黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

にわか梼原高校野球部ファンを3時間やって大興奮~第99回夏の甲子園高知大会、高知高校との死闘を制す

休みの日。全国高校野球選手権高知大会の準々決勝を見に行った。梼原高校対高知高校。どちらの関係でもないので、県立の梼原側で応援しつつ見た。

梼原は地域が協力して野球部を盛り上げているという。梼原高校野球部を率いるのは横川恒雄監督。同じく県立の室戸高校を率いてセンバツに出場、ベスト8入りした経験がある。

感動の便乗

きょうの高知大会は準々決勝。横川監督の指導や選手の頑張り、地域の支援の賜物だろう。黒柴スポーツ新聞編集局長はこういう盛り上がりがたまらなく好きだから、梼原側で見ることにしたのだった。そう、感動の便乗である。

けっして私立高校否定論者でもない。高知は高知で頑張ってもらえればなと。

「っしゃあ」とか「ええぞー」とか

全然関係ない学校の応援できるの?と思われるかもしれない。これが、できる。梼原高校側の観客席が学校関係者や地域の人で占められているようで、ヒットを打ったりアウトを取るたび、温かい拍手が湧く。盗塁を刺したら盛り上がる。「っしゃあ」とか「ええぞー」とか言って沸く。楽しい。

 
スポーツの技術的なものを見るなら話は別だが、やはり見るならどっちか、あるいは誰かを応援しながら見るとより楽しめるかなと思う。

試合は高知が押しぎみに

試合は高知が先制し終始押しぎみに進めた。6回を終わって3ー1と梼原も何とか食らいつく。6回裏の高知の攻撃は二死満塁と攻め立てたが得点は奪えなかった。

内野ゴロ。と思われたが

8回表、梼原が反撃。1点を返しなお二死1、2塁。バッターは再三ファウルで粘る。しかし内野ゴロ。と思われたがビミョーなバウンド。これを野手がはじく間にランナー1人生還。同点に観客席はお祭り騒ぎ。逆転はできなかったがこれで試合は分からなくなった。8回裏は高知が得点圏にランナーを進めるも梼原が後続を断つ。流れはどちらにあるのか分からない。

「サヨナラか……」

9回表、梼原は三者凡退。いよいよ大詰め。流れは高知か。9回裏高知の攻撃は一死からエラーでランナー出塁。二死2、3塁までチャンスを広げた。「サヨナラか……」と嫌な予感が。カキーン! 打球はライト頭上を襲う。蛇行しながらライトバック、ライトバック、あれっ捕れる? ヤバい? 捕った~。またも梼原観客席は拍手喝采。心臓に悪いがめちゃくちゃ楽しい。

え、え、え、ホームラン?

流れは梼原か。10回表、四球でランナー1塁からバッターは四番・溝渕。カッキーン! え、え、え、ホームラン? 打球はフェンス直撃。ランナーが一気に生還! 観客席はアメリカ大統領選挙ばりのスタンディングオベーション。 いけるで。さらにタイムリーが飛び出し2点勝ち越し。初めて梼原が優位に立った。

高知も意地

しかし高知も意地を見せる。10回裏先頭バッターがレフトオーバーの二塁打。続けて四球。ノーアウトでの大チャンスだ。

次の打者は三振。梼原の応援団は大拍手。併殺崩れの間に1点入り1点差。二死2塁。それからランナー出たんだっけな?(興奮して記憶飛ぶ) とにかく、あと1人。 そしてフラフラっとセカンド後方へのフライが。セカンドがこっちを向く。「捕れるぞ!」。観客席はみんな中腰に。


「捕った、やった!」。ゲームセット。そのまま応援団は総立ち。黒柴スポーツ新聞編集局長も思わず手をたたきすぎて、手が真っ赤になっていた。
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四番・溝渕君の殊勲打はもちろんだが、劣勢の雰囲気を変えた代打・市川君(名前間違っていたらごめんね)の三塁打(1点目への口火)が大きかった。少なくとも応援席はあれで勢い付いた。いけるでという雰囲気になった。3塁上でのガッツポーズでみんな大興奮だった。ありきたりだがあきらめない姿勢は大事だなと思った。

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高知大会はいよいよ4強の戦い。明徳義塾に、公立の岡豊、中村、梼原の取り合わせ。2017年の高知大会は例年以上に白熱しそうだ。都合付く方はぜひ春野球場でみんなで盛り上がりましょう!

