黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

越えねばならない壁〜ソフトバンク泉、決勝被弾翌日またもや阿部に当たる

気になる四球の与え方だった。前日手痛い決勝ホームランを浴びた中日の阿部に、またもやソフトバンク泉圭輔が挑む形になった。だが泉はストライクゾーンで勝負できなかった。泉はどんな心境で投げていたのか。

DAZNで見ていたのだが解説は斉藤和巳泣く子も黙るホークスの大エースである。それだけに、勝負に行かない(もしくは行けない)泉のピッチングに物足りなさを感じている様子だった。斉藤は面白いことを言っていた。8回に投げることは分かっていた(9回には岩嵜が投げる)。そこで8回に阿部の打席が回ってくるのは巡り合わせであり、野球の神様による仕業ではないかというのだ。野球の神様が泉にあえて試練を与える。そこを乗り越えられるかどうか…そんな解説だった。

プロとして。リリーフとして。越えなければならない壁はあり、泉にはこの1打席がそれだった。やられたらやり返す。その気持ちがないと恐らくプロでは長くはやれない。たった一球でチームの浮沈が決まる。抑えて当たり前。勝ちパターンのピッチャーは華やかさの裏で責任重大である。工藤采配は時に勝負より選手の成長を優先しているのではないか。そう思うことがある。泉には山を越えてほしい。そう思うから泉には予定通り8回のマウンドに立たせたのだと思う。もちろん阿部に当たることも踏まえて、だ。

だが泉は勝負できなかった。それがいけないことだと泉にも分かっていたはずだ。だからこそ激しく動揺し、次打者の時にホームベースのだいぶ手前でワンバウンドしてしまう投球をしたのだろう。中日はさらに圧をかけてきた。代打福留。リリーフピッチャー出身の与田監督は泉の気持ちが手に取るように分かっただろう。そこに代打福留。泉は魅入られたかのように甘い球を投げてしまった。カッキーン!トドメの3ラン…にはならなかったがポール付近への大飛球。泉は血の気が引いただろう。その後はよく踏ん張った。何とか8回を0点に抑えた。

誰もが斉藤和巳のように強気のピッチングができるわけではない。だから解説を聴いていて、そうは言うけど大変なんだよと泉の肩を持ってしまった。「(やられた相手との連日の対戦は)きついですよ」と、ラジオ解説の岩瀬仁紀も言っていた。またやられたらそのままずるずるやられてしまいがちになりかねない。泉はパ・リーグだから次に中日と当たるのは来年までないが、同一リーグであればここは勝負しなければならないとも話していた。


本当に泉のことを思うならばやっぱり斉藤和巳が言うように、もう一回打てるもんなら打ってみろという勝負を要求しないといけないのかもしれない。壁は自分で越えなきゃいけないんだよなと改めて思った。被弾の翌日で泉はだいぶ緊張したと思うが、福留をフライに打ち取り何とか無失点で切り抜けた。とりあえずよく踏ん張ったと思う。優しい顔も泉の良さだけど、心の中では絶対抑えるぞと強く燃える気持ちを持ってほしい。そう感じた、阿部への四球だった。

ミスを糧に走りまくれ〜周東まさかの牽制死に見た一瞬の気負い

反撃ムードに水を差す、とは使い古された言い回しだが、まさに周東がそうなってしまった。柳田悠岐の同点ホームランで追い付き、続く中村晃がヒットで出塁。当然のごとく周東が出てきたのだがまさかの牽制死。野球用語の死って独特だなと思いつつも周東の刺され方もまさに「死」というにふさわしいダメージであった。

ド素人なので体重移動がどうとかリードうんぬんの話はしない。ただド素人でも分かる。周東には焦りというか気負いがあったのではないかと。というのもこのところスタメンから外れる試合が目立っているからだ。脚があるから1番周東が定着すれば脅威なのだが、問題は出塁率。これが上がらないことには脅威になり得ない。スタメンで出られなければ代走ででも活躍しなければ…そう考えるのが普通。だから周東は前のめりになって当然だし、そうあってほしかったのだが。その隙、ほんの一瞬の心の隙を中日のリリーフ・福に突かれてしまった。久々に見る見事な牽制だった。工藤監督によりリクエストがあったが判定覆らず。ビシエドのタッチが周東を追う形になったがそうでなければ完璧な牽制だった。

一つ気になった。周東の引き上げ方だ。ダラダラすることなくサッと引き上げたのはいいが、ん?そのまま奥へ引っ込んだ? 中継はすぐ長谷川の打席に戻るから周東は映らない。周東はすぐ、長谷川先輩を応援する列に戻っただろうか。そこは気になった。その点リリーフ陣はえらいなと思う。ランナーを貯めて降板しても引っ込んだりしない。恥ずかしさをこらえて列に加わっている。試合を見ながら悔しさ、情けなさを必死に消化するんだろう。そんな気持ちが次につながればと思う。

