ぎるのを待つしかないことも。だからこそ思う。「相手に点を与えないことが大事」なのだと。もし点を与えてしまったらさらにガラガラと音を立てて崩れてしまうだけ。今は守りに入っていても点を取られないからこそ今度はこちらから攻め込むことができる。
オジー・スミスのプレーは失点を防ぐと同時に反撃の意味合いもあったのだ。
「相手に点を与えないことが大事」。これ以上崩れてはいけない時こそ思い出そう。
オジー・スミスは守備の人のイメージが強いが通算2460安打。これのどこが守備の人やねんと言いたくなる。
ぜひネットで検索してオジー・スミスの動画を見てほしい。素晴らしいキャッチング。まるでボールが磁石のようにグラブに吸い込まれていく。
横っ跳びでゴロをキャッチ。すぐさま起き上がり、ショートの深いところからノーバウンドでファーストへ。肩も素晴らしい。
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身のこなしが軽やか。とんぼ返りも有名。
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削るスライディングに対してはひょいとジャンプしてムーディ勝山ばりに右から左へ受け流す。昨日も書いたがこのあたりもメジャーの遊撃手としてやっていく上で欠かせない能力だ。ウィキペディアを見たらオマー・ビスケルに抜かれるまで併殺に仕留めた最多記録を持っていたそうだ。さすが。
きょうは一見受け身に見えがちな守備からでもきっちりやっていれば自分のペースに持ち込むことはできますよ、という話でした。
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大リーグネタはこちら。
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「削る」スライディングを懐かしの野球カード8枚で検証~併殺崩しの危険スライディングが禁止に
併殺崩しを狙う危険なスライディングが禁止される運びとなった。2017年1月11日の野球規則委員会で決まった。かねてから問題視されていたが2016年にまたも、川島慶三が田中賢介の餌食になる悲劇が発生。これがダメ押しになったと見る向きは多い。
2016年からのコリジョンルール適用に関してはプロ野球経験者でも「野球の醍醐味の一つが失われる」的なコメントがあった。黒柴スポーツ新聞も同じ立ち位置。ぶつかって選手生命が断たれる事態はあってはならないが最高峰のブロックとそれをかいくぐる走者のハイレベルなせめぎ合いが大好きなため導入には反対だった。
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本塁突入に比べ併殺阻止のスライディングは不必要ほど脚を伸ばしたり手を上げるなどあからさまな印象が強い。そのためか併殺阻止のスライディング禁止を報じるヤフーニュースの下のコメントを見ても賛成のコメントがずらりと並んでいた。
黒柴スポーツ新聞も同じような論調。ただし一つだけ残念なことがある。それは塁上の攻防を切り取った野球カードがなくなってしまいかねないことだ。あれはあれで躍動感があるので構図としては絵になるのだ。
今回はそんな絶滅危惧種の「塁上攻防」野球カードを紹介しよう。恐らくすべてが併殺崩し狙いのプレーではないだろうが「これはこんなプレーの時かな?」とか「走り込んできた選手は誰だ?」と検証しながら見ていただきたい。(走者名が分かった方はぜひコメントしてくださいね)
まずはハドラー。ハドラーで覚えておく小ネタは最低2つ。ミミズを食べたこと。そして1993年5月19日の広島戦で延長14回にサヨナラ打を放ち17-16として勝利に貢献したことだ。上のカードはその1993年日本シリーズカードセットの1枚。スライディングを軽くジャンプでかわしている。
お次は水上善雄。このカードの頃はまだえり足が長くない。水上善雄と言えばあの10.19で3塁線を襲った新井宏昌の打球に食らいつき素早く起き上がって1塁に送球し間一髪アウトにした人。「ディスイズプロ野球!」と実況されニュースステーション久米宏が「ディスイズニュースステーション」と中継を引き取ったくだりまで含めてプロ野球の歴史に残る名場面である。さてこの日本ハム走者は誰? 水上善雄は馬跳びするがごとくきれいにかわしている。