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30年以上破られない夏の甲子園1大会個人最多安打19~松山商業・水口栄二の原風景

夏の甲子園、1大会個人最多安打19を記録したのは誰かご存じだろうか。松山商業水口栄二。元近鉄バファローズ選手だ。

1大会で決勝まで6試合。そのすべてで3安打放ってもまだ1本足りない。19本というのはそれほどすごい数字。水口栄二が記録したのは1986年夏。もう31年も前のことだがそのくらい破るのが難しい記録ということだろう。

 

気になる記録だったがある雑誌のおかげで水口栄二の記録の源泉にたどりついた。日刊スポーツ出版社「思い出甲子園 豪打を刻んだアーチストたち」。古本屋で偶然見つけたのだが、表紙に飾られた「強打者たち」の写真に水口栄二が混じっていたのだ。水口栄二は強打者ではないがまさに大会個人最多安打のおかげでこの雑誌に記事が載っている。迷わず買った。きょうはこれをテキストに進めていく。

 表紙に写っている人…清原和博PL学園)、原辰徳東海大相模)、江上光治(池田)、藤井進(宇部商業)、元木大介(上宮)、松井秀喜(星稜)、水口栄二松山商業)、林裕也駒大苫小牧)、原島正光(日大三

 

この雑誌の記事で知ったが水口栄二を含む松山商業ナインは1986年夏の甲子園、準決勝の浦和学院戦で11人連続安打を記録している。なぜそんなに打てたのだろうか?

 

1.竹バットでのバッティング

書物でしか知らないが竹バットは芯を外して打ってしまうとものすごく手がしびれて痛いらしい。当時の松山商業ではこれが導入されていた。確実にミートする力が養われたというわけだ。また、バント練習では失敗したらグラウンドを1周させられたという。確実性と集中力が鍛えられたことがうかがえる。

 

2.徹底した右打ち

走者を進めるために右打ちを磨いた。技術が発展途上の高校野球においてスコアリングポジションにランナーを進めるのは正攻法の一つ。ワンヒット、ワンエラー、ワイルドピッチなどなど得点できたりランナーを進められる可能性が高まるからだ。松山商業もこのフォア・ザ・チームが徹底されていた。

 

特にこの右打ちが奏功したのが例の浦和学院戦。浦和学院の谷口投手の持ち球にスクリューボールがあり、この餌食になる可能性があった。そこで松山商業の窪田欣也監督は「一塁にファウルを打つつもりで」とアドバイスし、試合前にはゆるいボールを体に引き付けて打つ練習をさせたそうだ。日ごろから右打ちを鍛えてきたのだからその応用。見事に谷口対策が生きて11人連続安打を含む1イニング12安打を記録した。

 

水口栄二はこの強力打線の1番バッターだった。1回戦の清水市商戦では6打数5安打の大爆発。2回戦の土浦日大戦、3回戦の明野戦、準々決勝の沖縄水産戦と3試合連続のマルチヒット。準決勝の浦和学院戦と決勝の天理戦はともに4安打で19安打を記録した。

 

結局29打数19安打、打率6割5分5厘。甲子園あるあるで序盤戦までの打率が高いバッターは山ほどいるが水口栄二は決勝まで戦っての成績だから6割5分超えは尋常ではない。

 

ちなみに決勝の天理戦では徹底的に鍛えたはずのバントや盗塁、守備にほころびが出て2-3で敗れている。ミスして勝てるほど甲子園は甘くない。それでもこの雑誌の取材に水口栄二は「これが野球というものじゃないですか」とさらりと答えている。死ぬほど練習したとしてもミスは出る。野球は不確実性の要素満載のスポーツなのだ。練習また練習でプレーの精度を高めているにすぎないのだ。

 だからなぜ松山商業が11人連続安打ができたり水口栄二が6試合で19安打もできたかというとやはり基本の徹底を怠らなかったから、という結論にたどりつく。30年も破られなかった記録の裏側としては地味なのだろうがそこは王道だっただけなのだ。

 

やっぱり何事も基本が大事である。

 

雑誌の取材があった時点では水口栄二はまだオリックスバファローズの現役選手であった。甲子園があったからその後早稲田大学に進めてプロへの道が開け、プロで長年やれているのは高校時代の練習があったからこそだという。水口栄二は日本プロ野球歴代12位の279犠打を記録している。そのルーツが松山商業時代のバント練習、というところまで見に行くとこの279犠打が一段と味わい深く見える。

