黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

ホークス終戦の夜に~課題が浮き彫りになった2019シーズン

ホークスの2019年シーズンが終わった。私にとっては、DAZNradikoを駆使してほぼ全試合を追った、初めてのシーズンが。だからこそ素直に言える。西武ファンの皆さん、おめでとう。西武の打力には参りました。

 

対照的にホークス打線は終盤、爆発力がなかった。西武はたびたびサヨナラ勝ちしたが、ホークスは最後にサヨナラ勝ちしたのはいつかなと思い出せないくらい。先行逃げきりという勝ちパターンはあっても、逆に言えばそれでなければ勝てないようなチーム状態だった。

 

多くの人は同情するだろう。ホークスはけが人続出しながらよく頑張った、と。それはその通り。だからこそ感動もした。若手の台頭に胸を躍らせた。だが、終盤は柳田悠岐中村晃も戻ったのに優勝できなかった。ラインナップに戻ってはいるが本調子ではなかったということだ。それならば他の野手が二人を押し退ければよいのだが、本調子でない柳田悠岐中村晃をしのぐ野手がいなかった。

 

 

ひょっとしたら長谷川勇也や福田秀平なら代わりになれたのかもしれないが、4打席で見たときはやはり柳田悠岐中村晃の方が上回ると見られたのかもしれない。野手力の底上げは2020年シーズンに必ず成し遂げねばならない。2019年にはその課題がはっきりと見えた。

 

中継ぎ陣は新人の甲斐野やようやく花開いた高橋純平、椎野新ら若手が文字通り奮投した。石川や加治屋が本調子でない穴をしっかり埋めてくれたし、チームが苦しい時を支えてくれた。だが、終盤息切れしてしまった。ここ一番というところで打たれたり、四球を連発したりした。タラレバを言ったらきりがないが、この若手に調整面も含めてもう少し経験があれば、もう少し違った展開になったと思う。

 

ウィーラーに逆転ホームランを喫した千賀、それにつながるランナーを出した今宮のエラー……チームを引っ張ってきた主力がここ一番で踏ん張れなかった。これは本人たちも悔しいと思う。ありきたりだが、それを晴らすのはCSしかない。西武に勢いがあるから、短期決戦の経験豊富なホークスでも簡単には勝てないだろう。今の調子では3位に足元をすくわれかねないくらいだ。それだけは絶対に避けたい。

 

2年連続でシーズン優勝を逃した事実は重い。だが、CSというステージは用意されている。だからまだホークスは下を向くことは許されない。ほぼ全試合を追ったからこそ強く主張したい。
CSこそは勝ち抜け、と。

俺がやる。と思わせるために~ソフトバンク逆転優勝へ必要な合意形成

総力戦だ、執念だとマスコミは美辞麗句を並べているが、ソフトバンクはベンチが勝ち急いで見えて仕方ない。9月22日は不振の柳田悠岐の4番昇格という奇想天外なプランが当たったが、ハイリスクだった。柳田悠岐の頑張りに救われた面は大いにある。

 

その前の4番にはグラシアルが座った。残り5試合ほどで4番変えるかね?と思ったのが正直なところ。ただしデスパイネの不振もなかなかだから、ベンチは少ない可能性の中でもがいているのだろう。そこは逆転優勝へなりふり構わず行くんだという合意形成ができていれば問題ない。しかしただただ勝ちたい負けたくないという思惑だけなら、選手は落ち着かないのではないか。日替わり打線や矢継ぎ早の継投はいかにもチームのドタバタぶりが見えてしまう。

 

今日は高橋礼を初の中4日で投入するという。これは高橋礼もチームの危機的状況が分かっているから、気持ちを入れて投げてくれると思う。そう、このようにスクランブル態勢というのはプレーヤーと指揮官の気持ちが一つになってこそ効果が期待できる。

 

前日の森唯斗の回またぎもそうだ。もうあれだけ中継ぎがドタバタしたら森だって自分がやるしかないと思うに決まっている。森に関してはもともと気持ちで投げるタイプだから、残り試合すべて投げる準備はするだろう。願わくば森を出さずに終われるくらい打ち勝ってほしいのだが。

 

もう1試合も落とせないからなりふり構わず打順を組む気持ちも分かる。だが、それならばそうチーム内で宣言して打順を組んでもらいたい。そうすれば何番だろうがみんな必死のパッチでバットを振るはずだ。俺がやるんだ、と。2014年にはスローガン「俺がやる。」を掲げて日本一になったソフトバンク。逆転優勝に向けてそれぞれが、俺がやる、の気持ちで戦い抜いてもらいたい。

本調子ではなかったとしても~ソフトバンク内川聖一のガッツポーズに闘志を見た

島田誠がさかんに訴えていた。ヒットを二千数百本打ったバッターに8番を打たせてはいけない……そう、内川聖一のことだ。もちろん内川は8番だからといって手は抜かない。何番だろうがやるべきことはやる。

ヒットが打てなかった打席でも、最低限の仕事イコール進塁打を放った内川。「一番に手を差し伸べにいったのは松田ですよ。分かってるんですよ」と島田誠。ベテラン同士、勝つために必死にならなきゃいけない状況であることは共通認識としてある。松田宣浩は内川が進めたランナーを返すタイムリーヒットを放った。

