黒柴スポーツ新聞

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笠谷をフォローできなかった海野。からの森唯斗〜苦しい時に見捨てない

鹿児島での楽天戦、リリーフの笠谷が炎上した。3イニング被安打10、6失点のメッタ打ち。解説の坊西浩嗣はキャッチャー海野の姿勢を指摘した。14点目のタイムリーを浴びてホームにバックアップに回った笠谷がマウンドに戻る際、2人は無言で交錯したのだ。

「マウンドまで一緒に歩いてあげて、声を掛けてあげるのも愛情ですからね」

本当にその通りだ。ただ、海野がそういうケアができない選手だとも思わない。アナウンサーは「そういうことをするゆとりすらなくなっている」とフォローしてくれたが、これも本当にその通りだと思う。一旦火がついた相手打線がもう手を付けられないくらい活気付いている。海野も余裕がないのだ。


さらにヒットを浴びて、ようやく海野はマウンドに向かった。タイミングが遅い、と坊西は言った。

「気持ちは分かる。僕もこういうことがあり、よくベンチから怒られた。キャッチャー的には苦しい。何を投げても…って感じで。ここを何とかしてあげなければいけないという気持ちは大事」

若いバッテリーはようやくこの回を締められた。


今のソフトバンクで、もう1人孤独な投手がいる。そう、守護神の森唯斗だ。私は鹿児島の試合を視聴中に、森が登録抹消になったことを知った。期限は特に設けられていないという。モイネロや又吉との配置転換、つまり投げるイニングの前後を変えるかと思っていたので2軍行きは驚いた。藤本監督いわく「前にいっても余計におかしくなる」(スポニチアネックス記事、ソフトバンク森が“無期限”登録抹消 藤本監督「9回いける状態まで期限決められない」より)ということだが、分からなくもない。森にも最終回を任されてきた自負があろう。

ただ、個人を尊重しすぎてチームに影響してはいけない。鹿児島での楽天戦は明らかに、北九州での逆転負けを引きずっているように見えた。

われわれファンはそれを踏まえつつ、森唯斗が1軍のマウンドに戻るまで見捨てない、苦しい時こそ声を掛ける。そういう愛情ある姿勢が求められているのではないだろうか。


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