周東が最もしてはいけないこと。それは次の出塁でスタートをためらうことだ。昨シーズンは相次ぐ守備のミスで人目をはばからず涙した周東。だがそこから盛り返し、盗塁では世界の盗塁王福本豊を超えて13試合連続盗塁の世界新を樹立した。そのくらいやり返せる男だ。今年は西武の若林が走りまくっている。まずはそこを目標に、周東には走りまくってもらいたい。それがチームへの貢献につながるはずだ。

悔しさをぶつける〜5月4割の牧原大成、スタメン獲りへ猛アピール

たまには牧原大成をヒーローインタビューに呼んであげてくれ、と思っていたら和田毅と一緒に呼ばれていた(5月23日、オリックス戦)。さぞウハウハ喜んでいるかと思いきや、口から出てきたのは悔しさだった。「開幕スタメンを勝ち取ることがなかったので、その悔しさを試合に出た時にぶつけるという気持ちで立っている」。5月、打率4割という好調の要因を聞かれて牧原はそう答えた。

忘れていた。牧原は当初、周東とセカンドのポジションを争っていたのだった。2020年シーズンで周東が盗塁王を取ったこともあり、世間的にも周東推し。チーム的にも周東を一本立ちさせようというムードに感じられた。しかし牧原だって複数ポジション守れるとは言え、セカンドはスタメンの最短コース。周東に簡単に渡すわけにはいかなかったはずだが開幕スタメンは周東が勝ち取った。それどころか周東はホームランまで打った。これは期待できるぞとファンも首脳陣も思ったことだろう。

そして牧原はセカンド、ショート、サード、そして代走と、主に交代要員としての出場となった。かっこよく言えばユーティリティプレーヤー。しかし器用さは足かせになることもある。牧原もまた使い勝手のよさが裏目に出た格好で、スタメンの座をつかめずにきてしまった。だが牧原はあきらめていなかった。ヒーローインタビューの中でスタメンへの気持ちを問われ、「少しも崩さずやっていこうと思う」と話した。「少しも」とあえて付け足したのがよかった。忘れていた。プロ野球選手はポジション争いをしているのだという当たり前のことを。牧原はユーティリティプレーヤーとして生きるのではなく、あくまでもスタメンを目指している。そこを目指してやるのと、ユーティリティプレーヤーだから出るのはどこでもいいやというのでは気迫が違う。牧原は初回、キャッチャーが投球を前に弾いた時すかさず二塁を陥れた。牧原にとってはすべてがアピールなのだ。

周東と牧原。上林と真砂。栗原だって本来は捕手だが甲斐がいる。ホークスにはチーム内によきライバルがいる。傍目にはチームとしてまとまってはいるが確かに競争がある。ひとまず牧原は3安打2打点と申し分ない働きをした。先日の西武戦ではものすごく浅い外野フライでタッチアップし決勝点を奪い取った。セカンドの守備でもしぶとさを見せた。このところよいアピールが続いている。牧原は周東からセカンドの定位置を奪うのか。それとも不調の今宮健太に変わってショートに入るのか。はたまたユーティリティプレーヤーとして守備固めもしくは代走として貢献するのか。レギュラー争いから一歩も引かないとお立ち台で宣言した格好の牧原大成。悔しさを胸にバットを振る姿は何だかとても応援したくなる。

「2番・キャッチャー甲斐」はアリなのか〜奮起を促したいのはあの男

初回にバットを持って待機する甲斐拓也を見て「?」。なんと甲斐が2番で起用されていた。球団捕手では80年ぶりだという。いったい甲斐はなぜ2番に起用されたのか。

東スポ記事、ずばりハマった!ソフトバンク異例のオーダー 正捕手・甲斐を2番起用「今後もある」、には工藤公康監督による種明かしが紹介されている。「犠打やいろんな作戦もできるし、状態がいいので四球も取れる。そこからチャンスをつくれれば面白くなる」。実際、この5月22日のオリックス戦では初回に四球で出塁。柳田悠岐の先制3ランにつながった。その後のイニングでは、送りバントに失敗してダブルプレーを食らってしまったが、この場面で送れていたらもっと楽な展開になったことだろう。内野安打が1本あり、塁に出るという意味では及第点だったと思う。

解説者の目はどうか。プロ野球ニュースでおなじみの谷沢健一はこう分析した(出典はBASEBALLKING、ソフトバンク・甲斐の2番起用ついて谷沢氏の見解は?)。
・足もある
・打率が2割8分~9分台
出塁率(.363)も非常に高い
・逆方向に打つ技術も持つ
ソフトバンクは下位打線が弱いので先手必勝という、早い回で点を取って逃げ切るという意味では甲斐の2番起用はありかなと思います」とのことだ。特に今シーズンは9回打ち切り。中継ぎ陣に疲労感が漂いだしている今、特に効果的な感じもする。

