黒柴スポーツ新聞

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森唯斗3敗、ついに守護神交代論〜選手とチーム成績のはざまで

プロ野球は結果がすべてとは言うが、シーズン序盤で早くも森唯斗配置転換論が浮上した。北九州で楽天相手に手痛い逆転負け。今季4敗のうち森で3敗。いやが上にも目立ってしまう。

筆者自身、森が打たれたら又吉の顔がチラついてしまった。モイネロもいる。選択肢があるという意味では決して悲観的になる必要はないのだが、気になるのはファンが森を信じられなくなっていることだ。

森が守護神として結果を残していた時期は、ソフトバンクが日本一になっていた頃と重なる。サファテが故障で離脱することになった時、森が代役になったのだが、うまく受け継げたと思う。球には勢いがあり、連投を厭わない。だが今、肝心の球威が落ちてきているように見えているのだろう。だからファンがざわついていると見た。

2021年シーズンの故障の影響もあるのだろうか。森の離脱はチームに響いた。岩嵜や板東が投げたが森にはなれなかった。だが、今年はモイネロがいる。そして中日から来た又吉も結果を出している。チーム事情を考えたらすぐに守護神を交代させてもおかしくはない。

だがプロ野球において守護神を降りて再びその座に戻るケースは決して多くない。ある意味横綱のように勝つか引退か、そのくらい過酷な地位である。そう考えると守護神として何百セーブも積み上げてきたレジェンドたちは化け物だ。

藤本監督はそのあたりも含めて判断しないといけない。選手よりチームだろと思われるかもしれないが、森のプライドというものもある。打たれたらプライドも何もあるまいと思われそうだが、守護神を代わるとしても代わり方がまずければ森は一気に抜け殻になりかねない。それを危惧する。

森自身、うだうだ言うタイプではなさそうだから、結果が伴わなければ受け入れるかもしれない。森の年俸のことを言うファンもいた。そう、森の年俸はチームの勝ちを含んだ額である。ゆえに森はこうした批判に耐えねばならない。守護神は本当に過酷な職場である。

野手については分かりやすいくらい、結果を出した人をどんどん起用してきた藤本監督。それを当てはめると守護神は代わる。まだ貯金は7あり、首位との差もごくわずか。あと一回くらいは森に猶予を…というのは甘いだろうか。個人の選手生命とチームの成績。藤本監督がどのようにバランスをとり、決断するのか。守護神を変えないなら変えないと即言う人もいる中で藤本監督はそうは言わなかった…。その判断に注目が集まっている。


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