黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

いいイメージを持ち、着実に実行する~上林誠知が強肩発動し俊足の西川封じ

負け試合の中から、あえて好プレーを抽出する。上林誠知の捕殺だ。犠牲フライになるところをその強肩という持ち味を十二分に発揮して、チームと打たれた嘉弥真新也を救った。一時的、ではあったが。

 

ランナーが一、三塁で嘉弥真としては三振あるいは内野ゴロに仕留めたかったが打球が外野に飛んでしまった。普通は犠牲フライの1点覚悟なのだが、行き先がライトと分かった瞬間、ヤフオクドームのため息「あ~」から期待の「お!」に変わったように聞こえた。上林なら刺せる、刺してくれるんじゃないか、と。

 

だがランナーはよりによって俊足の西川。甲斐拓也からでも盗塁できるスピードスターである。普通ならあっさり1点覚悟なのだが、ライトは強肩の上林。「何でも貫通するドリル」対「絶対貫通しない板」みたいなことをやっていたテレビ番組「ほこ×たて」的状況である。

 

結果は上林の勝ち。送球は何とノーバウンドで甲斐のミットに収まった。しかもやや三塁側、西川が走り込んでくる方向だ。甲斐は捕球の流れで西川にタッチすることができた。

 

私が注目したのは上林の捕球の仕方。一度引き、助走をつけながら捕って素早く送球。そんなの高校球児でもやると言われるだろう。そう、外野手ならみんなやるプレー。勢いをつけて捕球したらその流れで力強い送球ができる。上林はフライを捕る直前の数秒でやれる数少ないことを完璧にやった。それに意味がある。

 

ピンチの時は選択肢が少ない。そこを嘆いても状況は変わらない。であればもう、やれることを目一杯やるしかない。でも数少ない選択肢をきっちりできたら、ひょっとするとピンチを脱出できるかもしれない。フライが落ちてくるまで野手は何もできない、と思うか、落ちてくるまでに何ができるかと考えるか。そこで結果は大きく変わる。

 

上林は外野手ならみんなが考える準備をしたに過ぎないのだが、さすがプロ野球選手。出した結果が完璧だった。イメージを寸分たがわず形にする。これぞプロフェッショナルである。

 

ピンチの中でもいいイメージを持つ。そしてできる限りの準備をする。そして着実に実行する。上林は何ら奇抜なことはせずむしろ基本的なことを完璧にやった。そこに感心するし、見習いたいと思う。

 

長崎でのゲームと言い、日本ハムとの戦いは消耗する。しかしマニアにはたまらない、小さなヤマ場が目白押しである。西武とは豪快に打ち合い、日本ハムとは緻密にしのぎを削る。ソフトバンクは本当によきライバルに恵まれている。

自分らしさを出せばいい~川島慶三が地元長崎で犠牲フライ&犠打決めチームに貢献

誰もがホームランを打てるわけではない。誰もがエースであるわけではない。ならば自分らしさを出したいものだ。得意なことでチームに貢献すればいいんだよな。地元長崎での試合に出場したソフトバンク川島慶三のプレーを見て、そのことを再認識した。



ソフトバンクには長崎出身の選手が何人かいる。野手では川島慶三と、ことしようやく初安打を記録した釜元豪。投手では松田遼馬。地元でのゲームには極力出してあげる、というのが暗黙のルールなのかもしれないが、この日は川島慶三がスタメン起用された。試合は引き分けに終わったが、結果的には川島慶三の起用が当たった。



試合は日本ハムがまず2点リードしたのだが、内川聖一のタイムリーで1点返し、満塁のチャンスで川島慶三が打席に入った。一打逆転のおいしい場面、しかも地元。当然力が入るところだが、低めの厳しい球を巧みにセンターまで運んだ。犠牲フライで同点。さすが川島慶三である。



6回には無死一、二塁できっちり犠打。ランナーを進めると続く上林誠知がタイムリーを放って勝ち越した。この後日本ハムが犠牲フライで追い付くのだが、その際レフト川島慶三はタイミング的にはアウトの好返球も。打って守って声出して。何でも一生懸命な姿がとにかくよかった。



チームは大黒柱の柳田悠岐をけがで欠いた後、初めての試合。ここで負けていたらさらにどんよりムードになっていただろう。確かにあと1本出ていたら勝てた試合。柳田悠岐の抜けた穴を感じてしまうが、いない人をいつまでも残念がっても仕方ない。早期復帰を願いつつ、抜けた穴はみんなでカバーするしかない。それはサラリーマンの職場でも同じである。



この日は終盤、代打で釜元豪も出場した。コールされると大歓声がわいた。強い雨の中、長崎のファンは待ったかいがあった。残念ながら釜元は三振に倒れたが、1軍の一員として地元のゲームに出られてまずはよかった。グラシアルや柳田悠岐の離脱は痛すぎるのだが、釜元にはチャンス。同僚のけがによりスポットライトを浴びる。それも人生である。むしろそのチャンスをものにできないとプロ野球選手は生きていけない。



川島慶三はチャンスできっちり犠牲フライと犠打を決めた。このあたりは釜元も大いに学んでほしい。脚を生かす。長打を放つ。釜元には釜元の良さがあり、川島慶三とはまた違う役割が求められる。川島慶三には川島慶三の良さがあり、釜元は釜元で自分らしさを発揮すればいいのだ。



スコア的には3-3という平凡なゲームではあったが川島慶三フリークには楽しい試合だった。先日のロッテ戦のように派手に打ち負かす試合も楽しいが、相手のエラーや四球につけこんで追い付き逆転するのもソフトバンクの強さだ。



日本ハムの栗山監督は策士だし、ことしもソフトバンク日本ハムは一筋縄ではいかなそうだ。それもひとえに、両チームの選手が自分らしさを発揮するから。長距離砲には長距離砲の、エースにはエースの、中継ぎには中継ぎの、控えには控えの生き方がある。



たまには枠をはみ出すこともしなければならないが、まずは自分のカラーを生かしてチームに貢献すればいいんじゃないか。それを川島慶三は見せてくれた。やっぱり川島慶三は最高だ。ことしもいぶし銀の活躍に期待したい。

引退したイチローを何と呼ぶ?~今なお翻弄されるメディア

イチロー国民栄誉賞辞退との日経新聞記事を見た。何か違和感が……。気付いた。「イチロー元選手」と書いてあったのだ。だよな、イチローは引退したんだ。しかし私はすぐ別のことを予想した。ひょっとして、メディアはイチローの呼称に難儀しているのではないか……。

 案の定、である。まずは産経新聞の「イチロー国民栄誉賞辞退 菅官房長官「本人の気持ちを尊重」。

菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で、米大リーグを引退したイチロー元選手に対する国民栄誉賞授与の検討を見送ることを明らかにした。