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続いて立浪和義。こちらは空中でかなり態勢を崩している。走者は足を上げているからこのようなプレーはアウトになるかもしれない。走者は誰か分かりますね。後方のパリーグ審判のブレザーがいい感じ。立浪和義はセカンドでもショートでもゴールデングラブ賞を受賞している。
続いては岡本伊三美。南海「100万ドルの内野陣」の一角である。黒柴スポーツ新聞編集局長の少年時代は近鉄の監督だった。このカードの写真ではすさまじいスライディングを「避けていない」。ガッツがすごい。歯を食いしばり送球しようという方向を見る表情がカッコいい。グラブが結構大きめに見える。
続いて石渡茂。1月11日の記事に続いての登場。2日続けて石渡茂が出てくるブログはそうそうあるまい。どうしてもあの江夏の21球でスクイズを外されたイメージが強いのだが1979年と1980年の近鉄優勝メンバーであることは覚えておいてほしい。1977年には130試合に出場しヒットを145本打っている。このカードに出てくるロッテの走者はあの素晴らしい外国人選手ですね。
次は走り込んでくる側にフォーカスして松本匡史。こっちは削る方である。吹っ飛んでいる広島の選手は愛読者の方から以前「木下富雄。ひげが見える」と回答があったがひげ、見えますか? 青い稲妻、松本匡史。巨人ではオレンジ色の手袋で一世を風靡した鈴木尚広が2016年シーズンをもって引退。早速独自の走塁論をネット上で展開しているがオレみたいにはできないよ的な考えはいったん脇に置いてぜひ後進を育ててほしい。
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そろそろシメに入ろう。
海の向こうから、オマー・ビスケル。スライディングを受ける前のシーンだが走者は左手を高々と上げている。勢いを付けて滑り込む手前だからだけかもしれないが投げ方によっては左手に送球が当たりそうだ。黒柴スポーツ新聞編集局長はメジャーの知識は人並みだがウィキペディアでさっと見たらゴールドグラブ賞を11回も取っていた。この頃は危険なスライディングもありだっただろうから上手にかわしていたのだろう。そのへんも含めて守備の名手だったのだ。
最後はジーター。送球態勢になっていないから2盗のシーンかもしれない。ジータークラスになると避ける様すら絵になる。やはりスターは身のこなしが別格だ。
こうして見てくるとハドラーを除いて割と名の知れた選手が多い。併殺は名手の腕の見せ所なのだ。だからこそ悪意のあるスライディングは厳禁。乱暴なスライディングが一つでも減り野球少年に夢を与える華麗なフィールディングが一つでも増えることを願う。
2017年センバツ行進曲が星野源「恋」になって甲子園で起きることが楽しみな件
2017年センバツの行進曲が星野源の「恋」と発表された。早速だが危惧する。あの厳格な行進風景に異変が起きないかと。
そう、こっそり恋ダンスをやらかさないかな、と。
TBS系 火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」オリジナル・サウンドトラック
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選手がやればきっとネットは大騒ぎだ。そして高野連は問題視するだろう。でも球児はすかさず言えばいい。
「見逃してくれい~」
この際提案する。もうあの軍隊チックな行進はやめないか? せめて腕を振る時の手はパーだな。グーだとモロだもん。
規律が乱れるとか、若者らしくないとか言われそう。でもオリンピックの行進はそれなりに各国整然と入ってくる。別にだらだらしているふうにも見えない。笑顔で手を振る場面があってもよさそうなものだが。
それにプラカードもなぜ「女子」なのか。女子は補助的という印象はこういう小さいところから変えていかないと世の中が変わらない。だいぶ改善されてはきたが基本ニュースキャスターも男性アナが主、女性アナが脇のイメージはまだまだある。かなりの人が見るNHKのニュースからその流れを作ってほしい。