内川はこの日6番に昇格していた。勝負を決めた8回には一塁に俊足・周東を置いた場面で打席へ。周東を警戒してオリックス増井は内川に集中できない。盗塁もあり得るため、直球主体になるはず……そのくらいは野球ファンでも分かる。そしてストレートを内川はセンターに打ち返した。これでランナーは一、三塁。さすが内川だなと思ったら池田親興は「ストレートを待って詰まるのは、今の内川の状態を表している」と解説した。確かに内川クラスなら、以前の内川ならばホームランあるいはタイムリーになっていたかもしれない。内川が下位を打たされるのはこのあたりが見極められているのかもしれない。

それでもなお気持ちでセンター前に持っていった内川のバッティングには心を動かされる。チャンスを拡大したソフトバンク中村晃の犠牲フライで勝ち越した。代走を送られてベンチに退いていた内川は飛び出してガッツポーズをしていた。タイムリーにならないあたりが今のソフトバンクの苦しさなのだが、今は勝つことが最優先。勝ち方は二の次だ。内川のガッツポーズにはまだまだ優勝を諦めないという闘志が見えた。

数字的には優勝争いが厳しくなってきたが全員が内川や松田宣浩ばりの闘志を見せればまだチャンスはある。きれいな勝ち方じゃなくていい。ここまできたら一つでも多く勝って西武にプレッシャーをかけたい。ソフトバンクファンもまだまだ諦めてはいけない。

各自が持ち場を全うする~ソフトバンク「執念の継投」は美談なのか

ソフトバンクが9月15日の日本ハム戦に敗れ、西武がロッテにサヨナラ勝ちしたため、西武にマジック9が点灯。Twitterではまずい守備で西武に決勝点を献上したロッテに対する激辛コメントが並んでいたが、ソフトバンクファンとしては西武戦よりもまず日本ハム戦での敗因を見つめたい。私は6回の継投と見ている。

 

え? 甲斐野が清宮らにタイムリーを打たれた8回がポイントじゃないの?と思われるだろう。確かにそこが決定的な場面だが、伏線は6回に求めたい。なぜならソフトバンクは6回、先発した和田毅を含めて4人のピッチャーがマウンドに立った、つまり早めにコマを使ってしまったのだ。

 

和田毅からスイッチした嘉弥真は対左のワンポイントだったから仕方ないが、高橋純平が中田翔にタイムリーを浴びた。ここが痛かった。チームへの貢献度が高い高橋純平が1本タイムリーを打たれただけで責められるのは酷だが、結果的にはこれで継投のタイミングが少しずつ早まった。高橋純平は続く渡邉諒から三振を奪ったところで降板。清宮に左を当てるためにモイネロが投入された。

 

モイネロは回またぎできるから、登板が早まった1イニング分は取り返せる。しかし仮にモイネロが温存できていたとしたら……つまり、甲斐野が失点した8回にこそ、モイネロを対左として清宮にぶつけていたら……と考えてしまった。もちろんタラレバなんてプロ野球を語る上では意味がないのだが、タラレバをついつい口にしてしまうのが熱烈なファンである。

 

早いイニングや短いイニングにどんどんピッチャーをつぎ込むことをマスコミは「執念の継投」と美談に仕立てる。それは果たして的を射ているのだろうか? 特に近年はますます投手の分業化が細かくなり、回またぎなんて言葉も定着するほどだ。つまり、強いチーム、磐石なチームほどピッチャーの出番は定番化している。ソフトバンクが立て続けに「執念の継投」という記事を書かれているのは、投手陣が磐石ではない何よりの証拠に思えるのだが。

 

残り試合が一桁になった今、確かに出番がいつも通りなのかをいちいち気にしては勝てないかもしれない。しかし、スクランブル発進せずに済むならそれにこしたことはない。武田翔太の四球という悪い流れを断ち切り逃げ切った前日の執念の継投と、ヒットやタイムリーを打たれながらの前倒しの継投は意味合いが違う。残り試合が少ないからこそ、今一度各自のピッチャーが持ち場を全うする継投が見たい。

 

ライバル西武の勝ちパターン投手である平井や増田も登板が多く、特に平井はいっぱいいっぱいに見える。まさに根比べ。奮闘してきたソフトバンクの中継ぎや抑えは今が一番しんどい時だろうけれど、そんな時こそ各自が持ち場を全うすることでお互いを助けてもらいたい。

意識して「意識」する人、しない人~ノーヒットノーランの千賀と、キャッチャー大野奨太

何か大きな出来事を控えている時、あなたはそれを「意識する」派だろうか? それとも「意識しない」派だろうか? 今月2人がノーヒットノーランを達成したが、当の本人やそれにまつわる人、それぞれの思考はとても興味深い。

 

1人目はソフトバンクの千賀。ノーヒットノーランの次の登板日は宿敵西武との天王山2連戦の初日。エースとして意識しないはずがない。ところが天王山で勝ち星を挙げた翌日の新聞記事を見ると「(その試合が)大事かどうかも考えなかった」という予想外の千賀のコメントが載っていて驚いた。

