黒柴スポーツ新聞

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ガルビス起死回生の満塁弾!ソフトバンク、新旧融合で白星発進

動の新庄ビッグボス、静の藤本新監督。対照的だなと思ったが、ここぞという時に動いた藤本監督に軍配が上がった。スタメン今宮健太に代えて代打ガルビス。来日初打席初安打を記録すると、次の打席は8回裏、一打逆転のビッグチャンス。ここで起死回生の逆転満塁ホームランを放った。キミはケビン・ミッチェルか?


8回の攻撃はノーアウトから松田宣浩が口火を切った。若干追っつけるようにライト前にヒット。大幅減俸で頬を紅潮させながら、翌シーズンの開幕戦スタメンを勝ち取るあたりが松田宣浩イズムを感じさせる。


続く上林誠知も今年が勝負の年。死球を二つ喰らいながらも、出塁できていることの方が大事なくらいだ。貴重な走者を進塁させる送りバントをきっちり決めたのはよかった。上林は大きい一打を打ちたいだろうが、そのためにもまずは使ってもらわないと。開幕戦では出塁&送りバントで献身的な貢献ができた。バントを一発で決めてうれしいはずだがちょっと照れ隠しの表情。そこも含めて上林の魅力か。


ここで甲斐に代えて牧原大成。牧原もかつては自分がオレがというムードが出ていたがつなぎの役割を果たせるようになってきた。フルカウントからでも積極的に手を出すタイプ(ビビって甘い球を見送るより遥かにマシだが)だがよく我慢して四球を選んだ。


先輩たちがつないだチャンスを拡大させたのは三森大貴。2022年チーム初安打はこの男だ。目標は全試合出場という三森。8回のチャンスではタイムリーが出れば最高だったがしぶとくショート左を突いて出塁。満塁となった。


新庄ビッグボスはここで杉浦を諦め西村に継投。スイッチヒッターのガルビスは初安打を放った右打席ではなく左打席に立った。この試合再三得点圏にランナーを進めるもあと一本が出ずストレスが溜まっていたソフトバンクファンだったが、ガルビスが低めの変化球を巧みにすくうと、打球はホームランテラスに吸い込まれていった。


バンザイをする藤本監督。新庄ビッグボスでお決まりのポーズだがお株を奪う歓喜のシーンだ。最終回は森唯斗が貫禄の3人斬り。7回1失点の先発千賀滉大、3者連続奪三振の中継ぎ津森宥紀と安定の投手リレーだった。


初戦から7人の投手をつぎ込んだりニューフェイスを起用する新庄ビッグボスの全員野球が取り上げられがちだが、藤本ソフトバンクも新人の野村勇を代走で起用したり、代打を送った捕手・甲斐の後を海野に任せたり。新旧融合で戦えば結果はついてくる、そんな雰囲気が感じられた。長谷川や川島慶三が抜けて代打陣が若干手薄な印象は否めないが、その穴を埋める新しい力が出てきてほしいところ。課題と期待。両方感じられた大興奮の開幕戦だった。


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