黒柴スポーツ新聞

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流れを渡さなかった陰の立役者~ソフトバンク川瀬と松本裕樹

定期購読している新聞をけさ(8月30日)読んだが、スポーツ面にソフトバンク川瀬晃の写真はなかった。松本裕樹も載っておらず、来日初勝利のムーアの写真だった。まあ順当か。西日本新聞も見てみたがこれまた迫力あるムーアの写真。2枚目は貴重な追加点のグラシアル。これまた順当か。しかしやはり黒柴スポーツ新聞は川瀬と松本にクローズアップしたい。そのくらい、8月29日の日本ハム戦ではキーとなる活躍だった。

川瀬のビッグプレーは、ソフトバンクが1-0とリードしていた5回1死一、二塁に飛び出した。先発ムーアがセンター前に抜けようかという当たりを打たれ、DAZNで見ていた黒柴スポーツ新聞編集局長も同点を覚悟したのだがショート川瀬がセカンドベース後方でダイビング。打球は間一髪グラブに収まった。そして素早くセカンド周東にトス。二塁でアウトを取ることができ、何よりセカンドランナーの本塁生還を阻むことができた。ムーアは90球を目安にしていたそうだから、同点に追い付かれていたら降板だ。ムーアは川瀬のファインプレーに後押しされ、次のバッターから三振奪い締めくくった。もちろん勝ち投手の権利を得て、である。川瀬のエラーがらみで失点した試合もこれまであったが、この日は確実にムーアを救いチームの勝利に貢献した。

そして松本裕樹。好投したムーアの後を受けて6-7回を無失点で切り抜けた。無安打、四死球もゼロだった。ロッテ戦では、2軍から昇格して即使われるもホームランを立て続けに浴びてしまった。しかし今のストレートには力強さを感じる。日本ハム戦では解説の加藤伸一が絶賛。理由は「ゲームが動きそうな6-7回を封じたから」。確かにソフトバンクがリードしていたとはいえわずかに1点。いつひっくり返されるかも分からない。松本が0点に抑えたことで流れができ、その後のソフトバンク追加点につながったとも言える。流れを渡さなかった立役者として加藤伸一がしっかり評価してくれたことはうれしかった。

新聞紙面に載っていることがすべてだ、なんて今さら言わない。むしろ新聞紙面には限りがあり、載らない話題の中には見逃せないものも多々ある。黒柴スポーツ新聞はそういうものにこそ光を当てる存在であろうと思う。だからきょうは川瀬と松本だ。ソフトバンクは層の厚さが売りではあるが、一枚一枚の層自体は一人一人の努力の積み重ねである。それを知っているとソフトバンクの試合を見るのがめちゃくちゃ面白い。うまくいくことばかりではないが、川瀬や松本らこれからの選手たちの奮闘を見守っていこう。


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