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黒柴スポーツ新聞

現役記者が野球を中心に、心に残るワンシーンやプレーヤーについて綴ります。

守りから始まる攻撃もある~センバツ履正社エース竹田がまたも逆転劇演出

3月31日の2017年センバツ決勝は史上初の大阪勢対決が決まった。準決勝の履正社報徳学園、続く大阪桐蔭秀岳館をテレビ観戦した。

 履正社は安田尚憲のホームランで先制するなど序盤押したが3回に報徳学園が早くも投手リレー。1アウト満塁でさらに点を取られたら苦しくなるところだったが続く打者を三振とキャッチャーフライに打ち取る好救援で乗り切った。

 

報徳学園は同点に追いつき、逆転に成功し、そのまま3-2とリードして9回の攻防へ。1死1、3塁から打者は再三スクイズの雰囲気を見せていたが3度目の正直でまんまと成功。この場面、なぜ報徳学園バッテリーは1球外さなかったのかと疑問に思った。あまりに正直に勝負しすぎた。

 

もう少しで決勝進出だったのにその後悪送球が絡み9回だけで4点も取られた。決勝進出を逃しただけでなく今大会での勇退が決まっていた永田裕治監督の最後も飾れなくなってしまった。報徳学園ナインには悔やまれる結果になった。

 

思うに9回1アウト1、3塁のピンチは3回の1アウト満塁をしのいだことが逆効果になったのではないか。きっと今度もうまくいく。そんな過信はなかったか。

 

野球は実は失敗の多いスポーツだ。だからこそ慎重に守り、攻めないといけない。あれだけスクイズの構えを見せていたのだからウエストしたら逆に飛び出した3塁ランナーを殺せたかもしれない。

 

とまあ外野はいくらでも好きなことが言える。だがピンチの時ほど冷静に、自分の守護霊的な立ち位置から自分の行動を見ることで防げるピンチはまあまああると思う。

 

履正社報徳学園は守りをきっちりした後の攻撃が得点に絡んだ印象が強かった。9回表の履正社の攻撃も、8回裏に履正社のエース竹田祐が報徳学園の4番、5番、6番を3者凡退にしたことが起点になったと見た。やはり流れ、リズムは大事だ。竹田はこの日2番手として登板。6回に3点目を失いはしたが相変わらず大崩れはしない。しっかりペースを作ってチームの逆転を引き出した。竹田祐は開幕日の日大三高戦でも逆転劇の立役者だった。9回裏は一打同点もありうる大ピンチだったがそこは竹田祐を責めるよりかは報徳学園の粘りを誉めるべき。さすが伝統校だ。

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  そう、攻めはその前の守りから始まることがある。チームの調子が悪い時でも自分たちができることをまずきっちりやることで反転攻勢を引き出せばいいのだ。年度末、年度初め、自分たちのペースで物事が進まないことはありがちだがあわてず騒がずできることを着実にこなしていこう。

 

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センバツ史上初の2試合連続引き分け再試合と稀勢の里戦を並行視聴~全力を出し切るって素晴らしい

センバツで延長15回引き分け再試合が珍しいのに何と2試合連続で起きた。福岡大大濠滋賀学園と、福井工大福井高崎健康福祉大高崎だ。

www.nikkansports.com

 ドラマの録画を見ていたのでもう福岡大大濠滋賀学園は終わったかなと思ったら延長14回が終わったところだった。で、15回の表裏で決着がつかず、いったん翌日に再試合が決まった(その後翌々日の第9日目に変更)。

 

その流れで福井工大福井高崎健康福祉大高崎を見始めた。知り合いが福井にいるので福井工大福井を応援。1-0のまま9回に突入し、高崎健康福祉大高崎の攻撃も2アウト。ただしランナーは2、3塁。一打逆転サヨナラの大チャンスだ。

 

ここで2塁ランナーが不用意に塁を離れた。と思ったらトリックプレーだったようだ。ピッチャーが2塁に送球した間に3塁ランナーが本塁突入。まんまと陥れた。それどころか名演技の2塁ランナーもすかさず3塁に到達していた。

 

高崎健康福祉大高崎といえば機動力が持ち味。とはいえ、この土壇場での「ダブルスチール」にうならされた。 追い込まれたところで持ち味を発揮するとはなかなかだ。

機動破壊の秘策 健大高崎 実戦で使える走攻守96の究極プレー

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 その後得点圏にランナーが出たり、長打が出たりと再三勝ち越しやサヨナラのチャンスが生まれたものの、両チーム最後まで気を抜かずそのままゲームセットした。中継で特にアナウンスはなかったが2試合連続の引き分け再試合は史上初ではなかろうか?

