黒柴スポーツ新聞

ニュース編集者が野球を中心に、心に残るシーンやプレーヤーから生きるヒントを探ります。

三森初ホームランが逆転3ラン!切り込み隊長の活躍でソフトバンク開幕8連勝

ゾワゾワゾワ。三森大貴のプロ初ホームランを告げるRKBエキサイトホークスを聴きながら鳥肌が立った。ついに、ついにその時は来た。

お立ち台で三森自身、言っていた。公式戦では打てないんじゃないか、と。確かに三森はリチャードみたいな大砲ではない。いわゆるシュアなバッティング。ミートする、とらえるタイプだ。ホームランというよりは二塁打三塁打が出るイメージ。当ててばかりじゃなくて、もっと力強く振ればいいのにと思ったことは何度かある。

初ホームランももしかしたら狙ったものではなかったかもしれない。鋭く振り抜いたら打球が良い角度で飛んでいったように見えた。だが三森は手応えがあったのか、がむしゃらに走り出したようには見えなかった。

試合は苦しい立ち上がりだった。アクシデントがあったのか、石川柊太が制球を見出して押し出しを含む2点を献上。カーラジオを聴きながら、あ、これは負けゲームの展開だなと悪い予感がした。とうとう開幕からの連勝7が途切れるんじゃないかなと。しかし三森大貴の逆転3ランがすっかりムードを変えた。

三森につないだ今宮の二塁打もよかった。ガルビスも打率は低いが何だかんだで出塁もしている。また、その後のタイムリーを含む4打点の三森に隠れてしまったが柳町達は2安打、うち一本はタイムリーだ。栗原陵矢の離脱は痛いが柳町にとってはチャンスでもある。初めて2番を任された試合できっちり結果を出した。

三森が初ホームランを打ったり柳町が低めの球に食らいついてタイムリーを放ったり。こっそり白状すると柳町の時はちょっと泣けた。こうやって努力は報われていくんだなぁと。三森もそうだ。結果を出しても実績がないから変えられてしまうこともあった。打つ前に、バットを担いで肩に乗っけるスタイルを編み出したが、タイミングを取るのに若干時間を要して間に合わなくなっているのではと指摘されることもあった。スーパースローで見るとインパクトの瞬間体が伸び上がっているようにも見える。でもそうすることによって体が前に突っ込むのを我慢しているのかもしれない。イチローの若い頃もそうだったが、結果を残すまではさまざまな注文が付く。そういうものだろう。

お立ち台での三森は輝いていた。ちょび髭がだんだん似合って見えてきた。そのうち三森のようにバットを担いで打つ野球少年が現れるだろうか。Bクラスに沈んだホークスと今のホークス、何が違うかの筆頭は切り込み隊長・三森の存在。それがはっきりした今季初のオリックス戦だった。


福岡ソフトバンクホークスランキング