黒柴スポーツ新聞

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目の前のことに一生懸命になれる人はこの先もやっていける~若さが裏目の西村オリックス。開幕直後から正念場

開幕から5試合が経過。西村徳文監督はオリックスの指揮官になってまだ未勝利である。しばらく見ないうちにえらく若返ったオリックス。だが今のところその若さが裏目に出てしまっている。4月4日のソフトバンク戦を見てそう思った。


延長に入ってからだったか、福田周平がセカンド後方に落下するポテンヒットを打った。行けると思ったのだろう、福田は二塁をうかがったがライト上林からの送球で刺された。ノーアウト二塁のチャンスが一死ランナーなしに。ソフトバンクはもうけものだった。

この日は山本由伸があわやノーヒットノーランの快投。だがオリックスがお付き合いしてくれた、というか次々に転んでくれてソフトバンクは引き分けで済んだ。センターフライでセカンドランナーが飛び出して帰塁できなかったり、チャンスでランナーを送れなかったり。

吉田正尚の不振も深刻だ。5試合終えてまだ1安打。元気がない。9回だったか延長だったか、とにかく一発撃てばサヨナラだったのだが、モイネロの変化球にあえなく見逃し三振。ダグアウトに引き揚げた吉田は今にも泣きそうな表情にも見えた。

まさに帆柱を失った船のようなオリックス。船長である西村徳文監督は作戦を立てる以前の問題で、ちょっとかわいそうだ。だが若い船乗りたちはもがくしかない。そしてそのワンプレー、ワンプレーの意味をかみしめながら成長するしかないように思う。
和のちから

和のちから



さて、私の職場は先日ちょっとした特需にわいた。とはいえほぼ半日にわたるお客様からの電話対応で少々疲れもしたが、丁寧に対応したかいがありネット界隈ではお褒めの言葉もいただいたようだ。これについてある人が言った。「本当にみんな一生懸命やってくれた。一つのことを一生懸命できる人は、これからつらいことがあってもきっと乗りきれる」と。


そうかもしれない。手を抜いたらその瞬間、あっという間に流されるだろう。逆に踏ん張れたら、何とかできるかもしれない。だからこそもがくことには意味がある。


京セラドームの応援風景を見ていたらちょっと感動する。自己主張をあまりしなさそうなお兄さんたち、というのが筆者が持つオリックスファンの印象なのだがちらっと映るファンはそれはもう一生懸命応援している。選手にしたらありがたい存在だ。これだけでもオリックスの選手が頑張る理由になる。

ソフトバンクのレギュラー陣のようにしたたかさを持つにはまだまだ年月がかかりそうだが、強くなるには決めるべき送りバントを決め、抑えるべき人がきっちり抑える。そのために一生懸命になれる人は、たぶんこの先も何とかやっていけるような気がする。

オリックスの若手が悪いわけじゃない。このチームに大引啓次坂口智隆伊藤光、金子千尋西勇輝がいたらどうだったかな、と思う。もちろん結果論。先輩たちが抜けたから若手が育っているともいえる。だが世代交代は上手に緩やかにやらないと下が上手に育たず迷走する。それはオリックスが証明してしまっている。人事を長期的に考えるべきなのはこのあたりだ。
伊藤光メッセージBOOK クールに熱く

伊藤光メッセージBOOK クールに熱く



西村徳文監督は育てながら勝つ野球ができるだろうか。西村徳文監督自身もまた選手の起用に一生懸命なことだろう。選手は選手で必死のパッチでやるしかない。勝ち続けるまでは相当追い込まれるだろうが、いま日々のプレーを一生懸命やれる選手は耐えた先にきっとごほうびがある。選手一人一人を見ればなかなか面白いキャラが集まっているオリックス。いま、我慢のしどころである。


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