もう一つ特筆したいのは、2番という選択肢を甲斐自らが示した点だ。日刊スポーツ記事、ソフトバンク80年ぶり2番捕手で7日ぶり首位「早く攻略できた」工藤監督、によると、甲斐が過去に「僕に2番はないんですか?」と直訴したことがあるという。本人にその気があれば、よりうまくいくというものだ。

ここまでいいことづくめで書いてきたが、あえて苦言を呈する。そう、元々の2番はどうしたんだという話。ズバリ今宮健太。甲斐の器用の裏には今宮の不調がある。開幕カードこそ絶好調だったが打率は1割台。これではテコ入れせざるを得ない。持ち前の守備力も何だか覇気を感じないのが心配だ。甲斐の2番はあくまでもオプションであり、オレが2番でチームに貢献するんだ。そんな気概を今宮には求めたい。

信じる力〜甲斐拓也が岩嵜に送った激励のシグナル

甲斐は立ち居振る舞いが大人びてきた。風格さえ漂い始めている。日本シリーズ4連覇中だから当然かもしれない。この日、5月19日の西武戦では大事な局面での落ち着きが頼もしく見えた。それは5-5で迎えた8回2アウトの場面だった。

ランナー1塁、バッター木村。2ストライク目に決まったかと思われた外角低めの球はボールと判定された。これで2ボール1ストライク。じわじわ苦しくなってきたところで甲斐は時間をぜいたくに使った。木村はもうスタンバって打とうとしていたが、甲斐は立ち上がってホームベースを越えてマウンド方面へ。右手で「ツーアウトだぞ」とジェスチャーした。そして再び本塁側に戻った。しゃがむと岩嵜翔を指差した。やればできる、抑えられる、と。そして指差した後、ゲンコツを握り、心臓の辺りを軽く二度叩いた。「いける、抑えられる」と。

その激励のシグナルを受け取った岩嵜の表情は落ち着いていた。手痛い一発を浴びた、いつぞやの、焦りというか自信なさげな表情ではなかった。一呼吸おいて岩嵜が投げ込んだのは153キロのストレート。木村はかろうじてバットに当て、ファウルチップが球審小林のマスクを直撃。「素人は立ってられないですよ」と松沼兄が解説した。続いて甲斐は外角低めに要求したが、岩嵜の球は高めに行ってしまった。だが球威に押され木村のバットは空を切った。甲斐は上等だと満足げに、岩嵜を見ずに帰りながら、拍手をするように右手で何度かミットを叩いた。

やみくもに「強気で来い」と言うだけがキャッチャーではない。「信じている」、そんなシグナルを甲斐が送ったように見えた。そして岩嵜はそれに応えた。これぞバッテリー。仲間の力を信じて引き出す。背番号19が日に日に存在感を増している。

手を抜かない〜ダイエー戦士、明石健志の流儀

長く第一線でやる人は何が素晴らしいのだろうか。その答えを一つ見つけた。明石健志。人は彼をダイエー戦士という。そう、プロ生活18年目ソフトバンクホークス唯一の、ダイエー時代を知る野手である。そんなベテラン選手が見せたのは手を抜かない姿勢だった。大量リードの9回2死、明石は一塁ランナーだったのだが、次の打者のショートゴロ。それでも明石はセカンドでアウトにならなかった。全力で走ったからである。

試合は8-1でもう決まりかけていたし、何よりショートは源田だし、そこは流れでアウト、チェンジだと野球ファンなら思うところ。そこに猛スピードで明石がスライディングしてきた。この日は柳田悠岐が2ランを打ったし、松田、川島、バレンティンもヒットを打った。そんな打撃のにぎやかな試合だったのだが、私には明石の妥協なき走塁にプロの真髄を見た。そして分かった。明石がなぜ今なお1軍にいるのかが。

素晴らしいのは、その全力プレーが後輩にも受け継がれていること。9回裏、三塁後方ファウルゾーンへのフライに対してサード牧原大成がダイビング! ちばあきおのキャプテンあるいはプレイボールの谷口君並みのガッツである。繰り返すが試合は8-1でほぼ決まりかけている。まあ、牧原は先日9回に痛恨の送球ミスから勝ち試合を引き分けゲームにした苦い経験がある。恐らく大方のソフトバンクファンは怒った.キミは守備固めで松田の代わりにサードに入ったんだよね?と。でも昨日あのファウルフライに飛び込む姿勢を見て、ソフトバンクファンは「ま、牧原も頑張ってるんだな」と思ったはずである。そう、人はやはり行動で判断されるのだ(見た目で判断される人もいるにはいる)。

試合は大量援護のおかげで武田翔太が3年ぶりの完投。ヒーローインタビューも受けた。が、繰り返すが一番印象に残ったのは明石の走塁。プロ生活18年目でなお色あせない全力プレー。アラフォーにはとてもまぶしい姿に見えた。

