黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

オリックス脅威の粘り。村上、奥川は天国から地獄…2021日本シリーズ波乱の幕開け

日本シリーズ第1戦はヤクルトが3ー1で勝利。2年目の奥川が期待に応えて7回1失点の好投。4番村上宗隆に勝ち越し2ランが飛び出した。一方、オリックスは絶対的エースの山本由伸が先発だったからこの敗戦は痛い1敗となった…。とここまで予定稿を書いておきながら、最終回のオリックスの攻撃が盛り上がってきた。先頭の紅林がライト前ヒット。脅威の代打率4割のジョーンズが四球を選び無死一、二塁。さらに福田周平のバントが三塁アウトかと思われたが、送球がややされて村上が落球。無死満塁のビッグチャンスとなった。しかもバッターは宗。京セラの盛り上がりが最高潮となったところで起死回生の同点2点タイムリー。解説の松坂大輔が「球場の雰囲気が嫌ですね」と言った矢先だった。そして死球のけがから帰ってきた吉田正尚がサヨナラタイムリーでとどめ。ヤクルトベンチの高津監督は動けず、奥川の表情は色を失っていた。

天国から地獄という心境は村上か。4番としてホームランを放ちチームを勝利に近づけながら、最終回に痛恨の落球。マクガフのバント処理の送球が二塁側にそれたものを必死で取りに行ったのだから村上のミスというのも気の毒なのだが、試合の分岐点になったのは間違いない。好投した奥川と共に、この敗戦はプロ野球生活で忘れられない負けになるだろう。

それにしてもオリックスの諦めない攻撃には脱帽するしかない。シーズン中も最後の最後まで粘りに粘るのだがパリーグの各チームは痛い目に遭わされてきた(筆者はソフトバンクファン)。ヤクルトファンの皆さん、これなんです。オリックスが厄介なのは。2点差で最終回を迎える場合は最悪同点があると心の準備をしてください。クライマックスシリーズでも最終回に強硬策、強硬策でを決め、日本シリーズ第1戦もサヨナラ勝ち。ますます厄介になってきた。投手戦を予想していた日本シリーズだが、打ち合いの様相が垣間見えた第1戦。継投の難しさもにじみ出ており、見る側としては楽しめそうな展開になりそうだ。


福岡ソフトバンクホークスランキング