黒柴スポーツ新聞

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場慣れすることが余裕を生む~ソフトバンク福田秀平が行使できる2つの宣言

「試合慣れしている」

RKBのエキサイトホークスを聴いていて、浜名千広の解説が心に残った。試合慣れしていると評されていたのは福田秀平だった。私には福田の心理がよく分かる気がする。最近の福田秀平は確かに打席で粘りがあるというか、落ち着きがあるように感じられる。ちょっとやそっとじゃ交代にならないという事実からくる落ち着き、と言っていい。それを浜名千広は「試合慣れ」と言っていた。

 

試合慣れしているも何も、福田は十分試合に出ているだろうと思われるかもしれない。13年もプロ野球選手をやっているのだから。しかし福田は言う。自分はレギュラーではない、と。確かにこれまでは代走や代打、守備固めでよく起用されてきた。それはそれでチームに必要な存在であり、福田を福田たらしめてきた。これまでも十分、福田には存在価値があった。

 

そんな福田秀平だが2019年のソフトバンクは故障者続出であり、福田は例年以上に重宝されている。時にはスタメン起用され、交流戦優勝争いの巨人戦では森福から満塁ホームラン、エース菅野の立ち上がりを崩す先制ホームランなど鮮烈な活躍をした。ファンからは交流戦MVPに推す声も出た。明らかに福田秀平の存在価値は上がったのだった。

 

 

浜名千広はその変化を読み取ったのだった。今までは途中出場が多く、それだと打席も1試合数回。1回だけ、さらには1度もないことすらある。そんな状態の人と、毎試合4回ほどコンスタントに打席に立てる人とは心理状態が違うのだ。もちろんレギュラーがその地位を手にするまでには努力があるのだが、レギュラーはポジションの数しか選ばれない。狭き門なのだ。

 

福田秀平は13年を経てようやくスタメン起用が増えてきた。いまだ柳田悠岐は復帰が見通せず、今宮健太中村晃もめどが立たない。グラシアルの離脱も決まっている。後半戦も福田秀平にかかる期待は大きい。それは福田自身も分かっているだろうが、「数字は気にしていない。レギュラーを確約されている立場ではない」(スポニチ記事より)と慢心はない。だがあくまでも福田にとっては1打席1打席の積み重ねなのだ。

 

福田がバッターボックスに立った時、アナウンサーも言っていたが「その位置(レギュラー)を確固たるものにするために」ヒットを打っておきたい。もちろんこれまでチームに貢献してきた福田が自分のことだけを考えてスイングするとは思えないのだが、30歳という年齢を考えると、野心的なバッティングをしても許されるのでは……とも思う。

 

しかし福田は、一試合一試合やるだけだと言う。それを福田らしいと評価するか、だからレギュラーになれそうでなれなかったんじゃないかと見るか、判断が分かれそうだ。私はソフトバンクが勝つためにも、思いきってレギュラーを狙うと福田に宣言してほしい。今の福田の活躍なら誰も異論はないと思う。レギュラーではないのにホームランは自己最多の8号。その一発で7月9日の西武戦は逃げ切れたのだ。福田の長打力に4打席トータルで期待するという作戦もあっていい。しかも福田は守れるのだから。

 

一つ気になる記事があった。福田は7月14日にも国内FAの資格を得られるという。ソフトバンク一筋の福田が移籍なんて考えられないが、選手にとっては貴重な権利。もし宣言したら同じパ・リーグからでも声がかかりそうだ。だが私にはソフトバンク以外に福田に似合うユニホームはないと思っている。FA宣言するよりも(そもそも宣言しないかもしれないし宣言の上で残留するかもしれないが)、まずはレギュラー奪取宣言をしてもらいたい。福田の存在価値は日に日に高まっているのだから。

 

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