いいイメージを持つ〜上林誠知が札幌ドームで正夢弾&タイムリー

上林誠知が好調だ。およそ1カ月遅れの「開幕」となったが2軍から昇格して間もなくこどもの日に起死回生の同点タイムリーを放ったり、その後も打点が稼げたりしている。アウトになることもあるが積極的に盗塁も狙っている。何より一塁でのリードが土を越えて芝生まで出ている。そう、「遅れてきた男」はそのくらい前のめりにならなければ。

帰塁時の不幸な事故でグラシアルが骨折。チームへのダメージは深刻だが、上林の1軍定着でその穴は最小限で済んでいる気がする。チームメイトの不幸をきっかけにしてもいけないが、上林にしてみたら思ってもみないチャンス到来。こんなことでもない限り、分厚いソフトバンク野手陣、特に外野手のレギュラーには割って入れまい。何せグラシアル、柳田悠岐、栗原陵矢である。その一角が崩れたのを見逃さない手はない。いずれグラシアルは戻ってくる。その時に完全に取って代わられないくらいのアピールをしておきたい。今のところはそこそこアピールできている。

さて、5月14日からの日本ハムとの3連戦で1、2戦目の上林は好調だ。初戦はホームラン。2戦目はタイムリーを含む3打点。話題になったのは初戦のホームランで、何と「札幌ドームでホームランを打つ夢を見た」とお兄さんから上林に電話が入っていたらしい。いわゆる正夢。このエピソードから思うのは、夢を見るくらい弟の活躍を願う、ありがたいお兄さんの存在。こういうこともあるのだから、大切な人の幸せは願わねばならない。恐らく上林はお兄さんからのメッセージでいいイメージで打席に向かえたことだろう。

いいイメージと言えば上林は札幌ドームで印象深いホームランを放っている。2019年6月29日。9回2死から逆転ランニングホームランを放ち、チームを勝利に導いたのだ。スタンドインしたように見えたが打球が跳ね返ってきたこともあり、上林は全力疾走。とにかくホームランとなった。札幌ドームは上林にとって悪いイメージはなさそうだ。チームは今年5月15日の勝利で札幌ドームでは10連勝。チームとしてもいい印象なのだ。打てそう、勝てそうと思ってプレーすることは悪くない。おれもやればできるんだ、と上林にはぜひ前向きにプレーしてもらいたい。打って守って走れる。そんなイメージを周りに持たせられた時、上林のレギュラーが確実なものとなる。いいイメージ、うまくいった時のイメージを持つ。私もあやかってやってみよう。

意地で放った上林劇的同点タイムリー〜自分らしさを取り戻せ

ゴールデンウイーク終盤、昼間仕事しているうちに上林誠知が大活躍していたとは! 帰宅してからDAZN見て熱い同点劇を堪能させてもらった。ジーンとさせられた。上林、よかったなぁ。

このところソフトバンクは低調でこの日負けたら4カード連続の負け越し。この9連戦はここまで3勝5敗。そんなチームでも戦力は充実しており、ここまで上林が2軍から呼ばれることはなかった。ようやく4日に守備固めで初出場。そして5日に初スタメンだったわけだが5打数3安打4打点と大当たりした。うち1本はホームランであり、別の1本が9回裏の同点タイムリー。くすぶっていた男が塁上で「シャアっ!」と吠えていた。

「彼の意地だったりプライドだったりが、今日のヒットやホームランにつながったと思います」と工藤監督は上林の心中を慮った。そう、上林は次代のソフトバンクを背負うと期待されながら伸び悩み、低迷していた。今年こそはと挑んだはずだが開幕から2軍暮らしを余儀なくされた。腐ってしまってもおかしくない。しかしそうではなくしっかり備えて1軍に上がってきた。まだまだ高めの球の見極めなど粗い部分はあるが、気持ちの入ったスイングをしていたように思う。意地で仕事をすることを否定する人もいるだろう。仕事に私情を挟むのはスマートではない。それは分かるがこのやろう、何くそ!という思いが好結果を招くこともある。今日の上林はその典型だと思う。

多かれ少なかれ1軍の選手はそういう思いをして1軍に定着しているのだろう。だからこそ事実上この日が開幕日である上林が結果を出したことを、チームメイトは喜んでいた。土壇場で追いついたこともうれしいけれど、それ以上に上林の悔しさが晴らされたことをチームメイトは喜んでいたに違いない。何とか同点のランナーとして出塁をと意気込んだ松田宣浩が粘って四球をゲット。そしてチャンス拡大というミッションを粛々とこなして四球を選んだ川島慶三もさすが。ネクストバッターズサークルには上林が見えたから、ここで上林に回ったらドラマだよなと思っていたら、本当に打席が回ってきた。しかし相手は守護神・松井裕樹。2ストライクと追い込まれてしまった。ストレートか、伝家の宝刀スライダーか。確率2分の1でスライダーに反応。おっつける形でレフト方向に運んだ。セカンドランナーが生還すると上林は両手を突き上げた。ベンチ前には先輩後輩が飛び出して大盛り上がりだった。そりゃそうなるわな。

