黒柴スポーツ新聞

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意図して、やる~ソフトバンク甲斐が指摘されたキャッチングの甘さ

久々に解説に唸った。岸川勝也氏 首位攻防戦の勝負を分けたのは「捕手」 甲斐のキャッチングの甘さと田村の丁寧さ(スポニチ)。キャッチングと捕球は違うんだなと、初めて意識した。岸川勝也の指摘をざっくり言うと、甲斐は捕球時にミットが流れてしまった。その分辛めの判定、つまりボールと見なされた。田村はその辺りをきっちり丁寧にやっていた、という話。このところ、あれ、この球ボールかよと思うことが頻繁していたのだが、甲斐のキャッチングが影響していたのかもしれない。

え、キャッチングと捕球、何が違うのと思わなくもない。あえて区別するなら「意図して」捕るかどうか。もちろん甲斐も意図してキャッチングしていよう。ここで別のキーワード「フレーミング」を持ち出す。ストライクゾーンギリギリ、何ならギリギリボールの球をストライクと見せるアレだ。もちろんやり過ぎるとアンパイアには逆効果なのでそこはキャッチャーの腕の見せ所なのだが、甲斐の場合はストライクにとってほしい気持ちが出すぎなのかもしれない。素直さは甲斐の持ち味ではあるのだが。

それよりもまずは岸川勝也の言うように、ミットが流れないようグッと肩を入れてキャッチングする。フレーミングするより、ほら、ズバッと決まりましたよとしっかりキャッチングすることでアンパイアにはよいアピールできるはずだ。特にロッテのバッターは四球を選ぶのが上手。そこに対抗するには、今の球はしっかりコースに決まったとミットを止めることだ。そのためには意図して捕らねばならない。

甲斐ももう気が遠くなるくらい球を受けてきたはずだが、それでもなおキャッチング技術を指摘される。もうシーズンは終盤。甲斐はすぐに改善できるのか?と心配になったが、プロ野球のキャッチャーであるならば、逆に意識一つで変わりそうな気もする。かくいうわれわれサラリーマンも胸に手をやらねばならない。毎日の作業を漫然と、右から左へ作業に終わらせていないか。その作業が何のためのものなのか意識することで成果は変わる。ちょっと疲れたから、面倒だから、全部終わってないけどまぁやったってことで……とフレーミングしちゃったりして(!)。それではいけない。さて、話を甲斐に戻す。ソフトバンクとロッテは10月9日のゲームが終わった時点でゲーム差なし、勝率はソフトバンクがわずか1厘上回るだけ。試合でも今まで以上にストライク、ボールの判定の重みが増してくる。それがシーズンの結果を決めかねない。甲斐には意図したキャッチングをすることで、踏ん張る投手陣をしっかり支えてもらいたい。


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