2017年センバツで振り逃げをしたら民放アナは叫びかねない。
「ああっと、振り逃げ、振り逃げ! 逃げるは恥だが役に立つぅ!」
それにしても甲子園を見ていて毎回思う。日本の高校のブラバンのレベルは何と高いのか。ヒット曲をすぐさま応援用にアレンジしてしまう。「あまちゃん」の音楽もすっかり甲子園になじんでしまった。
センバツ出場の可能性がある高校の吹奏楽部は今からしこたま星野源の「恋」を練習することだろう。ちなみに前回センバツ入場曲は西野カナの「もしも運命の人がいるのなら」だったが「恋」はそもそもドラマで振り付きだったゆえ振り付きの応援が見込める。つまりチアや応援団がいかにアレンジするかが腕の見せ所であり見る側の楽しみでもある。
そういえば「打力」「投手力」「守備力」「機動力」の評価のグラフ? 最近見ないなあ。あのアナログ感。画面の下3分の1くらいでやる住友グループのワイプCMも子供の時よく見た。ちょっとしたお楽しみだった。さるかに合戦でカニがカキを打ち返すやつが一番好きだ。
2017年センバツは1月27日に出場32校が決定。3月19日に開幕する。
きょうの1枚は山田喜久夫。センバツでは東邦のエースとしてチームを1988年準優勝、1989年優勝に導いた。下の記事によれば引退後和菓子屋さんをしているそうだ。あの1994年10.8決戦にも登板した山田喜久夫の作った和菓子なら、いつか食べてみたい。
甲子園を沸かせた男が今は和菓子店主。閉店後は小中学生に野球を教えているという。そういう生き方もかっこいい。
甲子園応援風景記事(そう言えば書いてたな)はこちら。
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大松尚逸は第2の森岡良介、坂口智隆になれるか~ヤクルト得意の戦力外選手獲得作戦に期待
ヤクルトはまたも買い物上手になるのか。ロッテを戦力外になった大松尚逸の獲得を視野に入れている。
またも、と書いたのは2015年シーズンオフに坂口智隆を獲得したからだ。坂口智隆は2016年シーズン、141試合に出場し3割には惜しくも届かなかったが2割9分5厘と輝きを取り戻した。オフに契約を更改し年俸は4000万円アップの7000万円まで回復した。
坂口智隆の安打数は2015年わずか28本だったが2016年は155本とV字回復。ヤクルトの編成担当はウハウハだったに違いない。それもこれもヤクルトが温かい手を差し伸べたから起きた出来事である。
ほぼ忘れられているが坂口智隆は絶滅寸前の元近鉄戦士である。黒柴スポーツ新聞編集局長が知っている現役選手はほかに岩隈久志しかいない。こちらの記事にはもっと詳しく書いてあるので興味がある方はぜひ。
下の記事を読んでうれしかった。坂口智隆はヤクルトに対して感謝の気持ちを抱き、恩返ししたいからFAを考えなかったというのだ。人の心とはシンプルだ。オリックスと坂口智隆の間に何があったかは知らない。しかし打てば響く坂口智隆なのにオリックス退団を選んだからには何かがあったに違いない。
坂口智隆を奮い立たせたもの。それはオリックスを見返してやるという思いだったのか、拾ってくれたヤクルトのためにやるぞという気持ちだったのか。
いずれにせよ燃えるものを持っている人は強い。
ヤクルトは坂口智隆の前にも森岡良介という好プレーヤーを獲得している。森岡良介はドラフト1位で入団した中日を2008年シーズンをもって戦力外に。トライアウト後にヤクルトの一員となった。再生、というよりは森岡良介の良さをヤクルトという環境が引き出したという方が近いだろう。まだの方はぜひご一読ください。
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戦力外通告を受けた選手が拾われた球団の選手会長になりリーグ優勝のビールかけをするという奇跡が起きたのは森岡良介とヤクルトという取り合わせだったからである。いったいヤクルトという球団はどれだけ懐が深いんだか。
だから、だからである。大松尚逸は第2の森岡良介や坂口智隆になれるのか、いや、なってほしいと期待してしまう。
