エースは結果に責任を負う~2006年ソフトバンク斉藤和巳の涙に学ぶ
平成を振り返る企画「シリーズ平成史」をNHKのサンデースポーツ2020がやっていた。最終回は「野球」。そこにソフトバンクホークスの試合も出てきたのだが、名場面に選ばれたのはどの試合のどんなシーンだったか、ホークスファンはすぐ分かるだろうか?
プロが選んだ名場面。ホークス戦はその第10位に出てきた。日本ハムとのクライマックスシリーズ。マウンド上にいたのは斉藤和巳だった。そう、あの有名なシーンだ。ホークスファンには思い出したくない場面かもしれない。だが、見方を変えればこんなに骨太のエースがいたのだ、とちょっと誇らしくなるのではなかろうか?
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この2006年シーズン、斉藤和巳は18勝を挙げ最多勝に輝いた。最優秀防御率、最多奪三振に最高勝率。当然のように沢村賞に輝いた。それを支えたのは「オレがやる」というエースの自負、だったのではないか。
だからこそ決戦のマウンドでは相当入れ込んでいたことだろう。
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日本ハムのバッターは稲葉篤紀だった。9回裏二死1、2塁。稲葉の放ったセンター前に抜けようかという当たりをセカンド仲沢が好捕。ショートにトスをするも、一瞬早くランナーがセカンドに到達してしまった。セカンドから一気に稀哲が生還。日本ハムがサヨナラでリーグ制覇を成し遂げた。
マウンドでひざをついたまま起き上がれない斉藤和巳。歓喜に沸くファイターズナインとはまさに天国と地獄だった。ズレータとカブレラがわきを固めてようやく斉藤和巳を引き上げさせたが、プロ野球選手でこれほどまでに悔しさを見せた人がいただろうか?と思ってしまうくらい、マウンドに懸ける思いが伝わってきた。
これを見ると、エースとは責任を体現する人なんだなと再認識させられる。結果を残すだけでなく、結果に責任を負う人。それこそがエースだ。
斉藤和巳は通算79勝だから、もっと勝ち星の多いピッチャーはたくさんある。しかし同じ2桁勝利でも多い方から20勝3敗、18勝5敗、16勝1敗と、圧倒的な勝ち方だった。これもエースだったことを強く印象付けた要因だろう。この貯金の多さは負けない人だったことを証明している。
そしてやはり自分はエースなんだという自負があった。だからこそマウンド上で立ち上がれないほど脱力してしまったのだ。そのくらい自分を高められるってすごいなと今でも思わされる。ホークスファンとしては忘れたいシーンかもしれないけれど、実は忘れてはいけないシーンなのだとも思う。
誰もがエースになれるわけではない。だからこそ、エースは絶対的な存在なのだが、エースでなくとも自分のやることには思い入れを持ちたいし、できれば結果を残したい。そして斉藤和巳を見習って、結果には責任を持ちたいと思う。予想外のタイミングではあったが、懐かしい映像を見て背筋がピンと伸びた気がする。これをいいきっかけにしたい。
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