黒柴スポーツ新聞

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ソフトバンク7回の男は誰が適任?~鬼門作らず勝ちパターン確立を

ソフトバンクが8月7日の楽天戦で逆転負けした。4対2だったのに7回だけで5失点。先発東浜が四球で崩れ、売り出し中の小深田に逆転三塁打を喫した。嘉弥真は死球で傷口を広げ、高橋礼はロメロに3ランを浴びてしまった。翌日の西日本新聞の紙面には「また鬼門の七回」の大見出し。記事によると、負け試合では117失点。そのうち22失点が7回で、これはイニング別最多だという。

であれば、ここをしっかりしのげば優位にペナントレースを戦えるということだ。2019年なら甲斐野がいたが、故障で離脱したままだ。2020年は先発から高橋礼をここに持ってきたが安定感があるかというと磐石ではない。高橋礼は長いイニングを投げられるのだから、再び先発に戻し、ローテーションを守らせた方がいいように思う。ソフトバンクが継投必至であるなら、7回は1イニング限定でいいので、四球が少なく三振が取れるピッチャーがいい。甲斐野はランナーを出すことがあっても三振が取れた。高橋礼に三振が取れるイメージがあるかと言えば、そこまで相手チームに印象付けられていないのではないか。

じゃあ7回の男は誰なのか? 私は板東を推す。板東は先発志向があるが、落ちる球を生かして三振が取れるピッチャーと見た。初勝利を挙げた楽天戦でも勝負どころで浅村と対戦し、併殺打に仕留めた。低めに集めさえすれば、よい結果が出るのではないか。先発と中継ぎは調整方法が違うので、どちらにせよ、先発か中継ぎかを決めてあげてほしい。

津森の起用も面白いのではないか。初登板でいきなり満塁ホームランを浴びて話題になったが、なかなかいい面構えで、球威もある。四球さえ減れば勝ちパターンで使ってみてほしいピッチャーだ。津森は右だが、左なら川原はどうか。球の速さは魅力的だ。同じ左には嘉弥真がいるが、できれば対左バッターのとっておきにしたい。川原には嘉弥真にはない力強さがある。嘉弥真には川原にはない緻密さがある。同じ左でも使われ方が変わってくるはずだ。

7回の男が誰になるにせよ、とにかく四死球は命取り。「四球から生まれるものは何もない」とまたまた工藤監督が発言した。先発が7回まで踏ん張れば一番いいが、先発でも中継ぎでも、鬼門の7回はとにかく丁寧に投げてもらいたい。そうすればソフトバンクの勝率は上がるのだから。同率首位の楽天は打撃ベストテンに3割が4人(鈴木大地、ロメロ、茂木、浅村)いるのにソフトバンク柳田悠岐1人(途中合流の中村晃は入っていない)。それで同率首位なのは投手陣の頑張りがあってこそだ。鬼門を作らず、勝ちパターンを確立して、厳しいペナントレースを乗り切ってもらいたい。


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