 

ちなみに私は大きな予定を意識する派だ。大事なことだからこそ丁寧にやりたい。慎重にやるのはいいのだが、意識しすぎる傾向がある。だからこそ今回の千賀の思考に唸った。千賀は大事な試合かどうか、考えないくらい、自分のやるべきことに集中していたのだ。

勝てなかったらどうしよう、なんてことをあれこれ考えるよりもまずは自分がやるべきことをやる。それを実行し、結果が残せたらチームに勝利をもたらすことができる。なるほどなと思わされた。ピンチを迎えた試合終盤には好打者の栗山、勝負強い外崎から連続三振を奪った。絶対に点をやらない。そのために、投げるべき球を投げるべきコースの投げるべき高さに投げた。そこにしびれた。

BBM 2018 1st 千賀滉大 BM01 プリントサイン

BBM 2018 1st 千賀滉大 BM01 プリントサイン

 

 

 

さて、もう1人はノーヒットノーランを達成した中日の大野雄大、ではなくてキャッチャーの大野奨太。元ネタは中日スポーツの「途中からマスク、中日・大野奨太ノーノー初体験 意識して大野雄大の快挙達成サポート」だが、スタメンキャッチャーの加藤が負傷したため6回から出場した大野奨太は、見出しにあるようにノーヒットノーランをあえて意識して出場したという。

 

「考えないようにじゃなく、逆にノーヒットノーランだと思って自分は行った」(中日スポーツ記事より)
これも一つの考え方だ。千賀の場合はその試合が大事かどうかも考えなかった。だが、大野奨太はいま目の前で大記録が継続中ということもあり、意識することでリードがうまくいったのではないか。

 

普段の試合でももちろんヒットを打たれないよう配球するだろうが、特に6回という後半から、しかもノーヒットノーラン継続中からマスクをかぶるのだから、引き気味に引き受けていたらあまりよい結果にならなかったような気がする。大野雄大自身、「5回くらいから絶対打たれるやろなって思って投げていた」(東スポ記事より)そうだから、大野奨太が意識してリードしたことは意味があったと思う。

 

意識する派かしない派か聞いたが、特にどちらがよいと言うつもりはない。自分の場合はいつも意識しすぎてしまうので、そんな時は千賀みたいにまずはやるべきことをやる、そこに集中してみようと思う。そして、都合よく使い分けてみたいのだが、強気で行った方がよさそうな場面では、大野奨太のようにあえて意識しながら実行してみる。どちらも今までやったことはないが、ノーヒットノーランという快挙にあやかって、大事な予定がある時は意識して「意識する」「意識しない」を使い分けてみよう。

気持ちの強い方が勝つ~ソフトバンク、川島慶三と明石健志の代打タイムリーでロッテ撃破

「西武勝利の情報が入ってきております」
試合終盤、アナウンサーが他球場の結果を伝えた。ソフトバンクは8日のロッテ戦で先制するも、逆転されるなど苦しい展開だった。しかしベテラン川島慶三の活躍で同点、そして明石健志のタイムリーで勝ち越した。

 

ヒーローインタビューではまず明石が「いつ自分の出番が来るか」と考えていたことを明かした。呼ばれるかな、というより「いつ」呼ばれるか、と考えるところがさすがだなと思った。出る前提だから、準備もきっと本気だ。本気で準備しているからこそ代打でも結果が出る。そうに違いない。

 

川島慶三も「絶対打つ」という強い気持ちで打席に入ったという。ツーストライクと追い込まれながらも、低めに落ちていく変化球に食らいつきレフト前に運んだ。絶対に打つ。当てる。そんな気持ちで打ったに違いない。代走の周東もよくホームに帰ってきた。

 

何でもかんでも気持ちがあればできるというのは嘘だと思う。逆立ちしても無理なものは無理。そんな時はある。でも1%でも可能性がある場合は、気持ちが強ければ強いほど、うまくいく可能性は高まると思う。努力のしがいはそこにある。

この日はデスパイネの先制タイムリーを皮切りに、柳田悠岐、グラシアル、松田宣浩といった主軸に打点が付いた。そこにスーパーサブ川島慶三明石健志が加わった。特に明石のタイムリー後には内川聖一松田宣浩もグラシアルもベンチを飛び出し万歳やハイタッチ。総合力で勝つ。この辺りはソフトバンクの真骨頂だ。

 

勝負を決めた明石のタイムリーに至る起点は内川聖一二塁打だった。ここで内川は頭から滑り込んだ。タイミング的にはそこまでしなくても間に合っただろうが、気持ちが入っていたのだろう。2000本以上ヒットを打ったベテランが必死に次の塁を狙う姿勢は若手にもぜひ見習ってほしい。アラフォーの私にもよい刺激になった。

 

西武も勝ったためゲーム差は1のまま。ここまで来たら気持ちの強さがわずかでも上回った方が勝ちそうだ。最後の直接対決は死闘になる可能性大。ますます優勝争いから目が離せない。