大松尚逸のキャリアを見れば2008年からの3年間がピーク。戦力外通告という、ロッテの下した決断が非人道的とも思わない。だが夢を見てしまう。2008年のホームランは実に24本。これは魅力がある。満塁ホームランも通算6本打っている。
思えば2010年ロッテが下剋上日本一を果たした日本シリーズ第1戦で大松尚逸は先制打を放ちがながらも負傷して二度とそのシリーズには出られなかった。新人だった清田育宏が完全に戦力として定着したのとあまりに対照的だった。
森岡良介はどこでも守れる器用さを、坂口智隆はヒットメーカーであることをヤクルトで発揮した。もし大松尚逸がヤクルト入りしたらどのような起用法だろうか。長打力を生かしてとっておきの代打だろうか。戦力外を告げられた男が他球団で代打を告げられチームを勝利に導く。いい。見たい。果たして大松尚逸は2017年、リストラ組の星になれるだろうか。
久々になってしまったがきょうの1枚は2016年の頑張りに敬意を表して坂口智隆。野球カードを整理していたら探していた近鉄時代のカードが出てきた。ルーキーカードである。若いころからイケメン。同僚記者がこの頃近鉄2軍を取材していたが「坂口いいッス」と言っていたのは間違いではなかった。確かこのころの近鉄2軍監督は石渡茂だったような。ここまで読んできて最後の最後の石渡茂に食いつかないように…。
※2017年5月9日追記。
確執、意地、挑戦…大事なのはモチベーション~中村俊輔らベテランたちが移籍した2017年Jリーグが楽しみ
根っからのサッカーファンでもないのに2017年シーズン、楽しみなカードがある。横浜M-磐田。そう、2017年1月8日、中村俊輔の磐田移籍が両クラブから発表されたのだ。
中村俊輔は神奈川の桐光学園から1997年に横浜M入り。スコットランドのセルティックなど海外でプレーした時期もあったが国内では横浜M一筋だった。
それだけによっぽど我慢ならなかったのだな、と思う。資本提携しているイギリスのシティー・フットボール・グループ(CFG)の影響が強まったチームに対して、だ。
中村俊輔が偉いな、と思うのはチームメイトやスタッフへの心遣いをしている点。長年チームを支えたスタッフが次々に契約満了通告される。退団選手へのねぎらいがない。こういうことがいちいち我慢ならないのだ。
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横浜Mが提示した年俸は1億2000万円。しかし8000万円を提示した磐田を選んだ。「お金じゃない」。純粋にサッカーと向き合いたかった。
このあたりは米球界残留よりカープ復帰を選んだ黒田博樹をほうふつさせる。ただ1点強調しておきたいのだがよく20億円とも言われる条件を蹴ってカープ復帰を選んだことをもって「男気」と形容されるが黒田博樹もお金の問題ではなかった。カープファンの前でもう一度投げる。それこそが自分を高める道だったからだ。
「カープでプレーしたならきっと、ファンが大きな声援を送ってくれる。そうすれば、自分の心の中でワンランク上のモチベーションが発見できるんじゃないか。自分の内面から湧き出てくるパワーといえばいいのか、いろいろな力が出てきて、プラスアルファの力が発揮できるのではないか。そうすることで、選手として成長できるのではないか、と思ったのだ」(黒田博樹著「決めて断つ ぶれないために大切なこと」文庫本252ページより)
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きっと中村俊輔にとっても横浜Mサポーターの前でプレーすることは大きなモチベーションになるはずだ。しかし残念ながら今この状況ではよいパフォーマンスができない。現役生活の残り時間を考えた時、サッカーに集中できる環境を求めたいという中村俊輔の考えは第三者でも痛いほどわかる。ましてや横浜Mサポーターならなおさらだろう。
それでも横浜Mサポーターの心中を思うとやりきれない。中村俊輔ファンなら磐田移籍後も俊輔を応援すればいいが横浜Mファンはチーム全体を応援せねばならない。このゴタゴタをどう受け止めているのだろう。
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移籍を報じる記事の中には「中村だけでなく、さらに斎藤ら主力が退団する可能性がある」と不安要素が書かれている。