イチロー元選手」。無難である。

 次はハフィントンポストの「イチローさん、国民栄誉賞を3度目の辞退 『人生の幕を下ろした時に…』」。

菅義偉官房長官は4月5日午前の記者会見で、3月に現役を引退したアメリカ大リーグ・マリナーズイチローさん(45)が、国民栄誉賞を辞退したことを明らかにした。

イチローさん」。マスオさんみたいで親近感がわいてくる。

 NHKも「イチローさん県民栄誉賞も辞退」。

アメリカ・大リーグから引退したイチローさんが、国民栄誉賞に続き、愛知県が受賞を打診した県民栄誉賞についても、辞退する考えを伝えていたことが明らかになりました。

これも「イチローさん」。公共放送たるNHKがこれを貫けばイチローさんが標準になる可能性は大きい。

 同じくテレビの日テレは「イチロー氏『国民栄誉賞」を3度目の打診も辞退」。

先月、引退を表明した元メジャーリーガーのイチロー氏が、政府からの国民栄誉賞の打診を辞退していたことがわかった。イチロー氏の辞退は3回目となる。

イチロー氏」。イチローさんよりはカッコいい。だがひたすらにイチローと呼び捨てにしていたから、取って付けた感は否めない。近年は「籠池氏」みたいな使われ方もあるから余計に距離を感じるのかも。

 時事通信は「イチローさん、国民栄誉賞辞退=「人生の幕を下ろした時に」

菅義偉官房長官は5日の記者会見で、現役引退した米大リーグ・マリナーズイチローさん=本名鈴木一朗=への国民栄誉賞について、本人の意向を踏まえ授与を見送る考えを明らかにした。

イチローさん+本名鈴木一朗」とは活字メディアのなせる技。ま、テレビでもそう呼ぶ場合はあろうがわざわざ感はある。ピーター(池畑慎之介)的だ。

 読売新聞は「イチローさん3度目辞退、菅氏『本人の意向尊重』」でこう書いている。

官房長官は5日の記者会見で、現役を引退した米大リーグ・マリナーズ元外野手のイチロー(本名・鈴木一朗)さんへの国民栄誉賞の授与について、本人の意向を尊重して見送る方針を明らかにした。
 これまたイチローさん+本名だが、まとめてのさん付け。時事通信よりなお丁寧な感じがする。

 サンスポは「イチロー国民栄誉賞を3度目辞退『人生の幕下ろした時に』」。

米大リーグを引退したイチロー元選手(45)=本名鈴木一朗=は、国民栄誉賞の受賞を辞退すると代理人を通じて日本政府に伝えた。菅義偉官房長官が5日の記者会見で明らかにした。

スポーツ紙ならイチローと呼称なしでもいけそうだが元選手と付けている。

 同じくスポーツ紙の日刊スポーツは「イチロー氏、国民栄誉賞を辞退と米でも報道」と見出しから「氏」が付いていた。

マリナーズなどで日米通算4367安打を放ったイチロー氏(45=本名鈴木一朗)が国民栄誉賞を辞退したことを5日、AP通信が報じた。

記事では辞退が3度目であることを強調した。メジャー通算3089安打で、日本人初の米国野球殿堂入りは確実ともした。

球界での国民栄誉賞は1977年に王貞治さんが初受賞し、2013年にはヤンキースなどで活躍した松井秀喜さんが受賞していることも紹介した。

イチローが「氏」なのに王貞治さんや松井秀喜は「さん」付け。二人が先に引退した感はちょっと出ているかも。ゆくゆくはイチローもマイルドにさん付けがなじむのかもしれない。

 結局、何が言いたいかと言えばまだまだみんな、イチローを呼び捨てにしないことに慣れていないということだ。そしてイチローとは単なる呼び捨てではなくかなりの敬意を持った呼び方だったのだ。氏とかさん付けだと、いかにも簡単にヒットを量産した魔法つかいの杖であるバットを持たなくなった感がある。私たちは記事を読んで、あらためてイチローが引退したことを思い知らされている。

 

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 同じく惜しまれつつ引退した黒田博樹は間を置かずに氏あるいはさん付けになったのではないか。イチローにわざわざ元選手と付けてしまうのは引退直後というのもあるが、やはりまだ、選手じゃないイチローに世間が戸惑っている現れだろう。呼び捨てではなくイチローを何と呼んだらいいのか、みんな分からないのだ。

 

 

 

現役時代からメディアを手玉にとってきたイチロー。引退してもなお人々を戸惑わせているのはさすがである。 

やられたらすぐやり返す~ソフトバンク本塁打7発、3番から7番&釜元プロ1号&福田とどめ弾

何本ホームラン打たれてんねん!とつっこんだソフトバンクファンも多かったであろう4月6日の対ロッテ戦。4発を喫した。だが翌7日のゲームではきっちりお返し。3番から7番打者に加え、釜元豪がプロ初ホームラン、そして福田秀平がとどめを刺した。

 

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何度も同じ相手と顔を合わせるのであれば、勝負事ではちょっとでも嫌な印象を残しておきたいものだ。ソフトバンクは開幕5戦負けなしで本拠地に帰ってきたがロッテに2連敗。しかも連日の7失点だっただけに、3連敗することがあればロッテに「ことしのソフトバンクには勝てそう」なんてイメージを持たれかねなかった。

それだけに早速やり返したのは大きい。しかも目には目を、と言わんばかりの一発攻勢だった。口火を切ったのは柳田悠岐の初回の2ラン。打ち損じかと思いながらもホームランにできるのはさすがだ。

デスパイネはお待たせ今季第1号。この3ランで先発高橋礼はずいぶん楽になった。

続く内川聖一もソロで6-0に。試合は決まった感が出始めた。

圧巻は8回。まず松田宣浩がソロ。これで3番から6番まで1本ずつのホームランになった。

熱男のことば 球界最高のモチベーターが実践する究極のポジティブマインド
 

すると上林誠知も続き3番から7番までがホームランを記録。ソフトバンク打線がいかに好調かが分かるというものだ。

いやいや、まだ終わらない。売り出し中の釜元豪がついにプロ初ホームラン。グラシアルの欠場は痛いなと誰もが思っただろうがレフトの守備も含め十分穴を埋めてくれている。9日には地元長崎で試合が控えており、最高のタイミングで1軍に昇格、結果が出せた。ぜひとも地元で大暴れしてほしい。

トリはその釜元にレフトを「譲る」形になってしまった福田秀平。中継で「(グラシアルの代わりにレフトに入る力があるが釜元が先に起用されて)福田もうかうかしてられない」と言われたのが聞こえたのかと思うくらいのタイミングだったが、とどめのとどめの2ランを放った。主力が離脱してもチーム内の競争でカバーする。これが強い組織だ。

実にホームラン7発。チーム記録の8本には及ばなかったがロッテには半沢直樹ばりに倍返し。しかも次の日にやり返したことに意味がある。勝負事は勝ち方、負け方も大事だ。

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先発高橋礼は7回1失点と好投。次回もテンポのよいピッチングに期待したい。ローテーションを初めて守る立場ながら開幕2連勝は上出来だ。

最終回は11-1と大量リードだったこともあり守護神の森唯斗ではなく、ロッテ戦で角中に手痛い一発を浴びた奥村政稔がリベンジ登板。きっちり3人を打ちとった。もちろん奥村の本当のリベンジはしびれる場面で抑えることだ。しかしまずは与えられた機会に一つずつ結果を残す。それに尽きる。打線が活発だと安心して新人を育てられる。素晴らしい副産物だ。

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ヒーローインタビューには高橋礼と釜元が呼ばれた。特別に招かれた少年からは「朝、何食べましたか?」と高橋礼のお株を奪う「変則的」質問が(答えは納豆とバナナ)。さらには「工藤監督はどれくらい好きですか」と森唯斗ばりの直球質問が(答えは、大好き)。スタンドは大盛り上がりだった。