千賀が初ずくめのノーヒットノーラン~甲斐との育成出身バッテリーで快挙

ソフトバンクのエース千賀が9月6日のロッテ戦でノーヒットノーランを達成した。令和初、育成出身初、育成出身バッテリー初、ソフトバンクホークス初、ホークス福岡移転後初と「初」ずくめだ(ほかにもあったら教えてください)。

 

ホークスとしては1943年南海の別所昭(後に毅彦)以来76年ぶり。最も達成から遠ざかっていた球団だったそうだ(歴史が浅い楽天を除く)。工藤公康斉藤和巳和田毅も攝津正もやっていない。

 

単純に、ノーヒットノーランをやっただけでも素晴らしいのだが、やったタイミングがよかった。千賀自身は3連敗中で、チームに勝ちを付けられていないことに忸怩たる思いがあった。やり返す、という意味ではこれ以上ないリベンジだ。

 

ホークスファンとしては甲斐拓也との育成出身バッテリーという点にフォーカスしてもらいたい。この二人が入団時、3桁の背番号だったなんて……今や知名度は全国区だ。育成出身投手によるノーヒットノーランはこれからもありそうだが、育成出身バッテリーによるノーヒットノーランは少しハードルが高そう。しかし、甲子園経験者でもなく、大学時代にタイトルがなくてもプロ入りして結果は残せる。そんなよい事例だから、プロを目指す豊かな才能たちに希望をもたらすことだろう。

 

甲斐は甲斐で心中機するものがあっただろう。正捕手ながらここ2試合は先発マスクを高谷に譲る形。しかも高谷はリード面と勝負強い打撃でチームに貢献した。甲斐にはよい刺激になったに違いない。

 

リード面では早速高谷の配球の影響かもというシーンがあった。藤岡だったと思うが左打者のインコース、ストレートで三振を奪った。前日、高谷が甲斐野に左打者のインコースにフォークを投げさせて見逃し三振に仕留めたシーンがよみがえった。甲斐野のフォーク、千賀のストレート。得意球をインコースに決めて見逃し三振を奪うリードはどちらも見ごたえがあった。

 

甲斐野のフォークに関しては、甲斐は空振りを奪うために使っている印象だから、見逃し三振を奪うために投げさせた高谷の組み立ては非常に参考になると思う。なんて偉そうに語ってしまうが、単純に、近くに思考の幅を広げてくれる存在がいることを、素晴らしいと思う。

 

ノーヒットノーランなんて明るい話題があるのだから首位固めは磐石、と言いたいが西武がなかなか脱落しない。さすが2018年クライマックスシリーズ終了後に辻監督が涙しただけのことはある。執念を感じる。現役時代、西武の黄金期を知っているだけに勝ち方を心得ているのだ。

 

となるとソフトバンクと西武の直接対決(11、12日)が本当に本当の天王山になりそうな……。その時千賀は投げるのか分からないが、最終盤、ノーヒットノーランとはいかなくてもまたチームに勢いをもたらす好投をしてもらいたい。

代わる代わる穴を埋める~ソフトバンク優勝ならMVPは誰なのか

東スポWebにこんな見出しを見つけた。
「パ首位なのに…ソフトBにはMVP候補がいない」

そんなことないだろうと思ったが、「?」。確かにこの人だ!と決めかねる。

 

MVPだから成績はぶっちぎるくらいでないと。その点、2019年のソフトバンクは打者でも投手でも軸があるようなないような。デスパイネは4番でそこそこ勝負強い打撃をしてくれているが例えば西武の山川やら中村剛也の方がインパクトは大きく数字も残している。

 

投手はもちろん千賀が軸だが 最多勝には届いていない。勝ち星では高橋礼と変わらない。さらにここのところ打ち込まれており、被弾はリーグワーストだ。印象があまりよろしくない。

 

それでもやはりMVPは優勝チームから選んでもらいたいのだが、このままでは票が割れると予想する。個人的には交流戦で活躍した松田宣浩かなと思う。数字的には抜きん出ていないが、チームに勢いをもたらした意味で、交流戦の活躍は評価されるべき。また、故障者続出の中、よく試合に出続けてくれた。

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なお、開き直るがMVP候補がいないのはチームの総合力で首位にいることの、何よりの証しではなかろうか。特に前半戦、あれだけ故障者が続出したら下位を低迷してもおかしくない。もともとソフトバンクは野手が「高齢化」している懸念があった。だが、こんな時はスタメン奪取のチャンスとばかりに周東ら若手が台頭した。さすがに定着までは至らなかったが一時的には穴を埋めてくれた。

 

ピッチャーも五十嵐や攝津らがチームを去り、若返った。ルーキー甲斐野を筆頭に、椎野、高橋純平、松田遼馬らが競うように結果を残そうと踏ん張った。先発でも高橋礼が初のローテーション入りながら2桁勝利は立派だ。

 

助っ人外国人はデスパイネが徐々にエンジンを上げ、チームが苦しい時はグラシアルが勝負強いバッティングを見せた。モイネロも8回は定位置になり、森によくつないだ。キューバ代表としての活動のためグラシアルと夏場に離脱した時はもはやこれまでと観念したが、何とかチームは持ちこたえた。

