黒柴スポーツ新聞

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ウィルチェアーラグビー日本代表、アメリカに惜敗~決勝で臥薪嘗胆だ!

ウィルチェアーラグビー日本代表は17日(日本時間)のアメリカ戦に56-57で敗れた。これでグループ2位通過となり、別グループ1位オーストラリアとの準決勝を18日に行うことになった。


池透暢選手の地元紙、高知新聞記事はこちら。https://www.kochinews.co.jp/article/49830/
仲里進選手の地元紙、琉球新報記事はこちら。 http://ryukyushimpo.jp/news/entry-358677.html

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アメリカは前回ロンドン五輪3位決定戦で敗れ、メダルを逃した時の因縁がある。臥薪嘗胆。やられたら倍返し。メダルに近付くためにも勝っておきたい相手だった。



試合後のインタビューで、池透暢主将は少し目が潤んでいたように見えた。世界ランク1位のアメリカを、これまで4大会で金2個、銅2個の実績があるアメリカを、本気で倒すつもりだったからだろう。


「決勝でまたアメリカとやって、勝って金メダルを取る目標ができた」


それは精一杯の言葉のように思える。だいたい、記者は競技を終えたばかりの選手に質問をするのが仕事とはいえ、選手はよくすぐに答えられるなあと思う。今回のような熱戦ならなおさら。黒柴スポーツ新聞編集局長なら頭が真っ白になる。そんな大熱戦だった。


第1ピリオドは15-14とリードするも、第2ピリオドは10-13と押された。前半での2点差は第3ピリオドで14-12として埋めた。第4ピリオドは12-12で延長に突入。そこで5-6とされ終わった。


第4ピリオド残り1秒で追いついたアメリカはさすが。延長残り4秒で逆転された日本はラストパスがつながれば再延長だったがディフェンスに阻まれた。いつからかスポーツで「逃げきる」ではなく「勝ちきる」が使われているが、後半押していた日本はまさに勝ちきることができなかった。


序盤の劣勢を盛り返せた要因の一つに、乗松聖矢選手の活躍を挙げたい。池選手、池崎大輔選手の動きについ目がいくが、乗松選手もよく走る。ローポインターの得点はボディーブローのように効く。特にハイポインター同士が激しくつばぜり合いを繰り広げれば繰り広げるほど、それを生かすローポインターの動きのよしあしが試合の行方を決めるのではと思って見ている。乗松選手は熊本県の選手。頑張る姿は大地震から復活する熊本県の人たちを勇気づけることだろう。


池選手は視野が広いなあと思わされた。池崎選手のパスコースがふさがれ12秒以内に相手陣内に攻め上がれなかった時、審判が反則を取るギリギリのタイミングでタイムを要求していた。試合は序盤から1点勝負だったからそこでアメリカボールになっていたらえらいことになっていた。


真骨頂のロングパスもさえていた。第2ピリオドラストプレー、残り1秒ないところでも諦めず今井友明選手にロングパス。ほぼコート28メートルに匹敵する距離。イチローばりのレーザービーム! アメフトのタッチダウンばりに決まった!と思ったが惜しくも0.3秒くらい足りなかった。得点は認められなかったが、最後まで可能性を示す姿勢で次のピリオドに向かったのは意味があった。


池崎選手はオフェンスの時、攻撃時間残り数秒でもきっちり得点してくれる。編集局長はまだまだ試合を見ている数が少なくて、ゴールラインが遠くないとはいえ残り数秒で決められるのかなとすごく不安になる。だがアメリカ戦では何度も敵陣を突破してくれた。終盤、ボールを手放す痛恨のミスがあったがむしろ池崎選手でもああいうことがあるんだなと驚いた。アメリカはきっちりそこを逃さず追いついた。強豪はミスを許してはくれない。


ずっと出ている池崎選手や池選手はギリギリのプレーの連続で疲労は肉体的にも精神的にもあるだろう。そこへ来て初の敗戦。勝利まであと一歩だっただけに消化しきれない部分はあるだろう。だが歩みを止めるわけにはいかない。メダルをかけた運命の準決勝は18日に行われる。


ウィルチェアーラグビーなどパラスポーツを応援するtomoさん(id:tomoecru)のブログ「ともに きなりに」でもアメリカ戦を紹介しています。ぜひご覧ください。
http://tomoecru.hatenablog.com/entry/2016/09/17/054928