黒柴スポーツ新聞

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デスパイネとグラシアルに、ソフトバンクに残ってもらいたい理由

「V逸のソフトバンク デスパイネ&グラシアルに早くも残留ラブコール」という東スポWebの見出しに目が行った。わが黒柴スポーツ新聞も大賛成。是非とも二人にはソフトバンクに残ってもらいたい。その理由はこれしかない。「手を抜かないから」。これに尽きる。

記事によると推定年俸はデスパイネが4億円、グラシアルは3.5億円。高額だとそれに見合う活躍ができなければファンから猛烈なブーイングが飛び出すが、特に目にしない。なぜか? 彼らからは一生懸命さが伝わってくるのだ。分かりやすいのが走塁。先日、本塁でタッチアウトになったものの、デスパイネは二塁から猛然と走って帰ってくる。試合終盤だとさすがに代走が出るが。グラシアルに至っては平気でヘッドスライディングをする。助っ人外国人がユニフォームの上半身を汚すのはあまりお目にかからないが、グラシアルはそれがよく似合う。ケガだけは気をつけてほしいけれど。真面目すぎて送りバントしちゃうこともある。どんだけ献身的なんだか。

比較して申し訳ないが、バレンティンはただでさえ5億円と、批判されるハードルが低い上に打撃で結果を残せず。挙句の果てには「時間を巻き戻せたら、もっとよい決断をするのに」などとツイート。かつて「カネで幸福は買えない」などと意味深なツイートをしたこともあり、ソフトバンクファンはあきれたことだろう。私もひとこと言いたい。キミに背番号4を譲った川島慶三の気持ちになってごらんよ、と。バレンティン自由契約になったがもはやたいして話題にもなっていない。

ものすごい球を投げたりものすごい打球を打つだけが助っ人じゃないし、そういう選手だから人気が出るわけでもない。ファンはよく見ている。この選手はチームのためにプレーしているのか?と。例えばマルティネス。勝ち星がつかなかったら「見殺しにするな」とかばわれてさえいる。マルティネスの場合は試合をきっちりつくるだけじゃない。味方が得点すると感情を爆発させて大喜びする。決して自分の勝ち星に結びつくからとかではない。自分のことのように喜んでくれるから、打った選手もうれしいことだろう。そう、和の精神だ。だからみんな仲良くな、というと昭和な締め方なんだろうけど、チームメイトの活躍をわがことのように喜ぶのはソフトバンクのベンチでよく見る光景。ソフトバンクの助っ人にはそういう雰囲気を大切にしてもらいたい。デスパイネもグラシアルも、もはやチームには欠かせない選手だ。今年はそろって活躍できなかっただけに、ぜひ来年こそはそろって打棒を発揮してほしい。


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