 

 

…………なんて書いていたら、やっぱり一人の力だけでは勝ってきていないということがよく分かる。このままソフトバンクが優勝してMVPがさっと決まらなくても、そんなシーズンだったんだなということで別にソフトバンクファンはこだわらないのでは?と思う。みんなが代わる代わる穴を埋める。そんなチームが優勝するのも悪くない。

できる人は何度でもできる~ノーヒットノーラン3回の外木場義郎と沢村栄治

大リーグのバーランダーノーヒットノーランをやった。何と3度目だ。すごいなと思ったら、3回以上の達成者は6人目だというからまたびっくり。できる人はやはり違う。

 

ちなみに筆者が好きなノーラン・ライアンノーヒットノーランを7回やっている。余談だが、社会人になってからネット上でアストロズ時代のライアンのユニホームが36万くらいで売られているのを見つけて買おうかどうか迷ったことがある。

 

日本でもノーヒットノーランを3回やった人が二人いる。一人は沢村栄治。大リーガー相手に好投したのもうなずける。残念ながら太平洋戦争で出征し、戦死してしまった。平和な時代であればもっともっと活躍したことだろう。これだけ考えても、戦争はやってはならない。

沢村栄治とその時代

沢村栄治とその時代

 

 

 

もう一人は外木場義郎。広島のエースである。外木場がすごいのは、3回のノーヒットノーランのうち1回が完全試合ということ。そして外木場が立ち向かったのはV9時代の巨人だった。3回のノーヒットノーランのうち1回がその巨人から。ちなみに初勝利自体がノーヒットノーランだった。

 

3回には及ばないが、野茂英雄アメリカに渡り、ア・リーグナ・リーグ両方でノーヒットノーランを成し遂げている。これもまた快挙だ。

 

沢村栄治外木場義郎、そして野茂英雄ノーヒットノーランは1回やるだけでもすごいのに、何度もやるなんてすごすぎる。何でできるのかなと思う一方で、1回できた人ならもう1回やれても不思議じゃないという感じもする。つまり、地力があるということだ。

 

 

ノーヒットノーランを振り返ると、だいたい数回は味方がファインプレーしてもり立ててくれる。そういった運もないとなかなかできないだろう。と同時に、そもそもほとんどのバッターを打ち取れるくらいの制球力やら球威がないと無理だ。ノーヒットノーランを複数回できた人は、やっぱり地力があるのだ。

 

できる人は何度でもできる。反対に、できない人は何回やってもできない。それを覆すためには地力を付けるしかない。メッキではなく剥がれようのない実力を付けるしかないのだ。

 

バーランダーノーヒットノーランのニュースをきっかけに、本棚から鎮勝也氏の著作「二人のエース」を引っ張り出した。外木場義郎安仁屋宗八という名投手を丹念に綴ったノンフィクションである。外木場義郎がなぜ3回もノーヒットノーランを達成できたのか。またじっくり読んでみよう。興味がある方はぜひ手にとってみてください。

クールな人の熱いしぐさ~ソフトバンク、牧原ダイビングキャッチで首位陥落の危機脱出

「セカンドにスーパーマンがいましたね」
解説の松沼博久も脱帽だ。9月1日の西武戦。ソフトバンクが牧原大成のスーパーファインプレーで首位陥落の危機を乗りきった。

 

2点差に詰め寄られた8回裏、ツーアウトながら二、三塁のピンチ。モイネロの投じた球は外崎にうまくとらえられ、低い弾道で右中間目掛けて飛んでいった。同点か……と思った瞬間、牧原大成が倒れ込むのが見えた。起き上がる牧原。グラブには打球が収まっていた。内川聖一は両手を高々と突き上げ、モイネロはしゃがみこんだまま笑顔になっていた。

 

捕ったこと自体にグッときたが、さらにその後の牧原の動作に感動した。牧原は起き上がりながら、打球の入ったグラブでグラウンドを叩いたのだった。気合がにじみ出ていた。

 

あくまでもテレビで見る限り、なのだが牧原大成はクールだ。打てなくてもガムをクチャクチャしている一方、打っても浮かれる表情は見せない。わざとそうしているのだろうか。1番バッターとして結果が出ていない時期、見ているこちらは正直なところイライラしてしまった。初球から積極的に打ちにいくのはいいが、もう少しチームバッティングに徹してほしい。そういう思いがあった。だからこのブログでも厳しいことを書いた。

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だが、守備の面では牧原は今シーズン、本当に献身的な働きぶりだ。それはもっとクローズアップされていい。レフト、センター、ライト。ショート、セカンド。こんなにこなせる牧原はすごい。牧原がいるからこそ、ソフトバンクは日替わり打線が組めると言っていい。セカンドならセカンドに集中していれば、不動のスタメンになれているかもしれない。だが、牧原は忍者のように複数のポジションと打順をこなしている。

 

