黒柴スポーツ新聞

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ソフトバンク三森4打数4安打で4割超え〜レギュラー獲りへ最大のチャンス到来

ただいま売り出し中の男がまた活躍した。三森大貴。広島戦で4打数4安打の固め打ち。広島の先発玉村に完璧に封じられたソフトバンク打線において、一人気を吐いたと言っていい。うち1本はタイムリ三塁打で、チームは負けを免れた。その長打が外野を深々と割った瞬間、私は鳥肌が立った。三森が覚醒しつつある!と。

人生何があるか分からない。ソフトバンクのセカンドは周東で開幕。しかし出塁できなくなってくると、スタメンは牧原大成が務めるようになった。牧原はコンスタントにヒットを打ち、定位置を手にした…はずだった。が、皮肉にも全力プレーがあだとなったか、脚を傷めてしまった。そして浮上してきたのが三森なのだった。昇格して即スタメン。タイムリ三塁打を放つなど打力や走力をアピールすることに成功している。もし周東や牧原が想定通りの活躍をしていたら、三森は1軍に呼ばれていたのかは分からない。

「レギュラーを取る時は一瞬たりとも気が抜けない」。三森が4安打した日のラジオ中継で、解説の島田誠がそう言っていた。三森は今、最大限アピールしておかねばならないが、今のところ大成功だ。打席数がまだまだ少ないとは言え、打率はついに4割を超えた。広島戦での1試合4安打はいずれも左ピッチャーから。この点を島田誠も絶賛。「なかなか打てませんよ。僕もなかったんじゃないかな? あ、鈴木啓示から5打数4安打がありましたね」にはズッコケてしまったが、確かに左だからといって起用を躊躇されていてはレギュラーとは言えまい。まだまだタイムリーを打った後のガッツポーズも控えめだが、それが初々しくて笑ってしまった。だけどもすごくうれしさの伝わるガッツポーズに見えた。青森山田高校出身の5年目、三森大貴が今、スタメン獲りへ最大のチャンスを迎えている。


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