釜元にも少年が質問。「チームで一番面白いのは?」(答えは川島慶三)。最後は「1日どれくらい食べますか」(答えは5000キロカロリー)。ご飯は1日7杯食べるとか。きょうのソフトバンク打線もホームラン「7杯」。まさにおなか一杯であった。

打たれるたびに、強くなれる~ソフトバンク奥村政稔に伝えたいマリアノ・リベラの至言とは

ソフトバンク期待の新人、奥村政稔がロッテの角中に痛恨の一発を浴びた。この3ランが決め手となり、4月5日の試合は7-3でロッテが勝利。ソフトバンクは開幕6戦目にして初黒星を喫した。

 

 

奥村政稔に頑張ってほしい理由。それはことし27歳になるという年齢である。もちろん年齢にとらわれず選手生活を過ごしてもらいたいが、このケツカッチン感がたまらない。ピッチャーの肩は消耗品であり、40歳まで第一線でできる人は少ない。そう考えると奥村政稔はルーキーながら人よりも早くカウントダウンが始まる。いや、すでに始まっていると言っていい。だから頑張ってほしいのだ。

 

 

西武との開幕戦、初登板の奥村は早くもホールドを記録。4月5日時点でホールドは3になった。その矢先のロッテ戦でつまずいてしまった。四球と安打を許し、そして3ランを献上。奥村が思わず顔をしかめたのが見えた。

 

 

奥村はもう気持ちを切り替えられているだろうか。かくいう私は気持ちを切り替えるのがものすごく下手。奥村も引きずらなければいいのだが…。こういう時は失敗を、よいイメージで上書きできたらよいのだが、4月6日のロッテ戦は序盤からソフトバンクが劣勢に立たされ、奥村に出番は回ってこなかった。

 

 

そういえば年明けから読んだ元ヤンキースマリアノ・リベラの自伝「クローザー」には抑えの心構えについて何と書いてあったかな、と思い読み返してみた。そのくだりはリベラが他チームのクローザーの相談に答える場面で出てきた。

  

クローザー マリアノ・リベラ自伝

クローザー マリアノ・リベラ自伝

 

 

 

クローザーとしてマウンドに上がるとき、私が何を考えているかわかるか? 三人を打ちとることだ。それも、できるだけさっさと片づけて、マウンドを下りることしか考えない

とてもシンプルである。

 

そしてこんな話も。

打たれない投手なんていやしない。メジャーの打者を相手にしてるんだ。そりゃ、打たれるよ。だが、大事なのは、さっさと忘れることだ。昨日のことを、今日のマウンドに持ちこんじゃいけない。そんなことをしていたら、いい球は投げられないからな

 

的を射た話である。確かに引きずっていたら能力を100%発揮することはできない。

 

 

そして次のくだりがもっとも心に残った。

打たれるたびに、強くなれるんだ。打たれるたびに。もちろん、打たれたときは悔しいけれど、これでまた強くなれると思えば気分がいい

前向きに考えればいい、後ろ向きなことは考えるな。そうリベラは説いていた。

 

 

最初に説明したように、奥村はほかの選手よりも早く結果を出さねばならない。そのあたりがあのゆがんだ表情に出たのだろうか。単純に悔しかったのだろうか。しかし奥村がやるべきことはリベラが言う通り、これを糧にまたよい投球をすることだ。

 

 

中継ぎも抑えも、無得点に封じて当たり前と思われる。だから打たれるとすごく目立つ。その傾向は近年特に強まっているように思う。だが見方を変えればそれだけ中継ぎや抑えに注目が集まっているということだ。ソフトバンクでは岩嵜翔、加治屋蓮、森唯斗らが次々に結果を出し、高い評価を得た。奥村にもぜひ続いてほしい。

 

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ホークスのオールドルーキーと言えば初登板が奥村と同じく26歳で、のちにエースになる攝津正が有名だが、私は28歳で初登板を果たした三瀬幸司を思い出した。三瀬はルーキーシーズンの2004年、4勝28セーブを記録し横山道哉と並んで最優秀救援投手に輝いた。三瀬の奮闘ぶりは、夢を追いかけるには遅すぎることはないと思わせてくれる。

  

 

三瀬は12シーズンをプロで過ごした。奥村は何シーズンいけるだろうか。開幕カードから起用されるのを見ると、すでに高い評価を得ているのだろう。工藤公康監督は投手出身であるし、奥村のことを上手に導いてほしいと思う。私はリベラが言うように「打たれるたびに強くなれる」とは思ってこなかった。ひょっとしたらこのあたりが伸び悩みの原因のような気がする。打たれて開き直るばかりでもいけないが、前向きに、打たれるたびに強くなれると思うようにしよう。奥村にもぜひ次の登板では思いっきり腕を振ってもらいたい。

好調時の環境に戻してみる~ソフトバンク武田翔太がグラブを120g重くして復調

4月4日、ソフトバンク武田翔太が今季初登板を8回無失点にまとめ、初勝利を挙げた。2018年後半は第2先発として新たなポジションを手に入れたかに見えたが、2019年は本来の先発で結果を残そうとしている。



日刊スポーツ記事で面白い見出しを見つけた。
武田翔太1勝 左手グラブ120g重くし別人に変身」
たった120グラムで何か変わったのか?と記事を読んでみた。武田翔太は自宅でシャドーピッチングをした際に左手のバランスに異変を感じた。昔のグラブと今のグラブの重さを量ってみると、昔の方が120グラム重かったので、早速専門店に持ち込み今のグラブを重くしてもらったという。


「重くしてください。622グラムで」
きちんと量っていたためかなり具体的なリクエストだったようだ。だがこのくらい、コンディションには気を配りたい。621グラムでもなく、623グラムでもなく、622グラム。好調時はこうだったのだ、と思い起こすことで体も心もかつて輝いていたころを思い起こすことができるのではなかろうか。


ピッチャーにとってグラブは投球に影響を与える、意外と大切なアイテムのようだ。ちなみに通算284勝の山田久志は春・秋用と夏用を変えていた。夏用の方が少し軽い。「吸い込む汗の量」と「体の疲れ」を考えての策だったという。
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調子がいい時はそこまでコンディションに気を使わなくてもいいかもしれない。だが調子がいまいちの時はメンテナンスがてら、好調だったころの自分を思い起こしてみたい。その時は無我夢中で気が付いていなかったとしても、何らかの要因や背景があるはずだ。


うまくいった時の記憶にすがる、という意味ではないが、どうしてうまくいったのかは把握しておきたい。うまくいかなかった時は反省するけど、うまくいった時はどうしてだったのか分析しない人が多い、と話している人がいた。確かに盲点かもしれない。


物事が何かうまくいかない。そんな時はちょっと立ち止まり、うまくいっていた時はどうしていたのかと振り返ろう。私たちにも武田翔太のような「120グラム」ほどの違いがあるはずだ。違和感が少ないうちなら是正もしやすい。これが大幅な変化になってしまうとリズムそのものがめちゃくちゃになっている、ということになる。



実際、今の私がそう。たまたまとはいえ作業がたまってしまい、連日帰宅時刻が遅くなってしまった。それからDAZNで無理やりナイターをチェックしてブログを書いているため、更新時刻は日付が変わるギリギリの時間帯。きょうは半ば確信犯的にうたた寝をしてしまい今25時過ぎである。

