黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

300勝で事故死したスタルヒンとシーズン最多セーブ確実のサファテ~9月4日は「史上初の300勝」達成日

きょう9月4日は、スタルヒンプロ野球史上初の300勝に到達した日。1955年のことだ。

300勝。いまや200勝でも青息吐息なのにプラス100勝。記録した人はプロ野球に6人いる。

金田正一400勝
米田哲也350勝
小山正明320勝
鈴木啓示317勝
・別所毅彦310勝
スタルヒン303勝


いまや20勝するのは稀。それを15年続けないと300勝にはならない。


いまや15勝できたらエース格。その座を20年守らないと到達しない。それが300勝だ。


スタルヒンが300勝を達成したのが9月4日と書いたが、7月28日に達していた、という話がある。実は戦前は記録員の主観で勝ち投手が記録されたりしていたので、見直しの結果、スタルヒンはシーズン最多勝42勝が40勝とされた時期があったのだ。この差2勝分、7月の達成が9月と伝えられているわけだ。


いったいどんな勝ち方をしたら300勝もできるのか? 年度別勝利数を見てみる。

1勝
28勝
33勝
42勝
38勝
15勝
26勝
10勝
6勝
1勝
8勝
17勝
27勝
11勝
6勝
8勝
11勝
8勝
7勝


巨人入団2年目から5年目が特に充実している。特に1939年は68試合登板、38完投。投球回数は458回と3分の1。今のエース二人分だ。


スタルヒンロシア革命後に亡命してきた。ゆえに戦時色が濃くなると「須田博」と改名する(させられた?)。今よりも国際的でない時代にスタルヒンはよくチーム(巨人)のために頑張ったなあと思う。もっとも、日本には子どもの頃からいるから本人的には外国人扱いされたくなかったかもしれないが。

と思ったらスポニチ記事で、スタルヒンが戦後巨人に戻らなかったのは巨人でいじめがあったから説を見つけた。今は各球団、外国人選手とうまくコミュニケーションを取っているように思えるが、昔は違ったのかもしれない。

スタルヒンがどんなピッチングフォームだったのかは知らない。しかし剛速球で捕手の吉原正喜は受け止めるのに難儀しあざを作りまくったという(ベースボールマガジン社「宿命の巨人・阪神戦」吉原正喜紹介文より)。

巨人軍最強の捕手―伝説のファイター吉原正喜の生涯を追う

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スポニチ記事によればテレビ局の解析によりスタルヒンは153キロの球を投げていたらしい。身長は191センチ。


これらからイメージしたのはソフトバンクのサファテ。サファテは身長193センチ。もしもサファテが完投してたら、そりゃ打てん。1シーズン投げ切ったら42勝行くかもしれない。

サファテは年俸が5億円という。2017年はプロ野球のシーズンセーブ数新記録は間違いない。だから5億円を高いなんて思わない。それくらいの価値は十分ある。

スタルヒンも時代が違えば5億円くらいもらっていても不思議じゃない。しかし最期はあまりに悲しかった。今から60年前の1957年、運転していた車が電車に追突。そのまま亡くなってしまった。


サファテはこんなことないだろうが、引退後にチームに残りやすい日本人選手と違い、外国人選手は契約満了イコール、さようなら、だ。サファテはどれだけ通算セーブ数を残すか分からないが、いつかはチームを去るのだろう。分かってはいるがさみしい話だ。

300勝もしたスタルヒンでさえ、もはや記憶と歴史の彼方にいる。だがこうして記録を掘り起こすことでスタルヒンはよみがえる。今のペナントレースをアツく語るのも楽しい。だがたまに名選手に思いをはせるのもまたプロ野球の楽しみの一つだ。これからも今と過去、行ったり来たりしながら野球を楽しもうと思う。スタルヒンに興味をもったら、ぜひいろいろ調べてみてください。
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強い組織はミスした人を柱に据える~大阪桐蔭、新主将に「一塁事件」の中川君

新主将候補、という記事は見ていたが満場一致だったそうだ。大阪桐蔭の中川君が新チームのまとめ役に選ばれた。


史上初の2度目の春夏連覇を狙った大阪桐蔭旧チームで主軸だった中川君。しかしあの仙台育英戦でのゲームセット間際の一塁踏み損ないから敗戦につながってしまった。打つ方では活躍していただけに、まさに天国から地獄への転落だった。


組織内において、ミスをした人の扱いは大きく二通り。傷を最小限に食い止めるべく「隔離」するか、成長させて取り返させるためあえて「戦力」にするか、だ。


大阪桐蔭の新チームだって、旧チームに負けないくらいタレント集団だ。いい2年生が残っているからあの敗戦を糧にできる可能性は十分ある。


満場一致、というからには選手間か何かで選出されたのだろう。後継指名や監督からの指名ではなく。だとしたらミスした中川君に新チームの舵取りを任す、ということは新チームとして「ヤツと一緒に成長しよう」という意図だ。


こういうことができる組織は強い。弱いチームならリスクが犯せない。目先の取りこぼしをしないことに気をとられ、ミスした人は怖くて二度と起用できない。


あとは、あの中川君のミスが偶発的なことだった、というのもある。もちろんベースを踏んだ上で送球を捕っていたらよかった。捕って踏めたらよかったけれど、そこにベースがなかった。そしてドラマが起きてしまっただけなのだ。


外部の人間がとやかくいうほど、中川君の主将選出はドラマチックなものではないのかもしれない。ついついそういう目で見てしまうが。


ミスが人を成長させることは、ある。近藤唯之著「プロ野球 運命を変えた一瞬」に書かれているが、284勝を挙げたサブマリン、山田久志能代高校時代、サードを守っていた。そして2年生の夏、秋田大会決勝9回ツーアウトから一塁に悪送球。サヨナラ負けを喫した。

責任を取るつもりかけじめか逃げ出したい心境だったのか、山田久志は監督のところに行き、やめたいと申し出た。そこで監督はまさかの「投手転向」を命じる。


悪送球した野手を投手に起用する。大胆な発想だ。奇想天外だ。ショック療法か、山田久志に投手としての素地があったのか。


しかしこれが大当たり。最後の夏も甲子園には行けなかったが山田久志はピッチャーとして着実に歩んでいた。もしもあの時、山田久志が悪送球していなかったら284勝投手は現れなかったのか。だとしたら阪急の黄金時代はなかったことになる。

山田久志投げる (小学館文庫―野球花伝書)

