黒柴スポーツ新聞

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遠回りから出会う本当の自分~「読んでも」カッコいいイチロー引退会見より

「遠回りすることでしか、本当の自分に出会えないというか、そんな気がしている」
イチローがこんなことを言うとは意外だった。走攻守、何でもできるイチローは遠回りから最も縁遠く、目標やゴールに最短コースで到達する印象を持っていたからだ。

イチローの流儀 (新潮文庫)

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もしかしたら、引退会見だからこそ出てきた感慨かもしれない。そして、昨年事実上の戦力外扱いを受けた経験が言わせたのかもしれない。実際、近年のイチローを振り返ると遠回りという言葉がぴったりだ。

そうしてたどり着いたのがあの笑顔だったことにホッとする。


私は今でも遠回りが好きではない。人生にムダは「ある」と思うタイプだ。同じ成果を得られるなら、短期間で、コストも少ない方がいいと考えている。そして何より、遠回りすることが怖い。自分はどんどん後れをとってしまうのではないか、と。遠回りは余裕のある人がして、だからこそ消化できるのではないか、と。

「少しずつの積み重ねが、それでしか自分を越えていけないと思うんですよね。一気に高みに行こうとすると、今の自分の状態とギャップがありすぎて、それは続けられないと僕は考えているので、地道に進むしかない」


「進むだけではないですね。後退もしながら、ある時は後退しかしない時期もあると思うので。でも、自分がやると決めたことを信じてやっていく」


「でもそれは正解とは限らないですよね。間違ったことを続けてしまっていることもあるんですけど、でもそうやって遠回りすることでしか、本当の自分に出会えないというか、そんな気がしているので」
(イチローの発言はすべてfull-countイチロー会見ノーカット記事からの引用)



そうか、遠回りの中でも何もしないわけではないんだ。不遇で、思うように進めない時期だとしても、自分がやると決めたことを信じてやっていく。結局、そうやってもがくことで一皮むけるということではないかなと、今は受け止めている。

遠回りするのを恐れてしまうのは、変にプライドが邪魔しているのかもしれない。現状を受け入れたくないと頑なに思ってしまっている自覚もないわけではない。イチローが言うように今は後退しかしない時期なのかもしれないし、今している努力のベクトルがまったく意味をなしていないかもしれない。

それでもイチローみたいに本当の自分にたどり着くためには、自分がやると決めたことを信じてやっていくしかなさそうだ。このブログも本当の自分になるための大事なツール。毎日更新の目標や書き方が適切なのかは分からないけれど、やれる限り楽しみながらやっていこう。
これからもよろしくお願いいたします。


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