挙げ句の果てに、日付が変わるまでにスマホの小さい画面で5日のソフトバンク対ロッテを見て、ソフトバンクが7-3で勝ったのだなと思っていたのがまさか3-7だったとは……ソフトバンクが開幕直後から絶好調だった&うたた寝する直前まで千賀が投げていたことから、ソフトバンクが勝ったんだなと思い込んでいた。ガックリ。

体が健康でなければよい文章は書けない。日曜日が仕事のため土曜日に何とかメンテナンスしなければ。微調整で済むうちにまずは体調を整えよう。そして物事がスムーズに進んでいた時にちょっとずつでも戻していこう。なぜうまくいっていたのかも振り返りながら。

目の前のことに一生懸命になれる人はこの先もやっていける~若さが裏目の西村オリックス。開幕直後から正念場

開幕から5試合が経過。西村徳文監督はオリックスの指揮官になってまだ未勝利である。しばらく見ないうちにえらく若返ったオリックス。だが今のところその若さが裏目に出てしまっている。4月4日のソフトバンク戦を見てそう思った。


延長に入ってからだったか、福田周平がセカンド後方に落下するポテンヒットを打った。行けると思ったのだろう、福田は二塁をうかがったがライト上林からの送球で刺された。ノーアウト二塁のチャンスが一死ランナーなしに。ソフトバンクはもうけものだった。

この日は山本由伸があわやノーヒットノーランの快投。だがオリックスがお付き合いしてくれた、というか次々に転んでくれてソフトバンクは引き分けで済んだ。センターフライでセカンドランナーが飛び出して帰塁できなかったり、チャンスでランナーを送れなかったり。

吉田正尚の不振も深刻だ。5試合終えてまだ1安打。元気がない。9回だったか延長だったか、とにかく一発撃てばサヨナラだったのだが、モイネロの変化球にあえなく見逃し三振。ダグアウトに引き揚げた吉田は今にも泣きそうな表情にも見えた。

まさに帆柱を失った船のようなオリックス。船長である西村徳文監督は作戦を立てる以前の問題で、ちょっとかわいそうだ。だが若い船乗りたちはもがくしかない。そしてそのワンプレー、ワンプレーの意味をかみしめながら成長するしかないように思う。
和のちから

和のちから



さて、私の職場は先日ちょっとした特需にわいた。とはいえほぼ半日にわたるお客様からの電話対応で少々疲れもしたが、丁寧に対応したかいがありネット界隈ではお褒めの言葉もいただいたようだ。これについてある人が言った。「本当にみんな一生懸命やってくれた。一つのことを一生懸命できる人は、これからつらいことがあってもきっと乗りきれる」と。


そうかもしれない。手を抜いたらその瞬間、あっという間に流されるだろう。逆に踏ん張れたら、何とかできるかもしれない。だからこそもがくことには意味がある。


京セラドームの応援風景を見ていたらちょっと感動する。自己主張をあまりしなさそうなお兄さんたち、というのが筆者が持つオリックスファンの印象なのだがちらっと映るファンはそれはもう一生懸命応援している。選手にしたらありがたい存在だ。これだけでもオリックスの選手が頑張る理由になる。

ソフトバンクのレギュラー陣のようにしたたかさを持つにはまだまだ年月がかかりそうだが、強くなるには決めるべき送りバントを決め、抑えるべき人がきっちり抑える。そのために一生懸命になれる人は、たぶんこの先も何とかやっていけるような気がする。

オリックスの若手が悪いわけじゃない。このチームに大引啓次坂口智隆伊藤光、金子千尋西勇輝がいたらどうだったかな、と思う。もちろん結果論。先輩たちが抜けたから若手が育っているともいえる。だが世代交代は上手に緩やかにやらないと下が上手に育たず迷走する。それはオリックスが証明してしまっている。人事を長期的に考えるべきなのはこのあたりだ。
伊藤光メッセージBOOK クールに熱く

伊藤光メッセージBOOK クールに熱く



西村徳文監督は育てながら勝つ野球ができるだろうか。西村徳文監督自身もまた選手の起用に一生懸命なことだろう。選手は選手で必死のパッチでやるしかない。勝ち続けるまでは相当追い込まれるだろうが、いま日々のプレーを一生懸命やれる選手は耐えた先にきっとごほうびがある。選手一人一人を見ればなかなか面白いキャラが集まっているオリックス。いま、我慢のしどころである。

今できることをやる~堅実な与田采配。9回裏同点狙いでビシエドに代走

9回裏、ビシエドの強烈な打球がセカンド頭上を襲った。打球はそのままフェンスに到達。ビシエドは二塁を陥れた。1点ビハインドの中日。与田監督はビシエドに代えて亀澤をランナーに据えた。この采配、ドラゴンズファンはどうとらえただろうか。

 

 

アナウンサーはこの代走はもったいないと言いたげだった。ビシエドならば延長に入ってもチャンスメイクできる、あるいは一発で試合を決められる可能性がある。代走が実ったとしてもまだ同点だから、脚が遅いわけではないビシエドを無理して代えなくてもよいのでは、という指摘だった。

 

 

それは確かにそうだ。しかし、まずは同点にしなければ試合が終わってしまう。私は与田監督と同じく代走でいいと思った。何せ対戦相手の広島は実績のある中崎を立てているのだ。同点にできればいい方。逆転までは高望みだろう。

 

 

まずは同点。それは次打者に送りバントを命じたことからもうかがえる。バントはしっかり決まり、代走亀澤は三塁に達した。1死三塁でバッターは高橋周平。ナゴヤドームのドラゴンズファンはノリノリ、イケイケである。

  

  

高橋周平はキャプテンに就任。今シーズンは飛躍の年にしたいところだ。もしこのまま同点打を放てば流れに乗れる、かもしれない。逸材と言われた高橋周平がことしこそ押しも押されもせぬ選手になるのを見てみたい。ドラゴンズファンでもないくせに、そんなことを考えていた。

  

  

そして密かに堂上直倫を応援している筆者は次打者・堂上に回らないかなとこれまた密かに期待していた。高橋周平が同点打。二塁打くらいを打ってもらい、堂上直倫が長打を放ってサヨナラ、なんてなれば最高だが。

  

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

  

ナゴヤドームはがぜん盛り上がる。そして高橋周平はきっちり中崎の投球をとらえた。いった、同点打だ!と思ったが不幸にも打球はショート田中広輔の真正面だった。当たりが良すぎた。飛び出していた亀澤は帰塁できず。試合が終わった。

 

  

中日は広島に勝てなかったわけだが、追い詰めはした。負けは負けだが簡単に負けなかったのはよいと思う。近年マツダスタジアムでコテンパンにやられた巨人が敵地で広島に勝ち越し。中日はナゴヤドーム初戦で広島に勝ち、きょうの2戦目もあと一歩のところまで追い詰めた。ことしはカープの独走がないかもしれない、というムードが出ている感はある。

  

中日ドラゴンズファンブック2019

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そういう意味ではこの日の中日は同点にするだけでも価値があったのかもしれない。ことしの中日は食らいつくんだぞという意思表示である。そのために、まずは同点。同点にするための最善策としてビシエドに代走を送ったのは理路整然としている。負けないための最善策といってもよい。

