プロの脳外科医は危険を避ける行動を心がける~返還したボルトの金メダルが湯呑みという話
ボルトが北京五輪400メートルリレーの金メダルを返還した。
このゴタゴタとは別のことが気になっていた。
この男、速いのは脚だけじゃない。
即断即決即実行。
ジャパニーズピーポーが最も苦手なことだ。
今回のドーピング。
そう、まだ頑張ればグレーとも見える。
疑惑のネスタ・カーターは不服に思っている。
検査は陽性。
ジャマイカチームは失格となりメダルはく奪が決まった。
限りなく漆黒に近いグレー。
限りなく透明に近いブルー的な語呂で書いてみた。
だがボルトはメダルをさっさと返してしまった。
引退を控えたボルトはまさに終活中なのだ。
いかに美しく去るかを考えている。
それに集中できないなら過去の金メダルでもいらないのだ。
- 作者: ウサイン・ボルト,生島淳
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このシンプルな思考を見てある本のある一節を思い出した。
林成之著「<勝負脳>の鍛え方」講談社現代新書
・危険を避ける行動を心がける(47ページ)
- 作者: 林成之
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林成之氏は脳外科医だ。
ちょっとしたミスも許されない外科医が意識していること。
それはそもそも危険状態に追い込まれないようにすることだという。
「辞書と湯呑み」の例が書いてあった。
目の前にお茶を入れた湯呑みがある。
その先50センチの所に辞書がある。
多くの人はそのまま手を伸ばして辞書を取る。
脳外科医はどうするか。
まず、湯呑みをどかす。
もしかしたら袖が引っ掛かって湯呑みを倒しかねないからだ。
そう、ウサイン・ボルトの金メダルは「湯呑み」なのだ。
別に今すぐ返さなくてもいい。
有終の美も難なく飾れるかもしれない。
だがボルトは完璧なラストを描きたいのだ。
お茶をこぼすことなんて、ありえない。
ここにこそボルトの強さを見た。
ボルトは身体能力が飛び抜けているのではない。
思考能力にも長けている。
決断もロケットスタートなのである。
熱心な読者はすでにお分かりだろう。
そう、黒柴スポーツ新聞編集局長は今まで湯呑みどかさない派だった。
いけるならいく男。
そう言えば聞こえはいいが単に湯呑みをどける手間を惜しんでいるだけである。
それでお茶をこぼしたことは数知れず…。
だから最近は湯呑みをどかすようにしている。
人間は変われる。
あなたは湯呑み、どかしていますか?
ちょうど1年前の記事はこちら。実現しませんでしたけどね。
tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com
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