この日は工藤監督の誕生日。結局サヨナラ勝ちにはならなかったが上林の意地の同点タイムリーはよいプレゼントになったことだろう。同点劇のお膳立てとして、中継ぎの踏ん張りも見逃せない。特に岩嵜翔は8回に配置転換間もない。今日もランナーを出してヒヤヒヤしたが、前回登板とは違って外角低めに鋭い球を投げ込めていた。岩嵜は岩嵜で階段を登っている途中。モイネロも森唯斗が復帰するまで9回を任されそうだ。それぞれが新しい持ち場で結果を出そうとしている。そのことこそが工藤監督にとって最良のプレゼントのような気がする。

もう一つ気付いたのは上林への応援。スタンドには上林の名前を表した手作りのボードや、上林の応援タオルを掲げているファンの姿があった。しばらく2軍にいた上林の視界に入ったら感激したことだろう。自分は忘れられていないのだ、と。選手層の厚いソフトバンクで上林が常時試合に出るためには、コンスタントに結果を出さねばならない。次こそは勝利に結びつけてお立ち台に上がってもらいたい。

復活ののろしとなる今季第1号ホームランは上林独特の、リストを生かした一撃だった。それでレフト方向にも長打が出れば以前のような活躍が期待できる。そう、何より自分らしさを取り戻してくれたことがうれしかった。柳田ともグラシアルとも栗原とも違う。上林は上林。走攻守、バランスの良さが上林の素晴らしさ。上林が活躍することで真砂や栗原には刺激になることだろう。遅れてきた男がソフトバンクにどんな効果をもたらすか。ゴールデンウイークが明けてからの楽しみができた。上林の躍動を期待しよう。

19安打敗戦が何より悔しい理由〜柳田悠岐、早くも4失策

悔しい敗戦となった。24日のロッテ戦、ソフトバンクは19安打を放ちながら敗れた。これは75年で3度目の珍事だという(ネタ元は西日本スポーツ)。原因はもちろん13与四球という投手陣の乱調なのだが、私はあのワンプレーがどうしても許せない。柳田の今宮への返球だ。角中の犠牲フライで1失点はやむを得ないが、カットに入った今宮健太への返球が中途半端になり、今宮がお手玉。もたつく間にセカンドランナー中村奨吾の生還まで許してしまった。

この時点でソフトバンクは4ー3とまだリードしているのだから、そこまでの致命傷かという人もいるだろう。しかしこの日「も」先発高橋礼は乱れに乱れ四球が止まらない。そんな高橋礼には1点でも多く余裕がほしいのに1点差になってしまった。結局高橋礼は高部にプロ初ホームランとなる2ランを喫して逆転されてしまった。

もちろん柳田の返球が乱れなくとも高橋礼は逆転を許した可能性はある。しかしあの余計な1失点、ロッテにすれば儲けものの1点で反撃ムードが高まったはずだ。しぶといロッテが相手なのだから、絶対に油断してはならない。このプレーに関して工藤監督は「エラーはある。次は同じミスをしないことが大事」とかばった(ネタ元は日刊スポーツ)が、実は別の試合でも同じように内野への返球がスムーズにいかない間に、余計な進塁を許す場面があった。調べたら今季すでに失策は4つ。いかにミスはつきものとは言え柳田クラスがそうそうミスしては困る。誰がミスしてもよくないのだが、チームを引っ張る人がミスすると乗っていけない。柳田は打つし走れるのだから、ぜひ内野への返球も丁寧にやってもらいたい。それをやってくれなかったからこそロッテ戦の負けの悔しさが倍増してしまった。いつもどのプレーでも全力なのがソフトバンクの素晴らしさ。ぜひ基本に立ち返ってほしい。

助けられた津森が好投、甲斐に火をつける〜北九州の鬼が5打点の大活躍

甲斐は北九州市民球場がよほど好きらしい。20日楽天戦で3ラン含む5打点の大活躍。だがその裏には中継ぎ陣の踏ん張りがあったことを書いておきたい。特に津森宥紀。津森は前回登板で手痛い勝ち越しタイムリーを浴びて降板していた。

ビハインドから登板する中継ぎもいるが、津森は同点あるいはリードの場面での起用が多いように思う。いわゆる勝ちパターンでの登板。だからこそ、津森が失点することはチームの負けに直結しかねない。前回登板の西武戦ではもう負け寸前となったが中村晃の起死回生の同点弾が飛び出しドローに持ち込むことができた。ホームランを打った中村晃が津森の肩を叩いてやるシーンはソフトバンクファンの胸を打った。

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だからこそ津森は次の登板で結果を残す必要があった。舞台はすぐに用意され、次のカード初戦の北九州で津森はマウンドに立った。先発笠谷がランナーを残し1死ニ、三塁。バッター浅村。しびれる場面である。一発があるだけに慎重な攻めになった。四球。だが失点したわけではなく、むしろ浅村ならば許容範囲の結果だった。満塁。バッター茂木。今季調子が良くポイントゲッターになっている。でも津森が逃げている雰囲気は微塵も感じられなかった。追い込んで最後は外角への速球、空振りを奪った。素晴らしい。まずひと山超えた。続く鈴木大地も嫌なところで打つ印象だ。鈴木はうまくとらえたかに見えたが、打球はさほど飛ばず。ライトフライに倒れた。津森、見事な火消しである。