山田久志投げる (小学館文庫―野球花伝書)

ミスをしたくてする人なんていない。山田久志は一度はあきらめた野球を極めて大投手になった。ミスを糧にできるかはその後の努力次第なのだ。


投手になってもなお、能代高校時代の山田久志の背番号は「5」だったという。


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ミスは自分で取り返すのみ~花咲徳栄の岩瀬君、同点打献上もサヨナラ負け防ぐファインプレー

9回裏というのはなぜかくも尋常でないパワーが発揮されるのか。応援する人にしてみれば8回までにそれやってよと言いたくなるだろうが9回裏は魔法がかかったように連打が出たりする。第99回夏の甲子園も最終回はドラマ満載だった。


敗れはしたが天理のねばりも立派。一発出ればサヨナラまで持っていったのはさすが。それは決して絵空事ではなかった。前の試合にホームランの1大会最多記録となる一発を放った山口君が打席に立ったからだ。


しかしフルカウントから低めに沈む球で仕留めた広陵バッテリーが一枚上手だった。個人の1大会最多本塁打新記録を作った中村奨成君にどうしても注目が集まるが、あそこで空振りを取る投球もさすがだった。


そう、きょうは中村奨成君の新記録の日なのだがリアルタイムで見なかったこともあり、別のプレーが心に残った。二つのショートゴロに。


花咲徳栄東海大菅生の9回裏、ツーアウト一、二塁から東海大菅生の打者の打球はショートゴロ。ただし強烈な一打だった。ショート岩瀬君はたまらず弾いた。しかも外野へ。ボールが転々とする間に一塁ランナーの上林君(ソフトバンクホークス上林誠知の弟)が激走しタッチをかいくぐり生還。9回ツーアウトから同点になった。

大阪桐蔭の一塁の一件といい、ドラマは人の心を揺さぶるが当事者は大変だ。さらに東海大菅生がサヨナラ勝ちでもしたら、花咲徳栄の岩瀬君は言葉はきついが「戦犯」になるところだった。別に花咲徳栄を応援していたわけではないのに、思わず念じていた。「頼む、とりあえずサヨナラだけは……」。花咲徳栄は後続を断ち延長戦に持ち込んだ。


しかしまたもや10回裏に東海大菅生は得点圏にランナーを進める。そして打球はまたもやショートへ……

岩瀬君はレフトへ抜けようかというゴロに飛び付いた。そしてすぐに起き上がり一塁に送球。間一髪アウト。ボテボテのゴロだったからあのままレフト前ヒットになったとしても二塁ランナーはホームに帰れたかどうか分からない。しかし内野安打であればランナーは三塁に進みサヨナラの確率は高まった。最悪の場合はボテボテのままレフト前に達し東海大菅生の持ち前のアグレッシブな走塁が奏功したらサヨナラ負けだったかも。岩瀬君にしたらあれは死んでも捕ろうという打球だったのだ。


高校野球、甲子園は一発勝負。一個のミスが勝敗を分け、チームメイトの人生さえ変えかねない。花咲徳栄は初の決勝進出までアウトあと一つだった。それを自分が打球をさばけなかったことで同点に追い付かれてしまった。こんな大事件は挽回できるチャンスなどまあない。ほとんどの球児はミスを取り返せないまま甲子園を去るのだ。


そこへギリギリの打球が岩瀬君の方向に飛んできた。岩瀬君はど根性でこれに食らいつき、一塁にナイス送球。映画のような紙一重のアウトに一塁塁審もアウトのコールを興奮しながらしているように見えた。


ここで何がカッコよかったかって、岩瀬君の表情。ムスッとしながらダグアウトに走って帰ってきたのだ。


タイミングとしてはビミョーだったが最悪サヨナラ負けするピンチを防いだのだから、もっと威張っていいはず。しかしそもそも延長に入ったのはオレのせいなんだから自分でケツふくわばりの気持ち、意地に見えた。岩瀬君、カッコいいぞ!


そう、ミスをしない人なんていない。大事なのはミスをした後だ。高校球児同様、就職活動中の学生も、社会人も、一発勝負の局面はけっこうある。やり直せるものならやり直したいなあなんて場面はいっぱいある。だが残念ながら挽回したくてもできないことがほとんどだ。難しい仕事をしている人ほどそうだ。


だが神様の味な演出で挽回のチャンスがめぐってくることはある。その時に下を向いていてはそれを見逃してしまうだけ。取り返せる可能性を信じて、求めて、準備をしている人だけがチャンスに気付いて、まずはミス挽回にチャレンジできる。岩瀬君は見事に挽回できた。


これで流れが来たのか花咲徳栄は集中打で勝ち越して、見事初の決勝進出を決めた。


甲子園で痛恨のミスをした選手にも、実はその後の人生でいつか、岩瀬君に向かって飛んできたような「2回目のショートゴロ」はあるのかもしれない。それをさばけるかどうかで心持ちはずいぶん変わるはずだ。ミスは厳密に言えば帳消しにはできないけれど、備えて、取り返そうと思ってさえいれば、取り返せることはある。岩瀬君は実際にそれをやって見せてくれた。もしかしたら打球よ、こっちに飛んで来い!くらいに思っていたかもしれない。


やってもうたな、なんてことは、ないにこしたことはない。しかしやってしまった時はあの岩瀬君のど根性ダイビングを思い出そう。そして取り返しに行こう。結局ミスを取り返せるのは自分だけなのだから。


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打たれた大阪桐蔭・柿木の肩を抱いたエース徳山~第99回甲子園・仙台育英戦で春夏連覇の夢散る

野球はツーアウトからと言うがまさかファーストミットの中にボールが収まっても試合が終わらないとは。それどころか、次の打者が試合をひっくり返す逆転サヨナラタイムリー。まさに最後まであきらめてはいけない。第99回夏の甲子園大阪桐蔭との試合で仙台育英が奇跡を起こした。

仙台育英準優勝―2015夏の甲子園

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かねがね思っていた。高校野球の最後の打者による一塁へのヘッドスライディングは高校野球からの卒業儀式なのじゃないかと。さわやかに駆け抜けるのではなく、土ぼこりを巻き起こし、泥まみれになり、エネルギーを放出させてのフィニッシュ。悔しさ必死さも全開で、ビジュアル的には完璧な終わり方だ。