主力の移籍は他球団でもある。J2降格となった名古屋は相当の選手が去る。闘莉王は京都入りしたから同じJ2の名古屋戦は因縁の対決となる。
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その名古屋には広島から佐藤寿人が来る。こちらは戦いの場を求めて来た印象だ。
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J1通算得点171点を誇る大久保嘉人は川崎からFC東京へ。新天地で通算得点をどこまで伸ばすことができるだろうか。
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活躍の場を求めて。チームとの確執。新たな挑戦。動機や背景はさまざまだがサッカー界ではプロ野球では考えられないくらい大胆に移籍が行われていると感じる。今回取り上げたのはベテランばかりだがどの選手も実績は十分だしそのままチームに居座ろうと思えばできなくもない。それでもあえて環境を変える決断は応援したくなる。
やはり、大事なのはモチベーションなのだ。自分を高ぶらせるもの、それがなくては前に進めないし、自分らしくもなれない。デキる人ほどそれがよく分かっている。
勇気ある決断をした選手たちを中心に、2017年のサッカー界を見ていこう。因縁の対決、確執を乗り越えて、意地と意地のぶつかり合いが楽しみだ。
目標設定は具体的であれ~秋山清仁カルボナーラを5食連続で食べて第93回箱根駅伝MVP
箱根駅伝にMVPがあることを知らなかった。金栗四三杯のことだという。
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金栗四三の名前は知っていた。1912年ストックホルムオリンピックのマラソン代表として出場するも倒れて途中棄権。その後式典に招かれゴールインしマラソン史上最長記録54年8カ月6日5時間32分20秒3を作った。
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そして金栗四三の「世界に通用するランナーを育成したい」との思いが箱根駅伝創設につながった。
その金栗四三杯、第93回箱根駅伝では日体大の秋山清仁(4年)が選ばれた。
早稲田大学の監督経験者、渡辺康幸氏によると箱根駅伝の6区「山下り」は前傾姿勢がポイント。恐怖心から普通は重心を残したくなるから後傾姿勢になるそうだ。ついついブレーキをかけてしまうためかかと付近の足の皮がズルむける選手もいる。「Going」の映像で見た。
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だが秋山清仁の姿勢は前傾。スピードに乗っている。前回も58分09秒の区間新、今回も58秒01の区間新だから素晴らしい。ちなみに秋山清仁は足への負担を少なく走れるからかかとの皮はズルむけない。
秋山清仁がさすがだなと思うのが目標設定の仕方。なんと高校生の時すでに「箱根駅伝の6区を走りたい」と思っていた。大概の選手は「箱根駅伝に出たい」ではなかろうか。
そう言えば黒柴スポーツ新聞編集局長が応援しているウィルチェアーラグビー日本代表としてリオデジャネイロパラリンピック銅メダリストの池透暢選手も言っていた。「メダルを首にかけるイメージまでしていました」と。そう、目標は具体的であればあるほどモチベーションが高まるのだ。
もう一つ驚いたのが食事。なんと秋山清仁は本番まで5食連続でカルボナーラを食べた。エネルギーを取るためのメニューで、大事な大会の前には食べるという。
この記事に書いてあったが下りに目覚めたのは高校時代の監督からもらった唯一の褒め言葉。「おまえは下りに向いている」。よき指導者とはこれだというキーワードを与え個性や能力を引き出せる人だと思う。
秋山清仁の今後の目標はマラソン。日体大の6区走者と言えばあの谷口浩美が有名。3年連続の区間賞。山下りのスペシャリストの大先輩だ。谷口浩美はアクシデントでバルセロナオリンピックでメダルを逃したが1991年東京での世界陸上マラソン金メダリスト。秋山清仁は2020年東京五輪でぜひ谷口浩美の果たせなかったメダルの夢をかなえてほしい。