後輩が頑張ったら先輩も頑張らねばならない。津森、泉、嘉弥真と無失点でつなぐ。あとは勝ち越すのみだ。と、チャンスで甲斐に回ってきた。満塁から二人を返す勝ち越しタイムリー。もちろんうれしかっただろうけれど、キャッチャーとしては継投の6投手が無失点リレーしたことの方がうれしかったのではなかろうか。

先輩の一発に救われた後輩が好投し、その頑張りを生かさないと、とまた別の先輩が活躍する。高校野球かよアオハルかよとツッコミたくなるソフトバンクホークス。首位に立つには理由がある。

中村晃が9回劇的同点弾。勝ち越し許した津森宥紀を救う

この勝負強さは何なのか。中村晃が西武戦、敗色濃厚の9回に劇的な同点2ランを放った。それはチームと共に若きリリーフ投手、津森宥紀をも救う一発となった。

津森は先発松本裕樹の後を受け6回から登板し1イニングを無失点。しかし2イニング目につかまる。勝ち越し点を許した上にさらに失点。ゲーム展開からして致命傷だった。9回、西武は守護神・増田達至をマウンドへ。ソフトバンクファンの私は負けを覚悟した。

しかしデスパイネが四球を選んだ。このあたりがデスパイネの素晴らしさ。一振りで仕留められなかった結果かもしれないが、助っ人外国人なら「オレがオレが」となってもおかしくないところ、高めの球を悠然と見送った。申し訳ないがこのあたりがバレンティンとの違いか(今いないけど)。

そして中村晃が打席へ。当てるのがうまい中村ならチャンス拡大あるぞと期待していたら、あら、打球がめっちゃいい角度で外野に飛んでいった。あとは飛距離だ。外野手が見送った? 入った〜! 「よっしゃっ!」と思わずDAZNを見ながら叫んでいた。顔を紅潮させて悔しがる増田。笑顔弾けるソフトバンクベンチとは対照的だった。

ダイヤモンドを一周してナインとタッチしていく中村晃。その最後列に津森の姿があった。手痛い勝ち越し点、ダメ押し点を献上していただけに津森の背中はやけに小さく見えた。その右肩に向かって、中村晃の左手がバチーン。もはや言葉は要らない。アキラ先輩かっけ〜っ!惚れるわマジで。

このパターン、ソフトバンクは開幕カードのロッテ戦でもやった。松田宣浩が手痛いエラー、岩嵜翔が逆転2ランを喫して嫌なムードだったが代打川島慶三が奇跡の逆転サヨナラ打。この一打が松田と岩嵜を救ったのだった。「助けたのは僕です」とヒーローインタビューで言うあたりがエンターテイナー川島慶三なのだが、津森の肩を一発叩いて置き去りにするのも中村晃らしさ全開だった。ホームラン自体も素晴らしかったが、この団結力がソフトバンクの魅力。そう改めて思った。

7回の男に休息を〜スチュワート加入で泉圭輔ら中継ぎの負担は分散するのか

ソフトバンクが西武に一矢報いた。開幕からの対戦成績は4連敗だったが、ようやく1勝をもぎ取った。それを喜ぶ一方で不安に思う。今年は「7回の男」が離脱することはないのだろうか。2021年の場合は泉圭輔。4月17日終了時点でもう11試合に登板した。

岩嵜翔、加治屋蓮、甲斐野央、そして板東湧梧。いずれもソフトバンク日本シリーズ進出に尽くしたリリーフピッチャーである。もちろん成績は年俸に反映されるがピッチャーの体は消耗品である。登板数を振り返ってみよう。
岩嵜72試合(2017年)
加治屋72試合(2018年)
甲斐野65試合(2019年)
板東15試合(2020年)※シーズン途中で離脱、先発も含む。
ズバリ、投げ過ぎである。

でも森唯斗やモイネロは大丈夫じゃないかという人もいるだろう。確かにタフな人もいる。が、当時10年選手だった岩嵜を除いたメンバーはまだ経験が浅かった。かつ、これからアピールして自分の場所を作らねばならない。必要以上に無理をしかねない。だからこそ私は登板数をチームとしてもっとコントロールしてほしいと思っている。

しかし勝ちパターンという言葉が示す通り、今年ノリに乗った活きのいいピッチャーはこの選手なんだとなれば、惜しげもなく投入される。だからおのずと登板数が増えていく。同時に体への負荷と疲労が蓄積されていく。故障のリスクは高まる一方だ。ピッチャーの肘、肩は消耗品という。でもピッチャーの選手生命、いや、もっと言えばピッチャーの人生を消耗させてほしくはない。