 

前の試合の福岡大大濠滋賀学園が27日の第4試合に設定されていたため、「まさか27日は第5試合まで組まれるのか」と色めき立ってしまったがさすがにそんな日程は組まれなかった。福岡大大濠滋賀学園は第9日目の第1試合、福井工大福井高崎健康福祉大高崎はその次の第2試合に落ち着いた。

 

結果的に4チームとも1日の「休養日」が発生。せっかくセンバツのために鍛えてきたのだからちょっとでもいい調子で戦ってもらいたいもの。だから1日体をケアできる時間ができてよかった。とはいえ応援団はちょっと気の毒。いったん地元に帰らねばならない人もいるし休みがもう取れない人もいるだろう。

 

なお福井工大福井高崎健康福祉大高崎に熱中しつつも大相撲が気になっていた。稀勢の里が左肩を負傷しながらも14日目に強行出場。ただし調子は思わしくなく2敗目を喫した。その状態で千秋楽、本割に勝ったうえで優勝決定戦も制することができなければ優勝はない。成し遂げればまさに奇跡の逆転優勝というシチュエーションだった。

 ただし延長までずっと福井工大福井高崎健康福祉大高崎を見てきたので今更チャンネルを変えるわけにもいかない。ということで画面は小さくなるが2画面でテレビを視聴した。そのときまさに本割が行われる寸前だった。

 

ご存知の通り、稀勢の里は本割で押し込まれながらも照ノ富士を下した。照ノ富士は14日目、大関復帰を目指す琴奨菊に対し立ち合いで変化。すさまじいブーイングを浴びた。稀勢の里は「負傷」「逆転の可能性(への期待感)」「日本出身」という、観客の応援の要素が三つもある。優勝決定戦が行われると決まった瞬間、大歓声が起きた。 

 ただしまだ優勝決定戦が残っていた。福井工大福井高崎健康福祉大高崎を見ながら優勝決定戦をチェック。アツい試合がよくぞ同時並行で行われるものだ。稀勢の里は土俵際まで追い込まれながらも会心の逆転。見ているこちらも思わず「うわっ!」と声が出た。

 

表彰式は6時台に突入しニュースは10分遅れに。それでも優勝インタビューが収容できなかった。君が代斉唱のあたりで稀勢の里は感極まって泣いていた。こんな時こそインタビューが生で聞きたかった…。

 

そして福井工大福井高崎健康福祉大高崎はお互い決め手を欠き、というかお互い気を抜かないいいプレーの連続でそのままドロー。確かにスコアボードは0行進が続いたが実況アナウンサーが「どの0にも価値がある」と言ったのはさすがだった。

 

これだけ盛りだくさんだときょうは書きたいことが散漫になる。が、福岡大大濠滋賀学園と、福井工大福井高崎健康福祉大高崎、そして稀勢の里照ノ富士戦に無理やり共通項を見出すとしたら「実力を出し切る」ことの素晴らしさ。見ているこちらもすがすがしくなる。

 

これはもちろん大相撲の14日目の照ノ富士への当てつけでもある。大関復帰を目指す琴奨菊の挑戦を変化でかわしたことは目先の1勝を獲得し優勝戦線を優位にしたことは間違いない。クレバーな作戦だ。しかしこの1勝と引き換えに照ノ富士への応援ムードは影を潜め逆に稀勢の里への同情を高めることになった。 

 黒柴スポーツ新聞は稀勢の里横綱昇進をよしとしていなかった。が、この稀勢の里の頑張りを見れば素直に横綱昇進を認めたくなる。不器用さを隠さない稀勢の里への応援ムードは高まり支持基盤は固まったと見える。実は稀勢の里の逆転優勝を一番喜んでいるのは相撲協会の幹部だったりして。

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 新横綱としての優勝は貴乃花以来22年ぶり。くしくも貴乃花も脚をいため絶望視された状況で優勝を勝ち取ったことがある。その瞬間の「鬼の形相」は語り草だ。「痛みに耐えてよく頑張った」の小泉純一郎首相のコメントも印象的だった。もしこの日も安倍晋三首相が来ていて「痛みに耐えてよく頑張った」と土俵上で言ったら森友学園問題も一気に風向きが変わったかもしれない?なんてつい想像してしまった。

