黒柴スポーツ新聞

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「2番・キャッチャー甲斐」はアリなのか〜奮起を促したいのはあの男

初回にバットを持って待機する甲斐拓也を見て「?」。なんと甲斐が2番で起用されていた。球団捕手では80年ぶりだという。いったい甲斐はなぜ2番に起用されたのか。

東スポ記事、ずばりハマった!ソフトバンク異例のオーダー 正捕手・甲斐を2番起用「今後もある」、には工藤公康監督による種明かしが紹介されている。「犠打やいろんな作戦もできるし、状態がいいので四球も取れる。そこからチャンスをつくれれば面白くなる」。実際、この5月22日のオリックス戦では初回に四球で出塁。柳田悠岐の先制3ランにつながった。その後のイニングでは、送りバントに失敗してダブルプレーを食らってしまったが、この場面で送れていたらもっと楽な展開になったことだろう。内野安打が1本あり、塁に出るという意味では及第点だったと思う。

解説者の目はどうか。プロ野球ニュースでおなじみの谷沢健一はこう分析した(出典はBASEBALLKING、ソフトバンク・甲斐の2番起用ついて谷沢氏の見解は?)。
・足もある
・打率が2割8分~9分台
出塁率(.363)も非常に高い
・逆方向に打つ技術も持つ
ソフトバンクは下位打線が弱いので先手必勝という、早い回で点を取って逃げ切るという意味では甲斐の2番起用はありかなと思います」とのことだ。特に今シーズンは9回打ち切り。中継ぎ陣に疲労感が漂いだしている今、特に効果的な感じもする。

もう一つ特筆したいのは、2番という選択肢を甲斐自らが示した点だ。日刊スポーツ記事、ソフトバンク80年ぶり2番捕手で7日ぶり首位「早く攻略できた」工藤監督、によると、甲斐が過去に「僕に2番はないんですか?」と直訴したことがあるという。本人にその気があれば、よりうまくいくというものだ。

ここまでいいことづくめで書いてきたが、あえて苦言を呈する。そう、元々の2番はどうしたんだという話。ズバリ今宮健太。甲斐の器用の裏には今宮の不調がある。開幕カードこそ絶好調だったが打率は1割台。これではテコ入れせざるを得ない。持ち前の守備力も何だか覇気を感じないのが心配だ。甲斐の2番はあくまでもオプションであり、オレが2番でチームに貢献するんだ。そんな気概を今宮には求めたい。


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