黒柴スポーツ新聞

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悔し涙を無駄にしない~周東がスタメンの座を確実にするために

あら、周東泣いてる? 周東が、タオルで顔を覆っていた。併殺狙いのはずが二塁に悪送球。この日は一塁にも悪送球していたからエラーは二つ目だ。最終回のセカンドには牧原が入った。周東が泣いていたのは交代を告げられた直後だったのだろう。ダグアウトでは川島慶三が周東と川瀬の間に立ち、何やらアドバイスをしていた。もしくは叱咤激励か。川瀬の胸を優しく叩いたり、周東の肩に手をやったり。川瀬もまたタッチアップ中の中継でまずいプレーがあったばかり。川島の即フォローはさすがである。

「悔しさが次のバネになりますよ、あそこで何も思わない選手よりは、悔しいと思える方が……」。まさに解説の池田親興が言う通りである。かつては松田宣浩も、そして今や名手と呼ばれる今宮健太も試合中に悔し涙を流したことがある。ある意味、周東もそのレベルまでは来たのかもしれない。

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前夜には二盗、三盗を決め俊足ぶりをあらためてアピールした周東。盗塁王も視野に入っている。しかし今季の周東はタイトルも大事だが、レギュラーの座が目の前、もう手の届くところにきている。だが取れるダブルプレーが取れなかったり、一塁への送球がそれるようでは心もとない。信頼に関わってくる。スタメンは、当たり前のプレーを確実にこなさないといけない。そういう立ち位置だ。周東もそれが分かっているからこそ、当たり前のプレーができなかったことに悔しさを感じているのだろう。

 

ホークスのセカンドは周東、川島慶三、明石、牧原、川瀬とさまざまな選択肢があったが、今宮離脱でまず川瀬がショートへ。明石は故障で2軍に行った。牧原は打撃に期待ができず、となると川島か周東ということになる。私は川島慶三フリークだからベテランの川島セカンドで構わないのだが、ホークスの今後を磐石にするためにはこのあたりで周東のような若手に当面のスタメンを張ってもらいたいと考えている。ショート今宮の穴を埋めるべく必死のパッチの川瀬晃、そしてレギュラーの座をつかみつつある周東という二遊間は安心しては見られないのだが、最初からうまくいくほど甘くはあるまい。悔しさを積み重ねながら、それをバネにうまくなるしかない。少なくとも周東が悔し涙を流す時点で今後には期待できる。その気持ちがあってこそ上達するというものだ。いつか周東がバリバリのスタメンになった時、この日の涙が話題になるはずだ。あの涙があったから今がある、と。失敗を無駄ではなくすることができるかどうかは、未来の自分にかかっている。頑張ろう、周東!


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