大阪桐蔭仙台育英もそうなるはずだった。実際、ビミョーなタイミングであれば、ヘッドスライディングした打者走者はすがるような目付きで塁審を見るはず。しかし彼はうつむいていた。


高校野球をしていた人に聞いてみたいが、やはりあそこは一塁でアウトを取るのか。というのも、ネット上で、一塁手セカンドでアウトを取ると思った(ので一塁についていなかった)のではという指摘を見つけたから。一塁送球で試合を締めるのは、ヘッドスライディングしてくる打者走者への「介錯」の意味があるのかなと。恐らく野球が好きな人であれば死ぬほど見ている一塁への最後のヘッドスライディング。その脳への擦り込みが一塁に投げさせたと筆者は見ている。


大阪桐蔭のまさかの負け方にみんな「甲子園の魔物だ」と騒いでいる。面白がっているようにも見えるがこれはこれで一塁手を救っている。一塁手なのに一塁を踏み忘れかよ、という指摘は筆者は見つけられていない。そう、きっと甲子園で成仏できなかった歴代ラストヘッドスライディンガー(グライシンガーみたいだな)たちが魔物と化し一塁手と一塁ベースにほんの少しのすき間を作った。それがドラマの布石だった。

ただし魔物が作ったのはあのすき間だけ。これまたネットの書き込みであったが「あそこで打てる気がしない」、つまり、サヨナラ逆転タイムリーは必ずしも打てるわけではないのだ。だが打たれた大阪桐蔭の2年生投手・柿木君を責めるより、打った仙台育英の馬目君を誉めたい。あそこで柿木君が直球勝負を挑むところが成熟しきれていない2年生なのかなとも思う。歴戦の強者・エース徳山君なら落ちる球で空振りを奪っていたのではないかと。


ただし、野球でタラレバを言い出したらキリがない。筆者が何に感動したかって、甲子園を去る前の徳山君の姿。ダグアウトの前に並んだ時、打たれた柿木君の肩を抱いていたのだ。


徳山君にしてみたらマウンドに立たずして高校野球生活が終わった。9回二死までは、次の試合で投げる可能性があった。彼の高校野球生活は突然終わった。周りに気遣いができる心境ではないだろう。


だが同じ投手だからこそ、打たれた柿木君の気持ちが分かったに違いない。ましてや上級生。だから当たり前に接していただけかもしれない。柿木君にしてみたら自分が選手生活を断ってしまった3年生にフォローされたらそりゃ泣かずにはいられない。二人ともオイオイ泣いていた。


あまりに強すぎて好きじゃなかった大阪桐蔭。徳山君も自信満々に見えるところがあまり好きではなかった。だけど最後の最後に印象が変わった。めっちゃいいヤツやないか、と。


こうなると仙台育英が勝ち上がるのかなと思うが意外なことにまだ仙台育英は夏に優勝したことがない。昔、大越基がいた時は応援したなあと思い出した。果たしてあの魔物がやったことは仙台育英初優勝への布石なのか。実力だけでも勝てない甲子園。運も味方した仙台育英には十分王者になる資格がある。

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甲子園常連のプロ球児が増えクン付けされる選手絶滅の危機~1994年佐賀商業優勝投手は峯君

第99回夏の甲子園は1回戦から秀岳館-横浜があったり、2回戦で智弁和歌山大阪桐蔭があったりと、濃厚である。聖光学院とか、作新学院とか、明徳義塾とか、常連が指定席のように甲子園にやってくるからそうなってしまうのか。


といっても予選は一発勝負だし、野球は失敗のスポーツであるから、常連校と言えど甲子園行きの切符をゲットした現役選手は偉い。努力は素直に称えたい。


一方でこうした「プロ球児」ばかりになっていくと、「◯◯クン」と呼ぶような素朴な球児が絶滅してしまうのではと懸念している。


例えば佐賀商業の優勝投手、峯君のような。早稲田実業の清宮はやっぱり清宮だし、履正社の安田はやっぱり安田。クン付けは少なかろう。


そう思ったのも、本棚で「一生分の夏」という本を見つけたから。甲子園にまつわるノンフィクション集だ。

一生分の夏―いつも胸に甲子園があった。

一生分の夏―いつも胸に甲子園があった。


峯君の所だけ読んだ。峯君は決勝までの6試合を完投していたんだ、と初めて知った。彼はまだ2年生だった。


たまにいる2年生優勝投手。こうなると3年生の時に甲子園に戻ってこられるのかが焦点になる。結論としては峯君は戻れなかった。あと一歩だった。


一度甲子園を味わった者としては戻りたかったことだろう。しかしそれはかなわず。甲子園に行かなかったことで峯君の進路は変わる。大学ではなく社会人野球のJR九州だった。


ただし故障から思うような結果は残せなかった。退職して野球から離れるかと思いきや、さまざまな形で野球と関わる。本にも書いてあるが、峯君は野球が好きなのだ。


それを読んで、救われた気持ちに勝手になった。人生うまくいくことばかりじゃないから、フラフラしたりしないかと、他人ながら心配になってしまう。峯君にも不安定な時期はあっただろうが、峯君には野球があった。これを読んで安心した。


甲子園優勝投手なんてすごい箔だと思うが本人的には重い部分もあろう。特に峯君は故障もしてしまったし、夢だったプロ野球選手にもなれなかったし。でも、少なくとも本の中ではもろもろは消化できていた印象だった。


佐賀商業の優勝は1994年。もう23年も前だ。つまり峯君たち佐賀商業ナインは今40歳前後。決勝で満塁ホームランをかっ飛ばした西原君も印象的だったが、40にしてあの夏の優勝をどう人生の中に位置付けているのか気になる。


今夜の西武ー楽天戦ではかつて甲子園を沸かせた菊池雄星安楽智大が投げ合いを演じた。その前夜、藤浪晋太郎は乱調でイップス説まで出始めている。甲子園がピークなのかそうでないのかは、当たり前だがその後の人生にかかっている。なお1994年夏の甲子園決勝で佐賀商業に敗れた樟南の田村捕手は広島に入団し引退後はスカウトに。ドラフトの抽選にスカウトながら挑戦し、見事、目玉選手の大瀬良大地を引き当てている。


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ボルトも山中慎介も負けたから大阪桐蔭も?~強者敗退ドミノどこまで

