黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

箱から出なくてはいけない~城山三郎「少しだけ、無理をして生きる」が突き刺さった件

久しぶりに古本屋に出掛けた。目的は野球本を探すこと。安く、かつ、面白い本を買えるか。ちょっとしたゲーム感覚でもある。まず文庫本で野村克也の「エースの品格」を見つけた。以前から興味はあった。108円だし、この際買おうかと手に取った。

 

その本の近くにビビビッと来る本があった。城山三郎の「少しだけ、無理をして生きる」。経済小説の開拓者。以前から興味のある作家の一人ではあるが読んだことがない。だがなぜかきょうは心が訴えた。手に取ってみな、と。

 

どストライクだった。

少しだけ、無理をして生きる (新潮文庫)

少しだけ、無理をして生きる (新潮文庫)

 

 

 

「はじめに」を除き10章構成なのだが、文庫本タイトル(と同義の言葉)でもある第5章「少しだけ無理をしてみる」のこのくだりが非常によく、購入の決め手となった。

 

 中山素平という銀行家がいます。私も尊敬している人物ですが、彼がよく口にする言葉に、「箱から出なくちゃいけない」というのがあります。中山さんが人を評価する基準は、「あいつは箱の中に入って安住しているか、それとも箱から出ようとしているか」という点なのです。

 

箱、という単語に釘付けになった。自分を変えたい成長したいと念仏のように毎日唱えているけれど、本当に箱から出ようとしているのか? 冬の布団と一緒で、入っていればぬくぬく温まって過ごせるからな。環境のせいにして、やれることすらやっていないのではないか?……なんて言うとちょっと卑下しすぎだが、あのくだりに横っ面をはたかれた感じはあった。

 

城山氏は続ける。チャレンジし続けよう、と。確かにやってみてすぐ結果が出るとは限らない。でもやらなければいつまでたっても箱の中。進歩はしない。先行きがない。だから城山氏自身も「できるだけ少々無理をしよう、箱から出よう」と心がけている、と述べていた。

 

この「少々」というのがアラフォー殺し。そう、もうがむしゃらな20代でもなく、30代ほどの野心もない。が、まだ諦めてはいない。とはいえ全力はどうなのかな。なんて逡巡してしまうからこその「少々」。少々ならやれるんじゃないか。少々ならいけるよな……。

 

結果的に「少しだけ、無理をして生きる」はお買い上げとなったのだが、この本は元々は「逆境を生きる」というタイトルだったと後で知った。このタイトルだったらちょっと重たい感じがして、買っていない。少しだけ、無理をして生きてみようと思っていたからこそ、古本屋の本棚の中から見つけられたのだ。そういう意味ではいまこのタイミングで読むことにこそ意味がある。これもリアル書店の良さだろう。もちろんAmazonでもほどよいレコメンドはあるけれど。

 

この第5章だけでも購入する価値はあったのだが、ほかの章も面白そうだ。文庫本は200ページしかない。おちょこでちびりちびり飲むように味わおう。さて、どうだろう、皆さんは箱の中に安住しているのか、出ようとしているのか。私はもちろん箱から出たい。そのためにきょうも「少々無理をして」ブログを執筆。そう、ほんの少しの負荷がいいのだ。城山氏は励ましてくれている。少しだけ無理をすることで、自分の世界に素晴らしい変化がもたらせるかもしれない、と。このくだりはぜひ原文でお楽しみください。

少しだけ、無理をして生きる (新潮文庫)

少しだけ、無理をして生きる (新潮文庫)

 

 

 あわせて読みたいおすすめの本の記事はこちら。

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com

 

tf-zan96baian-m-stones14.hatenablog.com