  

DRAGONS ぴあ 2019 (ぴあMOOK)

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勝負事は勝てれば一番いい。だが同時に負けない、というのも大事だ。勝てなくても負けなければそこまでダメージは負わずに済む。じゃあ負けないためにはどうしたらいいのかというと、それはその時の最善を尽くすことではなかろうか。

  

 

もちろんいつもいつもうまくいくとは限らないのだが、最善を尽くしさえしていれば、うまくいかなくてもあきらめがつく。今夜は高橋周平の打球が野手の正面にいってしまったのだが、それは結果論。見かけ上は中日が負けたのだけれど、紙一重という印象は残った。鈴木誠也に一発を喫したことに対して残念がる声は多かろうが、追い上げに関して文句をいうドラゴンズファンは少なかったのではないか。

  

MIZUNO(ミズノ) 野球 中日ドラゴンズ レプリカキャップ 2019 ホーム サイズ:L 12JRBD06 L

MIZUNO(ミズノ) 野球 中日ドラゴンズ レプリカキャップ 2019 ホーム サイズ:L 12JRBD06 L

 

  

周りに対して言い訳をするためではなく、自分を納得させるためにも最善を尽くしたいものだ。浮上するためにはやれることをとにかくやる。それに尽きると思う。

 

 

なお、今夜は勝てなかったもののソフトバンクは開幕後の5戦終わって4勝1分けと負けなし。柳田悠岐今宮健太のバッティングが好調と映るだろうが、よくよく見ているときっちり送りバントや継投がはまっている。やれることをコツコツやっている。そう、負けないチームには理由があるのである。

好きなことに熱中できる幸せ~ソフトバンクホークスとオンラインゲーム

新年度初日は新元号発表に伴う号外配り。まさか2日目もイレギュラーなことが起きるとは。会社が発行する新聞にオンラインゲームの全面広告が掲載され、この日の新聞を手に入れたい方からの問い合わせが殺到した。実に5時間半、受話器が手放せなくなった。

 

 

お客さまにしてみれば「なんでこんなにつながらないの?」と思われたかもしれない。だが私たちはもう必死のパッチ。部署の電話は着信を示すボタンが軒並み真っ赤に点灯。おひとり対応し終わり受話器を置くや否や着信音が鳴る。出る。その繰り返し。お待たせしたこと、すべてのリクエストにお応えできなかったことは大変心苦しいのだが、やれることはやりました。

 

 

そんな中、ちょっとほっこりさせられたのが感謝の言葉。「お忙しいところ、ありがとうございました」。電話を切る間際、なんと、お客さまからお礼が。なんて丁寧な方だろう。いや、この方ばかりではなかった。このオンラインゲームのファンの方々は電話の受け答えがとても丁寧だった。

 

 

ゲーム界隈にはほんとうに疎くて恐縮なのだが、正直に言うとゲームに熱中する方々は「少々とんがっている」と偏見を持っていた。いやいや、実に丁寧な方ばかり。それはほしかった新聞が手に入った安堵感、安心感から醸し出された余裕だったのかもしれないが、姿かたちが見えない電話からでも人柄が伝わってきた。

 

 

そんな方々との通話でもれ聞こえたノイズ。そこまでクリアに聞こえたわけではないが、風が吹く音だったり、周りの人の声だったり。一日の中の、すき間時間をぬって電話してくださったようだ。きっとオンラインゲームをやる時間もそんな感じで、一日を形成するピースなのだろう。それは紛れもなく、その人には欠かせないピース。好きなことに費やせる時間って本当に貴重だな、と思う。

 

 

私はオンラインゲームをたしなまないけれど、きょうのゲームファンの方々のようにどうしても手に入れたいものを手に入れようとしたり、好きなことに熱中する、没頭する楽しさは分かる。私にとってのそれは野球観戦であり、ブログ執筆だ。

 

帰宅の道中、電話応対で枯れ気味ののどを気にしながら、カーラジオのダイヤルを無理やり九州方面のラジオに合わせる。ソフトバンクオリックスが中継されていた。すぐにソフトバンクがチャンスをつくり、柳田悠岐が打席に立った。「うわ、また打った!」。ギータ早くも今季3号。ラジオだから見えないのだが、大きなストライドでダイヤモンドを一周する柳田の姿が浮かんできた。

 

 

 

 

帰宅後は食事をしながらDAZNで追いかけ再生。ラジオで聞いたセカンド牧原大成のファインプレーのあたりから見た。確かにこれが抜けていたら今夜のオリックス戦は難儀したことだろう。なんて振り返られるのはDAZNという有料サービスに入ったからである。そう、楽しみにはそれなりに投資が必要だ。きょうオンラインゲームの全面広告が掲載された新聞を申し込まれたお客さまと、値段は違えどやっていることは同じである。

 

 

みんな毎日忙しい。好きなことばかりやるのは難しい。そんな中で、好きなことをやるのはアクセントであり、リズムでもある。癒しでもある。好きなことがある、好きなことに熱中できるのは幸せだ、ときょうはつくづく思った。きょうもまたソフトバンクが勝った。ソフトバンクファンはそれが明日への活力になっている。もちろん、裏を返せば負けたらエネルギーを吸い取られる。2018年、メットライフドームでの西武との天王山でまさかの3連敗を喫した時は本当に心が折れたのだが、その時、ああ、自分はこんなにこのチームのことが好きなんだなと再認識した。ファンとはそういうものである。

 

 

きょう新聞を申し込まれて近日中に手に入れられた方は、その新聞に載ったオンラインゲームの広告を見てまたそのゲームに愛着がわくことだろう。購入の目的は新聞広告だったかもしれないけれど、もしたまたま別のページを見かけて私たちの住む地域に興味を持っていただけたら、私はとてもうれしい。今後このオンラインゲームと私たちの地域がどのように絡むのかは見当もつかないのだが、ぜひいつか「リアル」な場も楽しんでいただければと思っている。

イチローの至言「人は迷惑をかけずには生きていけない」~ 令和で咲かそうそれぞれの花

NHKの「イチロー 最後の闘い」を見た。Twitterで話題になっていたようだが、私もこのくだりにグッときた。人は迷惑をかけずには生きていけない論。迷惑をかけずには生きていけない。だから自分ができる形で返していくんだ、という。

深い。


私なんかもう、迷惑かけまくり。かけ倒し。別にイチローの言葉を免罪符にするつもりはないのだが、イチローに背中を押してもらったような気分だった。迷惑をかけずには生きていけないのだ、と。


でも、だからこそ自分ができること、やれる形でお返しをしていくのだと言っていた。実際、それしかできないのだけれど、それでいいのならすごくホッとする。イチローで言えばヒットを打つこと。イチローは自分のためにヒットを打っているとばかり思っていたが、そればかりでもなかったようだ。


きょう、新元号が発表された。私は昼間、同僚と号外を配った。そして帰宅して真っ暗な玄関で思った。イチローは平成と共に引退したんだな、と。平成でスターになり、平成が終わるキワキワまでずーっと第一線にいたんだな、と。それってものすごいことだ。


元号に込められた意味。「一人一人の日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたい」(安倍首相)という。令和という元号がまだおろしたてのシャツみたいに肌になじんではいないのだが、この「それぞれの花」という言葉がすごくいいなあと思った。私は別に安倍首相の熱烈な支持者でもなんでもないのだが。


