黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

初日の2日前に六甲山に登る琴奨菊と開幕2日前の件で謹慎した高橋慶彦

 

琴奨菊がいよいよ綱とりに挑む。新聞記事を見たがある個所にくぎ付けになった。初日の2日前に六甲山に登るのだという。何のためなのか書いていなかったのでネット検索してみると、トレーニングの一環であり願掛けの意味もあるという。

www.sankei.com

www.sponichi.co.jp

勇み足でした

琴奨菊は日本生まれの力士として10年ぶりの優勝であり初優勝であり、大変多くの方に祝福されたことだろう。何でもしっかりとした休日は1日のみだったという。これで調整ができたのか気掛かりだったので、六甲山行きもイベントか何かと勘違いしてしまった。大事な時期に何をやるんだと思ってしまったが、これは黒柴スポーツ新聞の「勇み足」だった。

 

激励イベントが火種に

さて、大事な時期の2日前に起きた事件がプロ野球界にもある。主人公は高橋慶彦。本紙の読者であればピンときていることだろう。有名な一件らしく近藤唯之著「プロ野球 運命を変えた一瞬」、海老沢泰久著「ヴェテラン」で触れられている。ほかにもあるのだろう。1987年シーズン開幕の2日前、広島は「カープを激励する会」を開いた。(海老沢作品では広島のテレビ局の主催)。ファンとの触れ合いも大事だが何せ開幕の2日前。高橋は納得いかなかった。選手会としても日程変更を求めた。高橋は球団幹部に抗議した。するとやり取りを聞いていた松田元オーナーがこう言った。

 

「まえから決まっていることだろう。そんなにいうなら、おまえは出てこなくてもいい」(海老沢作品)

「そんなに激励会に出たくなければ、君ひとり欠席したらいいだろう」(近藤作品)

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※2008年版ベースボールマガジンのカードを使わせていただきました。

 

 

 

その後を暗示

結局、高橋は行かなかった。球団は謹慎処分にした。戦列に復帰したのは4月26日からだった。シーズンオフ、西武の田辺徳雄とショート同士のトレードが持ち上がった。実現しなかったがその後ロッテにトレードされることを暗示させる出来事に思える。

 

 

 

1991 Qカード レギュラーカード 高橋慶彦
 

 

33試合連続安打の男

高橋と言えば阪急の長池徳士の32試合連続安打を抜く33試合連続安打を記録した男。33試合で57本もヒットを打った。盗塁王も3度。通算安打は1826安打。広島で大事に扱われていたら2000本安打行ったのではないか、というのは感傷に浸りすぎか。とにかく練習の虫で3時間ぶっ続けでマシン相手に打ちこむとか、外食していても日課のバッティング練習を2時間やるためにいったん合宿に帰ってまた戻って知人をあきれさせたりしたという。これらのようにマニアックなネタが豊富なのでぜひ上記2作品をご覧ください。 

プロ野球 運命を変えた一瞬 (PHP文庫)

プロ野球 運命を変えた一瞬 (PHP文庫)

 
ヴェテラン (文春文庫)

ヴェテラン (文春文庫)

 

 

 

恐怖のはしご外し

ちなみに海老沢作品では、オーナー代行への抗議に誰も同調しなかったことが描かれている。出ました、サラリーマンにとっても恐怖の「はしご外し」! え、上司に立てついたのオレだけかよ、みんなさっきまで同じこといってたじゃん、なんてシャレにならない。しかし実社会では似たようなことがあるだろう。だが高橋の魅力は言うべきことはいうぜという一本気な所。 あなたは高橋と同じことできますか?

 

 

池井戸作品にならないかな

広島ファンでもないのに本紙編集局長はカープの監督に高橋がなったらかっこいいだろうなあ、なんて思うのだが実現しそうにない。だってオーナー代行様に立てついたのだから。しかし今のカープに必要なのは高橋のようなガッツではなかろうか。潜在的にはヨシヒコファンはいそうな気配。球団幹部が高橋を三顧の礼で迎え「どうかカープを立て直してくれ」と言うシーンを池井戸潤さんならかっこよく描いてくれそうなのだが。

 

赤き哲学

赤き哲学

 

 

ひょっとしたらあるかも

いや、それができたらカープはすごいな、なりふり構わず本気だな、と思う。外国人監督を除き広島は「純血主義」(好きな言葉ではありませんが)に見える。高橋は15年も在籍し黄金期のプレーヤーでもあるので条件は満たしすぎている。2016年シーズン、緒方孝市監督(個人的には現役時代好きでしたが)の采配が振るわなければひょっとすると…と思っている。

 

プロ野球 成功する人の条件

プロ野球 成功する人の条件

 

 

行ける時に行ってほしい

高橋慶彦と違って琴奨菊は自分の意思で初日の2日前を過ごせそうなのだから、幸せだ。あとは本来の力を発揮するだけ。応援したい。ただ、気になるのは「今回がラストチャンスだとは思っていない」点。高橋がそうだったように運命なんてどう転ぶか分からない。行ける時に行っておくのがいいと思うのだが、ともかく好結果を出したあかつきにはぜひ本紙でも盛大に取り上げたい。