黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

ヘッドスライディングは惜別の言葉だったのか~ソフトバンク長谷川が移籍検討

スマートニュースのプッシュ通知、だったと思う。ソフトバンク長谷川の文字が見えた。移籍検討(日刊スポーツ)。「えっ!!」思わず声が出た。FA権の行使を考えているようだ。確かにソフトバンクは若手の台頭が著しい。とはいえ、長谷川勇也自身はまだまだやれる腹積もりだろう。実際、今年京セラで放った代打満塁ホームランなんかを見ると、現役バリバリである。何故のFA宣言かと言えば、そこは試合出場を模索してのことだろう。

FA宣言が本当ならば、それはいつから考えていたのだろうか。日本シリーズが始まる前か。だとしたら、あの第3戦で見せた鬼気迫るヘッドスライディング、そして感情むき出しの悔しがり方が少し違って見えてくる。あれはひょっとすると、最後にもう一度ファンの期待に応えたい、そんな気持ちの表れだったのかもしれない。そう深読みしたくなるほど心を打つヘッドスライディングだった。事実、そのことをつづった回は、このブログ「黒柴スポーツ新聞」史上最多のシェアを獲得。あらためて長谷川勇也の根強い人気を実感した。セカンドゴロの記事が140回以上シェアされる人もそうはいるまい。

長谷川にしてみたら、内川聖一のこともFAの判断に影響したのではないか。内川クラスでさえ1軍に呼ばれない。長谷川だって常時1軍にいられたわけではなかった。2021年、長谷川勇也が第2の内川になる可能性は、この日本シリーズ4連勝を見れば十分あり得るとだれもが思うだろう。試合に出られない恐怖、寂しさ。これは経験した人にしか分かるまい。一方で長谷川自身、まだまだやれる手応えがあるからこそのFA宣言だろう(まだしてないが)。私はソフトバンクファンになったきっかけがクライマックスシリーズで長谷川が涌井秀章から放った起死回生のタイムリーだから、もし長谷川がソフトバンクを離れるとしたら感慨深いものがある。しかし、現役を続けてもらうことの方が大事だから、必要とされる限りその卓越した打撃センスとストイックさをいかんなく発揮してもらいたいと思う。もちろん、ソフトバンクにはここ一番の必要な戦力だから、最大限の引き留めはしてもらいたい。どちらにせよ私は長谷川を応援するつもりだ。

日本シリーズ4連覇の余韻に浸る間もなく、長谷川の移籍検討&加治屋来季構想外&小久保ヘッドコーチ就任&森3軍監督就任&藤本2軍監督就任とビッグニュースてんこ盛りのソフトバンク。われわれにはゴールがない、前進あるのみという王会長の言葉が象徴的だ。進化し続けるソフトバンク日本シリーズ4連勝がすぐ過去のことになるくらい、このチームは恐ろしいスピードで前に進んでいる。


福岡ソフトバンクホークスランキング