読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

福留孝介の2000安打が話題にならない理由とは

福留孝介が6月13日現在で日米通算2000安打まであと10本に迫っている。恥ずかしながら気付いていなかった。でも世間だってワアワア言ってないんじゃ…一体なぜなのだろうか。理由を考えてみた。


f:id:tf-zan96baian-m-stones14:20160615001850j:plain



【たぶん達成するから】
長らく黒柴スポーツ新聞では、荒木雅博2000安打達成の可能性を考える記事がよく読まれているようだ。検索ワードも「荒木雅博2000本」とか「中日 荒木 2000本安打」なんて具合に明らかに荒木狙いで来ていただいている。荒木は6月13日現在で1938本。2016年は51試合で48本なので毎試合1本あるかどうかのペースで、達成までファンが最も楽しみにできるパターンである。一方で福留は首位打者を取ったときのようなすごみは感じられないものの、大幅な衰えもない。2015年だって139本のヒット、ホームラン20本を打っている。だから達成するかどうかのワクワク感はない。



【苦労しているように見えない】
じゃあ行けそうな選手の2000安打は盛り上がらないのかと言えばそんなことはない。2016年は新井貴浩が達成したがシーズンイン前から2000安打が射程に入ってると話題にはなっていた。新井と福留は何が違うかと言えば泥臭さ。新井は自らの意思とはいえカープファンを振り切って阪神に行き、いいときもあれば不振もあった。もう終わりかともささやかれたが広島の温情もあったかカープに復帰。自分でこの結果を招いてはいるがファンはこの過程を楽しめた。一方で福留はアメリカで苦戦もしたようだが日本のファンは詳しく見ていないので共感ができない。いやいや、福留だって苦労してんだぞという方は中日時代からとか、阪神ファンとして優しく見守っている方なのだ。




【愛されキャラじゃない】
福留と鳥谷敬はヘラヘラする時間帯がないのだろうか。表情が崩れない二大巨頭である。ある意味プロ野球選手らしくも見えるがよいときも悪い時も感情を出さないように見える。玄人受けはするが大衆的ではない。周囲を煙に巻く印象があるのはドラフト後のことがあったからか。高校生として清原和博をしのぐ歴代最多の7球団競合。くじを引き当てた近鉄佐々木恭介監督が「ヨッシャー」と叫んだが指名を拒否し日本生命入りした。そして逆指名して中日入りした。2002年は松井秀喜首位打者争いを繰り広げせっかくタイトルを取ったものの、試合を休んだことに賛否が分かれた。福留がテクニシャンであることは紛れもない事実なのに印象で損をしている。




【日米通算だから】
メジャーに行った選手が避けて通れない関門である。NPBのホームページで福留の個人成績を見ると6月13日現在で1492安打となっていた。もちろん日本のみの成績。日本でキャリアをスタートさせたら日米通算ででも名球会には入れる。だからあのソリアーノでさえ日本で2安打しているので名球会入りの要件は満たしている。だが名球会のホームページを見たが名鑑では入っていなかった。懐が狭い。イチローの安打でさえ日米通算はただし書き的な扱いだがどうしようもない。松井稼頭央みたいに日本だけでも2000安打に達していたら日米通算とNPB時代のみの2回お祝いができよう。しかし福留はアメリカでそこそこ打っているので無理だろう。




【渋い選手の2000安打はそれなりに過ぎる】
本紙の見解だが松原誠や山崎裕之といった名バッターは渋すぎて名球会入りの事実さえ忘れられがちに見える。福留はセ・リーグで過ごしてきたこともありそこまでの渋さではないが、20年くらい後にはこうなる可能性をはらんでいる。ポスト新井宏昌としておく。



2000安打はものすごい記録なのに盛り上がらないのはちょっと気の毒。義理人情やらドラマ大好き男の黒柴スポーツ新聞編集局長的には福留より渋い荒木の偉業達成を待ち望んでいるが、あの福留の一打は忘れられない。


2006年のWBC準決勝、韓国戦での先制2ラン。完璧な当たりに侍の面々も大興奮。それに触発されたかダイヤモンドを一周してきた福留はハイタッチを繰り返していた。やっぱり感情を出す選手の方が見ていて楽しい。ぜひ2000安打達成のあかつきには喜びを爆発させてほしい。だがクールにその瞬間を迎えてこそ福留、なのかもしれない。