 最後まであきらめない。自分の力を信じる。その大切さを高校野球と相撲に思い出させてもらった一日だった。

 

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不発の清宮幸太郎に屈した明徳義塾高校~2017センバツ9回2死からまたもドラマ

何かにつけて「侍」と言うのが流行っているのか。WBCを業務中に見ていた人は「コソッと侍」。ブレイクした小林誠司の控えに甘んじた大野奨大は記事で「控え侍」なんて書かれていた。年度末、黒柴スポーツ新聞編集局長は「残業侍」な日々である。

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 きょうは楽しみにしていた明徳義塾早稲田実業の一戦があった。履正社日大三も好カードだったが試合巧者の明徳義塾と強打者の清宮幸太郎がどんな試合をするのかすごく興味があった。

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予想に反して明徳義塾が先制した。さすがにじわじわと早稲田実業も迫ってきたが明徳義塾にはホームランが飛び出し貴重な4点目が入った。このまま逃げ切るかと思ったがそこは早稲田実業。きっともうひとヤマ作るはずだ…。黒柴スポーツ新聞編集局長は明徳義塾を応援していたがその予想は不幸にも、そして思わぬ形で当たってしまった。

 

9回2アウトからのピッチャーゴロ。からのエラー。からの清宮幸太郎四球。からの押し出しで同点。

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「もしもピッチャーが捕れていたら」

「弾いてもすぐにファーストに投げられていれば」

 

明徳義塾を応援していた人は「タラレバ侍」になっていた。

 

確かにあれは大きなプレーであり、今後の清宮幸太郎の育ち具合によれば何度となく再生されそうなシーンとなった。が、1回戦を勝ち上がった履正社同様、早稲田実業も勝てたのは大物というよりは脇役が活躍した。清宮幸太郎もあの局面で打席が回ってきたら気負いそうなものだ。が、じっくり球を見極めての四球。さすがである。

 

 

…とここまで書いたところで力尽き、執筆2日目。どうせなら試合結果を世間がどう報じたかも見てみよう。

 

明徳義塾がある高知県で発行されている高知新聞。社会面ではアルプスの光景が紹介されている。ぐっと来たのはあのピッチャーゴロを取りそこなった北本投手のお父さんのコメント。なんと試合当日が誕生日だったそうだ。

 

「いい誕生日になりました」

 

これ以上のコメントはあるまい。負けはしたけれど、この後こそ大事。北本投手や明徳ナインは夏に向けてレベルアップすることでこの負けに価値を付ければいい。

 

それにしても高知県民は今回のセンバツで、ともに9回2アウトからの内野ゴロに一喜一憂したことだろう。40年ぶりの出場となった中村高校は9回2アウトからのセカンドゴロが捕球される直前に奇跡のイレギュラーバウンド。外野に抜ける間にランナーが帰り、40年ぶりの1点を記録した。負けはしたが中村高校を応援した人々は幸せな気持ちになった。

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逆に明徳義塾は勝ちきれなかった。当たりは強かったがゲームセットと思った瞬間、歯車が狂った。25日の新聞には「これで勝てると思った」という清宮幸太郎の談話が載っていた。確かに前の打者が出塁した直後の清宮幸太郎の顔は「よっしゃ」となりつつも努めて冷静さを保とうとしているように見えた。和泉監督も「次が清宮だったし」と、清宮幸太郎の存在感を勝因の一つに挙げたという。

 

2016年日本シリーズネクストバッターズサークルに立った大谷翔平のように、スターはいるだけで圧をかけられる、ということか。いや、立っているだけではなかった。試合中は声が枯れそうになるほどチームメイトを鼓舞していたそうだ。この日の清宮幸太郎は強打者である前にキャプテンの職務を全うした、ということになる。

 

「あと一歩で勝ち切れないのは、まだ何か足りないということ」

 

25日の高知新聞には明徳義塾馬淵史郎監督のコメントが載っていた。「何か」を探す作業はすでに始まっていることだろう。夏の高知県大会がもう楽しみだ。

 

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侍ジャパン敗戦で2017WBC事実上閉幕~野球の魅力も厳しさも感じた準決勝