今年で言えば泉が心配だなあと思っていたところ、メットライフドームブルペンが映った。あれ、スチュワートじゃない? ついにベールを脱ぐらしい。ソフトバンク打線が攻撃の手を緩めず試合は6点差のまま9回裏に。そしてスチュワートがマウンドに上った。長身から投げ下ろすストレートは威力抜群。記念すべき第1球から150キロを超えた。

スチュワートが1軍に定着すると誰かが2軍に行かねばならない。今回はローテーションの都合があり武田翔太が抹消された。だが本当の意味で外される可能性があるのは、まず杉山だと思う。なぜなら力投型という投球スタイルが丸かぶりだからである。スチュワートのデビュー登板は四球もあったが1イニング無安打無失点2奪三振。果たして杉山はスチュワートの初登板をどう見ていただろうか。

いずれにせよ、工藤監督はスチュワートを中継ぎで起用するようだ。となると中継ぎは厚みを増す。このところ津森や高橋純平も安定感が出てきたから、泉ばかりの負担にはならなそうだ。中継ぎはアピールしていかないと使ってもらえないが、使われすぎると故障のリスクは高まろう。登板がなくてもブルペン待機をすれば体を休めていることにはならない。リリーフ投手は地味ながら大変な職務である。だからこそ、首脳陣には若い中継ぎピッチャーを大切にしてもらいたい。7回の男たちに休息を。スチュワートの加入で負担は分散するのだろうか。中継ぎ陣には体を十分ケアしながら、それぞれがポテンシャルをMAX発揮するよう願っている。

和田毅がホークス40代勝利3人目〜ソフトバンクはベテランが元気

和田毅がホークス40代勝利3人目という。え、あと二人って誰なの?

そんな長いことやってたピッチャー、ホークスでは思い浮かばない。工藤公康はありえるかな?(違いました)

吉田豊彦!と思ったが現役が長かっただけで最後は楽天だったし…

加藤伸一もベテランの印象が強いがホークスは最初であって広島やらオリックスに行ったし…

調べるのも味気ないなと思ったら実況アナウンサーが答えを言っちゃった。

今井雄太郎さん」
今井雄太郎! そもそもブレーブスだろう〜世の中的には。完全試合も阪急時代だったし。

「長冨さん」
長冨浩志。同じく印象はカープやし。長冨が勝ったのは2001年だから20年ぶりだとアナウンサーが言っていた。勉強になりました。

で、和田毅。40代で勝つ以前にローテーション入りしていることを激賞せねばなるまい。恐ろしく息の長いピッチャーである。松坂世代と言われるが、藤川球児引退後は事実上最後の砦的な。個人的には松坂大輔にももう一踏ん張りしてもらいたいが。本当の意味で第一線にいるのは和田毅くらいになってきた。この日も7回途中無失点の好投。山本由伸と投げ合うのだからさすがである。鳥谷が開幕カードに出ていてベテランの頑張りいいよなと思ったがわがホークスの40代和田毅もカッコいい。松田宣浩の泥臭い安打で先制し、和田の熟練のピッチングで勝つ。昨日も最終回の川島慶三長谷川勇也のダブル代打で反撃できた。ホークスベテラン陣はいよいよ元気で見ていて楽しい。

価値あるブルペンデー勝利〜ソフトバンク松本裕樹が4回無失点

4月11日の楽天ソフトバンク。トピックとしてはソフトバンク田浦文丸のプロ初勝利か。しかし黒柴スポーツ新聞的にはソフトバンク松本裕樹。2年ぶりの先発で勝ち星はつかなかったものの4回無失点は上出来。投げ合ったのが楽天のゴールデンルーキー早川隆久だから、なおさら価値がある。ゴールデンルーキーに対してソフトバンクは松本、高橋純平そして田浦。ブルペンデーでの勝利は価値が高い。

松本裕樹とて2014年のドラフト1位。それがブルペンデーに先発するあたり、人生は直線道路ではないよなと思わされる。故障があったりうまくいかなかったり。それでも力がなければ先発させようとは思われない。ソフトバンク的には千賀が数カ月離脱確定だから、松本あたりが去年のニ保旭的に使えればしめたものだ。その意味で松本の4回無失点は価値がある。

場所もよかった。たまたまかもしれないが、楽天の本拠地宮城での登板だったが岩手・盛岡大付属出身の松本的には東北で投げられてよかったと思う。また、今年松本は結婚もした。腰の手術の後だから無理はできないけれど、家族のために頑張ろうという気持ちもあったことだろう。松本にはいくつか、頑張りたい理由があったのである。