山下り育ちの「金」…谷口浩美 : 特集 : 箱根駅伝2014 : 箱根駅伝 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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女子駅伝ネタはこちら。
入団3年目までにポルシェに乗る夢をかなえた山﨑康晃と多摩川で鍛えられていた中畑清
2017年1月7日放送の「ジョブチューン」を見た。プロ野球選手が出ていたからだ。
出演者はこちら。
秋吉 亮(東京ヤクルトスワローズ)
石川 歩・鈴木大地 (千葉ロッテマリーンズ)
金子千尋(オリックス・バファローズ)
見終わって数時間後に気が付いた。
「巨人の選手出てなかったな」
ソフトバンクも出てないし巨人至上主義でもない。ただしもう巨人の選手ばっかり出る時代は確実に終わったなと実感した。
巨人が2位になったものの、セ・リーグのクライマックス第2ステージはは広島と横浜の戦い。パ・リーグも北海道対福岡。それぞれ地域密着をうたうチーム同士がペナントレースで好結果を示した。
特に横浜DeNAは観客動員が過去最高と好調。地道な球団経営が実を結んでいることとチームの成績がいいタイミングで合った。
この日のジョブチューンではトークの場面でも井納翔一と山﨑康晃が引っ張り笑いを取っていた。井納翔一は前に出演した時「小島瑠璃子がタイプ」と告白。今回もそのネタでいじられたり、ファンレターが年間10通(送り主は実質2~3人)だったと明かしたり、盗塁阻止へ捕手が2塁に向かって投げた送球が背中に当たる珍プレーが放送されたりといい感じだった。
山﨑康晃もプロ野球の世界で活躍して高級な腕時計や車を買うんだという夢をかなえましたと爽やかに語っていた。まだ実働2年。とはいえすでに70セーブ。年俸も8000万円と1億円が射程圏内である。
山﨑康晃は1年目も2年目も堂々たるピッチングだしもう117試合も出ているピッチャーだからその頑張りには球団が目いっぱい報いていると分かる。だがストッパー山﨑康晃の生みの親である中畑清の時代とはずいぶん違うな、とも思う。
中畑清が1軍に定着したのは3年目以降。それこそ1年目、2年目は多摩川でしこたましごかれたに違いない。後年主軸になり高級時計も高級車も買えるくらいになっただろうが山﨑康晃とはあまりに対照的な船出である。
山﨑康晃についての過去記事はこちら。
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さっきも書いたが山﨑康晃は正当な評価を受けているので異議は唱えない。ただただ時代が変わったなあと思う。同じく出演者のロッテ・石川歩は1年目から3年目まで3年連続2けた勝利の結果1億3000万円。2けた勝利できる人材への評価が上がっているからこれが相場なのだろうが入団数年で1億超えとはやっぱり時代が変わったなあと思う。
今更巨人が球界の盟主と言う人もおるまい。大谷翔平の大活躍、ソフトバンクや日本ハムとパ・リーグチームが相次いで日本一になっていることもありテレビの露出もパ・リーグ勢がずいぶん増えた。黒柴スポーツ新聞編集局長の少年時代には考えられなかった。少年時代はもっぱら「人気のセ、実力のパ」だったが今や「人気のパ、実力もパ」かもしれない。パ・リーグの野球を認知させたプロ野球ニュースおよびその流れをくむ「すぽると」が同じ時期に地上波からなくなったのは皮肉な話だ。
この流れが続けばドラフトでも有望選手が軒並みパ・リーグを希望することもあり得る。「巨人だったらプロ入り拒否」なんてことが珍しくなくなるのかもしれない。そうなったらその時黒柴スポーツ新聞で「時代は変わったな」とまた書くのだろう。
きょうの1枚は中畑清。実働13年というのは意外に短かったなと思うがそれだけ存在感があったのだろう。通算1294安打。知らなかったが1982年から88年まで連続でゴールデングラブ賞をとっている。それは多摩川での下積みが生きたことの何よりの証明だ。
ホークス、スワローズ、イーグルスは酉年シーズンにはばたけたのか~国鉄民営化30年なのでスワローズを中心に