 2017年は清宮幸太郎が甲子園に出れば話題をさらうに違いない。だが個人的には水口栄二のようなヒットメーカーの登場を毎年期待したい。果たして夏の甲子園1大会個人最多安打19はいつ、だれが破るのだろうか。

 

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情報を組み合わせてプロ野球をより楽しもう~球宴初打席アーチの小林誠司記事をテキストに

巨人の小林誠司が2017年オールスター第2戦でホームランを打った。それは当日夜、smartnews経由でスポーツ紙記事を見て知っていた。

翌朝、新聞のスポーツ面でも小林誠司のホームラン記事を見た。見出しは「小林初打席アーチ」。そう、間違いはない。しかし消化不良だった。

なぜならチェック済みのスポーツ紙記事では、小林誠司は初打席の初球をホームランにしておりこれは1970年の有藤通世以来34年ぶりで史上4人目と書いてあったのだ。

新聞の見出しは基本的には記事にある文言から作られる。今回の小林誠司のホームラン記事はスポーツ紙に書いてあった有藤通世以来というくだりが入っていなかった。だから34年ぶりという見出しは付けられなかったのだろう。

一般紙はスポーツ紙と同じくらいの情報は求められていないかもしれないから「小林初打席アーチ」でも問題はない。今回言いたいのは、やはり情報は適度にそろっていたらより物事が立体的に楽しめる、ということだ。

そういう意味では、小林誠司球宴ホームラン記事はよきテキストである。他の注目点を見てみよう。

1.シーズンまだ0本なのに打った
球宴のような特別な場面で打てる人ならとっくにシーズンで打ってそう。だからベンチでは高橋由伸監督が「なぜここで打てるんだよ」みたいな反応したり、スタメンを外れて放送に参加していた坂本勇人が「シーズン中に打って」と笑ったりしており、スポーツ紙記事ではちゃんとチェックされていた。

2.打った後、パ・リーグベンチに向かってガッツポーズ
巨人はセ・リーグだからなぜパ・リーグベンチにガッツポーズ?と思わせるところがポイント。実は打席に入る前、パ・リーグ松田宣浩嶋基宏から、バットを短く持ってガッと行け的なアドバイスがあったそうだ。敵に指導するなんて熱血指導で「かっぱえびせん」(やめられない止まらない)と言われた山内一弘か!とツッコミたくなる話。

小林誠司と言えば2017年のWBCで大ブレイクするもシーズンではまた元に戻り打率が低迷している。これを知っているからみんな小林誠司のホームランにおいおいとつっこめるのだ。相手ピッチャーもパ・リーグを代表する投手の1人、金子千尋だったから余計に目立った。
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もはやAIが記事を書き、プロ野球は詳しく丁寧な一球速報が楽しめる時代。だからこそ読み手もいろんな情報をじょうずに集めて好プレー珍プレーをより立体的に楽しみたいものだ。

黒柴スポーツ新聞は速報メディアではない分、そのへんを意識して情報をまとめて発信していく。読者の貴重な時間をいただいているのだから、ちょっとでも楽しんでもらいたい。告知が遅れたが、黒柴スポーツ新聞はブログ「野球好きの読み物」管理人、ととらさん (id:torara18)からのリクエストに応え、相互リンクも始めた(PCサイトの右列に表示中です)。企画の意図は下記サイトをご覧ください。
www.shirotama.tokyo
こちらの記事でも言及していただきました。
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野球ブログの盛り上がりにほんのちょっとでも加われたらうれしい限り。黒柴スポーツ新聞は最高の暇つぶしメディアを目指していくので、今後ともお付き合いよろしくお願いいたします。

小林誠司が活躍したWBCにまつわる記事はこちら。
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打球を弾いた痛みはどう昇華されるのか~全国高校野球選手権高知大会・高知商ー追手前の熱戦を見て

思い立ったが吉日。高校野球高知大会を見に行ってきた。追手前-高知商業戦。1回戦の好カードなのだ。朝から家の周りの草刈りをして、シャワーを浴びて球場に向かう。充実した休日になりそうな予感。

