黒柴スポーツ新聞

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ミスと挽回を繰り返して成長する~4打点の周東、ソフトバンク優勝のキーマン

天王山と言うにはまだ早いかもしれないが、ペナントレースを占う上ではめちゃくちゃ比重の大きい9月25日からのロッテーソフトバンク3連戦。その初戦の序盤にセカンド周東が痛恨のエラーを犯した。先発ムーアが1イニング5失点したのが大きかったがその起点になってしまった。これで2ゲーム差が1に。2020年もソフトバンクはロッテに分が悪く、もういつ首位を奪われてもおかしくない状況になってしまった。周東のエラーはただのエラーではなかった。

周東は初の盗塁王を狙うほどの俊足。しかし9月だけで5失策。捕球、送球とも守備が課題である。ロッテ戦でのエラーはゲッツーコースだったがセカンドへの送球を意識するあまり捕球が疎かになっていた。弾いてセカンドに投げられなかった上に、ファーストも間に合わず。ムーア炎上の火種になってしまった。

しかし周東は第2戦で2打席連続タイムリー、4打点と大活躍。最初の二塁打を放った後、塁上でよっしゃ!と明るい表情をしていたのが印象的だった。そう、その気持ちが大事だ。打撃が乗ってきたら守備にもいい影響が。5回にはセンター前に抜けようかというゴロを好捕。セカンドゴロとした。持ち味の俊足でよく追い付いた。残念ながらミスを取り返すのは容易ではない。だがやるしかないのだ。時計の針を戻せないのなら、別の機会に頑張るしかない。ミスと挽回の間隔なり時間差が大きいと乗っていけないのだが、周東はよく翌日にやり返した。自信になったことだろう。

周東の守備は急にはよくならないだろうから、しばらくはミス、挽回、ミス、挽回の繰り返しだろう。だが人はそうやって成長していく。痛恨のミスをした昨夜は寝られなかったと、ヒーローインタビューで話していた。自分の映像を繰り返し見ていた、とも。悔しくて寝られない。そんな思いは一晩でたくさんだ。早く挽回したらゆっくり眠れるというものだ。今晩あたり、周東は心地よい疲労感と共に眠りにつけるのではなかろうか。ヒーローインタビューで「チームの力になれるように」という発言があった。大袈裟ではなく、周東はソフトバンクが優勝するためのキーマンだ。活躍することがチームを優勝に近付ける。ロッテとの第2戦に勝ってゲーム差は再び2に広がった。負けていたら今季最悪を更新する6連敗、ゲーム差なしでロッテに並ばれるところだった。ヒーローインタビューで「きょう1日でやり返せたと思います」と話したが、まだまだリベンジしてもらわなくては。本家・半沢直樹はあすが最終回だが、周東の「倍返し」をこれからも期待したい。


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