黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

いいイメージを持つ〜上林誠知が札幌ドームで正夢弾&タイムリー

上林誠知が好調だ。およそ1カ月遅れの「開幕」となったが2軍から昇格して間もなくこどもの日に起死回生の同点タイムリーを放ったり、その後も打点が稼げたりしている。アウトになることもあるが積極的に盗塁も狙っている。何より一塁でのリードが土を越えて芝生まで出ている。そう、「遅れてきた男」はそのくらい前のめりにならなければ。

帰塁時の不幸な事故でグラシアルが骨折。チームへのダメージは深刻だが、上林の1軍定着でその穴は最小限で済んでいる気がする。チームメイトの不幸をきっかけにしてもいけないが、上林にしてみたら思ってもみないチャンス到来。こんなことでもない限り、分厚いソフトバンク野手陣、特に外野手のレギュラーには割って入れまい。何せグラシアル、柳田悠岐、栗原陵矢である。その一角が崩れたのを見逃さない手はない。いずれグラシアルは戻ってくる。その時に完全に取って代わられないくらいのアピールをしておきたい。今のところはそこそこアピールできている。

さて、5月14日からの日本ハムとの3連戦で1、2戦目の上林は好調だ。初戦はホームラン。2戦目はタイムリーを含む3打点。話題になったのは初戦のホームランで、何と「札幌ドームでホームランを打つ夢を見た」とお兄さんから上林に電話が入っていたらしい。いわゆる正夢。このエピソードから思うのは、夢を見るくらい弟の活躍を願う、ありがたいお兄さんの存在。こういうこともあるのだから、大切な人の幸せは願わねばならない。恐らく上林はお兄さんからのメッセージでいいイメージで打席に向かえたことだろう。

いいイメージと言えば上林は札幌ドームで印象深いホームランを放っている。2019年6月29日。9回2死から逆転ランニングホームランを放ち、チームを勝利に導いたのだ。スタンドインしたように見えたが打球が跳ね返ってきたこともあり、上林は全力疾走。とにかくホームランとなった。札幌ドームは上林にとって悪いイメージはなさそうだ。チームは今年5月15日の勝利で札幌ドームでは10連勝。チームとしてもいい印象なのだ。打てそう、勝てそうと思ってプレーすることは悪くない。おれもやればできるんだ、と上林にはぜひ前向きにプレーしてもらいたい。打って守って走れる。そんなイメージを周りに持たせられた時、上林のレギュラーが確実なものとなる。いいイメージ、うまくいった時のイメージを持つ。私もあやかってやってみよう。


福岡ソフトバンクホークスランキング