追手前も高知商も母校じゃないのでバックネット裏に陣取ると、内野席に会社の大好きな先輩の姿が見えた。合流して一緒に観戦。お互い野球バカゆえに楽しい観戦になりそうな予感。

高知商が勝ちそうと思ったので追手前を応援。試合は追手前がヒットやら四球で再三得点圏にランナーを進め、高知商が粘って得点を許さない構図だった。

流れは追手前ペースだったがやはり得点できない回が続くと、ペースは高知商にチェンジ。キャッチャーからの送球がそれて三塁ランナーが生還し先制した。

じゃあそのまま高知商ペースかというとそうではなく、追手前がタイムリーで追い付いた。それどころか押せ押せで一打サヨナラの場面も。しかしあと一本が出なかった。

延長戦でランナーを背負った追手前はエースから二番手に継投した。第三者から見てもたしかに球がばらつき始めていたから代え時に思えた。しかし結果的にこれが裏目に出た。ランナーがたまったところで前進守備を敷くもショートが内野ゴロをはじき高知商に待望の追加点が入った。この1点でも十分に思えたが、なおも外野に抜けそうな打球をセカンドがグラブに当てるのがやっとの場面なんかもあって、継投があった延長11回の表に合計3点入った。その裏、追手前はランナーを出して粘るも追いつけず、敗れた。

もしもショートが内野ゴロを処理できていたら。
もしもセカンドが打球を食い止められていたら。

高校野球でタラレバを言い出したらきりがない。

高校野球 2017年 07 月号 [雑誌]

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というか、彼らが何万球もノックを受けた結果がこのプレーなのだから、第三者がどうこう言うものでもない。勝てば甲子園への道が開け、負ければ仲間たちとのプレーが終わる。それを懸けた場面で力を出し切ることは想像以上に難しいのかもしれない。

ついつい敗者に目が行ってしまう。あの打球を弾いた感触は一生ぬぐえないのではないかと。手に残る捕球時の痛みが薄れることはないのではないかと。いろいろ想像してしまう。ありきたりな言い方だが、その後の人生で彼らがあのプレーにどう折り合いをつけ、どう昇華させていくのかが気になる。

およそ2時間半のゲームであったがいいものを見せてもらった。入場料500円、すごく得した気分だ。筆者が野球を好む理由の一つが、同じ試合が二つとないことだ。あの日あの時刻、あの対戦相手だったからこその試合結果。試合開始時刻をめどに球場に集まって、勝者と敗者に分かれて帰ってゆく。観客は2時間前後彼らのプレーに一喜一憂し、喜びや無念に共感して家路につく。筆者はそういう野球が大好きだ。きょうはあまりに日差しがきつすぎて、この文章を打っている手の甲は真っ赤に日焼けしている。

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福島県のふたば未来学園高校「ノーヒットノーラン、夏初勝利」で考えたこと

原発事故受け皿校」。なんだ、この見出しは? そう思って、購読している新聞の夕刊を見た。原発事故受け皿校ってほかに言い方ないんかな、と思ったがともかく記事を読んでみた。そしてびっくり。原発事故受け皿校とは福島県広野町にある、ふたば未来学園高校のことで、全国高校野球選手権福島県大会で初勝利を挙げた記事だった。

 

 

読み進めてさらにびっくり。「夏1勝」どころか、3年生投手の草野陸世君がノーヒットノーランを達成したのだ。

 

だれがやってもノーヒットノーランはすごい。夏の福島大会では実に34年ぶりの快挙という。だから本来はこれがニュースになるはずだ。だがこの記事は「東京電力福島第1原発事故の影響を受けて休校した五つの学校の受け皿になった学校」、あるいは「原発事故の影響を受けた生徒」の快挙である、というところにニュースバリューが見出されている。

 

それが何とも悔しい。特に野球好きにとっては。

 

もちろん、キャプテンが言うように「避難者の希望になるように」という気持ちは正直なところだろうし、実際、応援にいった関係者はめちゃくちゃうれしかったに違いない。もし筆者が関係者で、スタンドにいたら泣いてしまったかもなと想像してみた。

 

草野君の自宅は楢葉町にある、と記事に書いてあった。小学校の時に被災して、避難先のいわき市内の中学校で野球を再開したというが、野球は心の支えどになったのだろうか。どんな気持ちでふたば未来学園高校への進学を決めて、どんな気持ちで高校野球に打ち込んでいるのか。いろいろ考えさせられる記事だ。