一人一人が花であるなら、小さい花も大きな好きな花もある。近年はLGBTもちょこちょこ、大切にとらえられているし、花の咲き方はだいぶいろんなパターンが容認されている印象だ。

とはいえ、まだまだ「べき」論を言う人はいる。頭が昭和の人がまだいるのだ。もう平成すら終わろうとしているのに。ある意味、昭和最強。だてに64年も続かなかったよねと言いたくもなる。だがぼちぼち昭和の思考には引退願いたい。令和は一人一人を肯定する時代になってほしい、とつくづく思う。


咲き方は千差万別。こんな咲き方したら邪魔になるかな、と想像力を働かせるのは優しさでもあるが、あまり自分を追い込まないようにもしたい。イチローが言うようにそもそも人は迷惑をかけずには生きていけない。だからこそ自分のできること、やれる形で返していく。

まさに至言。
引退してなお人々の心をわしづかみにする男。イチローは本当にすごい人だ。

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結果は早めに出すほどよい~ソフトバンク開幕カードで高橋礼プロ初勝利、甲斐野と奥村は初ホールド

開幕カードから西武との3連戦。浅村栄斗が抜けたとはいえ強力な西武打線をソフトバンク投手陣がどう封じるかが見ものだったが、終わってみればソフトバンク3連勝。山川穂高中村剛也にホームランを喫したものの、第2戦も3戦も柳田悠岐が逆転ホームランを放って若い投手陣を援護した。

 

 

柳田悠岐のホームランは試合を決めたという意味でも大きいが、もう一つ意味がある。それは後輩たちに勝ち星を付けたことだ。第2戦のミランダは負け投手を免れるどころか勝ち星が転がり込み、第3戦の高橋礼にはプロ初勝利をプレゼントすることになった。

 

 

 

 

この2人は2019年、シーズンを通してローテーションを守ることに初めて挑戦する。先日下の記事でも書いたがソフトバンク投手陣は若返っている。攝津正、五十嵐亮太寺原隼人も好きだったが若い投手陣もこれからの人材だから応援のしがいがある。

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経験がない人にとって、一番自信になるのは結果を残すことだ。できれば目に見える形で。だからミランダにも高橋礼にも、2019年の「1勝目」が早速記録されることに意味があるのだ。1勝しただけで安心してもらっては困るのだが、 まずは自信を付けてもらいたい。そうすればマウンドでも落ち着きが出てくるのではないかと思う。

 

 

その意味ではこの3連戦、ソフトバンク投手陣はまずまずの結果が出た。開幕投手の千賀滉大には勝ち星が付かなかったが無失点で試合を作ったし、新人の奥村政稔と甲斐野央はそれぞれ初ホールドを記録。特に甲斐野はデビュー戦の2イニングで5奪三振。この3連戦の中で2019年ホームラン王の山川穂高から三振を奪ったのは自信になったのではないか。

 

 

プロ野球のルーキーはいわゆる新社会人。新社会人の中には即戦力の人も、あせらず地力を付けろと言われている人もいるだろう。しかし結果は早めに出すにこしたことはない。いちいち周りにアピールする必要はないのだが、アラフォーの私は知っている。いつか、いつかと言っているうちに年月はアッという間に経ってしまうということを。

 

 

一般の社会人よりもプロ野球選手のほうが厳しい。結果が出なければクビになるからだ。近年はドラフトでいくら上位になっても、結果を出すまでの猶予が以前ほどもらえなくなっている気がする。何ごとも過程より結果を重視される風潮がプロ野球の世界にも影響しているのだろうか。

 

 

期待されない新人なんていない(いたら本人も周りも問題大アリだ)。であるからこそ、能力を早速発揮して結果を出すにこしたことはない。もちろん最初からうまくいくばかりではない。下の記事にも書いたが、広島で先発と抑えの両方において結果を残した大野豊はルーキーイヤーの防御率がなんと135.00。あまりのふがいなさに、大野は寮に戻る道で涙を流したくらいだ。

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最初からうまくいかなくとも、大野豊のように努力で成功をつかむ人はいる。だからすぐに結果が出なくても絶望することはない。だが、結果を早めに出す方が戦力外になるリスクは小さくなる。それは間違いない。そして評価も早くしてもらえる。プロ野球選手の場合は年俸にもはね返ってくる。いきなりお金目当てでがっついてくる新人選手もいないだろうが、プロ野球は実力の世界だから1年目からどんどん差がつくはずだ。

 

 

それにしてもプロ初勝利の高橋礼はウイニングボールを手にしてキラキラの笑顔だった。「ここでギータさんが打ってくれたら、勝ち投手になれるんじゃないかと思って、願ってみてたらいきなり決めてくれたんで、かっこいいなと思いました」。うん、素直でよろしい。ヤフオクのお客さんも笑っていた。素直が一番。若手は若手らしく、さわやかに自信と実績を積み上げていってもらいたい。アラフォーの私も負けずに頑張ろう。

なりたい自分をイメージする~手品バーのトリックと柳田悠岐の逆転満塁ホームランに受けた衝撃

プロ野球開幕の夜、私は職場の歓送迎会だった。スマホ全盛の今時、リアルタイムで結果が分からないようにすることのほうが難しい。せめてスポーツニュースを見ることで、結果をその時に知るようにしたかった。しかし二次会がばらけた時に先輩があっさり言った。「ソフトバンク勝ったぞ」。ま、いっか。しかし先輩はこうも言った「山賊(西武)つええな」

 

福岡ソフトバンクホークス2018シーズンDVD ホークス熱戦の記録

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は? ソフトバンクが勝ったんじゃないの? ま、いっか。それをニュースで見ればいいのだから。しかし職場軍団は若干ばらけつつも三次会に突入。日付をまたいでしまったためついに開幕日のスポーツニュースを見ることはなかった。

 

 

その代わり、私はとんでもないものを見た。といってもいかがわしいものではなく、マジック。三次会が手品バーだったのだ。アラフォーにして初体験。どうせテキトーにして客から金を巻き上げるのだろうと偏見満載で店に合流した。別にそのお店がというよりも、私はマジックというものをナナメからみてしまうタチ。自分で言うのもなんだが、面白みのない人間である。

 

 

それを私は大いに反省することになる。先輩が選んでテキトーなマークを書いたカードが一瞬にして私の手元に置かれていたり。私が選んだフォークが先輩のにぎったこぶしの中でどんどんあられもない姿になったり。あんまり書きすぎるとネタバレになるので自重するが、私のマジックに対する偏見は面白いように覆されていった。

 

 

そして男気上司が代表してお勘定をしたのだが、みんなを楽しませたマジシャン店長をうろたえさせることが起きた。男気上司が「つりはいらない。代わりにおまけのマジックを」とリクエストしたのだった。マジシャン店長は正直に「マジシャンってアドリブに弱いんすよ…」と苦笑しながら「えっとえっと…」とトランプの箱を物色。そしてそのうちの一つをわれわれの目の前に置いた。

 

 

そしてカードを出すことなく、トランプをもっている「てい」でカードをきるしぐさをした。そして「お客さんもきってください」と先輩に透明のトランプを渡した。先輩は首をかしげながらもカードをきるしぐさをし、マジシャン店長に返した。いったい何をしているのか分からない。そして男気上司には「数字をイメージして」、先輩には「マークをイメージして」とリクエストした。

