黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

見出しに笑いと感動を~社会人野球・四銀、JR四国の「銀行員から駅員」継投に学ぶ

【社会人野球】銀行員から駅員への“継投”で四国勢43年ぶり8強! 四国銀行が初の都市対抗「2勝」
Full-Countの記事の見出しだ。銀行員から駅員。なんのこっちゃと思うかもしれないが、それこそが編集者あるいは記者の術に思えた。社会人野球の都市対抗野球で、四国銀行が強豪パナソニックを破り、初の8強入りした。四銀の先発菊池から、補強選手であるJR四国の山本への継投。だから「銀行員から駅員」なのだった。

 

ま、こういう説明をつらつらするとオシャレではなくなってしまうのだが、事情を知っている読者からすると「ん!うまい!」となるし、社会人野球に明るくない人が見たら「ン?何だ?」となる。今はみんな忙しくて、ネット上に情報があふれていても自由時間の奪い合い。よほど面白い、あるいは興味をそそる記事でないとクリックされないし、最後まで読まれない。記者や編集者は興味を持ってもらえるような工夫が必要だ。

 

そうやって記事を読んでもらうことが、今回の記事で言えば四国銀行野球部やJR四国野球部への応援につながる。見出しを付ける、というのはそのくらい責任重大であるとともに、同じくらい超楽しい作業でもある。同じ記事でも紙の新聞に載せる場合とネットに出す場合は、見出しの付け方を変えないと、というのはそうなのだろう。だが、紙の新聞の見出しこそ、もっとネットの世界に学ぶべきだと感じる。戸別配達もあるが駅やコンビニで選んで買われるスポーツ紙はその辺り、本当に努力のあとが見える。素晴らしい。ネットの見出しも工夫を感じる。選ばれるためには心を動かさねばならないのだから。もっと見出しに笑いと感動を。「銀行員から駅員」の見出しから、そんなことを考えさせられた。


福岡ソフトバンクホークスランキング