黒柴スポーツ新聞

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ミスを糧に走りまくれ〜周東まさかの牽制死に見た一瞬の気負い

反撃ムードに水を差す、とは使い古された言い回しだが、まさに周東がそうなってしまった。柳田悠岐の同点ホームランで追い付き、続く中村晃がヒットで出塁。当然のごとく周東が出てきたのだがまさかの牽制死。野球用語の死って独特だなと思いつつも周東の刺され方もまさに「死」というにふさわしいダメージであった。

ド素人なので体重移動がどうとかリードうんぬんの話はしない。ただド素人でも分かる。周東には焦りというか気負いがあったのではないかと。というのもこのところスタメンから外れる試合が目立っているからだ。脚があるから1番周東が定着すれば脅威なのだが、問題は出塁率。これが上がらないことには脅威になり得ない。スタメンで出られなければ代走ででも活躍しなければ…そう考えるのが普通。だから周東は前のめりになって当然だし、そうあってほしかったのだが。その隙、ほんの一瞬の心の隙を中日のリリーフ・福に突かれてしまった。久々に見る見事な牽制だった。工藤監督によりリクエストがあったが判定覆らず。ビシエドのタッチが周東を追う形になったがそうでなければ完璧な牽制だった。

一つ気になった。周東の引き上げ方だ。ダラダラすることなくサッと引き上げたのはいいが、ん?そのまま奥へ引っ込んだ? 中継はすぐ長谷川の打席に戻るから周東は映らない。周東はすぐ、長谷川先輩を応援する列に戻っただろうか。そこは気になった。その点リリーフ陣はえらいなと思う。ランナーを貯めて降板しても引っ込んだりしない。恥ずかしさをこらえて列に加わっている。試合を見ながら悔しさ、情けなさを必死に消化するんだろう。そんな気持ちが次につながればと思う。

周東が最もしてはいけないこと。それは次の出塁でスタートをためらうことだ。昨シーズンは相次ぐ守備のミスで人目をはばからず涙した周東。だがそこから盛り返し、盗塁では世界の盗塁王福本豊を超えて13試合連続盗塁の世界新を樹立した。そのくらいやり返せる男だ。今年は西武の若林が走りまくっている。まずはそこを目標に、周東には走りまくってもらいたい。それがチームへの貢献につながるはずだ。


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