強者も敗れることがある。勝負事だから。ウサイン・ボルトしかり、山中慎介しかり。二人はそれを忘れてしまうくらい強かった、ということだ。

ボルトはラストレースで脚を傷めた。爆発的な走りの負荷は、それだけ肉体を追い込んでいたのだ。しかし、最後を勝利で飾るよりも、完全燃焼した感があり、最後の最後でボルトに好印象を持った。

山中慎介の敗戦はどのくらいの人が予想しただろうか。ここまでの防衛戦すべてを見た訳ではないが、きょうはやけにベタ足というか、フットワークを使わなかった印象だ。1ラウンドから倒しにかかっているように見えた。


山中慎介の代名詞は神の左。しかし、伝家の宝刀を抜けばいつでも勝てるという気持ちはなかったか。左はぼつぼつ当たってはいたが挑戦者は倒れなかった。

ボクシングをしたことないド素人なりに思う。村田諒太もそうだったなあと。いい感じで相手を追い詰めながら荒々しくは攻めない日本人ファイター。きょう山中慎介と戦ったルイス・ネリは爆発力があった。振り回しているようにも見えたが何発も山中慎介の顔面に当たってしまった。

101%のプライド

101%のプライド

きょう勝てば13連続防衛の日本記録だったことから解説に具志堅用高が呼ばれていたが、最後のピンチの時は解説するより「ガード、ガード!」とセコンド的になっていた。恐らくファンも同じことを思ったはずだ。

「タオル早かったな」と具志堅用高はセコンドの選択を評していたが、ダウンは時間の問題だった。次があるからこそセコンドは試合を止めたに違いない。山中慎介を立たせていたのはチャンピオンとしてのプライドだけ、に見えた。


あんなに速かった人も最後は銅メダルだったし。脚も傷めたし。
あんなに強かった人もノックアウト寸前だったし。
強者はいつまでも強者じゃないとしたら。


それでも大阪桐蔭は勝ってしまうのか。ボルトも山中慎介も負けるんだから、あり得るな、と思った、という話。最右翼は済美と見たがどうだろう。もしくは横浜を倒した秀岳館、もしくは試合巧者の智弁和歌山か。いや、伏兵的に明徳義塾……そのためにもまずは前橋育英を倒してもらわないと。強者敗退ドミノ、どこまで行くのだろうか。
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阿部慎之助2000安打からの巨人監督待望論

小学生の時は毎日バッティングセンターへ。中学生の時は自宅前でティー打撃。休憩なしで2000球打ったこともあった……と、14日付の阿部慎之助の記事で読んだ。阿部慎之助は8月13日の広島戦でプロ野球49人目の2000安打を達成したのだ。

筆者は200勝とか2000安打関連記事が大好きなのだが、阿部慎之助の場合は何だか感動が少なかった。17年もやっていたのに何だと言われそうだが、ヒットメーカーの印象はない。むしろ強打者。ホームランは386本。下手したら400号を打った時の方が「おおっ」と思うかもしれない。

ネット上やテレビでざっと阿部慎之助2000安打報道をウォッチしたが、捕手でありながら、というのが定番だ。確かに激務である。


しかし、阿部慎之助本人はキャッチャーを続けていなければここまでできていないと言う。出場機会なり、打席での読みにつながっているのだ。

人が何と言おうとその環境が居心地いいのかどうかは本人次第である。


そしてその環境の価値や大変さはやったことがある人にしか分からないし、やった人なら理解できる。


例えば。きのう、阿部慎之助の2000安打をカープファンも祝福してくれたが、広島のダグアウトから一人だけ一歩出て拍手を送った選手がいる。


石原慶幸。いぶし銀キャッチャーである。石原慶幸阿部慎之助の2000安打を「うれしい」とまで言っている。「人とは違う感情もある」とも。阿部慎之助もそう言われたらうれしいだろう。

阿部慎之助は故障から一塁手への転向を余儀なくされたが、後悔はないという。野球ができているからだ。大事にしていたものを失う代わりに、何かは守る。人生はその繰り返しにも思える。阿部慎之助は現役続行の道を選んだ。

プロ野球選手ではピッチャーでは無理だが打者ならと転向するケースがある。うまく打てるかどうかの前に、整理しなければならないのは投手としてのプライドだろう。


それを守って現役を終えるか。いったん区切りをつけて打者に活路を見いだすか。もっとも元々打つのがうまい人の中に勝負に行くのだから厳しい選択肢ではあるのだが。


筆者が好きな近藤真一(近藤真市)は初先発ノーヒットノーラン男だがいよいよ投手としては区切りをつけざるをえなくなった。一説によれば星野仙一に「誰にもできないことをしたのだから、投手近藤で終えるのがいい」と言われている(Wikipedia、要出典)。そういう考えもある。

近藤真一が打者に転向していたらどうだったかというのは誰にも分からない。今、近藤真一が中日の投手コーチをやっているという事実があるのみだ。


阿部慎之助はキャッチャーに区切りをつけたからこそ2000安打があった。あとは巨人がチームとしてどうキャッチャーをつくっていくかだ。


後継者の筆頭は小林誠司なのだが、阿部慎之助にグアムの自主トレに連れていってもらっていることから「こんなに成績で申し訳ない」と思っているという。申し訳なく思わないよりはましだが、「思う」より「やる」でなければならない。

意外だったが巨人の生え抜きによる2000安打は37年ぶり5人目という。小笠原道大清原和博なんかもいたが生え抜きじゃないとこんな扱いなんだなと寂しくなった。松井秀喜の場合はメジャーリーグの成績を含んでの2000安打だがらカウントされない。小笠原や清原とは違う。

興味深いのは掛布雅之が「名門なゆえに長くやる難しい面がある」(スポーツ報知記事)と阪神や巨人でプレーし続ける大変さを語っていたこと。私も田淵さんも、と。それはタイガースだからだよというツッコミが聞こえてきそうだが、阪神には阪神の、巨人には巨人なりの難しさがあるのだろう。OBもいっぱいいるしな。やはり経験者が語ると実感がこもっている。

阿部慎之助の次なる目標は2500安打と400本塁打だそうだ。あと500安打はどうかと思うが400本塁打まではあと14本(8月13日現在)だから無理ではない。


筆者は予想する。阿部慎之助高橋由伸監督の後任になる。それくらいのキャリアはある。優勝経験もある。努力の人だし、ファンも歓迎してくれると思うがいかがだろうか。あとは突然やめさせられた高橋由伸の二の舞にならないよう、阿部慎之助が自分のタイミングで引退することを願うばかりである。