一つのポジションならば覚えることが少なく済む。もちろんその分、絶対的な存在感を出さねばならないから、そこは牧原はまだまだ足りない。だが、これだけ故障者が出ながらソフトバンクが首位をキープし続けられたのは、牧原を筆頭に福田秀平や川島慶三、周東佑京らスーパーサブが機能したからだ。複数ポジションをこなす人の大変さ、フォローする側の大変さは、やった人にしか分からない。

 

この西武戦、牧原大成はスタメンではなかった。明石健志が自打球により交代し、途中からセカンドに入ったのだった。そこでファインプレーが出るのだからドラマチック。明石も球際には強いから外崎の打球には食らいつけていたかもしれない。だが、この日牧原がファインプレーできたのは、絶対に勝つんだというチーム全員の気持ちが牧原大成の体に乗り移ったからのように思えた。同じ回、ライトで森友哉の打球を処理した周東も身を呈して、打球がフェンスに到達するのを防いだ。この隠れたファインプレーも付け足しておきたい。

 

クールな牧原が見せた熱いしぐさ。ヒーローインタビューは確かにこの大事な一戦を6回無失点と粘った武田翔太が選ばれて順当だけれども、牧原大成のダイビングキャッチはシーズンの行方を左右するワンプレーだったと思う。思いの強い者が勝つ。そんなことを再認識させてくれるスーパープレーだった。

鳥谷敬はどんな決断を下すのか~阪神一筋16年。生え抜きのキャリア論

「最後の神宮」発言で、あれ?と思っていたが、阪神鳥谷敬はこのまま引退してしまうのか。阪神鳥谷敬戦力外通告したことが8月30日、報じられた。

 

筆者はソフトバンクファンゆえに虎党の気持ちは想像するしかない。想像してみると、やはり阪神のユニホームのまま引退してほしいのではないかと思う。
もちろん、まだ引退すると決まったわけではないのだが。

 

引き合いに出されるのが今岡誠。彼もまた阪神で光り輝いた男だが、現役続行の道を模索してロッテに移籍。もちろん年俸は大幅にダウンした。ロッテには2年いて、選手兼任だがコーチもやった。

感じるままに生きてきて

感じるままに生きてきて

 

 

 

鳥谷敬とて将来的には指導者としても期待されているだろう。コーチは当然として、ひょっとしたら監督をやってほしいという声もあるかもしれない。だとしたら縦じまのユニホームのまま引退した方がよいのか。もはやそんな考え方は古いのか。指導者をやるならばさまざまな球団から野球を見るのも得策なはずだ。特に阪神は関西では特別な存在。一度外から見た方がいいかもしれない。

 

だが、まずは鳥谷敬が引くのか引かないのか、だ。彼には潔さを感じるので、あまり現役に執着しないような気がする。それよりは自分のバッティングができるのかできないのかの方が問題であり、そこを見極めようとしているようにも見える。

 

ほとんどのプロ野球選手は自分で引き際が決められない。しかしプロ野球歴代2位の1939試合連続出場、球団最多の通算2082安打など偉業を成し遂げた鳥谷は、自分で進路を決められる数少ないプレーヤーだ。もし自分の限界を感じていたら、すでに態度表明しているのではないか。そうしていないのは、つまり鳥谷敬はまだ現役をやめるつもりはなく、阪神でやれるか可能性を見極めていたのではないか。

 

阪神としても、功労者をわざわざ他球団に流出させようとは思わないだろう。一方で4億円といった年俸や、常時鳥谷を出場させられる環境にはないことを考えると、鳥谷が自らやめると言わない限りは球団が引導を渡さねばならない。シーズンも終盤に入ったから、タイミングとしてはこの時期になったのだろう。

 

鳥谷敬が態度表明する前に、中日が意思表示した。鳥谷が阪神退団なら獲得への調査をするそうだ(※この記事をアップ後、球団代表が完全否定した記事を確認しました)。中日と言えば松坂大輔を1500万で獲得したことを思い出すが、松坂大輔の時よりは相乗効果があるかもしれない。代打や守備力の底上げにつながるという期待だ。よく見聞きするのが鳥谷の練習量の豊富さ。よい手本になるとの思惑もあるかもしれない。

 

ちなみに筆者は鳥谷ファンの気持ちが少し分かる。筆者は元ソフトバンクの攝津正を応援していたのだが、攝津は戦力外通告を受けてしまった。現役続行を模索したが、結局そのまま引退。惜別のセレモニーは3月に行われたのだが、その時攝津が慣れ親しんだソフトバンクのユニホームを着てくれていたことがすごくうれしかった。本来なら、違うユニホームを着てでも現役を続ける姿を望むべきだろうが、ソフトバンクのユニホームがやっぱり一番だなというのが正直な気持ちだった。その後、実は一度楽天入りを考えたことがあるという記事を見つけてドキッとした。ちなみに攝津がセレモニアルピッチをしたのは阪神戦の前だった。

 

果たして鳥谷敬はどんな決断を下すのか。そして阪神ファン、鳥谷ファンはどのように受け止めるのだろうか。人生もプロ野球選手としてのキャリアも一度きり。だからこそ少々時間がかかっても鳥谷には納得いく結論を出してもらいたい。