 

 

では、とマジシャン店長が置いてあったトランプの箱を持った。これ、ずっと皆さんの目の前にありましたよね?と。そして男気上司に問うた。イメージした数字は? 「キング」。さすが男気上司。王様である。次は先輩が問われた。イメージしたマークは? 「スペード」。それを聞いたマジシャン店長は箱からトランプを取り出して扇形に広げた。すると一枚だけカードがひっくり返っている。まさか。

ひっくり返すとスペードのキングが現れた…。

 

 

からくりはまったく分からなかった。しかしイメージしたものが形になるというのが心に残った。イメージするのは大事だな。その思いを強くしたのはマジックに心を奪われた約14時間後、開幕第2戦で柳田悠岐の逆転満塁ホームランを見たからだった。2-4と劣勢に立たされる中でギータが打席に入る時、ソフトバンクファンは思ったはずだ。「ここで一発出れば逆転だ。打てギータ!」。私もそう願った。そして西武の今井達也が投じた初球をギータは力強く引っぱたき、打球はライトスタンドに突き刺さった。

 

 

 

いやいや、イメージしたものが形になるのはこんなに気持ちがいいものか。もちろん結果ができすぎなのも分かっている。しかしこうも思った。自分はいつも「物事はそんなに甘くない。いつもいつもうまくいくはずがない」と思い込んでいないか?と。いいイメージをする前に、うまくいかなかった時の備えをしてしまっている。だから「大けが」はしないけれども「大成功」もしていない。典型的なミドルリスクミドルリターン人生である。

 

 

性格的にハイリスクハイリターンが向いていないことも分かっている。だから今後も無理しようとは思わない。だけれども、せめて「なりたい自分」くらいはもっとリアルに思い描くようにしようかと思う。思うだけならリスクはないからだ。これができるようになりたい。こう見られたい。こう評価されたい。そう、前向きに自分の未来をイメージするのだ。

 

ひょっとしたらスペードのキングが現れるかもしれないじゃないか。

 

 

 

思い返せば、私の周りにいる仕事ができる人は明確な目標やビジョンを持っていた(持っている)印象だ。編集職場にいた時もそうだ。紙面のレイアウトをする時、美しい紙面を作ることで知られていた先輩が「絶対こうする」と自分に言い聞かせていたのを見たことがある。そう、明確なビジョンとは信念だ。私はそのあたり、努力する余地がある。

 

 

何やら浮かれたようなことを書いているような気もするが、私はまだ手品バーでかけられた魔法がとけていないのか? だとしても、まあいい。しばらくは魔法にかけられている「てい」で、強気で「なりたい自分」をイメージしてみよう。今までできなかったことが少しだけ、できるようになるかもしれないから。

もうすぐ新年度。皆さんも一緒に「なりたい自分」をちょっと強めに意識してみませんか?

 

グラウンドの借りはグラウンドで返す~習志野戦、サイン盗みとの星稜抗議に感じた違和感

「グラウンドの恥はグラウンドでそそぐ」
かつて巨人を率いた水原茂監督が残した言葉だ。昨日読んだ「三原脩の昭和三十五年」(富永俊治著)で見つけた。悔しい気持ちはそれを味わった所でこそ晴らすべき。そんな気概が伝わってくる。昨日センバツ習志野に敗れた星稜の林監督は、水原監督のような心境にはなれなかったのか。



4回の習志野の攻撃中、林監督がセカンドランナーの動きを不審に思った。その指摘を受けて審判団が協議したが試合はすぐ続行された。林監督は習志野が1回戦からサイン盗みをしていたという心証を抱いていた。というか、映像があるような発言も試合後にしていた。


それはあろうことか、試合後の習志野控え室で、だった。0-3で敗れた林監督は習志野の控え室を2度も訪れた。「フェアじゃない」。その一心だったと推測する。もっと言えば林監督は石川県民&星稜関係者の期待を一身に背負う立場。林監督なりの精一杯の誠実な対応だったのかもしれない。だがはっきり言ってやりすぎだ。


星稜にしてみれば同世代最強、プロ注目の豪腕・奥川恭伸を擁して、今度こそ全国制覇をと意気込んでいたことだろう。それがまさかの3失点。打線は習志野の継投を前に1得点に封じられた。


だが試合後の騒動に関してネットニュースのコメントでは星稜をかばうものは少数派だった。習志野の得点が、奥川の投球に食らいついたタイムリーだったり、力負けしないホームランだったことが影響していると見た。サイン盗み疑惑の前に、星稜は力負けした、と見られていたのではないか。


私も4回の習志野の攻撃を見返してみた。セカンドランナーを常時映しているわけではないため、具体的に怪しい動きは分からなかった。なお、大会規則ではランナーがキャッチャーのサインを見て球種やコースをバッターにつたえることは禁止されている。


もちろんサイン盗みはフェアじゃない。日頃培った技術と精神力でしのぎを削ってもらいたい。野球は頭のスポーツでもあるから相手より何とか上回ろうと策をめぐらすこともある。でもやっぱりフェアプレーでなければだめだ。


今回の件に関して習志野OBの掛布雅之がTHE PAGE記事の中でコメントしているが、本当にこれに尽きる。少し長くなるが、引用させていただく。

「私自身が、プロ時代も、そういう野球を否定してきました。野球への敬意がない行為であり、自分自身の努力を台無しにする行為なのです。大原則として高校野球は、教育の場であり、何をしても勝てばいい、というものではなく、野球を通じて人としてのあり方、生き方を学ぶものです。サイン盗みはやってはいけない野球です。フェアプレーの精神、モラル、そして、そもそもなぜ野球をするのか、という理念を常に監督は選手に説き徹底しておかねばならないでしょう」


いかがだろうか。習志野をどうこう言う意味ではなく、サイン盗みはつまらない行為だ。一方、星稜からの抗議は別の形でやってもらいたかった。私が購読している新聞のスポーツ面には星稜の抗議が掲載され、奥川のサイド記事も写真も載っていなかった。たまたまかもしれないが、それだけでもすごく残念だ。


別に星稜の負けを恥だなんて言わないが、グラウンドの借りはグラウンドで返す。それが王道だ。あの習志野戦で負けたからこそ、と夏に一回りスケールアップして、星稜ナインにはまた甲子園に戻ってきてもらいたい。

超二流はここぞという時に何とかする~昭和35年大洋日本一のMVP近藤昭仁氏をしのんで

近藤昭仁氏が亡くなった。これに反応するのはなかなかのオールドファンかもしれない。しかし近藤昭仁の生き様、特に選手時代のプレースタイルはビジネスマンにもよいお手本になると思うので、ざっくり振り返ってみたい。



本日のテキストは富永俊治氏の「三原脩の昭和三十五年 『超二流』たちがはなったいちど限りの閃光」。三原率いる大洋ホエールズが奇跡の日本一を果たした1年を丹念に追ったノンフィクションだ。著者の富永氏は産経新聞の記者だった。三原脩の統率力&超二流たちの奮闘を描いており、ビジネスマンにはおすすめの痛快作だ。