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明徳義塾がようやく取れた27個目のアウト~第99回甲子園、日大山形を延長12回で振り切る

きょうは明徳義塾日大山形戦。ブログに書きたくて急いで帰宅。カーラジオで、負けていた明徳義塾の同点打の場面を聞き、帰宅したのは8回裏だった。明徳義塾はピンチだったが何とかしのいだ。

明徳義塾の9回表の攻撃は先頭が出塁するも送りバント失敗でダブルプレー。ツーアウトから死球でランナー一塁となった。死球のランナーが出るも後が続かず9回裏へ。


外野の照明が灯る。明徳義塾の二番手、市川君の調子は悪くなさそうだ。三者凡退で延長に突入した。市川君を初めて見た時の記事はこちら。
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明徳義塾10回表の攻撃。西浦君の打球はショートのエラーを誘った。4番谷合君に期待が集まるもタイミングを外されツーアウト。しかし次打者の時に西浦君が盗塁。勝ち越しのチャンスだったが今井君のいい当たりはレフトが地面すれすれでナイスキャッチ。お互い譲らない。


日大山形は10回裏、ランナー1塁から長打でサヨナラかと思われ、しかも中継が乱れたが二、三塁止まり。次打者の当たりも強かったが二塁手がバランスを崩しながらも根性でさばきスリーアウト。さすが明徳義塾である。
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12回表の明徳義塾は先頭が出塁し送りバントが成功。勝ち越しのチャンスだ。四球を選び一死一、二塁で西浦君。しかしセンターフライ。谷合君はショートゴロだったが遊撃手は追い付きながらも無理な送球がたたり一、二塁間へコロコロコロ……。この間にランナーが帰り勝ち越し。さらに2点入り3点差になった。


さあ12回裏。日大山形もツーアウトから一、二塁と粘る。しかし反撃もここまで。内野フライでゲームセット。明徳義塾が初戦を突破した。


この日のポイントはやはり12回の谷合君のショートゴロ。あれを無理して投げる必要があったのか、ということになろう。しかしNHKのテレビ解説でも言われていたが、いっぱいっぱいだったからのプレー、勝ちたいがためのプレーだから責められないのだ。無理な態勢(そもそもショートはよく追いついた)からさらにアウトを狙って投げた(セカンドに向けてなのかどうかは分からないが)。だから日大山形ナインは負けたけれど誰もショートを責めないと思う。


同じミスでも精いっぱいのミスは責められない。そもそもミスをしようとしてする人はいない。そこは高校球児ではないわれわれも心しておきたい点だ。あとからあーだこーだいうのはフェアじゃない。それに第三者だとしても外野から好き勝手に指摘ばかりしてもいけない。プレーヤーにもなれないのに評論家になってはいけない。なお、プロのアスリートは別。彼らはプロだから批判も受けねばならない。高校球児とは立ち位置が違う。
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あのショートゴロを捕球してからバランスを崩しながら放り投げた時の感覚。ボールがあさっての方向に飛んでいく様をどんな気持ちで見ていたのか。きっと自分を責めたことだろう。これからも責め続けるかもしれない。明徳義塾二塁手がど根性で踏ん張ってセカンドゴロをさばいてサヨナラ負けを回避できたが、日大山形は踏ん張って投げた球がそれて勝ち越し点を与えてしまった。12回を戦って、明暗を分けたのはこのワンプレーで、まさに紙一重の勝負だった。だからこそ日大山形ナインは悔しいのだろうけれど。

試合後の監督インタビューで馬淵史郎監督は試合中、選手に「27個目のアウトを取るまで試合は終わらないんだぞ」と伝えたという。それはセンバツ早稲田実業に9回2死からのピッチャーゴロを北本君がさばききれなかったことを指している。
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そうだった。この試合は明徳義塾センバツで取れなかった27個目のアウトを取りにきた意味もあったのだ。北本君は序盤打たれたとはいえ、帰ってきた甲子園で先発して、チームが勝った。これで少しは胸のつかえがおりたのではないか。


絶対に選手を責めない名解説者・鬼嶋一司さんだったらあのショートゴロの悪送球をどう評価しただろうか。
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エラーの借りを返しにきた人。エラーをして甲子園を去る人。甲子園は気が遠くなるほどこれを繰り返した。栄光と後悔の歴史。絶妙なタイミングで繰り返されられるからこそ、多くの人が引き付けられる。


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やるべき時にやれるのが実力~第99回甲子園、波佐見-彦根東の勝敗を分けた3塁ゴロ

第99回夏の甲子園が始まった。開幕試合は波佐見(長崎)ー彦根東(滋賀)。ともに県立であり、試合を見始めた時はまだ0-0だったのでどちらを応援するわけでもなく見ていた。波佐見は4番内野君の今大会第1号で先制したが彦根東が吉本君の3ランで試合をひっくり返したので、波佐見を応援することにした。

 

試合は6-5で彦根東が逆転サヨナラ勝利を収めた。試合を決めたのはそこまで4打席凡退した4番打者・岩本君だった。波佐見の4番は2回の先制ホームランに加え、7回には起死回生の逆転タイムリーを放って合計3打点。9回に入るまでは「勝敗を分けたのは4番の差」をネタにブログを書くつもりだった。

 

解説の長野哲也さんも言っていたが両チームしっかり狙い球を打って少ないチャンスをものにしてミスらしいミスもなかった好ゲームだった。岩本君の最後のライト前タイムリーもライトから好返球があり、2塁ランナーも間一髪の生還。勇気をもって3塁を回ったことがよかった。じゃあ何が勝負を分けたかと考えたが「運」という結論になった。

 

勝負の分かれ目は9回1死一、三塁からの朝日君の3塁ゴロと見た。ランナーが3塁にいてスクイズも考えられたがバッターは打ちに行った。ここでゴロを打ったのがポイント。試合後の監督インタビューによればサインはランエンドヒット。ここでゴロを打てたのが大きい。

 

当たりがいくら良くてもライナーでゲッツー、試合終了という最悪パターンだってありえた。ただ、「1点を取る練習」はしてきた、と彦根東の監督は話していた。練習をしておかないのは最悪だが、練習をした上で、本当にやらねばならない時にできるのが本当の実力だと思う。

 

あの3塁ゴロはボテボテだったこともよかった。当たりがよければ3塁ランナーはホームに帰れず、アウトカウントは一つ増えたはずだ。フライでもライナーでも強い当たりの3塁ゴロでもなくボテボテの3塁ゴロ。彦根東には運があったと思う。

