黒柴スポーツ新聞

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努力はいつ、どのようにやるかが大事~「努力すればイチローになれるのか」米山公啓さんの文章を読んで

努力したら成功する。夢はかなう。そういうことが言えるのはその人が成功したからに他ならない。



そんなこと言ったら見も蓋もないじゃないかと言われそうだが世の中そんなに甘くないのも事実。こちらの努力を競争相手が1ミリでも上回れば相手が成果を総取りすることだってよくある。



じゃあ努力なんてしなくていいかと言うとそれも違う。努力なしに成功はない。それは大多数の人にも支持されると思う。



「努力すればイチローになれるか」という見出しにつられて米山公啓さんの文章を読んだ。ものすごく説得力があった。ズバッと言い切ってはいないがタイトルに対する答えは「なれない」(と読んだ)。
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作家で神経内科医という米山公啓さん。脳科学からするとこうだと言われればそうなんだと受け止めるしかないが指摘が的確なのですんなり腹に入ってしまった。



まず、生まれもっての天才はいない。脳は鍛えることで変化する。フムフム。



でも、努力すれば誰でも天才の域に行けるかというとそれは無理。楽器を演奏する人でも1万時間の練習があってこそ超一流になれるそうだ。でも脳がトップレベルに達していなければ鍛えても「無理」とサクッと書かれていていた。やっぱりそうなんだ。



しかも「限界を突破できるレベルの」努力が必要だという。ますますイチローは遠ざかってゆく。




初めから世界一に照準を合わせていなければ世界一になれないとも書いてあった。これも分かりやすい。



2016年はオリンピックとパラリンピックがあり多くのメダリストが誕生した。黒柴スポーツ新聞編集局長が応援するウィルチェアーラグビー日本代表の池透暢選手もリオで金メダルという目標を掲げていた。
第31回龍馬賞に高知市の池透暢選手 車いすラグビー銅メダル|高知新聞



今だから言えるが黒柴スポーツ新聞編集局長は池選手の金メダルは高い目標設定と思っていた(もちろん心から応援していました)。壮行会で「入賞してきます!」という選手はまずいない。メダルというのはやはり特別だしファンにも分かりやすい。だから選手たちはメダル宣言してくれるのだろう。



ウィルチェアーラグビーは世界ランク3位ではあったが過去のパラリンピックでメダルをとったことがない。別に意地悪で金メダルが無理と思っていたのではないのだ。



ウィルチェアーラグビー日本は金メダルを目指していたのでその夢が相当絶たれた時はショックだったようだ。そこでいったん落ちて上昇したことが最後3位決定戦での勝利につながった。
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com



世界一を目指していたからこそ取れた銅メダルとも言える。パラリンピック出られたからいいよねレベルだったら敗戦でチームは総崩れになったことだろう。米山公啓さんの文では「最初の努力目標が違ってしまうと、いくら努力しても(世界一を目指していない人は)世界レベルには到達しない」と書いてあった。



そう、目標設定が大事なのだ。本気ならMAXいっとくべきなんだ。



結局凡人が無駄な夢を見られない説明が分かりやすく書かれていて変に傷付くこともないのだが、米山さんは別に書きっぱなしではなくちょっと光明も見いださせようとしてくれていた。「脳は年齢に関係なく、努力によって変化させることは可能だ」という。ここでいう変化とは成長と言い換えていいだろう。



文章の結びにも、努力をいつ、どのようにするかも意識しなければならないと書いてある。そう。それだ。ここを工夫すればいいのだ。イチローは無理でも、自分らしい会心の当たりをすることが大事。打てるよう努力してみよう。



きょうの1枚はイチロー。いったい安打数はどこまで行くのか。このカードは1999年度の最高出塁率選手カード。イチローオリックスのユニフォームが似合っていた。それはイチローが結果を出していたから。ブルーウエーブが一時代を築いたことで皮肉にも阪急ブレーブスの歴史は断絶したのだった。
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