WBCが終わった。正確に言えば侍ジャパンの勝負が終わった。1-2。惜敗。時の運。いろいろなワードが出てくるが負けは負けだ。

 

2失点はいずれもエラー絡み。野球はミスをした方が負ける、という当たり前のことを思い出した。たった1球が、たった1プレーが勝負を負ける。国際大会であればなおさらだ。だがそのはかなさみたいなものも野球の魅力ではある。発展途上の若者がひたむきに白球を追う高校野球があれだけ人を引き付けるのもこの点だろう。

 

それにしても野球の神様は試練を与えるな、と思う。先制を許すきっかけになった菊池涼介のエラー。芝生のふちだったか、ちょっとイレギュラーしたようにも見えた。数々のファインプレーで魅了した名手のエラーが大事な試合の失点につながったのは皮肉だ。

 だがうすうす野球ファンは気付いている。菊池涼介はスーパープレーの陰でたまにやらかす、と。2016年日本シリーズ第2戦でもセカンドゴロに思えた打球処理を誤りタイムリーエラーになってしまった。打者のバットが折れて打球が若干不規則になった面はあるが。

 

最近は心臓に当たったらいけないからと、体にゴロを当ててでも捕れという指導はされていないのだろうか。打球に正対する古典的なスタイルであればWBC準決勝でのあの打球もさばけたんじゃないかと思った。

 

決勝点につながったのは松田宣浩へのサードゴロ。前進、バックホーム態勢のところにおあつらえ向きの打球だった。が、処理前にホームを見てしまったか。プロ野球選手でもこういうことがあるんだなと思った。雨中の試合。雨をたっぷり含んだ内野の芝の上で弾んだ打球の跳ね方も独特なのだろう。なんだかんだ書いてしまったが、菊池涼介といい、松田宣浩といい、その雰囲気その局面でプレーした人にしか分からない部分はある。

 

そう、大変さはその人にしか分からない。

松田宣浩 (スポーツアルバム No. 31)

松田宣浩 (スポーツアルバム No. 31)

 

気の毒に2人が敗因を背負う格好になっているが、実は責任をひしひしと感じていると思われる人物がいる。不動の四番、筒香嘉智だ。 

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得点機に一本が出なかった。ここぞという時に打ってくれた主砲だったがこの日は不発だった。クライマックスは8回。ツーアウトながら1、2塁のビッグチャンス。ここが勝負だとみんな分かっていたからこそスタンドのファンも立ってアメリカを、日本を応援してワーワーなっていた。

 

変則的なフォームの右投げピッチャーではあったが「左打者にはチャンスがある」と解説の原辰徳サイドスローからの投球がややインコースの低めに来た。それを筒香嘉智がとらえた。かに見えた。昼間見られなかったので夜、録画を見たのだが、結果が分かっているにも関わらずあまりにいい角度で飛んで行ったので「うわ!」と声を出してしまった。筒香嘉智自身、いい感触はあったかもしれない。だが打球は失速し外野手のミットに吸い込まれた。

先発・菅野智之はさすがと思わせるピッチング。過去のシーズン中、ここぞという時に崩れた頼りなさは微塵も感じられなかった。

 

小林誠司は今大会最も成長した選手だと思う。たまに見せるガッツポーズも、一つ一つ自信を得ている証拠に見えた。捕手生活を振り返った時、転機になった大会と答えるだろう。菅野智之の快投と小林誠司の大ブレイク。巨人ファン的にはウハウハだ。

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 そしてメジャーからの注目も高まった千賀滉大。決勝点は与えてしまったが圧巻の4者連続奪三振。プロ入り後3軍で鍛えた男がメジャーリーガをきりきり舞いさせたのは痛快。近い将来、法外な金額でメジャー入りしそうな雰囲気がプンプンする。

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 日本においてWBC観戦がまだまだ成熟していないと感じるのは結局自国の試合にしか関心がない点だ。アメリカとの準決勝中継最終盤、今大会のスーパープレー集映像が流れたが内外野ともアクロバティックで超人的な守備がバンバン出てきた。こういうのをもっと認知してもらわないと。このへんがワールドカップのあるサッカー人気に劣る。サッカー通は自国以外の選手やスーパープレーをよく知っている。

 

というわけで日本国内でのWBCは準決勝をもって事実上閉幕した。肝心の決勝は後夜祭なのだ。

 