新天地で戦力になる~日本ハムの公文克彦デビュー以来165試合連続無敗

日本ハム公文克彦が8月29日、プロ入りから165試合連続無敗となった。これはプロ野球新記録。巨人の高木京介と並んでいたが、単独トップとなった。

 

たった一球で勝つこともあるが、たった一球で負けることもある。それがピッチャー。プロ野球という、結果がすべての世界で生き抜くだけでもすごいのに、まだ1回も負けていないとは。実力もそうだが運もないと無理だろう。公文はすごい。

 

そして、それ以上にときめいたのは……公文克彦日本ハムで投げた試合数が150だったこと。これ、巨人で投げた15試合の10倍。トレードされた時は一緒に日本ハムに行った大田泰示の方がクローズアップされたが、公文もしっかり日本ハムで戦力になっている。

 

同じプロ野球チームでも歴史やカラーが違うし、設備や人間関係といったソフト面、ハード面の環境も変わるから、移籍先で活躍する人は本当に素晴らしい。巨人にいてもそこそこ活躍したかもしれないが、公文の場合は日本ハムに行ってこのように結果が出たのだから、あのトレードは大正解だった。

 

そして正解にしたのはもちろん公文が努力した結果であって、人知れず苦労もしたことだろう。トレードは志願して実現する場合もあるが、大田・公文の場合は本人よりは巨人と日本ハムそれぞれのお家事情によるものだろう。心の準備はできていなかっただろうが、二人は日本ハムに行き、活躍することでトレードを成功と印象付けた。本当に素晴らしい。

 

公文と同じ高知高校出身の和田恋も、今年の楽天へのトレード後に初本塁打やら1試合4安打やら、結果が出だした。そう言えば二人とも巨人出身……。和田もまた、公文がように新天地で結果を出せるだろうか。パ・リーグにいる限り、二人が直接対決する機会はある。ひょっとしたら公文の連続無敗記録を止めるのは……なんて想像してしまった。公文には1試合でも多く、無敗記録を続けてもらいたい。勝つのもすごいが、公文のような中継ぎピッチャーにとって、「負けない男」という称号は最高の評価。ぜひ、このまま行けるところまで行ってもらいたい。

 

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甲子園のガッツポーズは悪なのか2019~明石商業・狭間監督に賛否両論

数十年、甲子園の熱戦を見ていて初めてだったかもしれない。監督のガッツポーズを見たのは。明石商業の狭間善徳監督。筆者が見たのは1回だけだったが、オトナンサー記事「明石商監督の派手なガッツポーズ話題に…高校野球における敬意を欠かない喜び方とは」には狭間監督がガッツポーズを繰り返していた、と書いてあった。1回だけでもインパクトがあったから、繰り返したとなると確かに話題にはなるかもしれない。

 

肯定か否定かと言われたら筆者は肯定派だ。ガッツポーズを見た時には、おおっ、だいぶ入れ込んでるなぁと確かに思った。だが、甲子園まできて入れ込まない指導者なんているのだろうか。言動が勝利至上主義にならないのであれば、それはその監督や選手たちの人間性が素晴らしいだけだと思う。

 

ガッツポーズは入れ込まないと出てこない。もちろん甲子園出場チームの監督さんたちがこれまでガッツポーズをしなかったのは、見えるようにしなかっただけで、心の中ではそりゃお祭り騒ぎ、よっしゃよっしゃと大喜びしていたに決まっている。狭間監督は素直に感情表現してしまった。筆者が見たガッツポーズは宇部鴻城戦の8回、1死三塁から三塁ランナーを走らせてのエンドランで同点に追い付いた場面。高校野球経験者に尋ねると、軟式野球ではあるよとも聞いたが、まさに作戦がはまったシーン。一か八かだから、狭間監督くらい熱い人がガッツポーズせずにいられるはずがない。喜びが爆発してしまったのだ。

高校野球界の監督がここまで明かす! 野球技術の極意

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ガッツポーズも、一律で否定しなくてもよいのではないか。ガッツポーズというよりは、示威行為を慎んだ方がよいと思う。何が違うかというよりは言えば、相手に対してやるかどうか。つまり、身内に対してやる分には喜びの共有だから相手を侮辱する意味はない。

 

それでいうと、今年の夏は出なかったが、2018年の甲子園で吠えまくった創志学園の西純矢投手は少々やりすぎだったかなと思う。彼も感情を素直に出しているのだろうけれど、見方によっては相手を威圧しているように見えてしまう。前述のオトナンサー記事ではテニス選手が相手に対してはガッツポーズしたり大声を出したりはせず後ろを向いてやることが紹介されている。西投手も気合を入れるならセンター方向を向いて吠えたらまだましかなと思う。

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ガッツポーズではなかったが、昨年夏は吉田輝星のシャキーンポーズがご法度となった。あれはチームメイトとの意思疎通だから止められる筋合いはないと思うが、誤解を生むような行動は慎みなさいということだろう。だが筆者は、甲子園という最高の舞台を最高の仲間と楽しんでいる象徴に見えたから、シャキーンポーズは大好きだった。

金足農 旋風の記憶 [雑誌] (週刊朝日増刊)

