黒柴スポーツ新聞

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カバーし合えるチームは強い~自律神経失調症の中村晃の穴はみんなで埋めよう

イチローの「第一線を退く」速報にはアッと声が出たが、きょうのプッシュ通知にもエッ!と声が出た。中村晃自律神経失調症。療養に専念するという。脇腹を傷めたという記事は見ていたが、内面的なしんどさも抱えていたのか。

昨今、プロ野球選手の病がクローズアップされている。日本ハムオリックスでプレーした小谷野栄一パニック障害。打席に立つことさえ困難だった。ロッテの永野将司は広場恐怖症。新幹線や飛行機といった閉ざされた空間に長時間いると、心身に支障をきたすという。
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中村晃のニュースを見て、あらためて自律神経失調症はどんなしんどさがあるのか、調べてみた。日本臨床内科医会の資料を参考にさせてもらった。
【症状】
倦怠感、疲労感、熱っぽい、しびれ、息切れ、動悸、めまい、頭重・頭痛、眠れない、寝汗、食欲不振、胃痛、悪心、肩こり、背痛、腰痛、腹痛、下痢、便秘、腹部不快感

どの症状になってもつらそうだ。


直接的な原因は特定できないが、間接的にはストレスや生活習慣の乱れが影響するという。生活習慣の乱れ、なんていうと自堕落な生活をしてるんじゃないのかと思う人がいるかもしれない。だが、例えば夜勤やら休みが取れない働き方もある。不規則な生活をしたくてしている人も、いないだろう。


ストレスは特に気を付けたい。適度に緊張感がある生活はよいのだが、社会に出ればプレッシャーがかかる場面も多々ある。いや、今やSNSが生活に浸透しているから学生時代から人間関係には必要以上に敏感かもしれない。


説明が前後するが、自律神経は無意識の中でも何も、体をベストな状態に保とうとしてくれているという。それがうまく機能しない。だから上記のような症状が出てしまう。中村晃自律神経失調症だと診断されたのだから、専門的なフォローがすでに始まっていることと思う。まずは自分の体調最優先に過ごしてもらいたい。



中村晃と言えば思い出す。2017年10月20日楽天とのクライマックスシリーズ第3戦。中村晃は泣いていた。決勝ホームランを放ち、レフトの守備位置でファンからの大声援を浴びて、中村晃は泣いていた。


というのも、中村晃クライマックスシリーズのいいところで打てておらず、挙げ句の果てに前日はまさかの送りバント失敗。自分を追い込んだ中村晃は周りがみんな「敵」に思えていたという。


それを解きほぐしたあのヤフオクドームの大歓声。いま確認のためYouTubeで当時の映像を見て私も涙が出てきた。ホークスファンにはたまらない名場面である。


例のバント失敗の場面、ベンチにいた川島慶三はすぐネクストバッターの方を見て「カバーせい!」と思っていたという。それができるのがホークスで、だからこその強さなんだと。
いまホークスファンができるのは中村晃が元気になるのを待つことだと思う。ナインはカバーすることだと思う。ファンとしては1日でも早く復帰してほしいと願ってしまう。何せ中村晃はスタメン定着後コンスタントに結果を出してチームに貢献してきた人。内外野こなせて、日本シリーズなどここ一番で記憶に残るホームランを放ってきた勝負強さも光る。でも、まずは体が一番だ。

世の中の人も同じだ。体調を崩しても、責任感の強い人ほど我慢してしまう。自分を犠牲にしてしまう。それは美談になるかもしれないが、ずっと無理をしていたらいつかつぶれてしまう。結局、自分は自分で守るしかない。


またバリバリやってもらうためにも中村晃にはゆっくり休んでもらって、パワーを貯めておいてもらおう。中村晃の勝負強さを必要とする時は必ずくる。その時はまた大声援が送られるはずだ。結果を出してまた大歓声を浴びて、また守備位置で感涙にむせんでもらいたい。

中村晃の抜けた穴は相当大きいが、若手が台頭するのか長谷川や福田秀平らが埋めるのか。いずれにせよ中村の分まで奮起してもらいたい。川島慶三が言っていたように、みんなでカバーして勝てるのがホークスの強さなのだから。


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