今年、2017年は酉年。プロ野球にも鳥にまつわるチーム名がある。ソフトバンクホークス、東京ヤクルトスワローズ、そして楽天ゴールデンイーグルス。それぞれ酉年の成績はどうだったのか調べてみた。
【ホークス】カッコ内は監督、以下同じ。
1945 戦時中
1957 2位(山本一人)
1969 6位(飯田徳治)
1981 5位(ブレイザー)
1993 6位(根本陸夫)
2005 2位(王貞治)
【スワローズ】
1957 4位(宇野光雄)
1969 5位(別所毅彦)
1981 4位(武上四郎)
1993 1位(野村克也)
2005 4位(若松勉)
【イーグルス】
2005 6位(田尾安志)
なかなかのBクラスぞろいである。楽天は初年度とあって同情的な面もある。意外だったのはホークス。戦後鶴岡一人(山本一人)による長期政権中は安定してAクラスだったので優勝もあるのかと思いきや、酉年は鶴岡一人監督就任前の1945年で戦争の影響から野球が行われず。1957年は2位。1969年は鶴岡一人から飯田徳治にバトンタッチしてすぐのシーズンで最下位に沈んだ。
スワローズは最下位こそないものの4位だったり5位だったり。ただし鳥系球団唯一の酉年優勝を1993年に達成している。日本シリーズも4勝3敗で西武を下し見事日本一に輝いた。
かつて国鉄がプロ野球チームを持っていた(厳密に言えば外郭団体が運営)ことを知る人も少しずつ減っている。しかし今年は国鉄民営化30年の節目。野球ファンならあえて国鉄スワローズに目を向けてみよう。というわけでおすすめの1冊。
国鉄スワローズ1950‐1964―400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団 (交通新聞社新書)
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堤哲さん著「国鉄スワローズ1950-1964」。チーム創設から球団「消滅」まで、そして万年Bクラスの球団を支えた不滅の大投手・金田正一にまつわる話が書き込まれている。
この本が「交通新聞社新書」ということも推しておきたい。当然国鉄についても詳しく書いてあるから鉄道ファン目線でも楽しめると思う。鉄道ファンであり野球ファンなら2倍楽しめる。
本によると、下山事件で有名な下山定則・国鉄総裁の後を引き継いだ加賀山之雄総裁が野球好きだったことがチーム誕生の契機だったそうだ。後に初代スワローズ監督になる西垣徳雄と加賀山之雄は西垣が法政大学卒業後、東京鉄道局に採用された時の人事担当者だった。
1946年11月、東西対抗野球最終第3戦後で審判を務めた西垣徳雄は帰京のため列車に乗った。そこで加賀山之雄にばったり会う。
西垣 「総裁、どうでしょう、国鉄には管理局ごとに野球チームはありますが、全国職員の士気高揚のために、プロ野球チームをお持ちになったらいかがでしょうか」
加賀山 「それは面白いなあ」
もちろんそれだけで球団が出来てしまうほど簡単な話ではないが、国鉄球団創設のきっかけが列車内の会話、というだけでも面白い。
なおチームの愛称は国鉄50万職員から募集。8315通も来たと言う。特急つばめのイメージ。速い、スピード感がある。つば九郎はまるっこくてちょっと違うような…。
1964年には東海道新幹線が開業するも、国鉄は赤字に転落。球団経営が苦しくなり1965年からはサンケイスワローズに。その後アトムズという名前になったりもしたが、1974年からは再びスワローズの名前が引き継がれている。
国鉄民営化30年で、酉年。果たしてスワローズはよい成績を修めることができるのだろうか。
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関東学生連合の選手に区間賞は不要~学生連合を率いて箱根駅伝上位に食い込んだのはあの名将
2017年1月2~3日に行われた第93回箱根駅伝で10区の照井明人(東京国際大4年=関東学生連合の一員として出場)が区間1位のタイムながら区間賞扱いにならなかったことに対し異論があると知った。区間賞は2位タイムだった順天堂大の作田直也が獲得した。