 

彦根東の4番・岩本君は第4打席まで凡退。6番バッターが3ランを打ったからよかったものの負けていたら責任は感じていたはずだ。しかしチームメイトがつないで最高の場面で打席が回ってきた。ここで打てば過去の4打席はチャラになる。それどころかヒーローだ。

 

波佐見は同点に追いつかれた9回2死から、粘投してきた先発の背番号10・隅田君から背番号1・村川竜君にピッチャー交代。この場面で起用されるのは信頼の表れだ、と解説の長野哲也さんは言っていたがこれがこのチームの継投なのだろう。村川竜君の投じた最後の1球は外角に投じられたがシュート回転をしながらやや内側に入ってきた。このへんが彦根東にあった二つ目の「運」だ。

 

それにしてもよく最後の最後に岩本君が打った。たまに4番バッターを「4番目のバッター」と特別視しない言い方がされるがやはり4番やエースというのは試合を託される人のことを言うのだ。チームメイトの粘りで最後に打席が回ってきた岩本君自身にも運があった。それを実力でものにしたのだった。

 

試合後のクールダウンで波佐見の先発・隅田君はサヨナラヒットを打たれた村川竜君とキャッチボールをしていた。あのキャッチボールで二人はどんな会話をしたのだろう。打たれた村川竜君は「すまん」と思って隅田君にボールを放っていたのだろうか。

 

「おまえが打っていれば」

「おまえが打たれていなければ」

「おまえが守れていれば」

 

3年間苦楽を共にしたチームメイトであればラストプレーを責めるという行為はないのだろうか。このあたりは高校野球経験者に聞いてみたいところだ。

 

第99回夏の甲子園を開幕延期に追い込んだ台風5号の影響で出勤日と休日が変更になった筆者だが、好ゲームになった開幕試合を自宅でじっくり見られたのは運があったということか。どれだけリアルタイムで試合を見られるか分からないがこの夏もできるだけ高校野球を楽しもう。

 

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ボルトに有終の美を飾らせなかったガトリンのKY走

ちょっと横になった。ハッと目が覚めたらガトリンが星条旗をまとっていた。ボルト敗戦。熱い戦いを見逃してしまった。

世界陸上男子100メートル準決勝でアメリカのコールマンがボルトと互角の走り。織田裕二に言われなくても、ひょっとしたらひょっとするなと思った。しかし、ガトリンとは……ガトリンの意地には素直に敬意を表したい。


スーパースターの引退レース。観衆はみんなボルトが有終の美を飾ることを期待していた。


ボルトは個人でのラストランだから、ガトリンがリベンジできるとしたらこれがラストチャンス。ボルトの栄光の時代はすなわちガトリンが苦杯をなめ続けたことを意味する。

貴花田千代の富士を倒して引退に追い込んだように、ボルトを倒してコールマンというニューヒーローが生まれる、という筋書きが用意されたかに思えたがそこにガトリンが割り込んだ。


ガトリンの勝利が分かったとたん、大ブーイング。ガトリンは人差し指を口に当て「お静かに」とアピールした。


確かに空気が読めなかったのはガトリンのほうだ。しかし広島の地元優勝に水を指すホームランを放った坂本勇人みたいな人は嫌いじゃない。強い者やスターが常に勝つとは限らないのが、スポーツの側面でもあり、魅力でもある。

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見逃してしまったのに言うけれど、いい勝負だった。ボルトは歯を食いしばっていたし、ゴール時には胸を突き出した。勝ちにいったが負けた。ある意味引退に踏ん切りがついたのではないか。


やっぱり真剣勝負はリアルタイムで見なければ。TBSはボルトのラストレースを何度も流してくれたけれど、やっぱり興奮はできない。この夏、高校野球もできるだけリアルタイムで見ようと思ったことだった。。

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米子松蔭が戦う大阪桐蔭以外の敵とは~島根じゃないよ、鳥取だよ

いよいよ第99回夏の甲子園の抽選会。第4日目が激アツだとさっそく話題になっている。


第1試合 広陵中京大中京
第2試合 横浜-秀岳館
第3試合 興南智弁和歌山
第4試合 大阪桐蔭米子松蔭


常連ばっかり。どちらが勝つのか想像がつかない。
第4試合を除いて。


とかいったら鳥取高校野球ファンに怒られるだろうか。


思い出す。鳥取八頭高校が秋田の角館と対戦した年。「最弱王決定戦」とまで言われていた。八頭にも角館にも失礼な話である。


黒柴スポーツ新聞では下の記事で、地方大会の運営について「1勝の格差」論は展開したものの、あくまでも激戦区の学校の救済策を求めているわけで、鳥取など参加校が少ないところをいじっているわけではない。
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ちょっとウケてしまったのは、今回調べ物をしていて気づいたのだが、かつて八頭高校がネットの掲示板で取り上げられていた際、かばわれたり、応援されているにも関わらず「島根をディスるな」「頑張れ島根」みたいに書かれていたこと。いやいや、鳥取と島根を間違えているあなた方が一番罪だよなあとつぶやいてしまった。


ともかく、よりによって大阪桐蔭。高校生同士だからやってみないと分からないが、米子松蔭がボロ負けでもしたら「大阪勢に枠を譲れ」ばりの乱暴な論が再び展開されかねない。それを阻止するためにも米子松蔭ナインにはさわやかな戦いと泥臭い粘りを期待したい。


激戦必至の第4日目は8月10日の予定だが台風の影響でどうなるか分からない。日程が読めないと、チケットをゲットするのも一苦労だろう。まあ筆者は実質お盆返上だから他人事なのだが。


どれだけ暑かろうがやはり生の観戦が最高だ。この夏、高知大会を見に行って実感した。一つは言えるのは日焼け対策はやるべし! よりによって1日2試合見た日に限ってカンカン照りで、今、腕の皮がむけている。軽傷で済んで何よりだった。
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暑いからと言って、間違ってもキャプテン翼日向小次郎みたいに肩までシャツをまくってはいけない。学生時代、一度甲子園のアルプススタンドで準々決勝4試合を見たが露出した皮膚が焼けて、ウルトラマンみたいになってしまった。湯船に入る時は前へならえをしていないとお湯が腕にかかって激痛だった。観戦したのは曇りの日だったのだが……アルプススタンド恐るべし。