僅差で負けたから敢えての提案。次の4年間は打ち勝つ野球を目指してはどうか。もちろん投手力は最低でも今のレベルを維持した上で、だ。プエルトリコやオランダ、アメリカをパワーを生かしたプレーが多い印象だ。日本は緻密で繊細なプレーを信条としているが今やアメリカもパワー頼みではない。相手が細かいプレーまでしだしたのであれば日本は逆に剛腕豪打を意識してもいい。

 

もっともどんな野球を目指すのかは監督次第。侍ジャパン敗戦後、小久保裕紀監督は「任期満了」と退任の意向を示した。2020年には東京でオリンピックがあるので監督が交代するのであればオリンピックも視界に入れての人選となる。

 

個人的には栗山英樹ジャパンを見てみたい。今回は残念ながら見られなかったが大谷翔平侍ジャパンにいるのなら起用法も柔軟にやってくれそう。もともと侍ジャパンは結束が武器なのであれば2016年に日本ハムを日本一に導いた実績からもいい結果が期待できそうに思えたのだ。

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 過去の監督の中からの再登板ならもう一度原辰徳に率いてもらいたい。勝負師である点はNPB監督経験がなかった小久保裕紀を上回る。リーグ優勝7回、日本一3回。何より第2回WBC優勝監督であり、いま現在巨人の監督ではない。

原点―勝ち続ける組織作り

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 エラーから監督人事の話まで欲張って書いてしまった。ともかく野球ってこんなに面白いんだなということは十分すぎるほど伝わった。心配された視聴率もそこそこ頑張ったようだし。侍ジャパンの面々を中心に、2017年シーズンも野球観戦を一緒に楽しみましょう。

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センバツ中村高校9回の粘りに心がホカホカ~40年ぶりの1点がもたらしたもの

二十四の瞳」高知・中村高校が甲子園に帰ってきた。第89回選抜高校野球には16人での出場だから「三十二の瞳」なのだがインフルエンザなど体調不良で4人が開会式を欠席。入場行進は結果的に「二十四の瞳」になってしまったが40年前はその人数で準優勝に輝いた。4人の回復を祈りつつ、逆に吉兆と思えばいい。そう思った。 

輝け甲子園の星 2017年3月号

輝け甲子園の星 2017年3月号

 

 前橋育英との試合は静かな立ち上がり。前橋育英の投手はなかなか球に力がある。中村高校はそう簡単にはヒットが出なそうだ。前橋育英は下位のバッターでも鋭い当たりを放つ。機動力も交えてくる。自信があるようでランナーが出ても簡単には送ってこない。2回にはタイムリーが出て2点を先制した。

 

中村高校のエース北原もしり上がりに調子が出てきた。3回にはけん制でランナーを刺した。このまま何とかしのいでほしい…。だが6回につかまりさらに3点を取られてしまった。

 

中村高校は7安打を放ったが得点圏であと1本が出ず。6回無死2塁からのショートゴロで、走者が3塁に向かってアウトにされた場面がちょっと悔やまれるがそれは結果論。ただしその後2死1、3塁まで攻めたてながら無得点に終わったことで試合のペースは前橋育英がさらに握ることになり6回裏の追加点につながったと見た。

 

9回表、中村高校の攻撃に入るころからアルプスを中心にスタンドがにぎやかになっているようだった。テレビの音声を通じて伝わってきた。この日の第2試合で中村高校と同じ21世紀枠の多治見が古豪・報徳学園の滅多打ちに遭い0-21と大差をつけられた。思わず1985年の東海大山形とPLの試合を思い出してしまった。

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多治見は1点も取れなかったが中村高校にはせめて1点取ってもらいたい…。

高知県民の思いが通じたのか1死から4番・一円が2塁打。得点のチャンスが生まれた。続く5番中野が1塁ゴロに倒れるも2死三塁。まだ得点機は続いている。ここでタイムリーが出れば…。スタンドはがぜん盛り上がっていた。

 

「点を取って、お世話になった地域の方に恩返しを」(中村高校ナイン)

「中村高校のこれまでの頑張りをカタチに残させてあげたい」(四万十市民)

「せめて1点取れたら今夜おいしい酒が飲めるのになあ」(ただ酒が飲みたい高知県民)

※第三者の勝手な想像です。

 

