黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

青山学院大学・原晋監督の本の編集者は勝負強かった

平日の夕方は仕事中のため、普段は大相撲中継が見られない。

が、移動の車中で見る(聞く)ことができた。

そこに今、関心を寄せている指導者がゲスト出演していた。

今年の箱根駅伝を制した青山学院大学の原晋(はら・すすむ)監督である。

実は先日、本屋である本が目に止まったのだが、著者が原監督だったのだ。

タイトルは「フツーの会社員だった僕が、青山学院大学箱根駅伝優勝に導いた47の言葉」。

数字や意外なキーワードの組み合わせを意識した、今風のタイトルである。

恐らく本紙読者の大多数は「原監督」と言えばあの人に違いないが、今回は別の人の顔を思い浮かべて読んでいただきたい。

 

元は中国電力の選手

原監督は中国電力の陸上部にいたが、結果を残せなかったという。

そのまま会社員として電力会社に残るのだが、検針業務もしたという。

一軒ずつ回ったのであろうから、本当に地道な作業である。

なかなか陽の当らない職場にいた人が、なぜ箱根を制するチームを育成できたのか。

ものすごく興味がわく話である。

連覇を果たした原監督も選手たちもすごいが、もっとすごいのは連覇を果たした状態で堂々本屋に原監督の本を届けられている出版社である。

青学は昨年も優勝しているのだから、優勝監督に本を出してもらうのは予想できないことではない。

しかし、アマゾンの商品紹介を見てみると、発売は2015年11月21日。

1カ月と少し後の2016年箱根駅伝を別の大学が制したら、売れ行きは全く違ってくるだろう。

実際、11月1日に行われた全日本大学駅伝東洋大が優勝。

青学は2位になっている。

ここで自分たちを見つめ直した青学は、見事箱根でやり返した。

原監督の本を担当した編集者さんは勝負強いというしかない。

 

声もいい、コメントもいい

原監督は大相撲中継でいろんなコメントを残したが、まず声が聞き取りやすい。

これは視聴者としてかなり重要なポイント。

しかも、やみくもに力士を批判しなかった。

注文も付けたけれど、そこには温かいまなざしが感じられた。

将来的に指導者を引いたとしても、講師や解説者として重宝されそうである。

 

ファーストペンギン

アナウンサーから、原さんは積極的な発言をされていますよね、と振られた。

原監督はファーストペンギンの説明を始めた。

天敵など危険が待ち受けるかもしれない水中に、先陣を切って飛び込めるファーストペンギンがいるので、後が続いて飛び込むのだと。

陸上界をこうしたいという思いがあって、自分が先頭に立つ。

そして、生まれたからには何らかの足跡を残したい、そういう気質が発言につながっている。

そんな説明だった。

ますます原監督に興味が湧く。

 

「それでこそ王者」

他の大学にマークされますが、と解説の舞の海氏が聞いた。

すると、それに勝ってこそ王者なんじゃないですか、と原監督。

横綱もそうなんじゃないでしょうか」

きちんと相撲につながるまとめが言える。

トークも駅伝も盤石である。

 

横綱が負けすぎ

本紙がどうしても言いたいことが、きょうも一つ。

横綱が簡単に負けすぎである。

本紙編集局長の少年時代には、千代の富士北勝海大乃国旭富士と4人も横綱がいた。

しかし、日馬富士鶴竜のように、こんなに負けていただろうか?

千代の富士は強かった。

それゆえ編集局長の周囲には、しこ名を「つよのふじ」と思っていた人さえいた。

連勝記録に挑んでいた頃は、6時までに帰宅してドキドキしながら見守っていたのが懐かしい。

初場所も5日目にして鶴竜が2敗。

このあと勝ちを積み上げるのかもしれないが、横綱たるもの優勝争いから脱落してはならない。

 

横綱駅伝」できるか

今回の青学は一度も首位を譲らない完全優勝

これぞ横綱相撲ならぬ「横綱駅伝」である。

しかし、1強時代にはさせないと、各大学は必死になることだろう。

そうやってレベルが上がり、ファンはまた感動する。

2017年の箱根で、青学はV3を成し遂げられるだろうか。

まだ1月が終わっていないのに、もう来年が待ち遠しい。