近藤昭仁はその超二流の筆頭、代表格だ。新人ながら大洋のスタメンに抜てきされたのだが、当初は全く期待されていなかった。しかし同僚のセカンドも泣かず飛ばず。近藤昭仁は入れ替わる形で1軍に定着することになった。


セカンドはショートとのコンビネーションが大事だが、ペアを組んだのは近鉄からシーズン途中で移籍してきた鈴木武盗塁王にも輝いた実績の持ち主だが近鉄では巨人から招聘された猛牛・千葉茂監督とそりが合わなかった。干されていた鈴木武に目をつけた三原監督は獲得を申し入れ、ショートに固定した。

球際に強く、いぶし銀のバッティングをする鈴木武をお手本に近藤昭仁も勝負強さを発揮。トップバッターながら打点は40。下位が作ったチャンスをよくものにしたという。


規定打席に到達したのは天秤打法近藤和彦、中軸を務めた桑田武近藤昭仁の3人だけだったが、近藤昭仁は389打数88安打に過ぎなかった。打率は何と.226。一体何がすごいのか。


それはズバリ勝負強さ。この年近藤昭仁はホームランをたった4本しか打っていないのだが例えば6月1日に巨人を1-0で下した際の一発はプロ入り2本目だった。この日はチームメイトの鈴木隆が8者連続奪三振を記録した日でもあった。


大洋は8月23日からの中日戦で相次いでアクシデントに見舞われた。23日は五番のロングヒッター黒木基康が守備で転倒し鎖骨骨折。24日は桑田武死球で病院行きになった。何とか1勝1敗で向かえた25日の3戦目はホームランを1本も打っていない鈴木武を五番に据える苦しい新打線だった。ここで近藤昭仁はサヨナラ二塁打を放って2勝1敗で乗りきった。


近藤昭仁は大毎との日本シリーズでMVPに輝いたのだがシリーズではたった3安打だった。しかしそれは価値があった。第3戦ではサヨナラホームラン。下馬評を覆し大洋まさかの3連勝で迎えた第4戦では均衡を破るタイムリーを放ち、大洋がそのまま1-0で逃げきってしまった。


「成績そのものは15打数3安打2打点で、打率わずかの2割。たった3安打でシリーズMVPに輝くのは、異例中の異例である。だが、その2打点こそが近藤昭仁の真骨頂だった」(「三原脩の昭和三十五年」より)


そう、数ではない。インパクトである。ここぞという時に結果を残すのも、ビジネスマンが目指すべき姿の一つだ。近藤昭仁は体力がない自覚があった。だからこそ、いつもいつも目一杯やっていたらもたないのでここぞという時に「よーし、何とかしよう」と奮起した。それは技術以前の問題だったという。


ちなみに近藤昭仁が新聞の見出しになるような活躍をしたかったのには、別に大きな理由があった。好きな人がいたのだ。新東宝の看板女優、北沢典子。野球のことがまったく分からない彼女にアピールするために考えてたどり着いたのが、新聞に載るように活躍することことだったのである。ちなみに二人はめでたくゴールイン。恋愛面でも近藤昭仁は勝負強さ発揮した、というのが近藤昭仁を語る上で欠かせないエキスである。


いやはや、恋の力はすごい。男ってバカだなぁ、なんて言ってはいけません。好きな人のためならいろんなことができてしまうのです。それを三原監督ばりに上手に操るのが素敵な女性というものではありませんか?
魔術師―三原脩と西鉄ライオンズ

魔術師―三原脩と西鉄ライオンズ



「一人前というには力不足で『0.7』の実力しかない選手でも、それを二つ足せば『1.4』になって『1』の選手を上回る。つまり、選手個々の長所を適材適所で臨機応変につなぎ合わせたなら、一人の一流プレーヤーを上回る戦力になるというのが三原の考えである」(「三原脩の昭和三十五年」より)


超二流の代表選手が無類の勝負強さを発揮した近藤昭仁であり、このシーズンの大洋は超二流選手の宝庫だった、と富永俊治氏はまとめている。

一流になれればそれにこしたことはないが、そうでなくとも戦力にはなれる。何だか前向きになれるまとめだった。まもなく新年度。新たな気持ちで突入したいと思う。黒柴スポーツ新聞読者の皆さん、2019年度も一緒に前向きにやっていきましょう。

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ソフトバンク開幕ローテ全員平成生まれ~若き先発投手陣に期待

ソフトバンクの主な先発要員が決まったという。開幕投手の千賀、東浜巨武田翔太、高橋礼、大竹そしてミランダ。西日本スポーツによればこの陣容は「平成シックス」という。全員平成生まれなのだそうだ。


何やらHey!Say!JUMPとV6の合体みたいな名前だが、最年長はミランダ。元号が平成になりたての1989年1月10日生まれで30歳だ。ということでほかの日本人投手5人は20代の若き面々だ。。

昨年来、けが人続出のホークス。2019年は特に中村晃の離脱が痛い。1人ではなく2人分の穴が開くイメージだろう。中村晃は地道に結果を出してきた。そういう人は、いなくなって初めて存在感が出てくる。とはいえ中村晃はまずは自分の体調を整えてもらいたい。
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ここにきて上林も背中の張りを訴えた。長引かなければよいが、軸になってほしい選手なだけにできれば早めに復帰してもらいたい。


そんなわけで先発投手陣が全員平成生まれというのは、そこそこ長期的に投手陣をできるのかなとちょっと期待感を持ってしまった。


とはいえ抑えの一角のサファテが不調。働きまくった加治屋や岩嵜はダメージが取れないままなのか本調子ではない。奥村や甲斐野というフレッシュな顔ぶれも奮闘しているが頼みの綱は森唯斗ひとりのような気もする。

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いや、だからこそ平成シックスがしっかりしないといけない。かつて西武が黄金時代を築いたころは小学生でも日本シリーズの先発予想があっさりできたものだ。投手の分業制が確立されて先発の柱が年々細くなってきたように見えるのは気のせいだろうか。



平成シックスの面々は一人一人見ると面白い。千賀はエースとしての地固めをする大事な年。東浜は千賀に開幕投手の座を譲ったものの張り合ってもらわないと困る存在。高橋礼と大竹は昨シーズン後半から地道に結果を出した結果ローテーション入りを果たした。ミランダは先発として結果を残さないと外国人枠の兼ね合いで1軍に残れない。武田翔太は好不調の波が激しすぎるからとにかく粘るしかない。
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活発な打線がチームを引っ張ってきた印象もあるが特に昨シーズンは継投で乗りきった。ただし中継ぎの相次ぐ故障を突きつけられると先発陣の安定が昨シーズン以上に求められる。



最後に一つ、楽しみにしていることがある。ことしもオリックスとの企画で2019年5月28日(火)から30日(木)に京セラドームで行われる試合は復刻ユニホームを着用する。今回のホークスは1970~71年シーズンのモデルだ。

写真で見たがグレーの生地がなかなかシック。チームカラーの緑でNANKAIと胸に刻まれている。モデルは上林と千賀が務めたがなかなか似合っていた。

果たして平成シックスのうち誰がこの3連戦の先発を務めるのか。バリバリの昭和の野球をやっていたころのユニホームを平成生まれのピッチャーが着こなすところがたまらない。高橋礼とか大竹は似合いそうに思うがいかがだろうか。この企画も含め、2019年は平成シックスの奮投に期待したい。


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