黒柴スポーツ新聞

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価値あるブルペンデー勝利〜ソフトバンク松本裕樹が4回無失点

4月11日の楽天ソフトバンク。トピックとしてはソフトバンク田浦文丸のプロ初勝利か。しかし黒柴スポーツ新聞的にはソフトバンク松本裕樹。2年ぶりの先発で勝ち星はつかなかったものの4回無失点は上出来。投げ合ったのが楽天のゴールデンルーキー早川隆久だから、なおさら価値がある。ゴールデンルーキーに対してソフトバンクは松本、高橋純平そして田浦。ブルペンデーでの勝利は価値が高い。

松本裕樹とて2014年のドラフト1位。それがブルペンデーに先発するあたり、人生は直線道路ではないよなと思わされる。故障があったりうまくいかなかったり。それでも力がなければ先発させようとは思われない。ソフトバンク的には千賀が数カ月離脱確定だから、松本あたりが去年のニ保旭的に使えればしめたものだ。その意味で松本の4回無失点は価値がある。

場所もよかった。たまたまかもしれないが、楽天の本拠地宮城での登板だったが岩手・盛岡大付属出身の松本的には東北で投げられてよかったと思う。また、今年松本は結婚もした。腰の手術の後だから無理はできないけれど、家族のために頑張ろうという気持ちもあったことだろう。松本にはいくつか、頑張りたい理由があったのである。

私は2シーズン前のオリックス戦で松本が先発した試合に居合わせた。8回まで好投するも援護が乏しく、つかまってしまった。リリーフが打たれて試合に敗れたのだが、素晴らしいピッチング。素晴らしすぎたからこそ工藤監督は替え時が難しかったのだと思う。私は一時サイドスローも模索していた松本裕樹が先発として立派に試合を作っている姿を見て泣きそうになっていた。京セラでアラフォーのおっさんが松本裕樹のピッチングを見て涙ぐむ。なんのこっちゃという画だったに違いないが、本当に心に残るピッチングだった。日帰りで大阪を行き来する強行軍だったが、無理して行って大正解だった。

もはやゴールデンルーキーではなくなった松本裕樹が将来のエースと目される早川に投げ勝った、わけではない。早川より早く降板したが、4回の大ピンチを中村晃の横っ飛びで切り抜けた。そのあたりにグッとくる。頑張っていたらいいことはあるんだなぁと思わされる。勝ち星は田浦に付いた。田浦ももちろん好投したのだけれど、松本裕樹の踏ん張りにも拍手を送ろう。


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