 

地元、福島民友新聞の記事をネットでチェックしてみた。「ふたば未来『休校5校の思い胸に』 夏初勝利!新たな歴史刻む」という見出し。そう、そうだった。この初勝利ふたば未来学園高校のものであると同時に、休校した五つの高校の思いも込められたものだった。

 

このノーヒットノーランは第三者でもぞわぞわぞわっと鳥肌が立った。そして何だか元気をもらった。避難を余儀なくされている地域の実情も知らないで軽々しくは言えないけれど、いずれ「原発事故の影響を受けた学校の」という但し書きがなくともプレーの中身でまた話題になってほしいなあと。いつまでもそういう目線で見ては選手にも失礼かもしれない。選手自身が「被災者の希望に」とコメントするならばいいけれど、何でもかんでもそういうストーリーにするのもどうかなあと(実際、上記の福島民友記事は必要以上に原発事故に絡めているとは思えない)。筆者自身、被災地での取材を始めたころに、美談に救いを求めていた節があったことへの反省を込めて思ったことだ。

 

ふたば未来学園がフツーに強くなって、勝ってももうニュースにならなくなったらもっと福島は元気になっているんじゃないか。そう思いながら彼らの活躍を遠くから楽しみにしていようと思う。

 

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軽量化が否めないオールスターにダルビッシュが苦言~真剣勝負かチャリティーマッチを提案

ダルビッシュはずばっと直球でものを言うなと思った。オールスターについて、アメリカはきちんと価値を作っているが日本はそうではないと言っていた。現状では「憧れにならない」と。

筆者もうすうす思っていた。日本の2017年のオールスター選手名簿を見た時、これがオールスターの顔ぶれかなあ、と。特にピッチャー。軽量級と評価されても仕方なかろう。

 

オールスターって、こういうのだっけ?

 

名だたるピッチャーが猛者たちと対決するんじゃなかったっけ?

 

若いプレーヤーが選ばれていて、それは彼らには経験値を積む意味ではよかろう。だが経験を積んでいくレベルの人であるから、「夢の対決」にはなりえない。若手で唯一楽しみなのが田口麗斗と山岡泰輔の同級生対決。交流戦では未遂に終わったがこういう話題作りならば歓迎したい。

とはいえ、やっぱり「プロ野球」だから、ダルビッシュが言うように年に1度、選ばれし者だけが立てるステージにしていかないと憧れにはならない。

 

そしてほとんどのプロ野球ファンが気付いている。交流戦がオールスターの興味をそいでいることを。交流戦から間もない開催ではありがたみがないし、二番煎じ感も否めない。これこの前見たのと同じじゃない?と。

 

黒柴スポーツ新聞編集局長の少年時代は野球中継と言えば巨人戦ばかりで、特にパ・リーグの選手のユニフォームは珍しくて仕方なかった。それがずらりと並ぶのだからオールスターは本当に楽しみだった。西武ライオンズだけはしょっちゅう日本シリーズで見られたけれど、ロッテとか、南海とか、日本ハムはBクラスが定位置だったから、落合博満とか、門田博光とかを、ここで見ておかないとと目に焼き付けていた。

そういう意味では2試合開催でも3試合開催でもよかった。だが現代は交流戦もあるしBS、CSといった有料放送などを駆使すればいろんなチームの中継が見られるから、オールスターが1試合でもそこそこおなかいっぱいになれる。そういう意味でも1試合でいいのだ。

 

出られる選手をしぼった上で、プロならではの真剣勝負をする。この方が名勝負も生まれそうな気がする。

 

1990年のオールスター第2戦で落合博満野茂英雄からホームランを打ったが、あれは力と力の対決の象徴だった。

いま、そういう千両役者が両リーグにいるだろうか。2017年の顔ぶれで言えば、千賀滉大と鈴木誠也則本昂大と筒香嘉智あたりの組み合わせならぜひ見てみたい。則本昂大に関しては2017年に野茂英雄を超える8試合連続2けた奪三振を記録したのだから、ぜひとも江夏豊ばりに9人連続奪三振を狙ってほしい。

左腕の誇り 江夏豊自伝

左腕の誇り 江夏豊自伝

 