さまざまな思いが奇跡を呼んだ。6番岡上の当たりはセカンドの守備範囲。「ああ、セカンドゴロだ。終わった…」と誰もがあきらめかけた瞬間、2塁手の目の前で打球がイレギュラーバウンド。2塁手が追いつけずライト前タイムリーになった。中村高校に40年ぶりの1点が入った。

 

なおも1、2塁のチャンスだったが8番武田は三振に倒れた。だが武田は難しいファーストゴロも上手にさばいていたぞ! インフルエンザに倒れたチームメイトともども体調不良だったことを考えればバッターボックスに立てただけでも頑張ったじゃないか。9回の中村高校の粘りにスタンドからは温かい拍手が送られた。

 

思えば2016年夏の高知県大会も9回の粘りで魅せた。最後まであきらめない姿勢はいつも好感を抱かせる。

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 エース北原は敗戦後も淡々としているように見えたがスタンドに一礼すると涙をこらえきれなかった。あの涙にはどんな意味合いがあったのか。悔しさか、それともやりきった充実感か。確かに打たれた球はちょっと高めに浮いていた気がする。前橋育英クラスになると失投は見逃してくれない(そして当然明徳義塾も)。多彩な球種は前橋育英打線にも通用していたから夏への糧にしてもらいたい。

 

負けたけれど、清々しい。いいものを見たなあ、と不思議な余韻に浸れている。群馬県民、前橋育英ファンには申し訳ないけれど、あのイレギュラーバウンドのおかげで今夜高知県民はちょっと心がほかほかしている。野球の神様は時々、本当に味なことをなさるものだ。

 

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追いつかれても追い越させないことが大事~センバツ履正社9回の猛攻を呼び込んだ竹田の踏ん張り

第89回選抜高校野球が開幕した。開幕式直後の第1試合は呉ー至学館。いきなり延長の好ゲームだったが呉が振り切った。第2試合は履正社日大三という好カードで予想通りの白熱した試合。12-5で履正社がねじ伏せた。

 

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まだ大会初日だというのにこんなペースで面白い試合が続いては見ている方もクタクタ。しかも黒柴スポーツ新聞編集局長はひいきのチームでなければ基本的にテレビをつけた時点で負けている方を応援することにしているためどうしても力が入る。

 履正社日大三は強豪同士だったためどちらを応援ということもなかったが以前日大三の記事を書いたこともあり若干の感情移入はあった。 

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高校野球ファンには笑われそうだが履正社の安田尚憲を初めてテレビで見た。でかい。オリックスから阪神に移籍した糸井嘉男のようだ。バットに当たったらどこまでも飛んでいきそうなスケール。さすが「東の清宮、西の安田」と言われるだけはある。

 

が、そこは高校野球の面白いところ。日大三のエース桜井が好投しこの日安田尚憲は3三振(5打席目にタイムリーでやり返したのはさすが)。桜井のスライダーはキレッキレで安田は翻弄されていた。 

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が、そこは高校野球の面白いところ。そのスライダーを履正社の石田がひっぱたき逆転3ラン。主砲が結果を出せなくともここぞというところで勝負に勝ち試合を優位に進めた。

 

終わってみれば12-5。どうしても履正社9回一挙7点に目が行きがちだが試合のポイントには8回裏、日大三の攻撃を同点止まりに押しとどめた履正社・竹田の踏ん張りを挙げたい。

 

日大三・津原の同点打は三塁打。後攻めの日大三としては一挙にひっくり返したいところだ。強い学校の選手はそういう「要所」を心得ている。逆の立場から見れば履正社・竹田は何としても逆転を許してはいけない。

 

世の中的にもこれが大事。調子やタイミングが悪くて勝負の過程でライバルに追いつかれてしまうことはある。だがそれに一喜一憂する暇があるなら考えねばならない。どうしたら追い越されないかを。勝ち越されさえしなければ勝機はまだある。

 

履正社・竹田はここで踏ん張り後続を2者連続三振にした。その裏の猛攻を呼び込んだのは竹田の好投と言っていい。竹田は初回、なんと1球目から7球続けてストライクが入らなかった。どうなることやらと思ってみていたが試合をしながら立ち直り要所を締めたのは素晴らしかった。