ともかくこの夏は甲子園には行けそうもない。NHKを見ながらひたすらブログを書くしかないが、相変わらず、負けそうな方か、負けている方か、公立高校を応援するつもりだ。すべての出場校が全力でプレーできますように。


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高校野球にある「1勝の格差」~4勝で甲子園の明徳義塾、7勝で行けない大冠

2018年は夏の甲子園が100回の記念大会。例年の49代表からどれくらい記念枠が設定されるのか把握できていないが、埼玉県からは2校行けるという朝日新聞デジタルの記事を見つけた。


それは優勝、準優勝校という選出ではなく、南埼玉大会と北埼玉大会に分かれてそれぞれ代表を決めるという。


レベルが低くなるとかいう下世話な意味ではなく、甲子園を経験する学校が増えることは望ましい。一つは高校野球のレベルアップの観点から。もう一つは若者の人生のスパイスになるという観点から。

一方で、がく然とした。この夏、気合を入れて観戦した高知大会の参加校は28チーム(連合チームを含むため学校数では31)。参加校の多さで有名な神奈川大会は189チーム。これで果たして甲子園への道のりが平等と言えるのか?
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政治の世界では一票の格差が問題になっている。これになぞらえば「1勝の格差」と言える。


例えば高知大会を制した明徳義塾はシード校とはいえ4勝で高知代表になれる。試しに激戦区の大阪府大会を見てみると準優勝だった大冠高校は8回も試合をしたが決勝で大阪桐蔭に負けたから甲子園には行けない。4勝0敗は甲子園に行けるが7勝1敗では甲子園に行けないのだ。


白球に青春を費やす球児にとって1勝に格差などあるはずはない。しかし甲子園への行きやすさ(行きにくさ)は確実に存在する。そういう意味での「1勝の格差」である。


すべての地方大会を調べてはいないが鳥取大会の25チームが最少だろうか。あまりに少なかったら隣の県と合同で、例えば高知(2017年28チーム)・徳島(同じく31チーム)大会になってしまうかもしれない。これを足してもまだ、前述の埼玉大会分割バージョンの1大会参加校よりも少ない。


二つの県の合同大会は、選挙でいう「合区」である。ちなみに参院選の時の高知と徳島の合区は、二人の候補とも本拠地が徳島だったので、高知県民には「置いてけぼり」感が少なからずあった。これは人の感情として仕方ない話。同じように、例えば徳島の高校が高知・徳島の代表になったら、甲子園で応援する気になるのかなという懸念はある。また、高知ですらアウェー感がある明徳義塾が高知・徳島の代表になった場合、徳島県民は応援してくれるだろうか?


元々、高知や徳島には南四国大会があり、県代表になっても南四国大会で勝たないと甲子園には行けなかった時代がある(Wikipediaによれば1948年~1977年)。


あの梶本隆夫も多治見工業高校時代に岐阜1位になりながら三岐大会(三重・岐阜両県の上位2校ずつによる代表決定戦)で三重1位に勝ったのに三重2位には敗れ代表を逃している(ネタ元は三浦暁子さん著「梶本隆夫物語」)。そういうこともあり得るのだ。これはこれで残酷な話。もっとも梶本隆夫は淡々としていたらしいのだが。

梶本隆夫物語―阪急ブレーブス不滅の大投手

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今のところ各地方大会は成立しているが、少子化や過疎化で甲子園の地方大会が変形していく可能性があることも、高校野球ファンはちらっと頭に置いておきたい。

電撃トレードの谷元圭介は一本釣りされたのか、売られたのか~デキる人にしか声はかからない

谷元圭介日本ハムから中日への電撃トレードを、職場据え付けのスマホ(いろんな媒体にニュースを配信しております)の画面チェックで知った。最初、「中日」「谷元」の取り合わせに何かの間違いかなと理解できなかった。そして衝撃が走った。

谷元圭介の魅力とは。中継ぎで1億円を稼ぐ男、そう言えば分かるだろう。いつでもどこでも投げられる。タフな男。しぶさがたまらない。2016年の広島との日本シリーズでも登板。たよれる男なのだ。

トレードには出す側、受け入れる側、両球団の思惑がある。谷元圭介の場合は何だろう。まず相手が中日というのがキー。田島が抑えとして一皮向けつつあるが中継ぎ、抑えの不安定さが今の5位という順位の背景に思える。

指揮官が、投手コーチの経験が豊富な森繁和監督であることから、ピッチングスタッフの補強とすぐ分かる。もし中日から日本ハムに打診したトレードならばいい人材に目をつけたなと思う。

参謀 (講談社文庫)

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数字上はまだ逆転CSもあるのだから、トレード期限ギリギリとはいえ、自軍にもファンに対してもファイティングポーズを球団が示している。まだあきらめてはいないんだぞ、と。

きょう知ったが谷元圭介三重県出身で中部大学にいたという。そこまで計算していたら本当にいい人選だ。


一方、日本ハムファンの心境は複雑らしい。というのも日本ハムはベテランに対し遠慮なしのトレードを敢行する体質があるので「またか」という反応なのだ。MVPを取ったことがある吉川光夫もそうだし、あの糸井嘉男オリックスに旅立った。

これはいい悪いではなく考え方だ。新陳代謝を促しているから血管が詰まらず、定期的に優勝ができている。あとはファンがこの事実をどう消化するかだけなのだ。

ひとまず、日本ハムファンでもなく、谷元圭介が気になるだけの筆者はsmartnewsで見つけた中日ドラゴンズのトレードのお知らせを見てみた。そこには早くも中日の帽子をかぶった谷元圭介が。笑顔だった。


それを見た瞬間、泣きそうになってしまった。トレードがいつ伝えられたかは知らないが、そんなに前ではないだろう。笑顔ではあったが日本ハムへの思い入れもあるだろうしチームに貢献している自負もあるだろうから、内心はどう思っているかは分からない。


だが、谷元圭介は分かっているはずだ。やることはただ一つ。ドラゴンズの中継ぎとして結果を出すことだ。シーズン途中の加入はただでさえ困難があるだろうがここで結果を出せば中日での存在感を高めることができる。

谷元圭介は国内FA権を得たから行使したら日本ハムは引き留めず、それで得られる補償より高い金銭を得られるから今回のトレードとなった説がある。しかし真相はやはり谷元圭介の価値を中日が見いだして一本釣りした、と思いたい。