どうせ複数の試合を組むのであれば、1試合は直近1~2年に災害があった地で開催し「復興祈念試合」と銘打って興行するのはどうだろう。被災してすぐは無理だから、立ち直ってから。試合ができるくらいに復興した時点で。その日くらいは野球を楽しんでもらい、収益は地元に還元し、飲食やグッズの売買でお金を回す日にしたらいい。

 

プロならではの真剣勝負。チャリティーマッチ。以上2通りを提案してみたが、あなたはどんなオールスターが見たいだろうか。

 

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Tシャツを作ることがファンサービスなのか~マレーロの踏み忘れ、ロッテの謎の魚があるなら加治前竜一のもほしかった

まじめか!とタカアンドトシばりにつっこまれそうだが、気に食わないTシャツを発見した。オリックスが、ホームベースを踏み忘れてホームランを取り消されたマレーロのTシャツを作って売るという。
 
筆者はオリックスファンではないがもしそうだったら怒るだろうな。7月4日現在でリーグ4位。借金4だ。こんなことをして遊んでいる場合なのか。

ミスには凡ミスとアグレッシブさが招いたミスの2通りある。マレーロはホームベースを踏んだつもりだったから悪気はない。だからこそ球団にはこんなTシャツを作ってほしくはなかった。会社員が事務処理でミスってそれをTシャツにして社内で着てたら怒られるだろうなあ。オリックスクライマックスシリーズも念頭に凡ミスを払しょくする方が先の気がする。

 
小ネタでTシャツを作るのはいつから流行りだしたのか。筆者の記憶では弱かった時の広島がブラウン監督のベース放り投げ事件をネタにTシャツを作ったのが初期だ。これはまだフフと笑えるネタ。抗議のシーンだからそれをネタにすることでしゃれっ気も感じられる。

マレーロのTシャツを作るのであれば彼が本塁打王のタイトルをとったタイミングならしゃれっ気はあった。だが7月4日時点でまだ5本である。最適なのは「あと一本で本塁打王だった」パターンで「本当は本塁打王」というフレーズと踏みそこないの足型であればスパイシーな言い訳というものだ。

 
Tシャツネタがもう一つ。ロッテが「謎の魚」Tシャツを7月15日に再販するという。6月30日に売り出したところ完売したのだった。ロッテは7月4日時点で50敗目を喫し勝率.315でぶっちぎりの最下位。謎の魚の企画自体は面白いがタイミングが悪すぎる。謎の魚は成績不振だからと別の話題づくりをしたのでもあるまい。チームの成績より企画に目が行くというのもさみしい話。

面白いだろうなと球団が企画して面白いと思ったファンが買う。需要と供給がマッチしているからロッテの謎の魚Tシャツは完売した。だから外野がとやかく言うことではないがおせっかいな黒柴スポーツ新聞は言う。本当のファンサービスってグラウンドの中でやるんじゃないの?と。オリックスファンでもロッテファンでもないのだが変わり種Tシャツを買うことがチームの応援になるのかなと疑問にも思う。まあしゃれが楽しみたいから買いたいのであってチームの応援まで意識はしていないかもしれないが。

 
広島のバティスタは初打席初ホームランTシャツを作ってもらっていたが、最近の選手はすぐ記念Tシャツを作ってもらえていいなあと思う。マレーロと謎の魚Tシャツは批判してしまったがこういうプレーにまつわるものならまだいいかなと。最近はネタ的にちょっと安売りしすぎるようにも感じてはいるが。

バティスタが作ってもらえるならあの男にも作ってもらいたかった。企画自体あったのかどうかも分からない。加治前竜一の「初打席初本塁打サヨナラ本塁打」Tシャツである。何せプロ野球史上初なのだ。これをTシャツにしなくてどうすると言いたい。

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加治前竜一は残念ながらプロでは大成しなかったが歴史に名は残した。通算2本のホームランしかないのに最初の本塁打サヨナラホームランというのは味がある。

なお筆者は加治前竜一山内壮馬高濱卓也のトリプルメモラビリアの野球カードを持っている。偶然引き当てたものだ。かつて市場では2万5000円という高値が付いたがもちろん筆者は値段よりも加治前竜一のカードであることに価値を見出している。だから加治前竜一が戦力外になった今でも彼のカードを手放す気がない。

2017年のプロ野球もまもなく前半戦終了。後半戦は小ネタもいいけれど出来ればハッスルプレーでたくさんの記念Tシャツが作られたらいいなあと思う。