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狭間監督のガッツポーズも決して相手に対してはこれ見よがしにやっているとは思わない。戦法がはまり悦に入っている面はあるかもしれないが、それは策士だから当然と言えば当然。明石商業などでこれから甲子園の常連、名物監督となれば次第にガッツポーズは減っていく……とはならないか、この熱さでは。

なぜ「あと1アウト」から逆転されるのか

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ちなみに宇部鴻城戦は明石商業がサヨナラスクイズで勝った。崩れ落ちるキャッチャーに声を掛ける明石商業の選手がいた。勝ったからできる仕草にも思えるが、相手を思う気持ちがなければやれるものではない。選手も監督も、ただただ勝てばいい、そんな気持ちだけでやっているわけではないのだと、もう少し信じてあげてもよいと私は思う。

活躍する場は自分でつかむ~阪神・藤川球児が現役最多タイ234セーブ

藤川球児が現役最多234セーブを記録。サファテに並んだ。サファテは故障で戦列を離れており、2019シーズン中に藤川が新記録を伸ばすことだろう。記録もさることながら、プロセスに心を動かされる。

 

新聞記事に書かれていた矢野監督の言葉。
「ことし、抑えではないところから始まって自分でつかんだところに価値がある」
深い。
そうだ、各球団の守護神はポジションが決まっているが、藤川の場合は定まっていなかった。キャリアから言えば指定席が与えられてもおかしくないが、藤川はその都度命じられた登板機会に投げてきた。藤川球児が守護神を務められているのは、任されたポジションで地道に結果を出してきたからにほかならない。

 

阪神藤川球児が代役守護神に任命 ドリスが登録抹消」
7月26日の日刊スポーツ記事の見出しだ。この時点で通算225セーブだったが、9セーブを足して234セーブとなった。藤川はあまり意識していないかもしれないが、名球会入り基準の通算250セーブ(日米通算でOK)は射程に入ったと言える。

 

藤川は大リーグで2セーブを記録しており、残り14セーブは数字上、今季中に到達可能ではあるが、そうなるとかなりの負担がかかることになる。39歳の藤川にそこまで投げさせるかはビミョーだが、来季につなげるためにも一つでも多くセーブを積み上げてもらいたい。投げる場面は自分でつかむ。それを実践する藤川球児は、なかなかカッコいい。

共感されるうれしさ~「あぶさんになった男 」など紹介料6円で得たもの

ざっくり言えば自己満足のために始めたブログではあるが、少しは人の楽しみになっているかと実感できる出来事があった。

 

具体的には本が売れた。
城山三郎「少しだけ、無理をして生きる」

少しだけ、無理をして生きる (新潮文庫)

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澤宮優「『あぶさん』になった男  酒豪の強打者・永渕洋三伝」

「あぶさん」になった男 酒豪の強打者・永渕洋三伝

「あぶさん」になった男 酒豪の強打者・永渕洋三伝

 

 

 

いずれもブログで紹介させていただいたものだ。このブログ「黒柴スポーツ新聞」では主に野球に関する蘊蓄を書いているため、なかなか画像を用意できない。文字ばかりになる点を指摘されたことの改善にと、Amazonの商品紹介を貼り付けている。野球カードの紹介が多いのは、記事に出てくる選手の画像を見ることで、あまり馴染みのない選手でも分かるようにという狙いがある。

 

そしてできる限り、その選手や監督の著書やグッズがあればその商品紹介を貼り付けている。応援したい人に買ってもらいたいためだ。もちろんこのブログを見て注文していただくことで「小遣い」を得られるメリットもある。だが、額的にも気持ち的にもおまけの意味合いが強い。実際、今回2冊が売れたことへの報酬(紹介料)は合計6円である。

 

とにかく、自分がおすすめしたものに共感してもらえたことがものすごくうれしい。特に本の場合は読んでもらって自分の世界を広げていただくことにつながるからだ。これはもう、自己満足とは言わない。れっきとしたきっかけづくりだ。詳しくはそれぞれの作品を紹介した記事をご覧いただきたい。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

 

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特に澤宮優さんの作品は個人的に何冊も集めている。澤宮さんの作品は労作ばかりで、かつ、あまり陽が当たらないようなシブイ選手にも温かい眼差しを向けているところが気に入っている。ご本人がこのブログを見つけてメッセージをくださった時は、飛び上がりたいほどうれしかった。ブログをやっていると、そんなごほうびもある。澤宮さんへの感謝の意味と、小遣い目的と正直に書いた上でまたPRさせていただこう。

ひとを見抜く 伝説のスカウト河西俊雄の生涯

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打撃投手

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戦火に散った巨人軍最強の捕手 (河出文庫)

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プロ野球・燃焼の瞬間―宮田征典・大友工・藤尾茂

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記録より記憶に残る野球狂列伝

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ドラフト1位

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趣味で書いているに過ぎないブログだが、誰かの役に立てているとしたら最高だ。最高の暇つぶしコンテンツになればこんなにうれしいことはない。いつも読んでくださっている読者の皆さん、あらためて「ありがとうございます!」。これからも暇つぶしにぜひ遊びに来てください。


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