必要とされる男はカッコいい。何やかんや声がかかるのはデキる人なのだ。谷元圭介にはぜひ結果を出して存在感を示してほしい。


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終わったのは清宮幸太郎の夏じゃない~敗者だらけの甲子園地方大会

早稲田実業西東京大会決勝で敗れ、2017年の第99回全国高校野球選手権行きを逃した。メディアは軒並み「清宮の夏終わる」と報じた。

無理からぬことではあるがぜひ勝者である東海大菅生にもフォーカスしてもらいたい。


メディアは清宮幸太郎君の高校通算107号越えにフォーカスしすぎた。確かに稀有な実力の持ち主。目の前の出来事に価値付けするのもメディアの役割(かつてほど求められていないかもしれないが)とはいえ、オトナたちが騒ぎすぎだ。

皮肉にも、早稲田実業が敗れた瞬間、大方の人は再認識したはずだ。野球は団体競技であることを。清宮幸太郎君は高校通算本塁打記録には並んだが、この夏の敗者の一人となった。


そういう意味では夏の甲子園への道のりは平等な戦いだ。有名校、無名校問わずトーナメントを勝ち上がらねば甲子園には行けない。好不調の波もあるし、勝負のアヤもある。清宮幸太郎君と言えど、甲子園に簡単に行けるわけではない。


大阪府大会は分かりやすい。大阪桐蔭履正社という2強の激突は準決勝。これは春のセンバツ決勝の再現だった。強豪の履正社でも甲子園には届かなかった。

玄人的にはこの準決勝が事実上の決勝なのかもしれない。しかし決勝では公立の大冠高校が4回を終わって4-2とリード。アンチ私立ではなく劣勢必至の高校を応援する派の筆者としては夢を見た。平幕の大冠高校横綱大阪桐蔭を倒すのではないかと。


しかし甘くはなかった。5回に大阪桐蔭が追い付き、6回には勝ち越し、8回には一挙5点を取り大冠を突き放した。


筆者はスポーツナビのアプリで試合経過をチェックしていて、大阪桐蔭の8回の得点を見た瞬間「あぁ」と声をあげてしまった。そうだよな、そんなに甘くはないよなと。


しかし後でアプリの結果表示を更新した瞬間グッときた。10-4で迎えた9回、大冠は4点を返したのだ。10-8。まだ映像を確認できていないが横綱を土俵際まで追い詰める戦いはできたのではないだろうか。


人生において負け方は重要だ。もしも大冠ナインが最初から名前負けして大阪桐蔭と対戦していたらこんなに善戦はできていない。最後まであきらめなかったからこそ9回に4点も取れた。悔しさはあれど悔いはないのではないか。


高校野球は爽やかなイメージが植え付けられているが残酷な面も多々ある。まずレギュラー争いがありベンチ入りでふるい落とされる。地方大会は一発勝負を何連勝もして制さないと甲子園には行けない。甲子園では猛者が集まり死闘が繰り広げられる。暑さや連戦との戦いもある。やってる本人たちは本当に大変だ。


それをクーラーの効いた部屋で見るのが申し訳なくなってきた。あ、一応地方大会は4試合見ましたから。
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おかげで今、腕の皮膚は日焼けして薄くむけている。日焼け痕を見ると熱戦がよみがえってくる。


清宮幸太郎君の出ない甲子園。今年からは大好きな鬼嶋一司さんのあったか解説も聞けない。
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メディアは大阪桐蔭にフォーカスするのか、昨年の覇者・作新学院に注目するのか。
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黒柴スポーツ新聞は高知代表の明徳義塾を応援しながら、基本的には公立高校を、あるいはテレビはつけた時に負けている高校を応援しながら甲子園をウォッチする。高校野球ファンの「おつまみ」的な存在になれるよう頑張ろう。
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ゴールを通過点にすることで成長につなげる~ウィルチェアーラグビー日本代表・池透暢選手の思考に学ぶ

100メートルダッシュをやれと言われたら、何メートル走るだろうか? そんなの100メートルに決まっている、と言われそう。しかし大概の人は95メートルほどダッシュして最後は流すものだ。


7月28日付の高知新聞に、ウィルチェアーラグビー日本代表の池透暢選手の講演要旨が載っていた。ゴールを通過点にする、という思考法が書かれていた。なるほどな、それが成長の秘訣なんだと納得した。
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黒柴スポーツ新聞編集局長はゴールきっちりで走るのをやめるタイプ。ゴールしたらやれやれと思ったり充実感すら手に入れている。


しかし池選手は「通過点」だという。通過点だからスピードは衰えない。それどころか加速する可能性すら持っている。そりゃ成長するはずだ。
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もう一つ。池選手のモットーは「嫌なことから逃げない」だという。これもなかなか実践できない。誰だってやらなくていいことは進んでやらない。必要性があるからやるものだ。しかし池選手は「逃げなかったから」成長があったという。


この考えは本当に見習わねば。成長できないと嘆く人は実は、トライする前に自ら成長の芽を摘んでいるのだ。
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筆者が池選手の言葉を信じられるのは、池選手が実践者だからだ。金メダルの目標こそかなえられなかったが、リオデジャネイロパラリンピックに出場して、日本の初めての銅メダル獲得に貢献。強豪のカナダやアメリカとの熱戦は見ごたえがあった。
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池選手たち日本代表は世界レベルの国々に全く気後れしていなかった。勝つ気でいた。日本は今までにメダルを取ったことがない。ただそれだけで筆者は、金メダルという目標を高すぎると決めつけていた。恥ずかしい。
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伸びない人は勝手に限界を設定するものだ。
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ちなみに致命的に傷つくおそれがあるならそこは全速力で逃げたらいい。そうでなければやはりチャレンジしたいものだ。失敗しても命までは取られないのだから。


年齢を重ねると失敗が怖くなる。カッコ悪いから。確かにあんまり失敗が続くと周りの目も厳しくなる。しかし最悪なのは周りの目を気にしすぎてチャレンジしなくなることだ。


ゴールを通過点にすることが成長につながる。池選手の思考を心にメモしておこう。この日は偶然池選手の良質の話題に出合えた。新聞はかつてほど「主食」ではないだろうが、ビタミン剤、あるいはサプリ的な価値はまだまだある。


黒柴スポーツ新聞も読者の皆さんにそんなちょっとしたお得感や自分をメンテナンスするきっかけを提供したいと考えているので、これからも応援よろしくお願いいたします。


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