黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

ルールと選手はどちらが尊重されるべきか~マラソン福士騒動からまた考える

女子マラソン五輪代表選考記事について、コメントをいただきました。確認できた中では黒柴スポーツ新聞創刊以来、初投稿です。書き手が一方的に思いを伝えるだけでなく、読者の方の反応を取り入れながらよいブログに育てたい。そんな思いがありましたので、本紙にとっては大きな一歩です。


実は「さまざまな読者」が想定されるため、創刊から最初の2カ月は様子見の姿勢でコメント自体を受け付けていませんでした。しかし「できないのか」という質問があったこと、そして多少のリスクを冒してでも双方向で考えや思いを高め合う、または共有し合う方がこのブログにとってもよいのではないかと考え、投稿を受け付けることにしました。


ただし、あくまでも建設的な議論ができる前提で受け付けるという本紙なりの一線を設けています。よってすべてのコメントが紙面に反映されるわけではないことをお断りしておきます。それでもいただいたご意見自体は貴重な声として受け止めさせていただくことにします。本紙は本紙に都合のいい読者を選ぶつもりはないのですが、まずは読者の皆様を信じることにした次第です。面白い視点やなるほどなとうなる提言は即、紙面に反映させます。いまお読みくださっている方の声がこのブログの価値を高める可能性があります。ぜひ「スター読者」になっていただき、一緒に黒柴スポーツ新聞を育てていただければ幸いです。



そんな気持ちになるくらい、投稿者のwinningticketさんのコメントは的確でした。概要は、福士加代子選手を即代表に選ぶべきという本紙の主張に納得がいかないこと。そして選考基準への提言でした。投稿いただき誠にありがとうございました。


選考基準は次の通りです。3人選ぶのであれば、世界陸上(季節が一番本番に近い)で5位以内で1人選ぶ。別の選考レースを二つ設定し、優勝者または日本人トップで2人選ぶ。


いかがでしょうか。現状では世界陸上も含め4レースでの選考ですからより多くの候補が生まれる可能性があります。上記の案なら候補そのものを絞り込めます。世界陸上で選ばれるハードルも高くなっています。なかなかよいアイデアでうならされました。こんな読者の方がいてうれしくなったくらいです。


福士選手に無用な負担が掛かるので本紙は即内定を出すべきと考えました。しかし、ルールがある以上選手はそれに従うべきだ、とのご意見でした。確かに選考レースが動き出してからそれに則らない選考をしてしまうと混乱してしまいます。もし福士選手が内定した後の名古屋ウィメンズで何人も福士選手の記録を上回ってしまったらどうなるのか、という話です。なるほどなと思いました。ルールに異議があるなら、確かにもっと前に問題にすべきです。


ただ、一つ付け加えたいのがルールは常に完璧とは限らないということです。一度決めたルールに縛られすぎるのもリスクがあります。今回の福士選手はまさにそれでした。名古屋に強行出場して故障することもありえるのです。それは福士選手の勝手でしょうと言われるかもしれませんが、ルールが選手以上に尊重されすぎていることは否めません。


ルールに縛られすぎるリスク。残念ながら私たちがいる社会でも同じです。「前がそうだったから」なんて実は理由にもなっていないのですが、案外大きな理由として通ってしまうものです。先日高橋慶彦氏のことを本紙で紹介しましたが、書かなかったエピソードがあります。カープの練習が終わった後で、追加で全員練習があった。高橋はひざの調子が思わしくないので大下剛史コーチに参加できないと申し出た。しかし「全員でやるんだ」と言われてしまいました。チーム一丸で事に当たる。それがその時の方針だったからです。チームを支えるコーチとしては間違っていない。しかし高橋にとっては酷な一言でした。


なお、ルールはいとも簡単に変えられることもあります。本紙編集局長は高校時代、下手なりにバレーボールをしていたのですが「サーブ権」の扱いが変わりました。サーブ権がなくとも攻撃に成功すれば1点となったのです。サーブ権が両チームを行ったり来たりしていて試合が長くなり、テレビ中継に支障があるから変わったという話を聞いたことがあるのですが、本当だったのでしょうか。だとしたら選手をないがしろにするのもいいとこです。編集局長にとってルールがご都合主義に見える原因はこの一件が影響しているかもしれません。


話をマラソンに戻しますが、陸連側も実のところは福士選手を選んであげたいのかもしれません。でも他の選手との公平性の観点から当確とは言えない…。おいおい、読者の指摘があったら書き方を変えちゃうの? 1本の投稿で1本記事書いちゃうの? そんなツッコミに胸を張って「Yes!」と答えてしまいます。もちろんコメントが「目からウロコ」の場合ですが。本紙が皆様の指摘、感想を歓迎する理由は最初に書いた通りです。どんな化学反応が起きるか楽しみです。「よし、ワタシも編集局長をとってちめてやろう」。ぜひ今後も手ぐすね引いて毎日本紙が届くのをお待ちください。