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どうしても主砲やエースが素晴らしいチームは個人にフォーカスされてしまいがち。だが野球はご存知の通り9人でやるもの。履正社の3番・安田尚憲と4番・若林がともに1安打ずつだったのに対し1番・石田は2安打3打点、2番・溝辺も決勝打など2安打2打点の大活躍。岡田監督が「みんなでカバーしあえた」と言ったのは偽らざる心境だろう。

 

いきなり履正社のそういう「強さ」を見せつけられてしまった。果たしてこのまま頂点に駆け上がるのか。次戦で当たる呉ともいい戦いになることを期待したい。これを書いている大会2日目も第1試合の高岡商盛岡大付は6回の攻防を終えて8-8の同点。こんなにいい試合が多くては体がもたないかも…。にしても岩手代表と戦う高岡商の応援で「あまちゃん」のオープニングテーマがあるのは何とも面白い。

 

 

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引退の川上憲伸はもうナゴヤドームのマウンドに立たないのか~大物選手の引退を考える

川上憲伸が引退を決めた。ドラゴンズファンには感慨深いだろうが若干の賞味期限切れ感は否めない。

その証拠に読売新聞記事では「川上さん」とさん付けになっている。すでに過去の人扱いだ。
www.yomiuri.co.jp

とはいえ同年代の上原浩治は寂しそうだった。高橋由伸はどんなコメントを出すだろうか。

二人は東京六大学時代からのライバル。川上憲伸は通算28勝を挙げた。そして同じ明治のエースだった星野仙一を追うかのように中日へ。川上憲伸高橋由伸と新人王を争い、そしてものにした。新人王からちょっと間はあったがMVP、最多勝沢村賞に輝いた。
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ただ、ドラゴンズファンならずとも思ってしまう。アメリカ挑戦は正解だったのかと。

もちろん結果論。だがプロは結果がすべてでもある。アメリカでは通算8勝。きっと、思い浮かべていた結果ではなかった。

日本では通算117勝。立派な成績ではあるが川上憲伸であればもっと高い数字を残せたのではないか。そう考えてしまう。

川上憲伸自身、思うようにコンディションが整わないもどかしさはあっただろう。だからこそ納得いかなかったのではないか。このまま終わるわけにはいかないんだ、と。

川上憲伸には大きく二つの選択肢があった。現役続行を模索するか、中日の選手として引退するか。一時代を築いた選手だから、希望してもしなくても引退セレモニーはできたはずだ。が、川上憲伸は数少ない可能性を求めた。

それは無謀な挑戦に思えた。すでに川上憲伸は中日で戦力とみなされていなかったのだ。肩の調子も思わしくない。これで満足に戦えるのかと思ってしまった。

三冠王になった松中信彦もそうだったがもはやメンツではない胸中になるのだろうか。松中信彦川上憲伸レベルになってくるともう第三者ではよく分からない。

でも、こういう引退もいいかなとも思う。最近はこれが引退試合です、これが最終打席です、これが最終登板ですと分かっているパターンが多い。

それはそれでファンへのあいさつであり、ファンもまた感謝を伝えられるいい機会。引退試合は映像で見てもぐっとくる。

だがプロ選手の寿命はある日ある瞬間絶たれても不思議ではない。振り返ったらそれが最後の出場だったという選手の方が圧倒的に多いのだ。川上憲伸は自分で終止符を打てるだけの選手だったというだけだ。

そういう意味では黒田博樹の去り方は見事だった。日本シリーズの前にしっかり引退を表明。チームメイトにもファンにも気持ちを伝えた上でシリーズに登板した。そして脚を痛めて結果的に大谷翔平が最後の対戦対手になった(しかもきっちり討ち取って)。先日オープン戦の一場面として始球式に「登板」。自分のことで周りに迷惑をかけない黒田博樹らしい締めくくり方だった。その場面でも投手の邪魔にならないよう、プレートは踏まず一塁側にちょっとずらして立っていたというのだからこの人はどこまで素敵な人なんだと思ってしまった。
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果たして川上憲伸は何らかの形で再びナゴヤドームに立つことがあるのか。アメリカでは引退選手と1日だけ契約することがあると聞いたことがある。黒田博樹永久欠番15をみんなで付けた黒田博樹のセレモニーみたいなことはできないとしても何か素敵なイベントはできないものか。ぜひドラゴンズファンの手で川上憲伸のプロ生活にきっちり終止符を打ってあげてほしい。

引退、戦力外にまつわる記事はこちら。って何本書いてるんだか。
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