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【幻の区間賞異論の理由1】
1位になったのに区間賞にならないのはおかしい。
【異論の理由2】
繰り上げで区間賞になる人もうれしくない。
ごもっとも。
しかし黒柴スポーツ新聞は幻の区間賞扱いでよいと思っている。ベストではないがベターではある。照井明人選手の頑張りはものすごく感動した上でもそう思う。
大前提として、関東学生連合の選手は自校成績によって出場資格を得た訳ではない。だからそもそも走る資格がない。
じゃあ関東学生連合なんていらねえじゃん、最初っから走らせんなよ!というツッコミもあろう。
ごもっとも。
だが関東学生連合というチームは存在意義がある。これがあるから出場校以外の学校の選手にも門戸が開かれる。各校からの選手は母校の誇りを胸に東京ー箱根間を走ってその自信や成果や反省を持ち帰る。そうした「お土産」をどう生かすかは各校次第なのだが箱根を目指す学校だったら自然と生かすに決まっている。学生陸上界のレベルアップに貢献しているのだ。
照井明人のゴールシーン、見ましたか? 胸の「東京国際大」を指でつまんでアピール。東京国際大魂を全国に見せたのだ。十分かっこよかった。写真は日刊スポーツのHPでぜひ見てください。
例えば。都道府県単位で死闘が繰り広げられる夏の甲子園地方大会。49代表が決まるわけだが出場権を逃した学校から優秀な選手が選ばれて高校生選抜チームが結成されたとする。この「50番目のチーム」が仮にも優勝してしまったらどう思うかという話。物議を醸すのは間違いない。それに選手自身も母校の仲間と目指すからこその甲子園。たとえ優勝しちゃってもうれしくはないだろう。
というわけで区間賞は本来の出場権がある学生によって争われる現行スタイルでよいと考える。ただしタイムが残らないのはやりすぎだから学生連合チームの選手の個人記録は残してあげてほしい。もし2位選手の繰り上げ区間賞が意味ないものだと言うならいっそ「該当なし」で誰にもあげないでいい。本戦出場を逃した人による区間賞阻止。それだけでも立派な勲章だ。
ちなみに。かつて学連選抜と言われた「寄せ集め軍団」が4位になったことがあると知った。第84回のことだ。その時の監督は…もしや…まさか、ねえ……
ウワーオ、出た! そう、青山学院大学の原晋監督である。
ここまで来ると笑うしかない。自分の学校の学生だけでもこの戦国時代、シード権をとれるかも怪しいのにバラバラの学校の選手を束ねて4位なんだからやっぱりこの人は只者ではない。というかこの時点ですでに片鱗が見えていたのだ。
第84回東京箱根間往復大学駅伝競走|取材レポート|関東学連選抜に注目!!
上記記事をぜひ見てほしい。
・合宿の目的は「心を一つにする」
・チーム名は「J・K・H SMART」
・目標は3位
原カラー全開である。
合宿の目的は読んで字のごとく。次のチーム名だが各選手の出身校のアルファベット(Jは上武、Mは明治、Rは立教など)を上手に並べたものだ。それだけでなく「K(関東)・H(箱根)からJ(Japan日本)を目指すかっこいい(smart)ランナーになろう」という意味もあるそうだ。
総合3位という目標も何と大胆。挑発的ですらあるが原晋監督のことだ。本気で狙っていたに違いない。
正直言うと第93回箱根駅伝では青山学院大に勝ってほしくなかった。別に青学が嫌だなんてことではなく他大学にも頑張ってもらってまた青学がそれを超えてと切磋琢磨してほしいという気持ちからだった。
だが青学3連覇の後、ネット記事で原晋監督の手記などを見るとやっぱりこの人を応援したくなる。東洋経済オンライン記事では観察することの大切さが説かれていた。
五つの提言はどれもうんうんとうなずかされる。
1.ランキング制の導入
2.情報共有
3.ニューイヤー駅伝、日本選手権のショーアップ
4.実業団の移籍自由化
5.ゼッケン広告の拡大
青山学院大が箱根駅伝3連覇を決めた瞬間。それはゴールではなく、原晋ワールドのさらなる拡大を知らせる号砲だったのだ。
箱根駅伝関連記事はこちら。まだの方はぜひご覧ください。
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第96回箱根駅伝記事はこちら。