私は2シーズン前のオリックス戦で松本が先発した試合に居合わせた。8回まで好投するも援護が乏しく、つかまってしまった。リリーフが打たれて試合に敗れたのだが、素晴らしいピッチング。素晴らしすぎたからこそ工藤監督は替え時が難しかったのだと思う。私は一時サイドスローも模索していた松本裕樹が先発として立派に試合を作っている姿を見て泣きそうになっていた。京セラでアラフォーのおっさんが松本裕樹のピッチングを見て涙ぐむ。なんのこっちゃという画だったに違いないが、本当に心に残るピッチングだった。日帰りで大阪を行き来する強行軍だったが、無理して行って大正解だった。

もはやゴールデンルーキーではなくなった松本裕樹が将来のエースと目される早川に投げ勝った、わけではない。早川より早く降板したが、4回の大ピンチを中村晃の横っ飛びで切り抜けた。そのあたりにグッとくる。頑張っていたらいいことはあるんだなぁと思わされる。勝ち星は田浦に付いた。田浦ももちろん好投したのだけれど、松本裕樹の踏ん張りにも拍手を送ろう。

いい仕事をして信頼を得る〜楽天の西口直人、6点ビハインドからの好リリーフ

いい仕事だった。敵(筆者はソフトバンクファン)ながらあっぱれと言いたいのは、楽天でリリーフした西口直人。4月10日のソフトバンク戦で6点差の4回からマウンドに立ち3イニング2安打無失点。この踏ん張りが楽天反撃の一因となり何と一時は8ー7と逆転した。最終的にはソフトバンクが追い付いたものの、この試合を面白くしたのは西口の好投であった。

西口直人。申し訳ないが楽天ファンでなければ誰それレベルの知名度ではなかろうか。wikiで調べると2016年ドラフト10位、2021年の年俸は530万円だという。それが億単位の選手が並ぶソフトバンク打線を小気味よく封じた。解説の川崎憲次郎によるとまだまだウイニングショットの精度は欠けるが、強気で投げ勝つピッチングを身に付けてほしいと期待していた。確かにそう思わせる、見事な投げっぷりであった。

6点差でマウンドに立つピッチャーに求められるのはなんだろう。それ以上試合を壊すなよ的な。主力ピッチャーが投入されるわけもなく、押されながら投げたらいわゆる敗戦処理になりがちだ。が、そこでの踏ん張りが味方に「あれ、ひょっとすると同点、逆転あるぞ」と思わせるから野球は面白い。いわゆる負けパターンのピッチャーであっても踏ん張り続けることで信頼を得て、いつしか勝ちパターンで投入されるピッチャーになっていく。出世である。この日の西口の頑張りはしっかり石井一久監督の目にも焼き付けていた。サンスポ記事、【指揮官一問一答】楽天・石井監督、7点ビハインドから2試合連続引き分け「攻撃的な姿勢がみえた頼もしい」、に書いてあった。
「中でも西口が、あの展開(6点を追う四回)から(2番手で登板し)我慢して我慢して、しっかりつないだ結果が、野手のみんなが追い上げる態勢を整えてくれた。価値のある3イニング(3回56球、2安打4三振無失点)でした」

やるべきことをやった西口と対照的だったのはソフトバンク杉山。150キロ台を連発できる、いわゆるパワーピッチャーだが四球が玉にキズ。この日は3人と対戦して2四球を献上。後を継いだ津森が浅村に逆転2点タイムリーを浴びたが、試合展開からして杉山の2四球がターニングポイントだった。杉山は豪速球が持ち足。だがストライクが入らなければ球速にはさして意味がない。そして何よりほぼ1イニング限定で登板する杉山にとって、最も回避すべきは四球ということをさらに意識してほしいところだ。長身の杉山が小さくなりながら途中降板する姿は情けない。豪速球で三振を奪って、胸を張ってマウンドを降りるようにしてもらいたい。

話を西口に戻す。この試合を見て一番喜んでいたのはその人ではなかろうか。そう、西口を発掘した楽天のスカウトである。西口のプロフィールを見てみると、甲賀健康医療専門学校(現・ルネス紅葉スポーツ柔整専門学校硬式野球部)出身。日本ハム入りした建山義紀阪神入りした藤本敦士の母校である。渋いけれどいい選手たちだ。西口もぜひ先輩たちに続いてほしい。でも…私はソフトバンクファンだからその西口を打ち負かすシーンを期待しているのだが。試合翌日、スマートニュースで楽天関連の記事を漁ったが西口直人単独の記事は見当たらなかった。これだけいろんなスポーツメディアがあるのだから、選手の名前で記事を書いてばかりなのもどうか。松井裕樹の記事をいくつか見かけたが、彼が3連投したのが果たしてニュースなのか。連日ランナーを出して失点のピンチ。土曜日の試合は失点しなかったのが相当うれしかったらしく小躍りしながらダグアウトに戻ってきた。守護神としての気概は感じられなかった。やはり守護神としての格はわがソフトバンク森唯斗が数段上である。そんな松井の記事よりも、地味ながら「試合をつくった」西口にフォーカスしてほしかった。ま、そこは地味な選手大好きな黒柴スポーツ新聞の出番か。これからもコツコツ頑張る選手にフォーカスしていこう。


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