黒柴スポーツ新聞

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栗原陵矢が長谷川勇也から受け継ぐもの〜背番号24に込められた思いとは

今季限りで引退した長谷川勇也の背番号24。誰が受け継ぐかと思っていたら、栗原陵矢だった。栗原は長谷川の引退試合で涙を流していた。きっと、特別な思いと共に、背番号24を受け継いでくれることだろう。

受け継ぐ、と言えばホークスの若手に言いたい。長谷川勇也の最後の打席を思い出してほしい。ボテボテの内野ゴロ。それでも長谷川は万に一つの可能性を求めてヘッドスライディングした。高校野球などである、気持ちを表すヘッドスライディングではない。セーフになるためのヘッドスライディング。その証拠に長谷川は頭から突っ込んだ後に審判の方を向いて判定を確かめていた。そしてアウトだと悟ると顔を歪めた。最後の打席をヒットで飾りたかった、というような独りよがりの思いではない。チームが勝つためにチャンスを拡大したかった。だが出来なかった。だからこそ、次打者の甲斐拓也がホームランを打った瞬間、長谷川は喜んで、涙を流した。そう、そこまでが長谷川の最後の打席なのだった。そのくらい長谷川は一打席に賭けていた。若手に言いたいのはその執念。一投一打に賭けていたか。何でも気持ちで片付けるつもりはないが、今季のホークスは気迫が物足りない感じがした。

栗原にはぜひ長谷川の背番号と共に、一打席に賭ける執念を引き継いでもらいたい。そしてもちろん、卓越した技術も。21本塁打と77打点は上等だが、2割7分5厘はやや物足りなかったか。2013年の長谷川は3割4分1厘、198安打。ものすごくハイレベルだが、栗原はそこを目指しているらしい。個人的には勝負強さを磨いてホームランと打点を量産してもらいたいが、果たして栗原は背番号24でどんなバッティングを披露してくれるのか。長打もあり、率も狙えるとしたらオリックス吉田正尚みたいになるのか。だとしたら座るのは3番か?5番か?今からとても楽しみだ。

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